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平成28年1月4日 年頭市長記者会見

最終更新日:2016年1月13日
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【市長挨拶】

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 皆様明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。年頭にあたっての記者会見ということでございますので、今年1年の抱負を述べさせていただきます。
 本市は、政令指定都市に移行して5年目を迎えます。九州の中核をなす拠点都市として、更なる飛躍に向けて、実質的なセカンドステージ、新たなステージとしてのスタートを切ったと市民の皆様に実感していただけますよう、地域主義の理念のもと、市民の皆様の要望や提案をできる限り迅速に実現させるべく、全職員一丸となって様々な政策課題にスピーディーに取り組んでまいりたいと考えております。
 また、毎年お尋ねがありますので、漢字一文字でということで書いてまいりましたので、私の今年の一文字を掲げさせていただきたいと思います。「伸」という字です。昨年は「進」という字でありましたけれども、今年はさらに進めて伸ばしていくということで。市政運営にあたっては、熊本市の持つポテンシャルをさらに高め、そして伸ばしていく1年にしてまいりたいと思っております。そして、職員力を伸ばしていくということ。昨年はいろいろな課題がありましたけれども、政令指定都市となって5年目ということで、職員自身がしっかり実力を伸ばしていくということ。それと同時に、地域力というものも伸ばせるように頑張っていきたいなと思っております。それともう一つ願いを込めたのは、少子化の時代にあって、未来を担う子ども達が、伸び伸びと育ち、伸び伸びと学び、生活をしていけるような都市に、今年1年したいなという思いも込めて、成長するための伸びを出したい、そういう気持ちで一生懸命書かせていただきました。

