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平成30年11月19日 臨時市長記者会見

最終更新日:2018年11月22日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【質疑応答:初登庁の所感と2期目に向けた抱負】

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

記者

(選挙から)一夜明けて改めて今のお気持ちと、2期目に向けた抱負をまずお願いします。 

 

市長

選挙戦を終え、初心に帰る気持ちと2期目ですので、当然1期目の実績が問われた選挙だと思いますし、多くの皆さん方から支持をいただいたという意味では非常にありがたい気持ち、そして熊本地震からの復旧・復興という大きな使命がありますので、責任の重さを痛感しながら全力で頑張ろうと決意を新たにして登庁させていただきました。2期目は、熊本地震からの復旧・復興と同時に未来への礎を築くということを選挙戦でもずっと訴えてきましたけれども、このマニフェストに掲げた120項目を含めて、行政のスタッフと一緒に市民のために実行していく、これが非常に大事なことだと思っております。

【質疑応答:今回の低投票率についての分析と結果への所感】

 

記者

 今回投票率が31.38%と過去最低を記録しました。何故この低投票率になってしまったのか、分析と結果についての受け止めをお願いします。 

 

市長

 私自身の出馬表明は9月にさせていただきましたけれども、対立候補がずっと出てこない状況で、告示の直前に対立の候補者が出られたということで、私が選挙戦を始めた頃は「選挙があるんですか」と言われたくらいです。そういう意味では候補者が揃わない状況になると、いわゆる前哨戦という部分がない分、選挙戦が盛り上がりに欠ける、ひいては投票率の低下にも繋がっているというのが客観的な目で見た時の分析としてあります。

 一方で、私が立候補する人間として、実際に訴えていく中では、投票率の低下を危惧しておりましたので、出来るだけ市民の皆さんに多く接して、投票率を少しでも高めようと努力をしてきたつもりです。全国的に同じような傾向があるようですし構図の問題もあろうかと思いますが、残念ながら低い投票率になってしまったということについては、市民の皆さんにもっと一番身近な熊本市政に関心を持っていただく努力をしていかなければいけないと立候補者の一人として非常に強く思ったところです。

この投票率の低さも、市政関する関心であるとか、いろいろな形でもう少し市民の皆さん方に参加をしていただける工夫をし、今後の統一地方選あるいは様々な選挙がありますけれども、出来るだけ多くの皆さんが選挙に参加していただくように、呼びかけも含めて選挙管理委員会とも話をしながら今回の結果を総括しなければいけないと思います。

【質疑応答:桜町再開発事業への諸懸念と市長自身の取り組み】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

記者

 桜町再開発について、店舗過剰になるのではという心配や会議施設が他都市の施設と競合になるのではという心配についてはどういう考えで臨まれますか。 

 

市長

 選挙戦の中では有権者からそのような具体的な話はありませんでした。店舗数は市場原理の中で決まるものでしょうし、オーバーストア(店舗過剰)という表現がありますけれども、例えば採算について売り上げが見込めなければ民間の事業者さんは簡単には出店されないでしょうから、完全な報告をいただいてはおりませんが、こうした中でも9割程度店舗が決まっていると伺っており、そういう意味では期待値も高いのではないかと思います。

 それから会議室等についても立地性のよさと他の施設と融合した施設でもありますので、アクセスのよさも含め利便性の高さから利用はある程度見込めると思っていますし、選挙戦を回っているなかで期待感を持って受け止めている方もたくさんいらっしゃったのかなと思います。商業施設も、新しいお店が入ってくれれば嬉しいなという一般の女性の声もありましたのでそういう意味では今後期待ができるのではと思っております。

 

記者

  市長自身が何か取り組まれることはないですか。

 

市長

 私自身が直接店舗云々に関してどうこうというのはありませんけれども、もし熊本に多くの魅力的なお店や事業が検討されるということであれば、ぜひトップでやれるピーアールもさせていただきたいと思います。実際には中心市街地の商店街・モールそれから百貨店も含めてそれぞれがカラーの違う街、そういう店舗構成になっていくことが望ましいというのは私自身以前から申し上げてまいりましたので、調整を私がもし担うことができるのであればさせていただきたい、賑わいも含めて積極的に出るようにしていきたいという気持ちは持っています。

【質疑応答:仮設住宅入居者との直接対話で見えた今後の支援への考え】

 

