講師:稲葉 継陽さん(熊本大学 永青文庫研究センター長・教授)内容:歴史から見る熊本の災害日時:令和元年10月30日(水)10:00~12:00場所:熊本市中央公民館 大会議室3
10月30日(水)、熊本市中央公民館において第4回そなえる防災講座を開催しました。
今回は、熊本大学教授 永青文庫研究センター長の稲葉継陽氏に「歴史資料から見る熊本の災害」と題しお話いただき30名の参加がありました。
【講演概要】
地震観測データの蓄積は、ほぼ大正時代以降であり、災害史を知るには、文献史料による「歴史地震」の研究が重要であり、現在の防災に生かすことができます。
まず、歴史地震年表を見ながら、1600年代からの熊本の地震災害を見ていきました。そこには、数年ごとに地域を違えながら繰り返す大地震の記録が残されていました。歴史的事実と最新の地震火山学の研究とも符合しています。
次に「江戸時代熊本の台風被害と城下町商人」として、台風被害により熊本藩財政の危機となった際の答申が永青文庫に現存しており、その内容をみていきました。17世紀中葉に発生した危機的災害に直面した奉行衆・家老衆は、町人等からの献策によって、災害対応・復旧に際して具体的なアイデアを入手し、未曾有の危機を乗り切る可能性を獲得していたことがわかりました。
最後に、津波碑の存在から「古文書も石碑も現在を生きる私たちが語らせなければ単なる紙切れや石である。地域で次の世代に語り継いでいく必要がある。」と語られました。
【参加者の声】-アンケートより抜粋-
・古文書の存在で過去の地震の結果を知ることが出来感謝です。私共に分かりやすく講義していただき歴史資料の大切さを知りました。永青文庫のすごさを深く知りました。・今の時代との関わり、つながりがよく分かった歴史は昔のことを知るのではなく今の暮らしに先人の諸々の教訓を学ぶこと。活かすこと。歴史そのものの認識を改めさせられました。
・今回、歴史の客観的事実がとてもよく分かりました。防災への関心を持ち続けたいと強く思いました。