【市長発表:本年の主な取り組みについて】

 それでは、本年の主な取組みについて、順次述べさせていただきます。まずは、本市の重要課題であります熊本市第7次総合計画、「熊本市まち・ひと・しごと創生総合戦略」及び「連携中枢都市圏構想」を今年度中に策定をいたしまして、まちづくりへの取り組みを加速してまいりたいと考えております。
 1点目の、熊本市第7次総合計画につきましては、マニフェストに総合計画の全面的な見直しを掲げ、真に市民と行政とが共有するまちづくりの方針となるよう、これまで計画策定段階からワークショップや市民懇話会、市民意識調査などを実施し、積極的に市民意見の聴取に努めてまいりました。そして、めざすまちの姿を、市民が住み続けたい、誰もが住んでみたくなる、訪れたくなる、上質な生活都市とするとともに、まちづくりの重点的取組として「安心して暮らせるまちづくり」、「ずっと住みたいまちづくり」、「訪れてみたいまちづくり」の3点を掲げ、主に子育て環境の整備や地域コミュニティの形成をはじめ、多核連携都市の形成、観光資源の魅力向上やMICE誘致等により、伝統文化とエンターテインメントが共鳴するにぎわいの創出等の取り組みを推進していくこととしております。
 次に2点目の、「熊本市まち・ひと・しごと創生総合戦略」についてでございます。まず仕事づくりに力点を置き、新たな仕事を生み出す好循環の取り組みを、人口の現状と将来の展望を示す人口ビジョンと併せて戦略として取りまとめることとしております。
 3点目の連携中枢都市圏構想についてでございますが、人口減少・少子高齢社会にあっても、持続的な経済・社会を構築していくためには、近隣市町村との連携を強化し、圏域全体で取り組んでいく必要があると認識しております。そこで、昨年の第2回定例会におきましては、政令指定都市として初めて「連携中枢都市宣言」をいたしました。その後、近隣市町村と広域連携事業に関する協議を重ねてまいったところです。今後は、近隣市町村と連携協約を締結するとともに、圏域の将来像や具体的取り組みを示した連携中枢都市圏ビジョンを取りまとめることとしております。
 この他にも、本市の都市マスタープランにて、目指す将来像として掲げております多核連携都市実現のため、都市機能及び人口密度を維持・確保するための立地適正化計画と、持続可能な利便性の高い公共交通網を形成するための熊本地域公共交通網形成計画を互いに連携・整合を図りながら、本年度末までに策定したいと考えております。
 さらには、このことに関連して多核連携都市における公共交通利用の選択肢を増やし、定時性・速達性に優れた鉄軌道を更に充実させるため、市電延伸の検討に取り組んでおります。現在、東部方面、田崎方面、南熊本駅方面という3方面で5つのルートについて、調査を進めているところであり、来年度以降、まず最初に実現化に向けて取り組むルート案を決定したいと考えております。
 また、本年度中の策定を予定しております重要な計画として、教育、文化、スポーツの振興に関する総合的な施策についての目標や方針を定める「熊本市教育大綱」を策定し、子どもたちの徳・知・体の調和のとれた人づくり、生涯を通した学習や文化芸術の振興を目指し、それらを取り巻く課題解決に向け社会全体で取り組んでまいることとしております。
 次に、桜町再開発事業については、再開発事業者から夏頃の工事発注を目指して取り組んでいると伺っております。今後の着実な事業の推進を期待いたしますとともに、市としましては、来年までの2年間をMICE誘致における勝負の年と位置付けまして、誘致活動を本格化させてまいります。
 また、お手元に配布しておりますが、今月17日には熊本市男女共同参画センター「はあもにい」で、「音楽で彩る熊本のまち」と題しまして(仮称)熊本城ホールに関するトーク&ライブイベントを開催し、市民の皆様と意見交換を行う予定であります。今後も事業のプロセスを積極的に広報しながら、市民の皆様の納得を得られるよう事業の推進に取り組んでまいります。さらに、シンボルプロムナードについても、再開発事業と連携させながら、「まちの大広間」というデザインコンセプトのもと、歴史的な空間となるよう検討を進めてまいります。
 子育て支援については、子育て世代が希望を持って住み続けてもらえるよう、昨年保育施設への集中的な入所斡旋が奏功しました待機児童対策を、その完全な解消に向け引き続きできる限りの対策に取り組んでまいりますとともに、若者や未婚者に対する情報提供・意識啓発事業といった結婚・妊娠・出産支援の取り組みや、子育てしやすい職場環境整備のための企業支援など、仕事と子育ての両立支援等に重点的に取り組むこととしております。
 各区のまちづくりについては、マイナンバー制度実施に伴い、本年3月から市内約260箇所のコンビニエンスストアでの証明書交付が始まり、行政サービスの利便性が飛躍的に向上するものと考えております。今後、サービスの実施状況を踏まえ、窓口サービス機能の再編を行い、得られた人的資源を地域のまちづくり支援機能強化にシフトすることを検討しております。
 観光面では、本年が夏目漱石生誕150年・来熊120年にあたる記念の年であることから(※正確には、平成28年が来熊120年、平成29年が生誕150年)、夏目漱石内坪井旧居を中心に、熊本県や県内外の自治体、夏目漱石記念年100人委員会などの民間団体等との連携を図りながら、記念事業を推進していく予定としております。この事業の中で漱石と熊本とのストーリー性を構築するとともに、漱石に関連した文化や観光など様々な分野で県内外の関係自治体と交流を深めていくことで、「漱石の熊本」「熊本の漱石」を全国に発信してまいりたいと考えております。
 また、昨年10月には、熊本県・新宿区・文京区と本市の間で「文化と歴史を縁(えにし)とする包括連携覚書」の締結を行なったところですが、今月16日には、このご縁で、文京区にあります新江戸川公園内の松聲閣(しょうせいかく)の開所式に熊本県知事とともに出席する予定としております。今後とも、この覚書に基づき県や両区と連携をとりながら、本市の文化、歴史や観光等の情報を発信していきたいと考えております。
 また、その他の主なトピックスとしましては、昨年末から試験運転中の新西部環境工場が3月1日から本格稼動となりますのをはじめ、3月26日にはJR西熊本駅が開業いたします。
 また、秋には植木町岩野に、新市基本計画に基づく物産館「(仮称)農産物の駅」をオープンする予定でございます。同物産館は、現在、熊本市内初の道の駅として、国土交通省と協議中でございまして、早ければ近日中にも正式に申請する予定となっております。
 なお、国においては現在、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPの大筋合意を踏まえた農業対策や1億総活躍社会実現に向けた介護、子育て支援などの重点施策への緊急的な対応について、平成27年度補正予算及び平成28年度当初予算での検討が行われていることから、本市としても、今後国の動きに合わせて機動的な対応を図ってまいりたいと考えております。
 以上、新年の抱負や主な取り組みについて述べさせていただきました。昨年から取り組んでまいりました各種計画が、予定どおり本年度末に策定されますと、新年度からはいよいよこれらの新計画に基づき、新しい魅力と活力に満ちた熊本づくりに向け具体的な道筋を作っていく、いわば実質的なセカンドステージへと入っていくこととなります。そのため、平成28年度の予算編成につきましては、将来に向け持続可能な市政運営を意識しながら、既存事業については、不断に検証や見直しを行う一方で、マニフェストに掲げた130項目の施策を中心に、より市民ニーズや実効性の高い、また、本市の特性を踏まえた独自性のある施策を重点的に推進してまいりたいと考えております。今後とも、「聞く姿勢・話す姿勢・動かす市政」をモットーに、一人でも多くの市民の皆様との対話を大切にしながら、地域主義の理念を具現化していくとともに、総合計画に掲げる「上質な生活都市くまもと」の実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。私からは以上でございます。

