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〈9〉ことしは漱石記念の年

最終更新日:2023年4月1日
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〈9〉ことしは漱石記念の年

注)この文章は平成28年1月号の市政だよりに掲載されたもので、文中の『今年』は平成28年、『来年』は平成29年のことです。

 

  「我に許せ元日なれば朝寝坊」明治32年(1899)正月の漱石の句です。中央区内坪井町の漱石記念館にこの句碑があります。そして「金泥※1の鶴や朱塗の屠蘇の盃」と詠んで友人の奥太一郎と博多、日田、耶馬渓、久留米などに遊びます。「元日屠蘇を酌んで家を出づ」と前書きにあります。漱石は年始客のわずらわしさが嫌だったようで、明治30年の暮には友人の山川信次郎と玉名・小天温泉に逃げ出して正月を過ごします。小説「草枕」

(明治39年発表)の素材となるのは皆さんご存じのとおりです。


 さて前回まで漱石の誕生、長じて松山を経て熊本そして結婚までのお話しをしてきましたが、今回は今年の漱石記念年のことをお伝えします。漱石が五高の英語教師として熊本にやってきたのが今年からちょうど120年前、明治29年(1896)の4月13日、亡くなったのがちょうど100年前、大正5年(1916)の12月9日、そして来年明けて早々2月9日(旧暦1月5日)が生誕150年になるのです。こんなにぴったりメモリアルの年が訪れるのは珍しいですね。


 時系列に見てみましょう。明治29年4月13日に池田駅(上熊本駅)に到着し人力車で京町新坂を越え菅虎雄宅に寄宿、5月に下通町103番地・通称光琳寺の家に引っ越し、6月9日にここで結婚式をあげます。しかしすぐの9月下旬、合羽町(今の坪井町)に移ります。この年11月14日から6日間天草島原方面へ修学旅行(当時は軍事教練でした)にも出かけています。明治30年9月、三番目大江村の家へ。ここから歩いて明午橋を渡り島崎から鎌研坂を登って小天温泉へ行きました。明治31年3月、明午橋際の井川淵町へ転居、すぐその年の7月下旬、今の記念館である内坪井に引っ越します。11月16日には山鹿方面へ修学旅行。次の年の明治32年5月31日長女筆子が生まれます。鏡子夫人があまりに字が下手だったので、この名前をつけたといいます。明治34年次女誕生の際は「筆」の次は「墨」がいいと言ったとか、漱石も茶目っ気たっぷりなところもあったのですね。実際は恒子と名づけられました。8月末から9月にかけてここから阿蘇に登りました(「二百十日」明治39年発表)。最後の住まい北千反畑町には2年後の明治33年3月から4か月ほど過ごし、7月18日頃ちょうど水害で町中が混乱していた中、世帯道具一式を手放し、身ひとつでロンドン留学のため熊本を離れます。


 ともあれ、あの頃この時期ここにいたんだな、あそこに行ったんだなと思いを馳せ、ゆかりの地を訪ねてみると漱石をいちだんと身近に感じることができるのではないでしょうか。


 今年はまず5月14日に夏目漱石記念年全国オープニング式典と交流会が熊本で行われます。いろいろな団体が漱石を顕彰する行事を企画しています。全国から多くの漱石ファンが集います。皆さんもぜひご参加いただき、交流を通してくまもとの漱石を盛り上げてくださるようお願いします。


※1 膠(粘着剤)に溶いた水に金粉を混ぜたもの、書画を描く。
                                              (くまもと漱石倶楽部会長・和田 正隆)


 

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