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平成31年第1回定例市議会 市長提案理由説明

最終更新日:2019年2月18日
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平成31年第1回定例市議会 市長提案理由説明

提案理由の説明に先立ち、まず、熊本地震からの復旧・復興について御説明いたします。

今月で熊本地震から二年十ヶ月が経過いたしました。

これまで、国内外の多くの皆様から、温かく心強い御支援を賜りながら、被災された方々の生活再建を最優先に、震災からの復旧・復興に向けて、全力で取り組んでまいりました。

その結果、昨年までに公費による被災家屋の解体・撤去や災害廃棄物の処理は完了し、主要な公共施設及びインフラの復旧も九割以上が完了するとともに、約六割の被災者の方々が恒久的な住まいを確保されました。

しかしながら、今もなお約四千七百世帯の方々が仮設住宅等での生活を余儀なくされております。

平成三十一年度は震災復興計画の最終年度となりますことから、まずは、一日も早く被災者の皆様が、元の安全で安心な生活を取り戻していただくため、引き続き、恒久的な住まいへの移行支援に最優先で取り組んでまいります。

議員各位におかれましては、今後とも、更なる御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

次に、昨日、開催いたしました「熊本城マラソン二〇一九」について御報告いたします。

平成最後となった熊本城マラソンは、国内外から一万四千人を超えるランナーの皆様に御参加をいただくとともに、多くの関係者や市民の御支援と御協力を賜り、無事に終了することができました。

ランナーの皆様が、熊本でのおもてなしを肌で感じながら、早春の熊本を駆け抜けていく姿を通じて、本市が復興への歩みを着実に進めている姿を全国へ発信することができたと考えております。

ここに改めまして、開催にあたり、御尽力いただきました多くの方々並びに沿道で温かい応援をいただきました市民の皆様に対しまして、この場をお借りしまして心から感謝を申し上げます。

今後も、この熊本城マラソンが、多くの皆様から愛され、より魅力ある大会となるよう育ててまいりたいと考えておりますので、議員の皆様には、引き続き、御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

それでは、平成三十一年度当初予算の編成にあたっての考え方について、御説明申し上げます。

まずは、先ほど申し上げたとおり、被災された全ての皆様の一日も早い住まい・生活の再建を最優先に、新市民病院の開院をはじめ、大天守の外観復旧にあわせた熊本城の特別公開や、熊本城ホールの開業など、熊本地震からの復旧・復興に向けた歩みをさらに加速させてまいります。

また、平成三十一年度は、新たな元号となる次の時代の幕開けであると同時に、市制施行百三十周年を迎えます。

本市では、ラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権大会の開催なども控えており、熊本市の復興を国内外にアピールするとともに、交流人口の拡大や、地域経済・まちづくりの活性化を通じ、「新しい熊本市」へ「飛躍」するための重要な年度であります。

そのような中、復興の先を見据えた、未来への礎づくりを着実に進めるため、ICT教育の環境整備や外国語教育等への対応、バス・市電等の公共交通の機能強化に向けた施策、また、健康ポイントの導入や、がん検診の支援拡充など、健康づくりのための施策などに重点的に取り組んでまいります。

そして、「地域主義」の理念の下、引き続き、地域ニーズに基づき、各区・各局が連携して新たな事業に取り組みます。

加えて、農業や環境分野等における取組も強化してまいりますほか、国の動きとも連動し、移住・定住など「地方創生」の推進、道路や河川、学校施設等の防災・老朽化対策など「国土強靭化」の推進、「幼児教育の無償化」への対応などにつきましても、着実に取り組んでまいります。

このようなことを念頭に、必要な予算を確保すべく、県・市の復興基金のほか、景気拡大や復興需要を背景に増収が見込まれる市税収入などを活用しながら、平成三十年度二月補正予算と一体的に編成いたしました。

それでは、特に重点的に取り組むこととした項目について、御説明いたします。

まず、「復興の加速化と未来への礎づくり」に係る取組ですが、これは「『震災復興計画』の着実な推進」と、「第七次総合計画に掲げる『上質な生活都市』の実現に向けて」の二つを、大きな柱としております。

まず、一つ目の柱であります「『震災復興計画』の着実な推進」については、五つの復興重点プロジェクトで構成しておりますが、ここでは、熊本地震からの復旧・復興にあたり、市民力・地域力・行政力を結集し、安全・安心な熊本の再生と創造に向け、総力をあげて「新しい熊本市」への歩みを進めていく取組を掲げております。

一点目の「一人ひとりの暮らしを支えるプロジェクト」につきましては、仮設住宅等に入居する方々が、一日も早く恒久的な住まいを確保できるよう、引き続き、地域支え合いセンターなどによる生活や健康等の不安に対する見守り活動を継続するとともに、伴走型のマッチング支援や、複合的な課題を抱える方々への専門的な支援を行っていくほか、これまでの経済的な支援に加え、新たに公営住宅の入居に係る初期費用の助成を行うなど、住まいの再建に最優先で取り組んでまいります。