【質疑応答:本年の主な取り組みについて】

【記者】今年政令市5年目で、就任して2年目の年になると思うんですけれども、今言われた取り組みの中で「これは最も取り組まないといけない」ものを挙げることがあれば、一つ挙げてもらいたいんですけれども。

 

【市長】一つだけ挙げるというのはなかなか難しいですけれども、私が昨年1年間の中で大きく取り組んできたのは、第7次総合計画に、市民の皆さんの声を反映したマニフェストに掲げた政策事業等々をしっかり反映をさせていくということが極めて重要だと思っております。この第7次総合計画と、それ以外の国の地方創生の動きにも連動いたします、熊本市まち・ひと・しごと創生総合戦略や、連携中枢都市圏構想、多核連携都市、立地適正化計画、こういったあらゆる計画ものが、必ず有機的にリンクしながら市政の推進に向かっていく体制をしっかり作っていくというのが、今年1番重要なことだろうと思っております。

【質疑応答:市電の延伸について】

【記者】市電の延伸について、今年はどこまで具体化に向けて進めていくかお伺いしてよろしいでしょうか。

 

【市長】市電の延伸については、3方面5ルートというのが今出されているところでございます。これらを、それぞれにどういう課題があるのか。延伸をするにあたって、交通事情、様々な規制もあるでしょうし、やりやすいルートはどこなのか、それからニーズの高い路線はどこなのか、そして将来に可能性がある、車社会から、出来るだけ公共交通へ。特に市電というのは、市民の足として非常に利用されている、期待感の強いものでもありますので、いくつものいろんな条件をお示しして、今回調査で分かったことを出来る限り市民の皆さんにお知らせをして、そして共有しながら、どういう形で将来の熊本の公共交通を形作っていくべきかを、新年度ではより具体的にしていきたいと思っています。先ほど申し上げました発表の中でも、ルート案ということを決められればということで、何も行政が勝手に「ドン」と決めるのではなく、市民の皆さんの声をしっかり受け止めながら、それと同時にまちづくりの全体的なグランドデザインですね。これは多核連携都市という一つの大きなまちづくりの方向性がありますので、こういったもの。それから、人口減少社会であって、熊本市の人口はこれから減っていくとは言え、60万人から70万人という間で推移していくことを考えますと、まだまだ世界的に見ても規模の大きな都市であると思います。そういう中では、公共交通が今の状態では、市民の足として十分ではない状態であると。これはバスも含めてですね。バス路線も含めて、繋がっていくように考えていかなければならない。そういうことが、将来にわたって安心して住み続けられる基盤づくりになると思いますので、市電の延伸の「伸」も(今年の漢字「伸」に)気持ち的に込められていますけれども、そういう気持ちで具体化に向けて、計画したけれども結局出来なかったということにならないように、必ず実現をさせるということを常に申し上げておりますので、そういう覚悟で今年さらに具体化していきたいと考えております。

