狂犬病ってどんな病気なの?
狂犬病ってどんな病気なの?
狂犬病は、人を含め犬、猫、ネズミ、コウモリなど
全てのほ乳類に感染します。
狂犬病ウイルスをもつ動物に咬まれたときに、その動物の唾液中に含まれるウイルスが傷口から体内に侵入することで感染します。
人も動物も発病すると治療法がなく、狂暴化・精神錯乱・全身麻痺などの症状を示した後、ほぼ100%死に至る、大変恐ろしい病気です。
日本でも狂犬病は発生しているの?
幸い、現在日本では狂犬病は発生していません。しかし、かつては日本も狂犬病の流行国であり、亡くなった方も大勢いました。
現在、日本の周辺国を含む世界中のほとんどの国では依然として狂犬病が発生しており、
毎年約5万5千人もの方がこの病気により死亡しています(WHO、2004年)。国際交流が盛んな時代であること、さらには、不法上陸や海外船舶からの小型野生動物の侵入などを考えると、
日本は常に狂犬病の侵入の危機に晒されているといえます。
もしも日本で狂犬病が発生したらどうなるの?
狂犬病は、狂犬病ウイルスをもつ動物に咬まれることにより感染しますが、人に感染する場合、その感染源となる動物のほとんどは犬です。もしも日本で狂犬病が発生したら、
あなたが飼っている愛犬、さらには、飼い主であるあなた自身の命が真っ先に危険にさらされるのです。
日本での狂犬病の流行を防ぐにはどうしたらいいの?
人への感染源のほとんどが犬であることを考えても、人への被害を予防するためには、犬での狂犬病流行を防ぐことがまず重要です。そのために、
犬の飼い主の方は、毎年必ず飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせてください。また、万一日本に狂犬病が侵入した場合に迅速な対応をとるためにも、日頃からどこで何頭犬が飼われているのかを把握しておくこともとても重要です。そのために、犬の飼い主の方は、狂犬病予防注射と合わせて、飼い犬の登録(犬の戸籍づくりのようなもの)を必ず行ってください。
狂犬病は過去の病気ではありません。今現在も世界のどこかで発生し、いつ日本で発生してもおかしくない状況であるということを十分認識し、犬の飼い主の方は、
飼い犬の登録と狂犬病予防注射を必ず行ってください。
うちの犬は室内犬でおとなしいから、狂犬病予防注射は必要ないよね?
犬の登録と狂犬病予防注射は、「狂犬病予防法」により犬の飼い主さんに義務付けられています。 これは室内犬の場合も同じです。室内飼いであっても、小さなほ乳類と接触する恐れは十分にあるからです。また、普段どんなにおとなしい犬でも、狂犬病にかかると、目の前のものに咬みつくなどの狂犬病特有の症状が現れます。その時、一番に被害にあうのは犬の飼い主さんです。
室内犬であっても、必ず犬の登録と狂犬病予防注射を行ってください。
なお、動物病院で受ける混合ワクチンには、狂犬病予防ワクチンは含まれていないため、混合ワクチンとは別に狂犬病予防注射を受ける必要があります。ご注意ください。