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令和2年第1回定例市議会 市長提案理由説明

最終更新日:2020年2月20日
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令和2年第1回定例市議会 市長提案理由説明

   提案理由の説明に先立ちまして、数点御報告を申し上げます。

 まず、新型コロナウイルス感染症への対応について、御報告いたします。

 本市では、感染防止に向け、国や県をはじめ関係機関と連携を密にして、最新情報の収集や情報共有に努め、緊張感を持って対応しております。

 先月27日に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、本日までに本部会議を2回、庁内連絡会議を5回開催したほか、専用の電話相談窓口の開設や市民病院において対処訓練を実施するとともに、学校をはじめ福祉関係施設や観光施設等に対しては注意を促しました。

 また、本市と友好都市である桂林市と交流都市である蘇州国家高新区から支援要請を受け、これまでに備蓄していたマスクを合計6万枚発送したほか、医療機関用として、熊本市医師会に対し今月6日に3万枚、さらに18日に3万枚の合計6万枚を提供するとともに、17日にも熊本市民病院へ1万枚配備するなど、医療機関のニーズに沿った配備を進めております。

 今後も、ウイルスに関する最新情報を本市ホームページに随時掲載するとともに、必要な対策を迅速かつ適切に実施し、市民の皆様の安全・安心を守ってまいります。

 次に、去る16日に開催いたしました「熊本城マラソン2020」について御報告いたします。

 令和初の開催となった今回の熊本城マラソンは、国内外から14千人を超えるランナーの皆様に御参加をいただきました。

 当日はあいにくの雨で寒さが厳しい中での開催となり、体調を崩し救急搬送された方や途中棄権の方も多く発生したほか、運営に従事されたボランティアなどの関係者をはじめ、沿道から応援いただいた市民の皆様には大変な御苦労をおかけしました。

 また、新型コロナウイルスの感染予防対策などにも力を入れ、安全を第一に大会運営に努めたところであり、おかげをもちまして無事終了することができました。

 ここに改めまして、開催にあたり、御尽力いただきました多くの方々並びに沿道で温かい応援をいただきました市民の皆様に対しまして、この場をお借りしまして心から感謝を申し上げます。

 次に、熊本地震からの復旧・復興について御報告いたします。

 今月で熊本地震発災から310ヶ月が経過いたしました。

 これまで、被災された方々の生活再建を最優先に、震災からの復旧・復興に向けて、全力で取り組んでまいりました。

 その結果、被災者の住まい再建やインフラ等の復旧は概ね順調に進んでおりますが、今もなお仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされている方や、液状化被害等により宅地の復旧に時間を要している方、生活困窮等の課題を抱えている世帯もあることから、全ての被災者の方々が、1日も早く元の生活を取り戻していただけるよう、引き続き、お一人おひとりに寄り添った支援を行ってまいります。

 最後に、熊本市第7次総合計画の中間見直しについて御報告いたします。

 平成283月に策定した第7次総合計画は、熊本地震に伴い、震災復興計画を中核として前期計画に取り組んでまいりましたが、見直し時期を迎え社会経済情勢の変化等への対応とともに、新たな熊本づくりに向けて、変更作業を進めてまいりました。

 具体的には、庁内における徹底した議論はもとより、有識者を交えた審議会や広聴事業、シンポジウム、パブリックコメントなどにより、多くの御意見や御提案を拝聴しながら議論を深め、市議会においても、定例会ごとに各常任委員会で進捗を御説明し、御意見を伺ってまいりました。

 そして今定例会に、基本構想及び基本計画の変更に係る議案を提出させていただいております。

 本市の最優先課題である「熊本地震からの復旧復興」を柱に据えるとともに、人口減少・超高齢社会の本格的な到来に加え、SDGsの理念や国土強靭化などの新たな視点を踏まえながら、教育・健康・交通分野をはじめ、全ての分野別施策について見直しを行ったものであり、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願いいたします。

 それでは、改めまして、令和2年度当初予算の編成にあたっての考え方について、御説明申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、来たるべき新年度は、震災からの復旧・復興に引き続き最優先で取り組むとともに、社会情勢の変化等に対応した施策を展開し、「上質な生活都市」の実現に向けて再始動する非常に重要な年度であります。

 このようなことから、着実な復興と上質な生活都市への更なる進展を目指すべく、増収が見込まれる市税や県・市の復興基金等を活用しながら、国の経済対策を含む令和元年度2月補正予算と一体的に編成しました。

 それでは、特に重点的に取り組むこととした項目について、御説明いたします。

 まず、「着実な復興と上質な生活都市の更なる進展」に係る取組ですが、これは熊本地震からの復旧復興を成し遂げ、その先の将来に向けさらに大きく飛躍するため、「熊本地震からの復旧復興」と、「まちづくりの重点的取組」の2つを大きな柱としております。