 

【記者】ちなみに、いつまでに必ずというところまでは。

 

【市長】それはやはり、財源の問題もありますし、経営形態の問題もありますから、それを今というわけではありませんけれども、必ず将来は実現をさせるということです。それもあまり長い期間かけて、20年30年後ですよというレベルではないということ。スピーディーにやっていきたいと思っています。

【質疑応答:今年の漢字「伸」について-1】

【記者】先ほどの今年の漢字ですけれども、「まちのポテンシャルを伸ばす、職員の実力を伸ばす、地域力を伸ばす」ということでしたけれども、それぞれ伸ばす方法として考えていらっしゃることを具体的に教えてください。

 

【市長】どういう方向性で伸びていくのか。この熊本のまちというのは、「いろいろなポテンシャルがある。」と多くの人たちが長年言い続けているわけですが、そうは言っても、この熊本の良さはあるんだけど、発信力がまだまだ足りない部分があるということは、皆さんもお感じになっていることではないかと思います。一つは、積極的に熊本のまちの魅力を発見するためには、人がしっかり対話をしながら、外に向かって発信していくというのが重要でありまして、この「伸」という字は、「にんべん」に「申す」で、人が対話をしながら可能性を広げていくことが重要ではないかと思っています。私自身も、トップセールスとして、熊本市がどんどん伸びていくように積極的に取り組んでいきたいということが一つ。それと、職員力を伸ばすということに関しては、年頭の訓示でも職員に対して申し上げましたけれども、一つひとつの課題に逃げることなく、しっかり向かい合う、問題を直視することが重要だろうと思っております。その中から改善の方法というものが出てくると思いますので、そういう意味では、職員にまだまだ伸びる力がたくさんあると思っていますので、組織の機構改革もそうなんですけれども、組織風土全般を見直していく、そして意識をしっかり改革していくような取り組みを、具体的に一つずつ進めてまいりたいと考えているところです。

【質疑応答:連携中枢都市圏構想について】

【記者】様々な分野で連携が必要になってくると思うんですが、市長が最も重要だと考えていらっしゃる連携の分野はどういうところでしょうか。

 

【市長】例えば、観光であるとか、そういうものが分かりやすい例としてあると思います。そこが、今まで連携が取れていなくて、それぞれの市町村と熊本市でやっていたことが、熊本市に多くの人が集まっている拠点性があるということを考えると、熊本市の広がりを活用した取り組みをしてもらうということが重要ではないかと思っております。熊本市域のことだけを考えるのではない。例えば、阿蘇は世界的に魅力のある観光地でもあります。こういったところがしっかり結びついて、新たな他の地域の魅力に気付いていただくような取り組みをしなければならない。そういう意味では、今観光ということだけを例にとりましたけれども、連携するメリット・意味というのは、それぞれの持つリソース(資源)がありますよね、まちの持つ魅力、素材、こういったものを横で、水平的に連携をしていくことで、それが2倍にも3倍にも膨らんでいく、そういった取り組みにしなければなりません。熊本市は、幸い政令指定都市に移行することが出来ましたので、職員、あるいは組織体制というものがある程度整っている部分がございます、まだ不十分な点もありますけれども。そういう意味では、行政でも人は限られてきますから、小規模の市町村になればなるほど、人的なネットワークを深めて「一緒にやりましょう。」というようなことも、これからの人口減少社会の中で行政が一緒に取り組むことで、より地域に住む住民が市町村の境界を感じさせないような、熊本市であろうが、近隣の市町村であろうが、どこに住んでいても非常に住み心地がいい熊本だと実感していただけるように、特に人的な交流は進めながら頑張っていきたいと思っています。そこが、連携中枢都市圏においては限られた予算・限られた人材の中で、いかに市町村のそれぞれの住民に対してサービスを提供できるかどうか、ここがカギだと思っています。

【質疑応答:今年の漢字「伸」について-2】

【記者】熊本市のポテンシャルをさらに高めるということですが、熊本市のポテンシャルとして、まだ伸ばしたいと思われているところはどういうところですか。

 

