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平成29年12月27日 年末市長記者会見

最終更新日:2018年1月15日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【市長報告:不祥事の発生を受けて】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

会見に先立ち、ご報告とお詫びを申し上げます。

12月22日付で軽犯罪法に違反した病院局の職員1名を懲戒免職、また、地方公務員法に違反した環境局の職員2名を停職2月及び降任と停職1月の処分をいたしました。

これらの不祥事については、過去に類似の処分事案があり、その教訓が生かされておらず、とりわけ環境局につきましては、部下職員を指導・監督する立場にある者が、勤務時間中に業務上の権限を悪用したことに強い憤りを覚えますとともに、再びごみ処理の不祥事を起こしたことに対し、市民の皆様に深くお詫び申し上げます。

本市では、懲戒処分の厳罰化を行い、不祥事に対し厳格な処分を行っているところでありますが、今後も根気強く、法令遵守はもとより、常に全体の奉仕者として強い自覚を持つよう、職員の徹底した意識改革、職場の風土改善を進めてまいります。


【市長報告:今年1年を振り返って】

それでは、本年最後の記者会見となりますので、簡単に1年を振り返ってみたいと思います。

早いもので、平成28年熊本地震から1年8ヶ月が過ぎました。

本市では、今年を熊本地震からの本格的な復興に向け始動する「復興元年」と位置付け、「熊本市震災復興計画」に掲げた施策の推進に、スピード感を持って取り組んでまいりました。

まず、生活再建支援では、11月末の時点で、約1,700世帯の方々が仮設住宅から恒久的な住まいへお移りになられました。11月から受付を開始した県の新たな4つの住まい再建支援策は、12月20日時点で、約1,900件の申請をいただいているところです。

また、11月から12月にかけて実施した「住まいの再建に向けた意向調査」は、現在、集計・分析中であり、来年1月中にはその結果をご報告したいと考えております。来年も、すべての入居者の恒久的な住まい確保を最優先に、より一層のきめ細かい対応を行い、復興を加速化させてまいります。

次に、市民病院の再建については、8月に基本設計が完了し、来年2月の着工に向け実施設計中です。今回の災害で得た貴重な教訓を未来の糧に、災害時にも市民の皆さんが安心して利用できる先進的な施設となるよう、取組みを進めてまいります。

次に、熊本城の復旧については、2019年も見据えた天守閣の早期復旧に向けた本格工事に着手しております。熊本城の復旧を望む多くの皆様の期待にお応えするためにも、今後、文化財及び都市公園の両面から、効率的・計画的な復旧を行い、戦略的な公開と活用を進めてまいります。

次に、中心市街地活性化についてですが、「熊本城ホール」については、2019年12月開業に向け、来年1月下旬に指定管理者候補者を公表する予定であり、熊本駅周辺整備については、熊本駅ビルが2021年春の開業を目指しており、広場については、来年度にも着工予定です。

これらの事業を着実に推進し、中心市街地の魅力を向上させ、賑わいを創出することによって、地域経済や都市圏全体の復興に繋げてまいりたいと考えております。

震災からの復旧復興に向けた取組み以外では、本年4月から市内17ヵ所に「まちづくりセンター」を新たに設置したところでございます。各区の「地域担当職員」が、11月末までに約1,500件の相談を受け、概ね8割が対応済みであるなど一定の成果が上がりました。一方で、地域の担い手不足への支援や、自主・自立の地域づくりなどの課題も見えてきており、今後もこれらの課題解決に向け全庁的に取り組んでまいります。

また、安心・安全なまちづくりに向けては、4月16日に初の住民参加型となる「震災対処実動訓練」を各区で実施したほか、5月に「地域防災計画」を改定し、各校区に校区防災連絡会の設置を進めるなど、地域の防災力の向上にもつながる1年でありました。

