平成30年第4回定例市議会 市長提案理由説明
提案理由の説明に先立ち、一言申し上げます。
只今、江藤正行議員の地方自治に対する永年の御貢献をたたえる総務大臣感謝状の伝達式並びに熊本市議会の表彰式が執り行われ、私からも議員の御功績に対して感謝状を贈呈させていただいたところであります。
江藤議員におかれましては、誠におめでとうございました。
ここに重ねて、永年の市議会議員としての御活躍に心から敬意と感謝を表しますとともに、本市発展への、今後一層の御尽力をお願い申し上げる次第であります。
続けて、市長就任の御挨拶を申し上げます。
私は、先の市長選挙におきまして、市民の皆様の御支持をいただき、十二月三日に第三十三代熊本市長に就任し、引き続き市政を担わせていただくこととなりました。
改めて職責の重さに身が引き締まる思いであります。
本市では、平成二八年四月に発生した熊本地震から二年八ヶ月が経過しようとしておりますが、未だに仮設住宅等で暮らしている市民の皆様が、十一月末現在で約五千三百世帯、約一万一千二百人いらっしゃいます。
私は、二期目の市政運営において、熊本地震の全ての被災者の皆様の一日も早い生活再建を最優先に、様々な課題に向き合いながら、熊本市の未来のために全力を尽くす所存です。
これからの市政運営は、私が一期目に掲げた地域主義の実践をさらに積み重ね、そこで得られた経験を組織として共有し蓄積していくこと、そして市民に誠実に正直に向き合っていくことが重要と考えており、このことが十年先、二十年先の未来を見据えた熊本市政の大きな転換期である今、必要なものと考えております。
二期目の市政運営にあたっては、一つひとつの課題を市民の皆様とともに解決しながら「地域主義による新しい自治のカタチ」を確立し、マニフェストに掲げた十の決意のもと、「暮らしに安心と潤いのある社会」、「人権が尊重される豊かで暮らしやすい社会」、「暮らしに活力と勢いのある社会」の実現を目指してまいります。
また、来年度は、新元号となる新しい時代の幕開けでありますと同時に、市制施行百三十周年という大きな節目の年でもあります。
本市においては、新しい熊本市民病院の開院をはじめ、熊本城大天守の外観復旧や熊本城ホールの開業のほか、ラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権大会の開催など、これからのさらなる飛躍につながる出来事が控える大切な時期であります。
そのような時期に、私自身、初心を忘れず、熊本地震からの復旧復興と未来への礎を築くため、市民力・地域力・行政力を結集し、「上質な生活都市くまもと」の実現に向け、全身全霊をかけてこれからの四年間を頑張ってまいります。
議員各位におかれましては、引き続き、大所高所からの御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
続いて、職員の不祥事につきまして、御報告とお詫びを申し上げます。
九月十八日に熊本県迷惑行為等防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された職員を十二月七日付で懲戒免職処分といたしました。
不祥事防止に向け全庁をあげて取り組んでいる中、このような、市政への信頼を失墜させる事案が発生したことについて、市長として大変重く受け止めており、議員各位をはじめ市民の皆様に対しまして深くお詫び申し上げます。
今後も根気強く、職員一人ひとりが公務員として法令遵守はもとより、常に全体の奉仕者として強い自覚と緊張感を持って行動するよう、職員の徹底した意識改革を図り、市政の信頼回復に市役所職員が一丸となって取り組んでまいります。
それでは、提出議案について、説明に入らせていただきます。
今回の補正予算案は、熊本地震からの復旧関連経費や、危険な民有ブロック塀等の撤去に係る助成経費など、今後の業務推進上、速やかに対応する必要があるものに加え、来年度当初から業務を開始することとなる施設の維持管理経費等について、今年度中に入札等の契約事務を実施するための債務負担行為を計上しております。
まず、補正予算案の概要について申し上げますと、一般会計において八億七千五百万円の増額、補正後の予算額三千七百三億八千三百六十二万円、企業会計において百十万円の増額、補正後の予算額八百三十五億七千四百七十六万円、全会計の合計では、補正額八億七千六百十万円、合計の補正後予算額は、六千六百三十一億七千八百八十五万円となりました。
補正後の予算を前年同期と比較いたしますと、一般会計では九.七%の減、特別会計では六.四%の減、企業会計では十四.