記者

 今回の選挙戦を回るなかで近見の液状化地区へは早い段階から行かれており、仮設住宅も秋津とか富合とか、直接会話をされた中でいろいろと感じたところもあるかと思います。個別に事情もそれぞれ抱えている中、今後格差の拡がりが懸念されますが、具体的にどのように復興を進めていきますか。
 

市長

 私自身改めて2年7か月経ったこの熊本地震の被災者の皆さん方の実情を、選挙戦を通じて見たりあるいはお話を伺ったりすることができたのは、選挙戦としても非常に有意義だったと思っております。いろいろなご意見が出ましたけれども、被災した方々の状況が個別にかなり違いました。例えば復興住宅に当選された方が、住まいの確保は何とかなってもその後の生活再建の中でコミュニティーに馴染めるかどうか、それから単身高齢の世帯の方ですと孤独死や健康に対する不安、こうした見守りに対する要望をいただきました。子育て世代の被災した方々からは家を見つけるにしても今通わせている学校以外のところだと家賃も含めて経済的に何とかなるところもあるけれども、子どもたちを転校させず同じ環境にできるだけおいていく場合には、家賃にしても難しいとかそういった個別の事情が違うということを直接伺いました。こういった点については地域支え合いセンター、伴走型の住まい確保を柱にやっていますけど、これからは特に困難な事例がまだ残っていくと思われます。私は年度内に皆さん方の住まい再建の目途をつけると申し上げていますけれども、ここについてはより丁寧に、人員体制も含めて、住まいの再建の支援、それからより寄り添った対応ができるように全力で頑張っていきたいと思います。
 

【質疑応答:市役所内部改革の問題点】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

記者

 市長はよく選挙戦の後半で市役所内部の改革についておっしゃっていたと思いますが、今の市役所のどのようなところが問題と思われていますか。また、どのような形で改革を具体化させていきますか。
 

市長

 4年前に私が市政をお預かりしてから随分内部的な改革をしてまいりました。例えば窓口の改革であるとか、情報共有のあり方とか、コンプライアンスに関することについて、1期目の4年間でいろいろと以前に比べて改善し取り組んできたつもりです。ただ、それがまだまだ道半ばであり、組織、特に行政組織は縦割り意識が強い部分があることによってより柔軟な対応ができないところがあります。今回の選挙戦で特に私が市役所改革の重要性を訴えたのは、市民生活を守っていく、そして市民の皆さんの生活再建あるいは復旧復興をさらにスピードアップ・加速化させていくためには市役所自体が非常にしっかりした体制でないとなかなか難しいだろうと考えたからです。市役所改革をより推し進めていくことで、より市民に寄り添った対応ができるようになる、むしろ今よりもさらに寄り添った対応ができるように、皆さん方に安心していただく必要があると私は選挙戦で感じました。やはり仮設住宅、みなし仮設住宅を含めて被災した皆さん方の個別の事情がかなり違います。ということは、画一的な行政の対応ではとても対応できないと感じておりますので、柔軟な姿勢で取り組んでいくためにも、市役所自体が市民により寄り添おうという姿勢と覚悟を持つためには、やはりトップの意識も非常に大きく関係すると思い、後半戦特に強調させていただいたというところでございます。

【質疑応答:組織色が強まった今回の選挙戦】

 

記者

 今まで無党派中心の選挙戦を展開されてきたと思いますが、今回どちらかというと前より組織色が強まってきたような気がしたのですが、その点についてどうお考えですか。 

 