来年も、防災意識や対応力の向上を含めた地域の自主的なまちづくりを支援してまいります。

最後になりますが、本年は北口議員からの不当要求等の問題が市政運営を揺るがす1年でもありました。個別外部監査からの指摘を真摯に受け止め、来年は復興を着実に進めるためにも、市役所一丸となって、信頼される市政の推進に取り組んでまりいます。

以上、簡単ではございますが、この1年を振り返らせていただきました。

 

【市長報告:ドイツ・ハンブルクへの出張について】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

女子ハンドボール世界選手権ドイツ大会閉会式におけるハンドオーバー式典への出席について

次に、出張のご報告をさせていただきます。

12月14日から20日まで、ドイツのハイデルベルクを訪問いたしました。

17日には、女子ハンドボール世界選手権ドイツ大会の閉会式に出席し、2019年熊本大会のキャッチフレーズであります、「Hand in Hand ひとつのボールが世界を結ぶ」を発表いたしますとともに、次期開催地である日本・熊本をPRしてまいりました。

ドイツ大会は、ノルウェーからの大応援団で会場が国旗カラーの赤で染まる中、対するフランスが優勝で幕を閉じましたが、大変にぎやかな応援で会場が熱気に包まれ、ヨーロッパでのハンドボールの人気の高さを実感したところでございます。

次回は、この熱気をヨーロッパから熊本に持ってきて展開されることになります。今回、日本選手・おりひめジャパンは、世界の強豪を相手に素晴らしい戦いを繰り広げ、世界の舞台でその存在感を強烈にアピールしたと評価され、注目を浴びました。このことを追い風に、あと2年に迫った熊本での大会の成功に向け、準備を進めてまいります。

  

ベビー・クラッペの視察について

また、12月18日から19日にかけて、妊娠相談所1箇所、ベビー・クラッペ2箇所を視察してまいりました。

まず、妊娠相談所ですが、今回、訪問したpro familia Hamburg(プロファミリア ハンブルグ)は、国の認定を受けた民間の福祉団体で、特別の訓練を受け資格を持つ専門のスタッフが、妊婦が抱える問題の解決に向け支援を行っている状況等について説明を受けました。特に、民間団体が相談所として活用されることで、民間が持つノウハウ等による高度な対応が可能となるとともに、より相談につながりやすくなるメリットがあり、今後妊娠相談体制の充実を検討する上で大変参考になるのではないかと感じました。

次に、ベビー・クラッペですが、ハンブルグ市内にある病院と福祉施設、それぞれに設置されたベビー・クラッペ2箇所を視察しました。視察先の担当者からは、内密出産制度導入後も相談できない女性がいるのは事実でありベビー・クラッペは必要であること、出自を知る権利も大事だが生きる権利がもっと大事であること、内密出産はベビー・クラッペの代わりになるものではないことなど、それぞれのお考えをお聞きしました。

なお、今回のドイツ視察の内容については、12月25日に厚生労働大臣へ報告を行うとともに、同日子ども家庭局へも、視察状況の報告に加え、慈恵病院における新たな出産制度に関する報告も行ってまいりました。私としては、厚生労働省に重く受け止めてもらえたと感じているところです。ドイツ出張の報告は以上となります。

本年最後の記者会見にあたりまして、あらためて、市民の皆様をはじめ報道各社から賜りました市政へのご理解、ご協力に心から感謝申し上げますとともに、来年も同様のご協力を賜りますようお願い申し上げます。私からは以上です。


【質疑応答:慈恵病院が内密出産制度導入の検討等を明らかにしたことに対する受け止めについて】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

【記者】先日の内密出産に関してなんですけれども、こうのとりのゆりかごを運営している慈恵病院が内密出産の導入を検討していきたいと、市とも連携を取っていきたいというふうなことを会見で述べられていたんですけれども、それに関して大西市長はどのように受け止められていらっしゃいますでしょうか。

 