また、仮設住宅等退去後の新たなコミュニティでの生活に、円滑に移行できるよう、きめ細かな支援にも全力で取り組みます。

加えて、全八箇所、三百二十六戸の災害公営住宅については、年内の完成を目指して整備してまいりますとともに、宅地擁壁の復旧及び液状化防止対策工事のほか、被災マンションの建替え支援等につきましても、被災された方々の合意形成を図りながら進めてまいります。

次に、二点目の「市民の命を守る『熊本市民病院』再生プロジェクト」につきましては、市民の生命と健康を守る、「子どもと女性にやさしい病院」として、十月の新病院の開院に向け、六月末までに建設工事を完了し、準備を進めてまいりますとともに、現病院の解体工事にも着手いたします。

次に、三点目の「くまもとのシンボル『熊本城』復旧プロジェクト」につきましては、本年十月に、大天守の外観復旧にあわせた特別公開の開始、二〇二〇年春に、被害状況や復旧の様子を観覧できる特別見学通路の供用開始を予定しております。

熊本城の復旧とともに、公開エリアの拡大にあわせた、国内外への積極的なプロモーション活動の展開により、熊本城の文化財としての価値を評価していただけるよう取り組み、さらに、観光資源としての活用を図ってまいります。

次に、四点目の「新たな熊本の経済成長をけん引するプロジェクト」でありますが、九月の桜町再開発ビル、十二月の熊本城ホールの開業をはじめ、シンボルプロムナードの整備や熊本駅周辺地区の再整備により、中心市街地のにぎわいを創出してまいります。

また、首都圏でのプロモーションや、海外の食のイベントへの出展支援等を通じ、国内外に向けた熊本産品の販路拡大を進めるほか、生産体制や収益力強化に資する施設整備等に対する助成を行うなど、農業者等に対する支援を行います。

加えて、国際スポーツ大会に向けて商店街が行う、「おもてなし」のための取組に対する助成や、被災事業者に対する新たな利子補給を行うなど、これらの取組を通じ、産業界全体の振興を図ってまいります。

最後に、「震災の記憶を次世代へつなぐプロジェクト」です。

熊本地震で得た多くの教訓と復旧・復興の過程を、市内外で共有し、今後の防災・減災のまちづくりに活かしていくため、復興の情報を発信するパネル展を開催するとともに、復興手記集や災害廃棄物関係の震災記録誌を作成するなど、熊本地震の記憶を風化させることなく、次世代へ伝えていく取組を進めます。

次に、県市の復興基金の活用についてですが、住まい再建に向けた支援や、地域コミュニティ施設の復旧支援のほか、新たな課題の解決や、新しいまちづくりを見据えた事業などに引き続き全力で取り組んでまいります。

以上が「『震災復興計画』の着実な推進」についてであります。

続きまして、第七次総合計画に掲げる「上質な生活都市」の実現に向けた、三つの重点的取組について御説明いたします。

一点目は、「安心して暮らせるまちづくり」についてです。

まず、学校教育関係では、タブレット端末の配置を全小学校へ拡大するなど、政令指定都市トップレベルのICT教育環境の整備を進めるほか、小学五・六年生における外国語教科化への対応として、外国語指導助手を増員するとともに、全ての中学三年生に英検IBAの受検機会を提供するなど、外国語教育の推進を図ります。

また、これまでの子育て支援活動に加え、新たに子ども食堂の立ち上げ・運営等を支援してまいりますほか、病児・病後児の一時保育の対象を小学三年生から六年生までに拡充します。

さらに、中学校の空き教室等を活用した「放課後学習教室」による学習支援や、命の尊さを学ぶ「いのちを守る教育」なども推進してまいります。

また、昨年度に引き続き、「まちづくりセンター」の地域担当職員等が把握した地域のニーズや課題に対し、各区と各担当部局が連携して事業化し、取り組んでまいります。

加えて、市民の健康づくりや地域活動等に対する「健康ポイント」の導入や、新たに、七十歳以上の方のがん検診に係る自己負担金を無料化するなど、健康で暮らしやすい都市づくりを積極的に進めてまいります。

次に、二点目は、「ずっと住みたいまちづくり」です。

誰もが安心して移動できる、公共交通と自動車交通のベストミックスに向けた、公共交通のグランドデザインの改定に取り組みますとともに、バス事業の運行効率化に向けた調査や、市電の延伸に向けた基本設計等を行います。

また、立地適正化計画における居住誘導区域等への誘導施策の検討を進めますとともに、中心市街地での良好な景観形成や駐車場の適正配置、既存建築物の建替えの促進等に向けた調査等に着手することとしており、移動しやすく暮らしやすいまちづくりを進めてまいります。

さらに、国の地方創生推進交付金を活用した、移住・定住の促進に加え、東京圏などからの移住希望者を対象とした、国内最大規模の移住ツアー型就職面談会を開催するなど、移住して就職・起業する方に対する支援を行います。