一%の増、全体の合計額では六.二%の減となっております。
主な内容について申し上げますと、まず、「平成二八年熊本地震」関連の補正予算ですが、今回の補正予算案では、合計で八億六千七百七十万円を計上しております。
まず、熊本地震に伴う雑損控除の申告により発生する被災者への市税還付金を計上しております。
次に、熊本城の災害復旧に係る経費につきまして、被災した大天守及び小天守の躯体外装復旧に係る経費のほか、熊本城の復旧過程を見学いただくための特別見学通路の整備に係る経費及びそれに伴う債務負担行為の変更や、城域内の警備に係る業務委託経費の債務負担行為等を計上しております。
また、県の復興基金を活用して、国際スポーツ大会の開催に向けた外国人観光客の受入環境の整備を図るため、民間観光施設等への設備整備等に係る助成経費の債務負担行為を計上しております。
最後に、新市民病院の来年十月の開院に向けた各種業務の委託に係る経費の債務負担行為を計上しております。
続きまして、熊本地震関連以外の主な内容について、部門別に申し上げます。
まず、政策部門では、市政だより編集・作成等に係る業務委託経費の債務負担行為を計上しております。
次に、総務部門では、市役所駐車場の管理業務委託に係る債務負担行為等を計上しております。
次に、財政部門では、税務部の組織改編に係る移転費用経費のほか、税関係のデータ入力業務委託に係る債務負担行為等を計上しております。
次に、市民部門では、本定例会に条例案を提出しております「熊本市客引き行為等の禁止に関する条例」の施行に向けた準備に係る経費のほか、本市の再犯防止推進計画の策定に向けた実態調査経費を計上しております。
次に、健康福祉部門では、国民年金の制度改正等に伴うシステム改修に係る経費や、生活困窮者の自立相談支援の業務委託に係る債務負担行為等を計上しております。
次に、環境部門では、家庭ごみや資源物等の収集運搬業務に係る債務負担行為等を計上しております。
次に、経済観光部門では、商店街の活性化や共同施設設置に係る助成経費のほか、動植物園や熊本城の管理運営等に係る債務負担行為等に加え、熊本城ホールにつきまして、備品購入等経費の減額、国庫補助金の増額に伴う財源更正及び保留床購入費の増額に伴う債務負担行為の変更を計上しております。
次に、農水部門では、天明漁港の物揚場整備の早期着工に係る債務負担行為を計上しております。
次に、都市建設部門では、安全性が確認できない民有ブロック塀等の撤去費用に対する助成経費のほか、熊本西環状道路に関連する池上インター線の橋梁下部工の工事や、道路、公園等の維持管理に係る経費の債務負担行為等を計上しております。
次に、消防部門では、ラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権大会開催を見据えたテロ災害等への対応体制強化に要する経費の債務負担行為を計上しております。
次に、教育部門では、学校給食費の公会計化等に向けたシステム構築及び運用管理の業務委託に係る経費の債務負担行為のほか、図書館の資料貸出業務に必要な図書管理システムの更新及び機器賃借に係る経費の債務負担行為等を計上しております。
また、行政委員会では、選挙管理委員会事務局において、来年四月の統一地方選挙等で使用するプレハブ借上料のほか、ポスター掲示等の業務委託に係る経費の債務負担行為を計上しております。
最後に、企業会計のうち、病院局では、現行の市民病院や植木病院の運営に係る業務委託経費等について、上下水道局では、水源地の電気工作物を管理するための業務委託に係る経費等について、それぞれ債務負担行為を計上しております。
また、交通局では、市電のダイヤ作成に必要なシステムの更新に伴う導入作業等に係る経費のほか、同システムの賃借に係る経費の債務負担行為等を計上しております。
以上が、補正予算の歳出の説明でありますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う国・県支出金等の特定財源や市債を計上しますとともに、一般財源として繰越金を充当しておりますほか、熊本城復元整備基金も活用することとしております。
続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、補正予算案の説明でも触れましたが、まず、「熊本市客引き行為等の禁止に関する条例の制定」について御説明いたします。
これは、繁華街において、悪質な客引き行為や勧誘行為等の迷惑行為が多発していることから、地区を指定し、それらの行為を禁止すること等を内容とした条例を制定するものでございます。
この条例の制定により、市民や観光客の安全と安心を確保するとともに、拠点都市としての賑わいの維持、向上を図ってまいりたいと考えております。
次に、「工事委託契約締結」についてでありますが、これは、省エネルギー化を促進し、また、調和のとれた良好な街並みを形成するため、本市設置の約一万八千五百基の道路照明灯をLED化するための契約案件でございます。
その他の条例等の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので説明を省かせていただきます。
以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。