【市長】まず、慈恵病院で内密出産を検討されるということを初めて知ったのがドイツの出張先で、そういう記者会見をされたということで知りました。ですので、慈恵病院のこのニュースを聞いた時には大変驚いたというのが率直な印象でございました。内密出産制度について勉強したいというようなお問い合わせをいただいているということは報告を受けたところでありますけれども、ちょうど私がドイツに行って、また視察するというタイミングでの発表というのは非常に驚いたところでございます。若干私としては唐突感があったので、もう少し事前にいろいろお話をしておいていただければ、私もまたさらに視察の段階でいろいろ生かせたこともあったのではないかと感じたところです。


【質疑応答:内密出産制度に関する慈恵病院からの相談等について】

【記者】まずは1月くらいに制度について相談させてほしいというような思いがあるようなんですけれども、市としては相談を受けることに関しては断る理由はないというところなんでしょうか。

 

【市長】本市としては、当然いろいろなご相談についてはこれまでもいろいろと受けてきましたので、きちんとご相談は受けていこうと思っています。まず慈恵病院がどういうお考えを持っておられるのかということを、本市としてしっかり把握していくということ。それから今後の展開についてどういうふうに考えていかれるのかということはしっかり伺っていく必要があると思っています。

 

【記者】これまでにも大西市長は、厚生労働省に、内密出産制度を含む法整備を要望されていると思うんですけれども、そもそもその理由と言いますか、やはりあの検討部会での報告でも出自の問題だったりとか長距離移動での危険性だったりとかという問題が挙げられている中で、やはり市としてもその状況をそのままにしておくわけにはいけないという思いで内密出産制度等の要望をされているということでよろしいですか。

 

【市長】もちろん今、熊本の慈恵病院にこうのとりのゆりかごが設置されているということによって、現実的には10年間でこのゆりかごに預け入れされた130人のお子さんたちの中で、やはり出自が分からないというような状況が出るということは、一人の人間の人生に大きく左右することでもありますし、子どもの出自を知る権利を侵害することについては課題があるということ、それからもう一つは母子ともに安全な環境で子どもを産むということに関して、やはりこうのとりのゆりかごが熊本の地に1ヶ所しかない、ドイツには100ヶ所以上あると伺っておりますけれども、1ヶ所しかないということによってここに集中してしまっているということ、そういうことを考えた時には一自治体、一民間病院だけの問題として捉えるのではなくて、国の相談体制の充実も含めた制度化がなければ、こうした課題というのは解消ができないと考えておりますので、そういった点で厚生労働省にも要望させていただいているということであります。

【質疑応答:市庁舎内の託児施設設置に関する報道について】

【記者】先日報道で来年度にも市役所本庁舎の3階に託児施設を設けていくというような報道があったんですけれども、それに関して市長のお考えをお聞かせ願えないでしょうか。

 

【市長】そういう報道があったということで私も少しびっくりしたんですけれども、12月12日の記者会見で、子育て支援の充実、それから市政参加への促進、あるいは働き方改革の観点から、現状の制度において不都合な点がいろいろないかどうかという把握も含めて、事務方に適切に対応するように指示したということを申し上げたと思いますが、事務方にいろいろ指示する中で、記事に時期とか場所とかが書かれていたということです。内部の検討はしているのかもしれませんけれども、私がそれを特に聞いているという状況ではなく、機関的に何か決定したという事実はございません。ただやはり、例えば本庁舎における乳幼児の預かり施設が必要だとかという可能性であるとか、それから子育てをしながら幅広い市民の皆様が市政に参画していただくとか、職員自身も子育てをしながら働きやすい環境を作るということは非常に重要なことであると思いますので、その対応策を一つ一つ考えていくということは重要だと思っております。ですのでそういう意味では、さまざまな検討がされるべきだと思っていますが、私自身は当然そういう市役所の中のこともそうなんですが、まず保育の受け皿という意味で今課題になっております待機児童について、本市では厚生労働省の基準によるカウントでは、2年連続で4月の段階ではゼロだということを達成はしているものの、依然300名を超える保留児童の方がいらっしゃる、こうした受け皿づくりを急ぐということに全力を傾注することが必要であると考えています。