市長

 私自身は組織にすべて頼って選挙したことは、これまで7回の選挙であまりないです。前回の選挙の時、最終的にいろいろな形で各政党も判断されて候補者の独自選考をされていましたが、私は政党の立ち位置に限らず市民の皆さんの声を受けてこれまで政治を行うスタイルを貫いてきましたので、そういう意味では選挙戦に関して言えばあまり私自身のスタンスは変わっていないと思います。ただ、応援してくださる皆さん方のそれぞれの推薦をいただいた政党であるとか団体であるとか、こういった皆さん方に協力・支援をしていただくことで広がりが出るなということはものすごく感じました。必ずしも組織選挙が悪くて草の根選挙がいいということではなく、組織に属している人達も含めていかに私の掲げている政策に共感していただけるのかにかなり重きを置いて動いてきました。そういう意味では組織と草の根というような、少し昔のタイプの選挙のステレオタイプな見方ではなく、変わってきているのかなと感じはします。私は組織の人たちとも理念や政策をきちんと共有する、理解していただくのが非常に重要であって、票固めのために利用することは組織だろうがそれぞれの有権者だろうが、非常に皆さん敏感に感じられると思うので、そこについてはあまり以前とは変わらず、特段意識してやったというよりは、どの組織だろうが何だろうが私自身の考え方をより共感していただけるように努力をしてきたと思っていますし、私自身、政党の推薦、団体の推薦をたくさんいただいたことによって、より訴えかける対象が広がったのは間違いないと思います。ただ一方で、今度は投票率が低いのもここに関連してくると思いますので、組織に属していない方々、あるいは今回投票に行かなかった方々の中で、何を基準に投票したらいいのかわからないという人もたくさんいると思うので、そういう意味では候補者としての工夫はまだまだ必要だろうと思っています。

 


【質疑応答:ツイート時の市長の立場】

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

記者

 投票率が低いということで昨日ツイッターの中に大西市長自身が「まだ間に合います、投票所へ」とツイートされていましたが、あれはどういう立場でなさったのでしょうか。
 

市長

 あれはどういう立場でというよりも、投票に皆さん是非行っていただきたいという思いでツイートさせていただいております。中間の速報の中で、報道もされておりましたけれども、これだけ投票率が低いというのは非常に問題があると思いました。これは私に投票をということではなくて、出来るだけ多くの方に、広く選挙に参加していただきたいという呼びかけで、私に対する投票依頼ではありませんので問題ないと思っております。

 

記者

 昨日までは立場としてはまだ候補者の段階で、職務代理者は別にいらっしゃったわけですので、市長という立場ではないということですね。候補者として出されたということですね。
 

市長

 勿論そうですね。候補者ということでもあるし、一人の市民として多くの皆さんに市政に関心を持って参加していただく必要があるだろうと思っていましたので、そういう形でツイートさせていただきました。

 

【質疑応答:低投票率についての対立候補の見解への意見】

 

記者

 投票率が低いという話が先程来あっていますけれども、対立候補から言えば論点がかみ合わなかったとおっしゃっていました。部分的に言えば、被災者支援については対立候補の方は具体的に医療費免除を復活してほしいとか、例えば一部損壊の方にも行政の支援がいただけないでしょうかということについて、自分はこうしますということをおっしゃっていたんですが、大西市長の場合はそこは具体的にはあまり語っておられなかったと思いますそういうことも含めて全体に論争が出来なかったので投票率が低くなってしまった、さっきおっしゃったように何に投票して何を選んでいいか分からない、そこら辺があったかと思いますが、それはどう思われますか。

 

市長

 対立候補の方がどう主張されるかはそこまで気にしておりませんで、私自身がどういう熊本市を創っていくのか、復旧・復興にあたってどういう考え方で臨むのかをきちっと市民の皆さんに対して、具体的により分かりやすく、より多くの方々に2週間という限られた期間の中でお会いして訴えることが必要だと思いますので、その努力は相当したと思います。その件については他の候補者の方がいろいろとお考えになればいいのではないかなと思っています。

【質疑応答:政令指定都市職員としての自覚とは】

 

記者

 マニフェストが告示前に出されて、市役所の改革についても触れておられますけれども、私が最近経験したことで、取材を申し込んだ課長がいろいろな理由をつけて取材を拒否されたと。1件ではなくて、この1年くらいで延べ4件くらいあるんです。政令市の職員としての意識が足りないのではないかと思います。いろんなことを聞かれると思いますが、そういうことに対してきちんと説明する姿勢が足りないのではないかと思います。一部の方だと思いますが。市役所改革が不祥事をなくすとか窓口を広げるとか、そういうことではなくて政令市の職員としてレベルアップすることがもっと大切ではないかと思いますがどうでしょうか。

 