【市長】例えば観光面でも、外の人から見た時に、熊本にもっともっと多くの人が訪れたくなるという可能性は非常に高い。それから、誰もが住んでみたいという、移住も含めて、Uターンでもそうでしょうけれども、そういう可能性がまだまだあるけれども、そこが十分に知らされていないような気がいたします。熊本に多くの人々が快適に暮らすことが出来るんだということ。首都圏あたりの大都市部に人口が集中している状況の中で、熊本の伸びしろがまだまだあるということを感じますので、そういう一つひとつのことをしっかりやっていく。伸びるということは、どういう課題があるかというのを、もう少し具体的に掘り下げていかなければならないと思います。例えば子育て環境の整備一つとっても、待機児童数のことは昨年来取り組んでおりますけれども、これだけではなく子育て支援の他の面で、熊本はどこに課題があるのか。そういう課題を克服すれば、人々がずっと長く住みたくなるようなまちに伸びていく可能性があるわけでありますので。そういうことを真剣にやっていきたいと思っております。また、まちの魅力としては、熊本というのは恵まれた自然環境があります。ですからこういった面では、動植物園から江津湖にかけて、市民のオアシスとなるようなエリアについては、まだまだ磨いて。これは熊本だけではなく、九州全体のオアシスとして、大都市の中にある地下水あふれるオアシスとして、もっともっと伸びしろがあるのではないか、伸ばすことができるのではないかと考えているところです。
 それから、桜町の再開発事業がいよいよ本格化をして、今年の夏までには解体が出来て、夏ぐらいから新たな建設が始まっていくと思いますが、これから中心部の伸びというものが出てくる。それからもう一つは、熊本駅周辺整備についても、いよいよJR九州の方でも、私も報道の方で拝見をしましたけれども、駅前の再開発についても、本格的な絵が来月にも我々の方に示されるというようなことであると思いますので、熊本駅周辺を副都心ということで、今まで県市で位置付けていたと思いますが、新しいまちが一つ生まれるという伸びが、期待できるのではないかと考えています。そして、連携中枢都市圏で他の地域と連携することで、圏域全体が伸びていくことを一つずつ着実にやっていくことが重要だと思っています。

【質疑応答:「音楽で彩る熊本のまち」トーク&ライブイベントについて】

【記者】1月17日のトーク&ライブですけれども、題名が「音楽によるまちづくりの可能性を探る」ということで、今まで観光とか、熊本市では自然が豊かだとか、美味しいものがいっぱいあるということを活かしていくという中で、音楽によるまちづくりというのは突然出てきたような感じがするんですけれども、(仮称)熊本城ホールをイメージされているものなのでしょうか。具体的に、音楽によるまちづくりのいうのはどういうものなのですか。

 

【市長】音楽によるまちづくりというのは、私がただ単に言い出しただけではなくて、MICEアンバサダーの皆さん方といろんな語らいの中で、熊本でいろんなエンターテイメントを、桜町の再開発、(仮称)熊本城ホールについてもやっていこうという中で、一つの大きな切り口として音楽というのは、多くの世代を越えた共感を生むものなんです。熊本というのは、比較的いろんな音楽を実際にたしなんでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃいますし、音楽についての関心の高い方々が多い地域でもありますので、一つの切り口として「音楽」ということもキーワードにしながら、これを伸ばしていく。熊本が音楽のまちであるということが、なんとなくイメージできるように。将来「熊本というのは、音楽が盛んですよね」と。今まではそんなイメージはないですよね。しかし、以前は熊本でも小さなライブハウスがいくつかある中で、熊本でどのくらいヒットすれば、あるいは、関心が高くなれば全国で行けるなという土壌がもともと熊本にはあったんです。そういう意味では、熊本と言えば音楽。例えば、アメリカで言えば、ニューオリンズと言えば音楽というイメージができますよね。そういう楽しく、賑わいのあるという意味では、音楽というのは誰もが共通するものであると思いますので、共感を持って広げるという意味では、まちづくりの一つのきっかけになるものではないかと思っております。

【質疑応答:動植物園の再編整備について-1】

 