 

【質疑応答:内密出産制度の制度化について】

【記者】内密出産制度の話に戻るんですけれど、国に対して法の制度化をということで要望されたということですが、一方でその法解釈次第で市としてもやれるのではというような考え方もあるかと思うんですが、そのあたりに関してはどういうふうにお考えですか。

 

【市長】私もまだ慈恵病院の記者会見の内容であるとか、どういうお考えなのかということ、その法解釈で内密出産を独自に制度化できるかどうかをどうお考えなのか分かりませんので、今一概に申せないわけでありますが、私自身がドイツで視察して内密出産制度をいろいろ運用も含めてお聞きする中では、かなり制度が複雑であるということです。そういう意味ではなかなか手続き的な面でも難しいところはあるということですが、制度化されたことによって、例えばいろんな相談が既に制度化されているさまざまな母子への支援、こういったものに繋がっているということは非常に大きいなと思いましたので、そういう意味での法制度化というのは重要だと思いましたが、これは逆に言えば民法だけでなく戸籍法であるとか、さまざまな法律が関わるものだと思いますので、そういう意味では今の現段階で一病院や一自治体だけで運用ができるというふうには少し考えにくいと思っています。

【質疑応答:厚生労働省への要望内容や大臣からの返答について】

【記者】厚生労働省に行かれたということですけれども、その報告に加えて何か具体的なお願いですとか、向こうからはどういったお返事をいただいたか教えていただけますか。

 

【市長】今回厚生労働省にお邪魔しまして、大臣に対しては時間がたくさん取れたわけではなくて15分程度でございますので、私どもからの報告をさせていただいたところです。それから要望については、既に 7月11日に指定都市市長会としての要望、それから11月16日に本市としても単独で要望させていただいておりますので、その要望について踏まえていただきたいということをお願いしたということと、今少しご説明したような今回の視察で得たことをご報告させていただきました。その中で加藤大臣からは、やはりドイツではこういった妊娠相談所も含めた歴史というのが50年以上もあるということで、そのような相談体制の中に内密出産制度というものがあって、そういう意味ではそういった歴史がなかなかまだ浅い日本とは、随分と事情が異なっているのではないかというコメントをされていたということです。それから厚生労働省としては、まず母体とそれから胎児の安全をいかに確保していくのかという視点を強く持って相談体制の構築に取り組まなければならないということを、加藤大臣からはお話いただきました。そういったことも含めて、ドイツのいろいろな背景も含めて、それから慈恵病院のことについては私もまだお目にかかってお話を聞いている状況ではないので、本市にどういうアクションがあったのかということについて経過報告をさせていただいて、年明けにでもお話を伺うのでその後にしっかりと情報共有をさせていただきたいということ、これを大臣には申し上げました。また、大臣への報告の前に厚生労働省の子ども家庭局長を始め、関係の審議官あるいは担当の皆さん方といろいろと状況報告をさせていただいて意見交換したんですけれども、その中では厚生労働省としてもドイツの内密出産制度について、やはり内密出産という仕組みがドイツの社会においてどのように機能しているのかということに非常に関心を持っているということ、それからどう受け止められているかということを知るべきというようなお話しをいただいたところです。それから慈恵病院におけるこの新たな出産制度、その検討の報道についての経緯、それから本市としての現時点での対応についての報告をしたところなんですが、この中で慈恵病院の記者会見について私も存じ上げなかったということと、私の出張のタイミングに合わせてある程度発表されたということ、それから事務方から病院における法解釈等の検討というのはこれからと伺っているということで、現時点でその制度導入にあたって慈恵病院で細かく検討されているという状況ではないようだということ。そういう意味では報道発表も含め、私としては少々勇み足な印象を受けたということを、私から担当局には申し上げさせていただきました。ただ、慈恵病院でもこうした新たな制度を検討されるという動きの背景には、やはり出自を知る権利というものがこうのとりのゆりかごの場合には非常に問題があるという意識を持っておられるということ、それから母子の生命の危険性に対する危機感をお持ちであるという、そういう表れだというふうに認識していると私から厚生労働省の子ども家庭局長はじめ皆さんにお伝えしたところです。それに対して、慈恵病院についてはさまざまな考え方があるだろうと、第一線で目の前の子どもの命を実践的に病院として救っておられる実績であるとか、現場での重みというのはしっかり国としても受け止めなければいけないというコメントがございました。また今回のその検討というのは、ある意味では問題提起というようなことも含めて受け止めたいとお話があったところです。ですから、そういう意味では今回私が視察の報告をしたということも、それからこれまで過去に要望させていただいたということ、それから中間報告が出されたことについての内容についても十分理解をされた中で、やはり国としてもこうした相談制度の充実も含めて、他国の制度もよく調査しながら検討していかなければならないというふうな、強く関心を持っていただいているように私は印象を持ちました。