そのほか、ビジネス機会の創出や支援のワンストップ化に向けた、ビジネス支援センターの改修や、新規創業者の経営基盤強化のための支援を行います。

加えて、ICTを活用した農業経営のスマート化や、農作業の過重労働の軽減のための支援等を行うことにより、「日本一の園芸産地」を目指してまいりますとともに、次世代を担う新規就農者に対し、就農支援を行うなど、農業者の担い手育成も進めてまいります。

三点目は、「訪れてみたいまちづくり」です。

まずは、本年九月からのラグビーワールドカップ、十一月からの女子ハンドボール世界選手権大会の開催に向けて、区や学校ごとの応援活動を推進し、機運醸成や国際交流の活性化を図りますとともに、道路環境の向上や、観光施設等における外国人観光客の受入環境の整備、さらにはテロ災害への対応や食中毒等の健康被害への対策などにより、万全の準備を進めてまいります。

また、これらの国際イベントを契機として、復旧・復興の歩みを進める本市の魅力を国内外に発信するため、天守閣の外観復旧や各種イベントとの相乗効果を図りながら、プロモーション活動を強化します。

加えて、熊本城ホールの開業にあわせて、コンベンション等に対する助成制度を、政令指定都市トップレベルまで拡充するとともに、熊本の特性を演出するユニークベニューの開発を行うなど、積極的なMICE誘致を行ってまいります。

そのほか、二〇二二年春の「(仮称)全国都市緑化くまもとフェア」の開催を見据え、実施計画の策定や会場の改修・整備、機運醸成のための市民緑化運動を進めてまいりますとともに、「森林環境譲与税」を活用した民有林の適正管理など、「森の都」にふさわしい、森林の保全にも取り組んでまいります。

次に、「市役所改革の推進」であります。

これまで以上に、社会情勢の変化や、多様化する市民ニーズに的確に対応し、市民が求める質の高いサービスを効率的かつ効果的に提供してまいります。

先ほど御説明した、地域のニーズに対応した区・局連携事業のほか、タブレットを活用した窓口案内システムの導入や、住民異動手続き等に係る待ち時間の短縮に向けた窓口改革など、窓口サービスの向上に取り組みます。

また、働き方改革を推進するため、庁内ネットワーク環境を整備するとともに、「学校改革!教員の時間創造プログラム」を通じ、教職員の長時間勤務を改善し、子どもと向き合う時間を拡充するなど、教育環境の向上を進めてまいります。

さらに、公共施設マネジメントに係る取組として、既存公共施設の合築や、インフラ施設の長寿命化のほか、エネルギー利用の効率化等に取り組んでまいりますとともに、学校給食費の公会計化のほか公金の納付手段の多様化により、市民サービスの向上を図ってまいります。

最後に、「合併三町における新市基本計画の着実な推進」であります。

 これまで、新市基本計画に基づき、各種事業を進めてきたところですが、この度、計画期間の延長を行った上で、引き続き、これらの事業を着実に推進してまいりたいと考えております。

なお、平成三十一年度につきましては、道路や農業基盤、上下水道等、都市基盤の整備を中心に、総額約四十一億円の事業費を計上しております。

 平成三十一年度当初予算に関する説明は以上でありますが、その予算の規模といたしましては、一般会計において三千七百二億円、特別会計では二千百十三億七千万円、企業会計では八百四十七億四千万円、全会計の総計は、六千六百六十三億一千万円となりました。

これを前年度当初予算と比較いたしますと、一般会計は一・三%の増、特別会計は二・四%の増、企業会計は一・四%の増、総計では一・七%の増となりました。

続きまして、平成三十年度の補正予算につきまして御説明いたします。

今回の補正予算では、国の補正予算に連動して対応する分として、「防災・減災、国土強靭化の緊急対策」について、道路関連事業をはじめ、河川や学校施設等の改修に係る経費等を計上しております。

また、「学校の緊急重点安全確保対策」について、中学校の特別教室等への空調設備整備や、学校施設のブロック塀対策に係る経費等を計上するほか、「TPP協定の早期発効に対応するための農林水産業の強化策」について、農畜産業の施設整備等に対する補助金等を計上しております。

加えて、今回、条例議案も提出しておりますが、今後見込まれる公共施設の大規模改修や更新等を計画的に進めるため、新たな基金「公共施設長寿命化等基金」への積立金を計上しております。

このほか、国庫補助内示額の減や入札残などに伴う減額等に加え、決算見込みに伴う過不足調整等を計上しております。

続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、まず、「熊本市学校給食費条例の制定」について御説明いたします。

これは、現在、各学校長において徴収、管理している学校給食費等について、二〇二〇年度から本市の歳入・歳出予算として管理することに伴い、当該学校給食費等の徴収に関し必要な事項を定める条例を制定するものであります。

次に、「熊本市及び菊池市における連携中枢都市圏の形成に係る連携協約の締結」についてでありますが、これまで本市及び近隣の十六市町村で構成されていた熊本連携中枢都市圏に、新たに菊池市が加わることで、圏域のより一層の活性化を図るものであります。

その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。

以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。

 


 

 

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