市長記者会見の様子
市長記者会見の様子

【記者】先ほど出てきた動植物園の再編整備についてですけれども、改めて整備する理由と、来年度の当初予算にも挙げられています調査費のポイントを教えていただけますか。

 

【市長】これまで再編を歴史的に繰り返してきたわけなんですけれども、江津湖畔、レイクサイドに位置しているということを、皆さんが感じられる場面が少ないのではないかと思ったわけです。私は、水前寺公園から江津湖にかけてこの一帯、以前は水前寺公園の横に動物園があったのが、移転をして今の地域に行ったんですけれども、やはりあれだけの自然環境があって、そことの融和というのが非常に重要だと思いました。ここをテコ入れすることによって、動植物だけに限らず、本当に豊かな自然の中で動物や植物が自然の中で共生をしていくという、シンボリックな熊本の自然環境を守っていくうえでも、非常に重要な場所であると考えました。今はちょっとずつリニューアルをしていますけれども、ここはしっかりと力を入れながら、子ども連れだけでなく、老若男女たくさんの方が集えるような場所にしたいと思いました。江津湖全体を再整備していく上でも、拠点として大きな場所だと私自身は認識しております。マニフェストの方にも江津湖のことは掲げておりますが、当然動植物園エリアというのは江津湖のエリアに入っていますので、ここの魅力を高める。例えば南門というのがあるんですが、この辺りも江津湖にすぐ面しているんです。ところが、動物園側の入り口から入るとすごく奥の方にあって、なんとなくそこまで行かない。行ってみるとパッと湖面が広がるようなエリアがあるので、そこに民間の施設であるカフェであったり、レストランであったり、素敵な空間をこれから作っていくことで、動植物園だけでなく、江津湖の魅力両方を楽しめる。そして、多くの市民の皆さんが楽しめる場所になると思います。そういう願いを込めて、新年度に調査をして、動植物園を再編整備していこうと。これは、多くの市民の皆さんの声も頂かなければならないと思いますけれども、将来的には、江津湖全体の環境を良くしていくための入り口の部分という意味でも非常に大事で、今の江津湖は、豊かな自然ではあるんですけれども、もっともっと環境を活かして、特定外来種の除去をしたり、もっとクリーンアップして魅力を高める、江津湖の潜在的なポテンシャルを伸ばしていくことが必要だと思っていますので、こういったことを今検討しているということです。

 

【記者】中心としては、今進められている自然の環境で動物を見られるということをさらに進めていくということと、カフェやレストランを整備していくと。

 

【市長】そうですね。実際に行かれたらお分かりになると思いますけれども、かなり遊具、レストランであるとか、そういった施設が老朽化をしています。こういったものが、いずれにしても今からリニューアルを何らかの形でしていかなければいけないんですが、一つひとつがただ古くなったからそこだけをマイナーチェンジをするんではなくて、ある意味ではフルモデルチェンジに近いぐらいの勢いで活かすことが大事ではないかなと思っております。

【質疑応答:子ども医療費助成について】

【記者】今年度、子ども医療費助成の拡充に向けて議論を進めていらっしゃると思うんですけれども、来年度はどのくらいまで具体化されるおつもりですか。

 

【市長】まだまだ予算編成の作業中であるので、まだ明確なことは申し上げられません。私のマニフェストに掲げている項目ですので、これは自己負担の割合も含めて、それからどこまで段階的にやっていくのかも含めて、中学校3年生まで一気にドンというわけには、財政の状況からしても一気呵成にはなかなか難しいのではないかというのが、予算編成作業をしながらの感触でありますが、それも一つずつ進めていきたいということで、市長査定の間までに各局でそれぞれ議論をして、持続可能な制度にしないといけないということ。それから国の方でも、自治体間でばらつきがあっていいのかという議論が始まっていますので、こういった動きとも連動しながら。私自身は、どこに住んでいても、子育て支援というものが同じように受けられるというのが、ある意味では日本が少子化に立ち向かっていく大事なポイントだろうと思いますので、そこは国とも連動をしながらやっていかなければならないと思っています。今は、具体的に4月以降どうなるかということは申し上げられませんけれども、そういう準備を進めているという状況だということでお許しいただければと思います。