市長

 それはレベルが低いとおっしゃっているのでしょうか。どこでそういう取材拒否が起こったのかは、記者クラブを通じてでも結構ですけれども、具体的におっしゃっていただいた方がいいと思います。私自身出来るだけ積極的に市民の皆さんと対話をするようにと、常々職員にも、今日は臨時庁議でも申し上げさせていただきました。取材の過程の中でどういうやりとりがあったのか個別には存じ上げませんけれども、この4年間見ている中で確かに情報の出し方とか、そういった面で慎重になっているところがあるのかもしれませんけれども、随分積極的にいろんなことを熊本市役所としてはオープンにお話をさせていただいていると思っています。その取材の中でどういうやりとりがあったかなど、もしそういう問題があれば私から改善を指導しますので個別におっしゃっていただければと思います。

私自身は市民との対話もそうなんですが、報道取材対応は報道の皆さん方を通して、市民・県民をはじめ、多くの皆さんに対しての大切な情報の伝達手段だと考えていますので、積極的に協力するようにと常々申しております。そういうことが個別にあるとすればそれは問題だと思いますので、今後の市役所改革の中で徹底していきたいと思います。

 

記者

 個別のクレームと言うよりは、政令市の職員になったという意識が希薄ではないかと私は感じたんです。権限や予算を与えられ、いろんなことを政策立案して市民のために還元していくレベルの高い職員像が求められている時に逃げると言いますか、そういうことでいいのか、覚悟がないんじゃないかという気がしたんですね。職員として、政令市になったと言われているだけで何も変わっていないんじゃないかと感じるところがありましたので、あえて申し上げました。 

 

市長

 私も他の政令指定都市と職員を比較しているわけではないので分からないのですが、私たちは指定都市市長会であるとか、さまざまなレベル、各担当レベルも含めて政令指定都市の他の職員と研修を含めて交流をすることがありますので、自らに大きな権限が委譲され、責任の主体であるという自覚を持つということは、今記者さんがおっしゃったように非常に重要なことだと思います。これは市役所改革の中でも重要な柱だと思ってご指摘も真摯に受け止めたいと思います。

 私としては職員に、もう少し自信を持って市民と対話をすることが必要だなと思っております。今「逃げる」ということを言われたと思いますが、逃げが効かないんですよね、基礎自治体でしかも政令指定都市という権限を持っているということであれば。ですから職員一人ひとりがそういう自覚を持って頑張ってもらえるように、私もトップとして指定都市市長会に出ましても、こういう情報の取り方、組織のあり方として、他の自治体が勉強になるという面もありますので、職員の交流等々も進めていますけれども、そこはしっかり研修等々も意識改革も含めて取り組んでいきたいと思っております。

【質疑応答:現職の首長として迎える選挙での反省点】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

記者

 先ほどから低投票率だったという指摘があるんですが、市長が先ほど述べられた中で触れられなかった1点として、市長が今回初めて首長の現職としての選挙戦だったという意味で公約の提示が遅れたのではないかと思います。それも含めて選挙に至る過程で、今回初めて現職の首長として迎える選挙戦での反省点をお願いします。

 

市長

 現職としては公務を最優先にするのが当然だろうと思いますから、その中でいかに政治家としてのメッセージの発し方、マニフェストも含めて作成をする中で現職の作成の仕方は時間的な制約があって、公務を差し置いて専念をするという時間がなかなかとれなかったのというのは反省点としてございます。

 一方で、これだけのマニフェストを作っていくのは、4年間現職としていろいろな市政運営をする中で課題認識の蓄積が反映されるものであります。そういう意味では多少時間がかかったのは申し訳なかったと思いますし、これは言い訳になるかもしれませんが、国際会議とかさまざまなことが選挙ギリギリまで日程が詰まっていましたので、9月の冒頭で表明をさせていただいた段階で早く着手したいと思っておりましたが、議会やさまざまな公務で叶わなかったということです。できれば告示の1ヶ月くらい前にお示しできるのが理想的ではないかなと思っています。イギリスのマニフェストを研究した時も各政党のマニフェストはそういうことでありました。政党のマニフェスト作りと違って、直接選挙で選ばれる市長のマニフェストは、政治文書ではありますが、現職の場合はもう少し行政組織と一緒になって作り上げるという形もあっていいのかもしれないと思いました。これからマニフェストに基づいて、また市民の皆さん方から新たなご意見もたくさんいただきましたので、こういったものの反映も含めて、総合計画の例えば改定作業にも反映させていければなと思っておりますが、もう少し色々なやり方があったのかなと思っています。