 1つ目の柱であります「熊本地震からの復旧復興」については、市民力・地域力・行政力を結集し、熊本地震からの復旧復興を最優先に取り組むこととしており、次の3点に重点的に取り組んでまいります。

 まず1点目の「被災者の生活再建に向けたトータルケア」につきましては、住宅の再建方法に応じた経済的支援のほか、地域支え合いセンター等による見守りや健康相談を継続するとともに、仮設住宅等退去後の生活状況や健康状態を把握するなど、一人ひとりに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。

 また、恒久住宅移行後の新たなコミュニティ形成等に対し、各区が被災者に寄り添った柔軟な支援を行うとともに、生活自立支援センターを東区と南区にも新設し、生活困窮者に対する支援を強化いたします。

 さらに、近見地区の液状化対策工事や被災宅地の復旧に対する助成についても引き続き実施するほか、被災マンションの解体に対する支援を創設するなど、被災者の生活再建を最優先にあらゆる側面から支援を行ってまいります。

 次に、2点目の「防災・減災のまちづくり」につきましては、熊本地震の教訓を踏まえ、南区役所などの防災拠点施設の耐震性能を強化するための調査等を実施するほか、本庁舎の今後の整備のあり方についても検討を行います。

 また、水前寺・立田山断層の調査を行うなど、最新のデータを基に想定される地震規模等のリスクを地域防災計画へ反映させるほか、新たに統合型ハザードマップを作成し、全戸配布するとともに、災害時の拠点となる福祉避難所の非常用自家発電設備の整備等に対して支援を強化するなど、ハード・ソフト両面から市民・地域・行政の災害対応力の更なる向上に取り組み、災害に強いまちづくりを進めてまいります。

 最後に、3点目の「熊本地震の記録と記憶の伝承」につきましては、熊本地震からの復旧・復興をテーマとした全国の自治体の政策研究会議を開催するほか、熊本城の復旧過程の段階的公開と活用等を図るとともに、防災学習用に風水害体験等シミュレータを整備するなど、地震で得た教訓と復旧・復興の過程を市内外で共有し、熊本地震の記憶を風化させることなく、次世代へ伝えていく取組を継続いたします。

 続きまして、第7次総合計画に掲げるめざすまちの姿を実現するための、まちづくりの重点的取組をお示ししております。

 1点目は、「安心して暮らせるまちづくり」です。

 まず、学校教育関係では、タブレット端末の全小中学校への配備が完了し、政令市トップクラスの教育ICT環境が実現するほか、高校改革関連として市立高校等の改革に向けた基本計画を策定するとともに、公立高校では全国初となる市立高校へのWeb出願システムの導入に取り組んでまいります。

 また、助産院等による産後の母子へのサポートを開始するとともに、命の尊さを学ぶ教育を全中学校等へ拡充するなど、子どもと女性に優しく、誰もが安心して子育てできる環境を整えてまいります。

 さらに、昨年度に引き続き、「まちづくりセンター」の地域担当職員等が把握した地域のニーズや課題に対し、各区と各担当部局が連携し、その解決に取り組んでまいります。

 加えて、市民の健康づくり活動にポイントを付与する健康ポイント事業を4月以降本格運用するほか、地域猫と市民の共生に取り組むモデル事業を実施するとともに、資源物の持ち去り行為等に対する啓発を強化するなど、「おたがいさま」で支え合う地域コミュニティの形成を積極的に進めてまいります。

 2点目は、「ずっと住みたいまちづくり」です。

 まず、誰もが移動しやすく暮らしやすい都市づくりについては、バス事業者の共同経営に向けた検討等への支援やまちなかにおける新規バス路線の検討を行うほか、市電の路線延伸に伴うパーク&ライド等の実現性について沿線住民等に調査を行うとともに、シェアサイクルやAIを活用したデマンドタクシーの導入に向けた実証実験等を実施いたします。

 また、まちなか再生プロジェクトに係る取組として、中心市街地における老朽建築物の建替え支援やまちなかの回遊性向上に向けた歩行環境の改善を検討するほか、熊本駅白川口駅前広場については2021年春の完成に向けて整備を進めてまいります。

 次に、雇用機会を創出し、熊本に住み、働ける環境の整備についてですが、本市が目指すべき創業支援等のあり方を検討するほか、ベンチャー企業や成長産業の資金調達やマッチングを促進するとともに、スタートアップ企業と協働で本市の行政課題を解決する取組を新たに始めます。

 また、移住プロモーションや相談会の開催、サポートデスクの体制強化により移住支援を充実するほか、熊本連携中枢都市圏においても共同でプロモーションを実施するとともに、東京圏からの移住者や県外からの移住者が中古住宅を購入する際に支援を行うなど、積極的な移住支援を実施してまいります。

 さらに、小学生から大学生に地域企業を取り巻く社会構造や産業を学ぶキャリア育成支援を行うことで、地元企業の認知度向上を図り、本市の未来を担う若者の地元定着を目指してまいります。

