2016年4月14日及び16日に発生した熊本地震は、わずか28時間の間に最大震度7が2回、震度6の地震が5回、余震の累計は4,000回超となる観測史上初の大災害でした。避難者数は最大11万人、住家被害は13万件を超え、液状化等による宅地被害が市内の各所で発生しました。
【現在】写真で見る復興
熊本市の5年間の復旧・復興の取組を写真とデータで紹介しています。
被災者一人ひとりの状況に応じて住まい再建に向けた支援を行った結果、2020年2月
に全ての応急仮設住宅等入居世帯の住まい再建に目処がつき、2021年1月末時点で応急仮設住宅入居世帯数は41世帯、恒久的な住まいへの移行率は99.7%となりました。
被災したインフラや施設の災害復旧工事は、2019年度末までに全て完了しました。また、大きな被害を受けた市民病院は、移転の上、2019年10月に新病院が開院しました。
農水産業の災害復旧工事や支援事業については、2019年度末までに市事業分が完了し、2021年度中に全ての事業が完了する見込みです。
甚大な被害を受けた地域経済を再生するため、被災した中小企業・小規模事業者や商店街等に対する支援を実施するほか、復興祈念イベント・国際スポーツ大会の開催など、復興をアピールするため様々なシティセールスを展開しました。
また、新たな熊本の経済成長をけん引するプロジェクトとして、桜町・花畑周辺地区や熊本駅周辺地区の再整備を推進しました。
熊本地震では多くの文化財が被災し、未だ一部の施設が休館となっていますが、公開再開を目指し、文化財としての価値を損なうことがないよう復旧を進めています。
また、「熊本城復旧基本計画」に基づき、復興のシンボル「天守閣」の早期復旧に取り組みました。熊本城大天守の外観復旧が完了したことに伴い、2019年10月より特別公開を開始し、2020年6月には、熊本城を新しい視点で楽しめる特別見学通路も開通しました。2021年4月には天守閣内部の公開も予定しています。熊本城全体の復旧には、約20年を要すると見込んでいます。
熊本地震の際、発災直後から避難所運営や情報収集・伝達、支援物資の運搬等において、多くの課題が生じた経験を教訓に、次の災害発生に備えた体制づくりを推進しました。
また、平時から地域・施設管理者・行政が顔の見える関係をつくり、災害時の避難所開設・運営体制を事前に構築するため、「校区防災連絡会」の設置を進めています。
熊本地震の記録と記憶を次世代につなぐため、記録誌・手記集等の発行や、熊本地震の教訓等を盛り込んだ副読本による防災教育の推進に取り組みました。
【感謝】主なご支援等
熊本市は発災直後から今日に至るまで、多くの皆様からのご支援ご協力をいただきながら、全力で復旧・復興に取り組んでまいりました。国内外の皆様からの温かく力強いお力添えに、心から感謝申し上げます。
【つなぐ】映像・パネル・冊子
本市の復旧・復興の状況を多くの皆様に知っていただくため、映像・パネル・冊子を制作しました。
主な内容
〇熊本地震の被害及び復興の状況〇建設型応急住宅(プレハブ仮設)入居経験者の声
〇熊本城天守閣の復旧工事従事者の声
〇地域の防災活動(校区防災連絡会)に取り組んでいる方の声
〇VRによる体験型防災学習を推進する消防職員の声
〇行定勲監督からの激励メッセージ(※映像のみ)
映像(約17分)
※本映像の著作権は熊本市が保有しています。掲載内容を複製して、販売、頒布、賃貸、貸与することは禁止します。
パネル(15枚)
震災復興発信パネル(全15枚)
(PDF:7.99メガバイト)※本パネルの著作権は熊本市が保有しています。掲載内容を複製して、販売、頒布、賃貸、貸与することは禁止します。
冊子(12ページ)
震災復興発信冊子(全12ページ)
(PDF:4.01メガバイト)- ※本冊子の著作権は熊本市が保有しています。掲載内容を複製して、販売、頒布、賃貸、貸与することは禁止します。
映像(DVD)・パネルの貸出について
熊本地震の広報・啓発を目的とした展示や催し等への貸出も行っています。ぜひご活用ください。
※詳細は以下のご案内を必ずご確認ください。
<ご案内>
【つながる】イベント・展示等
「熊本地震から5年」に関連する各種イベント・展示等をご案内しています。
熊本地震震災復興パネル展「復興ーそして未来へ」
【熊本市役所会場】
日時:2021年4月13日(火)~30日(金)※土日祝除く
午前8時半~午後5時15分
場所:熊本市役所本庁舎1階ロビー
【サクラマチクマモト会場】
日時:2021年4月16日(金)~18日(日)
午前9時~午後11時
※初日は午前10時から、最終日は午後5時まで
場所:サクラマチクマモト1階正面エントランス
【問い合わせ先】広報課(096-328-2043)
熊本地震・東日本大震災報告写真展
【熊本県庁会場】
日時:2021年4月14日(水)~27日(火)土日除く
午前9時~午後5時
場所:熊本県庁本館・新館ロビー及び地下通路
【熊本城ホール会場】
日時:2021年4月10日(土)~27日(火)
午前9時~午後8時
場所:熊本城ホール2階エントランスロビー
【問い合わせ先】
熊本県ユニセフ協会(096-362-5757)
震災をふりかえるー大地とモノが語る熊本地震ー
【日時】2021年3月20日(土)~5月9日(日)※月曜休館日
午前9時~午後5時(入場は午後4時半まで)
【場所】熊本博物館 特別展示室1・2・3
【料金】博物館入場料のみでご覧いただけます
