本答申の考え方
(1)行政区画の編成について
行政区画の編成に当たっては、第3回行政区画等審議会で決定した「行政区画編成の検討に当たっての基準」に定める、(1)人口規模、(2)面積規模及び地形・地物、(3)地域コミュニティ及び通学区域、(4)公共機関の所管区域、選挙区(国)の4項目を基にし、具体的には、
・行政サービスの提供において、区の間に格差を生じさせないために、10万~15万人程度のバランスのとれた人口規模にすること
・住民と行政が身近な結びつきのもとに連帯して、地域の特性を生かした一体感のある区のまちづくりを行っていくために、所管区域の市民協働による地域づくり活動の支援や推進を行っている公民館の区域をなるべく分断しないこと ・小学校の通学区域については、分断をしないこと
・保健福祉センターの管轄区域については、なるべく分断しないこと
などを考慮した。
また、住民サービスを低下させないことを最優先に考え、
・市が大区役所制を採用し、きめ細やかな住民サービスが市民に身近な区役所で行われること
・区役所出張所となる総合支所や市民センターの機能を現行とほぼ同様に維持するためには、職員の配置数から考えると、区の数は最大5つとなること
・旧富合町・城南町・植木町と合併して政令指定都市を目指す熊本市の新旧市民の一体化を図ること
などにも配慮しながら、住民説明会やパブリックコメント、住民アンケートでの住民意見や、地域団体等からの陳情・要望などもふまえ、審議会において論議を行った結果、行政区画の編成については、5区とすることとした。
(2)区役所の位置について
区役所位置の検討に当たっては、第3回審議会で決定した「区役所位置の検討に当たっての基準」に定める、(1)区役所の施設規模、(2)既存施設の活用、(3)用地確保の可能性、(4)交通の利便性、(5)市民の日常生活における利便性の5項目を基にしたが、特に、財政的な観点から既存施設の活用を最大限に考慮し、また、平成24年4月1日の政令指定都市移行までの限られた期間内の区役所整備のための用地確保の可能性等に配慮し、検討を行った。
また、市町村合併の課題として、周辺地域が衰退していくことへの懸念があげられるが、その観点から考えれば、合併した周辺地域に区役所を設置することが、熊本市全体の振興につながっていくと期待できることもあり、次のように決定した。
【A区】
既存施設の活用と新熊本市の均衡ある発展を考慮し、さらに、法定協議会での審議の結果も踏まえ、植木総合支所とした。
【B区】
既存施設の活用と地域拠点にもなっている西部市民センターとした。
【C区】
既存施設の活用と交通の利便性の観点から市役所本庁舎とした。
【D区】
用地確保の可能性及び地域拠点としての位置づけから税務大学校熊本研修所隣接地とした。
【E区】
既存施設の活用と新熊本市の均衡ある発展を考慮し、富合総合支所とした。
(3)行政区設置に当たって実現すべき事項
本審議会は、行政区画の編成及び区役所の位置について答申するに当たって、住民説明会やパブリックコメント等で出された意見や要望を踏まえ、区割りによって住民サービスの低下を招かないようできる限りの配慮を行ったところであるが、特に以下の点については、熊本市において今後十分な対応をされることを期待する。
(1)新たに設置される区役所の利便性を確保することを目的として、区内の交通条件のあまりよくない地域のために、行政が主体となり運営する「区バス」を導入すること。導入に当たっては、経路や運行時間に配慮し、高齢者や障がい者をはじめとする多くの市民が利用しやすいバスとすること。
(2)区役所出張所となる総合支所・市民センターの機能を現行と同様に維持すること。
(3)市民生活に密着した住民サービスについては、市民が居住する区に関わらず、どの区役所でもサービスが受けられるようにすること。
答申書
行政区画の編成及び区役所の位置の答申書(一式)(PDF:877.3キロバイト)