 マニフェストも含めて他の自治体でどうされているのかいうのは、私自身も自分のことが精いっぱいでまだ分析できていません。他の自治体の現職の首長の市長選挙等々において、どういう形でいつ頃マニフェストが示されて策定されているのかについてはもう少し私自身も研究の余地があると思っています。

【質疑応答:現場の方との対話機会を増やすことの重要性】

 

記者

 公約で2点だけ。今回示された公約の中で「どんどん語ろうの改訂版」みたいな感じで、いわゆる現場の人たちといっぱい語ろうというのを大きく言われています、職員も含めてですけれども。今回選挙戦で政策報告会を18回くらいされて、今までやっていた「ドンドン語ろう」は自治会長だったり、いろんな団体の長が集まるのが通常だったんですが、今回まさに一般市民の人と市長が語られることによって、市長がなんで判断したんだ、と理解が深まったと実感されたと思いますが、これを通常の選挙でない時も機会を設けるという意識はありますか。

 

市長

 そうですね。例えば農水産業従事者の方のドンドン語ろうについて書いたところ、ものすごく期待しているという声を現場を回っている中でいただきました。通常のドンドン語ろうではありとあらゆる市政のテーマがあって、自治会長さんだけでなく一般の方も来られるのですが、一人で意見を言われたりすることがあり、例えば農業問題に絞って話が出来ればもう少し深まる、市長との対話の深まりをもっと期待するという声が非常にあったので、ここは工夫の余地があるのだろうと思っています。

今回は政策報告会、前回は政策発表会という形でやって、その前の政策立案会議というのもやったので、ここで相当な対話の機会が前回もあったんですね。その上で今回は選挙戦の中で18回に及ぶ政策報告会をやり、事務所で名簿ベースで集計をした数で約2000人の方が参加をされたと聞きました。街頭演説にも、確認できた数ですが約4000人ほどの方が集まられたということは、直接訴えかけることの重要性が非常にあるなと思いました。

その結果、投票率はなかなか上がっていないんですが、いろいろ調べたところ平成に入ってから過去最高の88.84%の得票率をいただいて、これだけ大きな支持をいただいたというのは、ある意味では対話の成果かなと思いますこれを基本としながら市政運営の4年間の中で分野別もそうですが対話を深めていく必要があるなと思いました。私自身が回っていて、まだまだ行政と市民との間には距離があると感じました。行政ではこう受け止めているというのは、4年間私もトップとしてやってきましたのである程度分かっているつもりでしたが、現場に行くと少し受け止めとか違うんですね。市役所ではこう考えているんだよということがうまく伝わっていなかったり、逆に言えばもっとこうして欲しいという市民の願いや思いが市役所にきちんと伝わっていなかったり、ということを少し感じたんです。そこでもう少し踏み込んでいく。それはトップがその姿勢を示すことによって、この4年間で、先程もご指摘がありましたがまだ職員のレベルということについてもいろんな議論があると思いますけれども、より高めていくという意味ではここを重視していくべきだろうと思います。今ご指摘のとおり、そういうことをベースに今後の4年間は進めていきたい。一般的ないろんな市民の方が出来るだけ参加できる通常版の「ドンドン語ろう」をより広げながら、分野別での「ドンドン語ろう」で更に深めていきたいと考えています。


【質疑応答:公共交通網再編への意欲】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

記者

 今回選挙戦で地震からの復興以外では、公共交通の再編に意欲を示されました。過去を見ると熊本市はバス事業を民間に委譲するという形を取ったんですが、今回市長は改めて事業体を行政が参加する形で統合してはという提案をされています。4年間のマニフェストなので非常に短い期間だと思いますが、いつ頃からどういう形で動こうかと思われていますか。

 

市長

 2期目当選させていただきましたし、マニフェストに掲げさせていただいておりますので、関係の事業者のトップの方々とまずはお会いをして胸襟を開いていろいろとざっくばらんにお話を聞く機会は作りたいなと思っています。皆さん方それぞれの考え方もあるでしょうし、それぞれのステークホルダーがいらっしゃって、事業者がいらっしゃる中で進めていかなければいけないことですので、その事業者の経営者の方だけでなく株主の方であるとか、いろんなところの方々の調整も当然いると思いますのでその辺りも含めてです。海外の事例では幾つか経営統合も含めた、運輸連合というような形であったりとかホールディングカンパニー(持株会社)化であったりとか、いくつかの手法があってそれが比較的功を奏している部分があるので、参考にしながら話し合いをする場を持たせていただきたいなと思います。相手があることですから日程等も調整させていただかなければと思っています。