 そのほか、ICTAI等を活用したスマート農業や農作業の過重労働の軽減のための支援等を行うことにより、「日本一の園芸産地」を目指してまいりますとともに、新規就農者や農業後継者の確保・育成を行うなど、活力ある農水産業の振興にも取り組んでまいります。

 3点目は、「訪れてみたいまちづくり」です。

 本年は東京オリンピック・パラリンピックイヤーであることから、国内外の観光客をターゲットに、首都圏を中心とした積極的なシティプロモーションを展開します。

 また、観光マーケティング戦略を新たに策定することにより、多様化する観光客の様々なデータを調査・分析し、今後の施策に繋げるとともに、熊本城や水前寺成趣園周辺における外国人観光客の受入環境を重点的に整備します。

 さらに、「郷土文化財制度」を創設するほか、新たに「くまもと復興国際音楽祭」の開催を支援するとともに、赤十字発祥の地として縁のある田原坂とイタリアのソルフェリーノ市をPRするなど、伝統文化とエンターテインメントが共鳴するにぎわいを創出してまいります。

 次に、人と自然が共生する恵み豊かで持続可能なまち熊本を発信する取組として、本市の地下水保全の取り組み等を国内外にアピールする「第4回アジア・太平洋水サミット」を10月に開催するほか、2022年春の「全国都市緑化くまもとフェア」の開催に向けた準備も着実に進めるとともに、メイン会場の1つである江津湖のマイクロプラスチックの現状把握等も実施いたします。

 また、国内外に向けた熊本産品の販路拡大・開拓を進めるとともに、SDGs未来都市としてその普及啓発に取り組んでまいります。

 次に、「市役所改革の推進」であります。

 これまで以上に、時代潮流や社会環境の変化等を的確に把握し、「市民満足度・職員満足度の高い市役所」の実現に取り組み、持続可能な市政運営を推進してまいります。

 先ほど御説明しました、地域のニーズに対応した区・局連携事業のほか、マイナンバー制度の更なる普及促進に向け、各区役所に特設窓口を設置するとともに、動植物園の入園料等についてキャッシュレス決済を導入するなど、市民サービスのデジタル化を推進し「仕事改革」を進めてまいります。

 また、「働き方改革」を推進するため、RPAAIを活用した業務改善のトライアル等を実施するほか、「熊本市職員成長・育成方針」に基づき、「人づくり改革」も進めてまいります。

 さらに、市有施設の長寿命化に向け予防保全に転換するほか、学校や消防施設の照明をLED化することにより施設運営に要する総コストを削減するとともに、熊本連携中枢都市圏事業の加速化を図るなど、社会経済情勢の変化に対応しながら公共資産や財源等を有効活用する「リソースの最適化」にも取り組んでまいります。

 最後に、「合併3町における新市基本計画の着実な推進」であります。

 昨年度、計画期間を延長しましたので、令和2年度につきましても、道路や農業基盤、上下水道など、都市基盤の整備を中心に、総額約60億円の事業費を計上しており、新市基本計画に基づき、計画を着実に進めてまいります。

 令和2年度当初予算に関する説明は以上でありますが、その予算の規模としましては、一般会計において3,651億円、特別会計では2,049787万円、企業会計では8119,007万円、全会計の総計は、6,5119,794万円となりました。

 これを前年度当初予算と比較いたしますと、一般会計は1.4%の減、特別会計は3.1%の減、企業会計は4.2%の減、総計では2.3%の減となりました。

 続きまして、令和元年度の補正予算につきまして御説明いたします。

 今回の補正予算では、先月30日に可決成立した国の補正予算のうち、「防災・減災、国土強靭化の強力な推進」等に連動し対応する分として、道路や学校施設の老朽化対策や河川の改修に要する経費のほか、市立高校等の教育の情報化の推進に要する経費等でございます。

 また、昨年度に引き続き、「公共施設長寿命化等基金」へ積立を行うほか、本庁舎の基礎杭の調査経費等でございます。

 このほか、国庫補助内示額の減や入札残などに伴う減額等に加え、決算見込みに伴う過不足調整等でございます。

 続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、まず、「熊本市手話言語条例の制定」について御説明いたします。

 これは、手話に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、手話が言語であることを市民が認識し、ろう者の方々が手話を使用して安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与するため、条例を制定するものであります。

 次に、「熊本市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正」についてでありますが、これは、資源物等の持ち去り違反行為の防止に係る対策を強化するため、持ち去り物の譲受けを禁止するほか、違反行為者の氏名等を公表する措置を講ずることとするものであります。

 次に、「熊本市基本構想及び熊本市基本計画の変更」についてでありますが、これは、先ほど御説明しましたとおり、新たに熊本地震からの復旧復興に関する事項を追加するなど基本構想及び基本計画の見直しを行うものであります。

 その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。

 以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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