 

【質疑応答:(北口市議関連)熊本市漁協への返還請求状況について】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

【記者】北口議員の件で、市漁協に今返還請求をされていると思うんですけど、先週恐らく督促状の期限があったと思うんですが、これまでに入金があったのかどうかと、今後なかった場合は新たに督促状を出すとか考えられているのかというところを教えてください。

 

【市長】実は督促の納付期限は12月19日としていたところですが、今朝までに入金が確認できませんでしたので、本日督促を行っているというところです。これまで再三再四にわたって返還を求めておりますので、今後も引き続きそうしたことを行っていきます。ただ聞くところによると、ご本人も入院されているというお話でありますので、連絡が取れないということでありますけれども、ただいずれにしましてもこの返還を求めるということについては、引き続き督促を根気強く行っていきたいと思っています。


【質疑応答:(北口市議関連)返還がなかった場合の法的措置について】

【記者】先ほどもネガティブなことで市政運営が揺るがされたということで、ご本人も入院されているとかの事情もあるとは思うんですが、これも恐らく税金の一部だし、市民にとっては迅速に対応してほしいという思いはすごくあると思うんですよね。改めて法的措置とかそういう方面での考えというのは今の時点ではありますか。

 

【市長】今申し上げたように、今日請求を行ったという状況ですので、その結果をしっかり見たいということです。それから当然迅速な対応というのは、市民の皆さんはそういう風に思われていると思いますけれども、我々もそう思っているわけでありまして、この状態がいつまでも長く続いているということは市政運営にとって大変なマイナスであると考えておりますので、そういう意味では北口議員においては入院されているというような状況ではあると聞いていますけれども、しっかりと説明責任を果たし、またけじめをつけていただくべきと考えています。

【質疑応答:懲戒処分(震災ごみの不正廃棄)に対する受け止めについて】

【記者】最初の不祥事の件なんですけれども、前回いわゆる「ごみのただ捨て」問題が出た時に、大西市長がごみ有料化の制度の根幹を揺るがすような問題だというようなコメントをされたかと記憶しております。今回それを受けて、悪意ではなかったのかもしれませんが、まさにただ捨てに当たるような行為で処分されたということで、もう一回受け止めを、どのような認識であられるかを教えてください。

 