特に公共交通の事業者の方々に関して言えば、これまで公共交通の再編については取り組んできたわけですけれど、結局まだうまく進んでいないという現状、ピーク時からすると70%も乗客数が減っているという現状は相当な危機だと思います。政府でもさまざまな会議体の中で地方銀行であるとか地方のバスであるとかの再編に関してかなり踏み込んだご発言もあっているようで、方針としても今後示されて行くだろうと思っておりますそういったことともよくリンクをしながら地元の事業者の皆さん方ともよく協議をさせていただきたいと考えています。

【質疑応答:マニフェストの拘束力は】

 

記者

 2期目に1期目の時のように新たに財源が必要な、大きな問題が起きないとも限らないと思うんですけれども、そういった時の2期目のマニフェスト120項目の拘束力についてはどのように考えていらっしゃいますか。

 

市長

 例えばリーマンショック級のことが起こるとか、それは当然その時点考えていくことだろうと思います。今回のマニフェストの中で財政の部分を見ていただくと分かりますけれども、きちんと財政のバランスを取りながらやっていくということは明記をさせていただいております。当然歳出も歳入も全部バランスを取りながらでないと事業は執行できませんので、きちんと留意をしていくことかなと思っております。

【質疑応答:市独自の学力テストと連動した課外授業を】

 

記者

マニフェストの教育のところで、市独自の学力テストと連動した課外授業のことをおっしゃっているんですが、お子さんのいる家庭で関心があるみたいで、その点についてはどうでしょうか。

 

市長

 全国の学力テスト等々の結果を見ても、熊本市の今の児童・生徒たちの学力というのが必ずしも全国レベルから比較するとまだまだ高いという訳ではありません。学力テストだけにこだわらず、例えば課外授業的なことで、学習塾に通おうと思っても通えないような経済的に厳しい、あるいは時間的な制約も含めていろんなものがある方々に対しても、学校の課外授業という形であれば、より子どもたちの学習を深めるという意味では意義があることではないかなと考えて掲げています。先生たちの働き方改革もありますけれども、学習指導要領の改訂も含めて全体的に授業時間の中できちんとした指導が十分出来るかもあり、それを補完することは重要と考えておりますので、教育長ともよく相談をしながらやっていきたいと思いますが、私はこれまで保護者の方々も含めてそうしたニーズが非常に高いと感じました。今記者さんからも関心があるとお話が出ておりますけれども、特に今回2期目ではマニフェストでもそうですが、全体として申し上げているのは「未来への礎」をきちっと創っていくということ、特に教育環境を整える、ICT教育などを今年度予算でかなり力を入れて今後3年以内には整備率を政令指定都市レベルで全国トップクラスに持って行くことを皆さんにお約束をしているわけです。マニフェストと連動していくということが期待感も含めてあるのではないかなと思っております。そして子どもたちの学力の向上につなげていきたいと思っております。 

 

記者

 学力格差は先生だけが把握している部分です。子どもにその課外部分を受けさせるかどうかということで心配という声もあるんですが、その点についてはどう考えられますか。

 

市長

 よく現場の声を聴きながらやっていきたいです。いきなり「はい、やります」と導入するわけではなくて、そういうことがニーズとしてある、より現場に即したやり方でやればいいと思っています。教育長とも相談しながらやっていきたいですね。

 


【質疑応答:2期目の主なテーマとは】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

記者

 マニフェストは非常に多岐に渡ります。2期目4年間の市長のテーマというか、一言キーワードで挙げるとしたらどんな4年間にしたいですか。

 

市長

 熊本地震からの復旧・復興の加速化、そして復旧・復興のステージから、未来への礎を創る新しい熊本市づくりに転換をしていく4年間にしたいと考えています。

 

記者

 1期目の4年間と2期目の4年間では、ステージも違うとおっしゃいましたけれども、どのように市政を変えていきたいと思ってらっしゃいますか。 

市長

 1期目は政令指定都市に移行して間もないこともありましたので、「政令指定都市に移行して、これから熊本市はセカンドステージに行くんだ」という表現をさせていただきました。この最中に熊本地震が起こってしまいましたので、まだ道半ばだということは否めないと思います。ですので震災からの復旧・復興を乗り越えていくんだと私自身は思っています。

