2022年7月受付 |
上江津を散策中、水前寺ノリの発生地にさしかかった際、信じ難い光景を目にした。そこには例年春先に芽を吹き、正にこれから花を咲かせようとする水生植物の数々とアゲハチョウの仲間、ジャコウアゲハの唯一の食草 ウマノスズクサが食年も芽を出し、今年も元気にフェンスにツルを伸ばしていた。それらの植物が全て根元からバッサリ刈られていた。ジャコウアゲハについては絶滅危惧種ではないが近年著しく個体数が減少し、ウマノスズクサの保全活動が各地で行われている。
また、江津湖にウマノスズクサが自生していると聞き、他県からわざわざ見学に訪れた人が現状を見て驚きがっかりして帰られたと聞いた。これ迄も度々除草作業の折、刈られた後を見て残念に思ったのは私だけではない。特に春から夏にかけては成虫が飛来し、葉の裏側に卵を産みつける大事な時季なのである。毎年成虫が飛来し、池の周辺を優雅に舞う姿を散策の楽しみにしているのも、又私だけではない。
江津湖やその周辺には、動植物園も含めて多種多様の植物が存在し、そこを訪れる生きもの達がいる。 市街地のしかも沢山の人が訪れる場所にウマノスズクサが自生しているのは珍らしく、貴重な事だと思う。 身近な生きもの達に目を向けてこその生物多様性だと思うので、次代を担う子供達のためにもこの豊かな自然を保護して頂きたい。 |
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