【市長】今回特に悪質だというのが管理職である立場の者が起こしたということ、ある意味では部下職員が善意から処分しますよというような提案をしたということかもしれませんけれども、そこに市民の皆さんとの公平性であるとか、それから過去にさまざまなそういう問題を起こしているという自覚が足りないこと、公務員としての倫理観も欠如しているということ、そういったことを踏まえると、非常に市民の皆さんに顔向けができないような状況であると強く認識しておりますので厳しく処分も致しましたし、また局長をはじめ訓告も行いましたけれども、今後も引き続き厳しく監督するように指導したところでございます。いずれにしても、市民の皆さん方のやはり信頼を得る市政運営がなければ、これは議会との関係もそうですけれども、市の職員の全体的な規範意識というのを高めていかなければなりません。私が就任してからもこれだけ不祥事が大変多く続いているということは、これは相当私自身も気を引き締めていかなければならないと思いましたし、市民の皆さん方には本当に申し訳がないことでありますし、記者会見の度に私がこうして頭を下げているということ自体が異常な事態であるということを、全職員に強く認識してもらいたいと思っております。そういう意味では、今年最後の締めくくりの記者会見でこういう形で会見をしなければならないというのは本当に申し訳ない気持ちで一杯でありますけれども、ただこれはひとつひとつそういった膿を出していくということ、それを私がトップとして覚悟を持って取り組むということ、ここに尽きると思いますので、全力でそうした職員の規範意識の向上、そしてこうした不祥事を二度と起こさない体質をつくるために、管理職も含めた組織の規律を正していくということを全力で取り組んでいきたいと思っておりますので、ぜひ市民の皆さんにはお怒りの点も多々あろうかと思いますけれども、ご理解いただきたいと思っております。

 

【質疑応答:熊本城復旧に係る専門部会が一部非公開であったことについて】

【記者】先ほど熊本城の復旧の件で、いわゆる復旧過程を見せることは、一つは観光客だとかということを念頭に言われたかと思うんですが、もう一方で復旧の工程をどのような形で議論されて、それでこういう復旧に至りましたよというようなのは、熊本地震を経験した人たちが次世代に伝えるためには必要なことだと思います。先日行われた専門部会の中では、一部の、要は協議事項を非公開の中で行うというような事態が起きて、前回までは公開されているものが公開されてなかったりした点がありました。ここは例えば個人情報が入るとか、そういうものだったらこちらも理解できるんですけれど、今後は専門部会の議論も多分次世代に使えていかなければならない情報だと思うので公開されるべきだと思うんですが、市長のお考えを教えてください。

 

【市長】例えば専門部会の先生方が割と自由に自分の専門的な見地から、知見をおっしゃる内容は、なかなか現時点で復旧、復興の部分でどこまで反映されるか反映されないかということもあると思いますので、そういった面で割と自由に検討していただくということで、そういう中で一部非公開にされている部分もあるというふうに思いますけれども、基本的にはそうしたことも含めて、当然時間の経過とともにそうした議論も全部オープンにされるべきだと思っています。ですので、これは支障のない範囲で原則オープンにされていくべきだと思いますが、やはり当然専門の先生方も、こうしたこれだけ大きな石垣が崩れてしまったということは、明治22年以来熊本ではないということもありまして、やはりこうではないかああではないかという、ある意味ではまだ確証が得られないものも含めて自由に意見を出されているところがあるんではないかなというふうに、私はまだ内容は聞いていませんけれどもそういうふうに拝察しています。そうした中であまり憶測が走り過ぎないようにという意味でそういう配慮をされているということであって、そうした過程が一切ブラックボックスの中であるということではないというふうに思っていますし、そうしたことも含めてどういった検討がなされたかということは、当然将来にわたって皆さんに広く知らしめられるべきだというふうに思っております。そういう中で熊本城の経過については、きちんとしたそういう専門部会でのご議論、それからそういう委員会やさまざまな場がございますので、そういったプロセスできちんとオープンにされて行くべきものだと私自身は考えています。それから、市民の皆さん方によりわかりやすく、熊本城の復旧の考え方であるとか、復旧のプロセスというのを知っていただくためには、報道の皆さん方にもやはり適切に、場面場面でそういう過程を見ていただく必要があると私は思っています。あるいは市民シンポジウムを今度1月28日に開催するわけでありますけれども、こうしたものにも多くの皆さんに来ていただいて知っていただく。そしてできる限り今情報をHP等々でもアップさせていただいておりますけれども、こうしたことも併せて行っていく必要があると思います。報道機関の方からも検討事項の公開できる部分についてはできるだけ公開してくださいと部会の方に申し入れがあったということは私も報告を受けておりますので、そうしたところはできる限りオープンにされるのではないかと思っています。