【質疑応答:若者への選挙啓発と情報公開への意欲】

 

記者

 1点目は投票率のことで、福岡市の「投票前トレーニング」と題した動画による選挙広報についてツイートしてらっしゃいましたけれど、選挙が近づいてしまうとご自身が選挙に触れられることは難しいと思いますが、18歳以下の選挙権についての記事を書こうと思い取材を重ねていたのですが、家庭に配布されている選挙ポスターについて学生が誰も見ていないということがありました。啓発としては今一歩だったのではと思いますが、市長はどう受け止められていますか。

 2点目は、選挙戦でガラス張りをよく言われていたと思いますけれど、事前に桜町再開発とか市民病院とか取材したんですけれど、桜町再開発・熊本城ホールについては9月議会での情報しか基本的にもらえませんでした。市民団体が言われているバスターミナルのことでは、九州産業交通に聞いてもわからないから、市としてもう少し背中を押して情報公開してほしいという声も多いと思います。先日の免震ダンパーの件でも、該当する市内の民間企業について、マンションなのかビルなのか商業施設なのかと聞いても市としては言えませんとのことでした。ガラス張りと言われるからには、そのあたりの改善を取り組んでいかれると思いますが、意欲を教えてください。

 

市長

 1点目について、18歳選挙権が与えられて初の市長選挙でしたので、多くの若者からの反応を私自身は感じました。そういう意味では市政に興味を持ってもらえてるのかなと感じましたが、これはツイッター等を使って日常的に発信してきたことによる副次的な効果であろうと思います。本来はもっと主権者教育を小中学生の早い段階から行うべきです。主権者として投票に行って、自分たちの貴重な権利を行使するんだという点での教育はまだまだ不十分だろうと私は考えています。これは選挙管理委員会だけによって出来るものでは到底ないというのが私の受け止めです。

 それから選挙・政治が忌み嫌われるものというイメージがここ数十年のうちに非常に染みついてしまっていることがあります。そこの部分については皆さんの1票1票で大きく変わるんだよ、ということを特に早い時期から(主権者教育を)検討すべきだと思います。そして、これは公職選挙法上の問題がかなりあると思っています。報道にしてもそうですが、私は今回の市長選挙で1分以内で詳しい政策について述べてくださいというリクエストをいくつかいただきましたが、なかなか表現できない部分があります。しかし報道の皆さん方は公職選挙法も踏まえて、それぞれの候補者を均等に報じる等があると思いますので、ある程度レギュレーション(規制)があるんだろうなと思いました。私はそういうとことはもっとオープンにしても良いのではないか、つまり今事前運動が禁止されていますが、報道でよく「前哨戦」と使われますが、それは事前運動にならないのかという疑問が昔からあるんです。マニフェストも解禁はされたものの、ビラ1枚しか頒布することができない中で、ホームページを見てください、手にしているものを印刷してくださいと言ってもなかなか難しいということがあります。公職選挙法をもう少し時代に合わせて規制を変えていく発想が必要だと思います。今回マスコミさんと青年会議所主催の公開討論会に出させていただいた中でもっと論争を深めることができればいいんですが、どうしても何らかの規制、自主規制的なものがあるということは、政策を広めたい立候補した側からすると選挙報道についてもう少し緩やかなかたちがあっても良いのではと感じています。テレビの記事や動画などもツイッターやフェイスブックで見られるようになったり、あるいは通信社や新聞社の記事がそうやって見られるようになることで、手段が多くなれば多くなるほど情報として多くの人たちが触れる機会が増えてきます。もう少し変えないと、立候補者の側からは難しい部分が正直あります。私の事務所でも事前に何か発表するときには公職選挙法に違反しないか非常に気を遣いながらやっています。

 ドイツなどの例で言うと、約1か月の選挙期間で街中で政党や立候補者が集まって自由に語れる場があるんです。日本の場合は規制規制で行ってるものですから委縮してしまう、選挙報道についても時間や字数をきっちり公平にしなければならないとか行き過ぎている気はします。私も取材を受けた際に、1分ではなく2分くださいと言ったところもありますし、そういうところも今から変わっていく部分かなと思います。