【質疑応答:熊本駅の再開発事業について】

【記者】JR九州の熊本駅の整備について、駅ビルの開発についても絵が少しずつ出てきているんですが、それについての市長の感想と、市としての関わりと対応、それから駅前広場の整備の方は市が進めていきますが、市電の乗り入れ断念後はまだ新しいものは出てきていないんですけれども、それについて今後の見通しを教えてください。

 

【市長】まず、JR九州が進める熊本駅ビルの開発、あるいは駅周辺の再開発事業に関しては、大いに期待をしているところです。報道されましたけれども、2021年春開業で、例えば日本庭園だったり、水と緑がテーマだったりということで、博多駅に次ぐ規模の開発をする予定であると伺っているところです。報道によりますと、2月ごろ私の方にもお話が具体的にあると思いますので、熊本が九州中央の陸の玄関口として相応しいだけの開発をしていただけるように、市民も願っていると思いますが、JR九州の方にも地元の期待が大きいということもよく意識をして、開発の計画あるいは絵姿を我々に示していただきたいなと思っています。どこの駅と比べてどうだ、ということではなく、熊本は九州の中央の政令指定都市として、福岡に次ぐ、ある意味では第二の拠点都市として大きな伸びしろがある、伸びる可能性のある都市でもありますので、それに相応しい開発がなされるように期待をしています。
 一方で、この用途変更を伴うということになってきますので、そうなりますと、それなりの規模感がしっかりあるのかどうか、投資の見通しがどうなのか、ということをしっかりお聞きしなければならないと考えております。我々も用途変更の認可権者でもありますので、JR九州さんからは出来るだけ詳細な情報をいただいて、市民の皆さんに納得をいただけるような形での開発をしていただかなければ、それだけの規模感というものがなければ「はい、そうですか。」と言って用途変更するものではなくて、やはり大きな開発として、これから熊本市あるいは熊本県だけではなく、九州全体の陸の玄関口として相応しいだけの開発をする、「だからこそ、こういう用途の変更が必要なんだ。」と、そういったJR九州からのきちんとしたご説明があれば、それについて真摯に、スピーディーに検討していきたいと考えております。
 駅前広場についてですが、現在、意見の募集をさせていただいておりまして、駅前広場の機能性、今の姿についてどう考えていらっしゃるのか、未来の姿について市民の皆さんがどういう希望を持っておられるのかということについて、今(市のホームページで)アンケートを取っておりまして、1月15日までの締め切りだったかと思います。かなりいろいろと意見が出ていると聞いておりますので、ある程度の市民のニーズがどこにあるのかということを考えなければいけないと思っております。市電の乗り入れの断念は安全性の面、それから駅前広場を活用する面でも、乗り入れせず、しかも市電の西側の延伸も含めて検討をしていく中では、物理的にも、安全面の観点からも、昨年の段階で断念をしたわけでございますから、逆に言えば、以前は県の方が中心となって東口の再整備ということで進めていたものが、今は熊本市が全面的にこれから駅前広場整備の主体となっていくわけであります。ですから、もともとの絵姿とJRが開発される規模感。例えば、新聞によると、シンガポールの植物園のガーデンズ・バイ・ザ・ベイの緑化施設みたいなものをイメージされるということであれば、当然のことながら駅前広場の今のデザイン・機能も大きく変わってくると思いますので、そこは2月ぐらいまでの段階で市民のご意見、JR九州さんの構想を踏まえながら。それと同時に、桜町のバスターミナルと熊本駅前をサブバスターミナルの拠点として整備するという、交通の流れの面の再編もございますので、そういったものをしっかり見極めながら、市民の皆さんに少しずつ絵姿を、熊本駅のビジョンというものが目に見える形でお示しできるようにしたいと考えているところです。

 

【記者】JRの駅ビルのイメージ、機能とかデザインに駅前の広場の方をリンクする感じですか。

 

【市長】そうですね。駅舎と駅ビルと駅前広場がバラバラではどうにもならないと思います。周辺の全体のまちづくり、景観がマッチする施設にしていかなければならないだろうと思いますし、交流の拠点でもありますから、人の流れ、動線もしっかり確保される、あるいは賑わいのイベント広場をどういうふうに確保するのか。遊び心のある空間にしたいというのも、JR九州の方でお考えになっているようでありますので、そこはしっかり調整をしながら、バラバラにならないように、一体となって進められるようにしたいと考えております。