【問い合わせ先】熊本博物館(096-324-3500)
※関連イベントや講演会、熊本地震シンポジウムも開催(事前申し込み制)。詳しくは上記HPをご確認ください。
熊本城特別公開第3弾(天守閣内部公開)
【内部公開開始日】2021年4月26日(月)予定
※天守閣全体の復旧が完了し、天守閣の内部まで入ることができるようになります。
【公開時間】午前9時~午後5時(最終入園午後4時半)
【入園料(4/26~)】高校生以上:800円、小・中学生:300円(未就学児・熊本市内の小・中学生・熊本市内在住で65歳以上:無料)
【HP】https://castle.kumamoto-guide.jp/
(外部リンク)
※詳しくは、上記HPをご確認ください。
【感じる】復興に関する調査
2020年12月に市ホームページにおいて「熊本地震からの復興に関するアンケート」を実施し、復興の実感度や今後の復興に向けた取組等について、ご意見をいただきました。
その結果、「復興が進んでいると『感じる』」と答えた方が半数を超え、その理由としては、「道路やまち並みの復旧が進んだ」ことを挙げられる方が最多で、次に「熊本城等の復旧」や「桜町・花畑周辺や熊本駅周辺の再整備」が進んでいることが多く挙がりました。
一方、「復興が進んでいると『感じない』『あまり感じない』」と回答した方の理由では、「道路やまち並みの復旧が進まない」ことや「地域経済に活気が戻らない」ことが多く挙げられ、「復興に新型コロナウイルス感染症の影響を『感じる』」方も多い傾向にありました。
また、「記憶や教訓を忘れがちになっていると『感じる』『どちらかというと感じる』と回答した方は約7割に上り、記憶の伝承の必要性が明らかになったほか、今後の復興に向けた取組として、被災者支援の継続や防災力の更なる強化に関する意見等をいただきました。
アンケートでいただいたご意見を踏まえ、誰一人取り残すことのないよう、引き続き復旧・復興に取り組んでまいります。
【備える】防災に関する調査
熊本地震の経験と記憶を次世代につなぐため、また次の災害に備えるため、市民の皆様に改めて災害への備えをチェックしながら回答いただく、防災アンケートを実施しました。
実施概要
1 名称
災害への備えをチェック —防災アンケート
2 実施期間
令和3年(2021年)3月12日(金)~令和3年(2021年)3月23日(火)
3 実施方式
市ホームぺージアンケートシステム
4 対象者
市民 (市内に通勤・通学する方等も含む)
5 回答件数
2561件
アンケート結果
(1)災害時には、非常用品の持ち出しが必要になります。すぐに持ち出しができるように非常用品の準備ができていますか?準備できているものを選択してください。(複数選択可)
(2)室内、特に寝室は倒れてくる家具や上から落ちてくるものがないかなど、安全確認ができていますか?
(3)熊本市では小学校や公園などを避難場所として、災害時に避難できるように指定しています。自宅から避難する場合、通勤・通学先等から避難する場合など場面ごとに、避難場所の確認ができていますか?
(4)豪雨災害や台風など予測できる災害では、どのようなタイミングで避難するか決めていますか?
(5)熊本市では地震や水害、土砂災害などに備えるため、避難場所も確認できる『統合型ハザードマップ』を市ホームページで公開しています。統合型ハザードマップを確認したことがありますか?
(6)熊本市が発信する災害情報について、あなたが確認している手段を選択してください。(複数選択可)
(7)熊本市が発信する災害情報のほか、あなたが災害情報を確認している手段を選択してください。(複数選択可)
(8)熊本地震以降、地域の防災訓練や防災イベントに参加しましたか?
(9)熊本地震以前から活動する『自主防災クラブ』(※)を知っていますか?
※災害が発生した場合に地域の住民が連携し、協力し合って、自助・共助の考えに基づき地域の被害を最小限度に抑えるため活動する組織(主に町内単位)です。
(10)熊本地震後、校区ごとに設置している『校区防災連絡会』(※)を知っていますか?
※災害時に迅速な避難所の開設・運営ができるように、施設管理者(学校等)・地域住民・行政職員で構成される組織(校区単位)です。
(11)防災に関して、日常感じていることなどありましたら、自由にご記入ください。【回答抜粋】
〇 全国、各地域での災害をニュースや各メディアで知り、一時的に防災意識が高まるが、時期がたつと意識が下がる傾向がある。災害はいつ起きるかわからないため、防災を特別なものと考えながら風化させない気持ちを持つことが大切だと思う。
〇だんだん意識が薄れてきてるなぁとこのアンケートで思ったので、家族や職場で、今一度話をする機会を作る必要があるなと思いました。
〇防災グッズを準備しなければと思いつつ、行動に移せていない。このようなアンケートが来ることで、準備をしないといけないと、意識が高まるので、準備をして行こうと思った。引っ越してきたばかりで、校区ごとなど、様々な防災対策の活動があることが分かった。
〇熊本地震から5年、東日本大震災から10年ということで、最近防災について考えることが多くなりました。熊本地震を経験して学んだことが沢山ありました。そのことを決して忘れず、次へ活かしていかなければならないと感じています。しかし、実際に行動に移せてないので、これから家族と話し合って、災害へ備えていきたいです。