 2点目については情報の公開性はかなり色々しておりますが、市民の代表の皆様である議会で公表することを重視することは当然ですので、正面で議論を戦わせることが必要だと思っています。ただ先ほどの記者さんたちへの情報提供のあり方にはまだまだ課題もあるということで、記者の皆さんからこういうところで工夫が必要ではないか、足りないのではないかということは真摯にお聞きしながらやっていく必要があると思っています。そういう意識を職員が常に持っておくことは大切なことだと思っています。

【質疑応答:市内の交通渋滞解消へのビジョン】

 

記者

 交通渋滞について選挙戦でもかなり言われていましたが、公約に「ベストミックス」という言葉もあるんですが、具体的にどうするというビジョンをお持ちでしょうか。バス路線を拡充する予定があるとか、考えられていることを1つ教えていただけますか。

 

市長

 バス路線網については、フィーダー(支線)化をやっていくことについて、これまでのバス路線網の再編・公共交通網の計画の中で謳っている部分がありますので、特に主要な部分・競合している路線で渋滞を起こしている、あるいはそこで収益性が落ちていることも十分考えられます。元々今まで計画していたものを実行に移す意味で、もう少し踏み込まなければならない、そのために経営統合も含めたバス会社それぞれの話し合いを深めていく、これは行政の関与も深めていくと、これが非常に大きなポイントだと思っています。

 それと、道路渋滞を解消するためにベストミックスという点では車社会からいかに公共交通に乗っていただくように転換するかで道路の負荷は随分軽くなると思います。渋滞する時間帯だけで言えば、路線・渋滞箇所、時間帯をよく分析して、そこで車に乗っている方々向けに公共交通へのシフトをお願いするとか、それから定時性・速達性ということが非常に重要になってきます。あとは乗り換えをしやすいかどうかです。これが、公共交通を利用する上で非常に大きなポイントになりますので、事業者の方々と一緒になって深めていきたいと考えています。

【質疑応答:上熊本を交通の要衝に】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

記者

マニフェストで上熊本駅を都市交通拠点にするというものがありますが、これに関して桜町を整備し、熊本駅も整備していく中で、例えば電鉄と市電の相互乗り入れまで想定されているのかも教えていただけますか。

 

市長

 私は県議会議員時代から市電と電鉄の結節をし、相互乗り入れが実現できないか研究をしてきました。色々と今ある公共交通をさらに魅力的に乗りやすいものにしていく、例えば合志市の荒木市長ともよくお話をするんですが、熊本市より北に住んでいる方も働きに熊本市内に来られるときに車を使うのではなく、利便性の高い公共交通を使えば非常に可能性が高まります。しかも再開発で色々な拠点ができつつあるなかで、上熊本は北西部、特に北に位置する都市と結ぶ結節の拠点となると思います。上熊本を再開発するということではなく、交通結節や乗り換えの利便性アップで交通の要衝にしていくことが必要と考えています。乗り入れができるかどうかは当然、経営統合も含めた形でどうやっていくのか、市電や電鉄の鉄軌道も含めてですけれども、その事業者のみなさんと一緒になって全体のマネジメントしていくという考え方が重要ですので、そのときの拠点としては上熊本はかなり大きいです。JR、市電、熊本電鉄、それぞれのバス、それからタクシーも来ていて、アクセスとしては街なかに非常に近いわけです。以前特急電車が上熊本駅に停まっていたころは、上熊本で降りて中心部に行くというルートもかなりあったわけですが、今は新幹線ですべて熊本駅まで行きますので少なくなってしまいました。そうなるとJR在来線のさらなる利活用を増やすこと、これも重要なポイントだと思っています。今は市電、JR、熊本電鉄、バスも含めてある程度合わせているにしても、時刻表も含めて乗り換えがパッといくようになれば、利用する人は多分相当増えると思います。上熊本あたりでマンションの建設も色々あっていて、すぐに売れているという噂も聞いています。立地性も非常にいいのではないかと思っています。それともうひとつ、車の利用も非常に大事で、西環状道路が上熊本から入っており、その全部が繋がる交通の拠点として上熊本は非常に大きいと考えていますので、今回のマニフェストにも、公共交通を含めた交通のベストミックスを考えるには、あの拠点は非常に重要であり、今後ポテンシャルがあると考えています。

 

記者

 電鉄と市電の相互乗り入れみたいなことも、可能性としてはあるということですか。

 

市長

 やってみたいという思いは持っています。

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