【質疑応答:動植物園の再編整備について-2】

【記者】先ほどお話がありました、動植物園の再編の内容とスケジュールが、もう少し詳しく分かれば教えていただきたいのと、同様に老朽化に対応しなければならない公共施設が他にもたくさんあると思うのですが、今年以降懸案になりそうなものが市長のお考えにあったらそれも併せて教えてください。

 

【市長】動植物園の計画については、現行の再編整備計画というのが今年まで(※正確には3期目までが終了。未整備分については新計画の中で併せて検討)ということになっているんです。ですから、この16年度から新計画に移行するということで、新たに調査費をつけて整備をしていこうということでございます。ですから、いつごろまでにそれを完成させるかどうかということは、今後、動植物園あるいは担当局とも検討しながら進めてまいりたいと考えております。いずれにしても、老朽化しているもの、あるいは危険なものの除去というのは、個別に進めていく部分があるかと思いますが、全体として動植物園の魅力をアップするということで、単純な再編というよりは、大きなリニューアルという位置付けで、新しい調査をしながら計画を立てていきたいというのが新年度行いたいところでございますので、来年度中にはある程度調査結果を基にお示しできるようにしたいと考えているところでございます。
 それから、老朽化対策という意味では、課題が多い部分がありますけれども、例えば、9月の議会でも表明をさせていただきました花畑町別館については、山田守さんという有名な建築家の作品だということで、非常に惜しむ声もございます。ただ、一方でこれを維持していくためには、20億円以上の巨額のお金がかかる。さらにそれを維持するだけではなく、活用していく意味では、制約のある部分もある。私も中に入って拝見させてもらって、非常にノスタルジックな気分になるような場所もあるんですけれども、一方で全て綺麗に保存することが未来にとってどうなのかと。場所として非常に利便性の高い場所でもありますので、耐震化ということで保存をするということではなく、記憶としてしっかり留めていくという方向を考えていって、そのうえで早く解体をしながら、新しい民間活力も加えたところでの事業としてやっていくべきだろうと考えているところでございます。それから、老朽化対策としては、道路とかインフラの部分での整備も非常に大きくなっております。その辺は、熊本市の方でも議会と共に特別委員会も設置していただいて議論をしていただいているところでございますので、この辺から優先順位というのが少しずつ明らかになってくるのではないかと思っております。

 

【記者】市民病院については。

 

【市長】市民病院については、12月にゼロベースで見なおすということを申し上げましたけれども、現地での建て替えということを言っておりましたが、それよりも前に、市民病院の基本的な在り方が問われている状況にあります。経営状態もそうですが、将来展望としても国の方が進めている地域医療構想とどう整合を図っていくのか。それから、新しい公立病院改革プランも昨年の3月末に国の方からも示されましたので、それにしっかり適合する形でやっていかなければならない。そういう意味では、熊本市民病院だけのことを考えるということではなく、他の医療機関とのバランス、それから、公的病院としてどういう機能が求められているのか。そして、経営上持続可能な状況でいけるようにするためにはどうしたらいいかという、基本的な部分の検討を急いでいるところでございますので、それがある程度まとまれば、今度の議会ぐらいで中間的になんらかの報告が出来るような形にしたいと思っております。昨年の1月に、私も凍結ということにしましたけれども、ゼロベースで見直すということで12月に表明をさせていただいたのも、様々な角度から、単なる建て替えあるいは耐震化に対する対策というのではなくて、それで済む話ではないという危機感がございますので、あくまでも市民のためにどう公立病院があるべきかということを、しっかり考えていかなければならないと思います。特に、採算性の面でいくと、公立病院というのは全国的に厳しい状況に置かれていますので、そういった面は経営感覚と同時に、パブリックセクタ―(公的機関)として病院を設置する意味というのをしっかりと考えながら、今後の計画を急いで作っていく必要があると考えております。

(終了)

 

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