【質疑応答:ベビー・クラッペ視察を国への要望にどのように生かしていくのか及び日本で内密出産制度を取り入れる場合の課題について】

【記者】既に視察の内容については厚生労働省に報告したということだったんですけれども、また今後の国への要望にどのように生かしていくのかというのと、実際に慈恵病院と課題を共有しながら何か具体的な要望に繋げていくという考えはあるのかというのが1点と、もう1点が実際にドイツを見られてきて、もし日本で内密出産制度を取り入れるとなった場合の課題があれば教えてください。

 

【市長】1点目の国へのアプローチということに関しては、既に要望を度々させていただいておりますので、逆に国がどういう答えを我々に返していただくのかということではないかなと思っております。一方で重要なのは、我々が知り得たさまざまな情報、それから現場でこうのとりのゆりかごを運営しておられる慈恵病院からのいろいろな情報、それから妊娠や出産こうしたことに対する相談の状況、現場の状況というものについて、より厚生労働省には現場の具体的な意見や情報を共有していくということを今回確認させていただきましたので、そういう意味ではこれからかなり連携が密になるのではないかと思います。そうしたものを踏まえて、国としても一定の見解や方向性が示されていくだろうと思っています。それから2点目のドイツでの視察を踏まえてということで、内密出産制度を導入をするということは、法の後ろ盾があることによって相談がしやすい体制に繋がっている、相談体制の充実に繋がっているということは事実であろうかと思いますので、ここについてはやはりそういった法制化の検討というのはわが国でもされるべきだろうと思います。ただドイツと日本の違いというのは、やはりドイツでは中世の時代から養子縁組が斡旋も含めて盛んに行われていたということ、それから里親も含めてですけれども、そういった希望の方が非常に日本と比べて多いということ、こういったところがやはり環境がずいぶん違うということでありますので、内密出産の制度をただ取り入れるだけで、すべて日本で解決するかと言うとそういう問題ではないというのが私の今回視察した認識として印象として深かったところです。それではなくて、むしろ最初に視察したプロファミリアという民間団体の妊娠相談所とその専門の方々にお話を聞くと、性教育であるとか、こういったものもそういう公的機関から受けて、実際に子どもさん達がそこに来て性教育を受けるということで、部分部分ではなくてトータルで命の大切さであるとか、子どもの妊娠であるとか、それからどうしたら相談できるかとか、知識的なものも含めてですけれどもかなり早い段階からそういったものが総合的に行われています。相談を受けられる方はどのくらいの年代層の幅がありますかと伺ったら、10代から70代までの方々からの相談を受けているということ、それからあと有料で、約30ユーロ、約4,000円くらいでカウンセリングを受けるというか、そういう相談を受けているというようなことが分かりました。やはりそういう意味では民間であったり、例えば日本で言えば病院、産科であるとか婦人科であるとか、こういったところでもう少し気軽にいろいろな相談に乗れるような体制があるといいのではないかというのが、私が今考えているところです。ですので今慈恵病院のこうのとりのゆりかごに相談が集中しているということは、やはりそういう病院というところで専門的な安心感があるということ、それから匿名で秘密をある程度守ってくれるというようなことが確保されているかどうかということは、今回視察して非常に大きいと思いましたので、やはり望まない妊娠等で悩む当事者や家族、関係者、こういった人たちが皆でやはり総合的に解決できるような体制を全体として作っていかないといけない。ですから今回の視察で私が思ったのは、そういう性教育から内密出産の法制化というところまでかなり幅広い取り組みを行っていかなければ、日本ではなかなかドイツと同じようにはいかないということだと思います。それからもう一つ、妊娠の相談、あるいは出産に対する相談が、やはり法制度の後ろ盾があることによって相談が増えているという事実が確認できましたので、そうした制度化についてはさらに国に対しても求めていきたいと思っています。

 

 

(終了)

 

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