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令和4年(2022年)7月25日 臨時共同記者会見

最終更新日:2022年7月25日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 担当課の地図を見る

会見録

発表

【大西市長】
本日は、最近の新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染の拡大を受けまして、私から熊本市医師会の園田会長にご同席をお願いし、合同にて会見を開かせていただくこととしました。園田会長には、医療現場の状況などについてお話をいただくこととしております。園田会長、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
はじめに、私の方から新型コロナウイルス感染症の現在の感染状況についてご報告します。現在、オミクロン株BA.5系統による感染が全国で爆発的に拡大しております。本市においても、これまでにない勢いで新規感染者数が増加しており、本市の直近1週間、7月18日から24日までの新規感染者数は10,613名となるとともに、7月21日には新規感染者が初めて2,000名を上回り、2,247名と1日の公表数としては過去最多となりました。病床使用率についても、昨日24日時点で最大確保病床使用率は77.5%と非常に厳しい状況となっております。
そこで、医療現場が現在どのような状況なのか、また、オミクロン株BA.5系統に感染した場合の症状や対応等につきまして、日々患者の皆様と直接向き合われておられます熊本市医師会の園田会長からお話をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【園田会長】
熊本市医師会の園田でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。私の方からは、はじめに現在の熊本市内の医療機関の現状などについてお話しさせて頂きます。
ご存じのようにオミクロン株BA5系統により感染が爆発的に増えております。診療・検査医療機関等の状況としましては、連日、発熱等の症状があり受診される方や検査を希望される方の数が急激に増加しており、お待たせしたり、中には診療時間内では対応しきれず受診をお断りせざるを得ない状況となっております。
入院受入医療機関につきましても、病床使用率の上昇とともに、医療機関への負荷が大きくなっております。入院患者の状況といたしましては、基礎疾患の増悪や、高齢者特有の全身状態の悪化が進むことで命が危険にさらされるなど、以前とは状況が変わってきております。
また、オミクロン株BA5系統の強い感染力により、医療関係者やそのご家族の感染も相次いでいることから、勤務ができる職員が減っており、日々公表されます病床使用率以上に医療現場は非常に厳しい状況にあります。このまま医療機関への負荷が高まりますと、症状が悪化した患者さんが医療へのアクセスが遅れることにより、助かる命を救うことができない事態が起こりかねません。既に救急対応など他疾患の診療への影響が出ております。こうした状況を知っていただき、医療機関を適切に受診して頂くことが重要と考えています。
次に現在感染の主流となっておりますオミクロン株の傾向などについてご説明をいたします。まず、ワクチン接種が進んだことで、新型コロナウイルス感染症の致死率は大きく下がっています。また、現在の主流であるBA.5系統についても、WHOは重症度の上昇は見られていないとしています。
これは7月13日に厚生労働省アドバイザリーボードが示しました資料「新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの重症化率等について」でございます。比較にあたっては、データソースの違いや背景因子が調整されていない点等に留意が必要とされておりますが、オミクロン株流行期においては60歳未満において、重症化率、致死率ともに季節性インフルエンザと同程度となっております。実際に高齢者や基礎疾患をお持ちの方など重症化リスクの高い方以外は、例え感染したとしてもほとんどの場合軽症で、自宅での療養にて回復されています。
そういう状況ですので、第7波につきましては、重症化リスクのない方に対しては、「対症療法」にて症状の改善を図ることとなります。また、高熱時には解熱剤に加え、経口補水液など水分を十分に摂り、両脇や足の付け根を保冷材で冷やすなど、手持ちのお薬に加えご家庭でできるケアを併用しゆっくり休養することが大切となります。
市民の皆さまにおかれましては、医療現場の状況をご理解いただき、辛い症状が出た場合は、平日昼間の診療時間内に受診をいただくなど、落ち着いて対応していただきますようお願いします。
また、夜間に発熱された場合、診療・検査医療機関の受診を待たず、ご不安等により119番をされ、救急搬送困難事案も増えておりますので、夜間に救急車を呼ぶか迷う場合などは、まずは専用の相談窓口にご相談をお願いします。
私の方からの説明は以上となります。

【大西市長】
園田会長ありがとうございます。園田会長のお話にありました通り、感染者の急増に伴い、医療現場は厳しい状況となっております。市民の皆様におかれましては、先程ご説明がございました対応を参考にしていただきますとともに、医療機関の適正な受診にご協力いただきますようよろしくお願いします。
私の方から、オミクロン株流行期における本市の感染状況や重症化等の状況についてご説明いたします。こちらは今年1月1日から6月30日までの「新規感染者の年代構成」です。感染者の34.8%が10歳未満と10代、そして29.4%がその親世代の30代と40代となっており、家庭内感染を中心に感染が継続している状況がみてとれます。
次に、本市の「新型コロナウイルスの重症化率等について」でございます。先ほど園田会長より、厚生労働省アドバイザリーボードの資料についてご紹介がありましたが、本市においてもデータを見てみますと、国と同様に60歳未満の方の重症化率は60歳以上と比較して大幅に低下しております。60歳未満が重症化率0.02%、60歳以上が重症化率2.1%。致死率は、60歳未満が0.005%、60歳以上で1.42%となっております。また、お亡くなりになった方につきましては、現在、多くは80代以上の高齢者となっております。また、第6波より重症化率は大きく下がっておりますが、感染者数が大幅に増加したことにより、お亡くなりになる方も増加している状況です。
このことからも分かるように、若い方や重症化リスクがない方については、例え感染したとしても重症化するリスクは非常に低く、比較的早く回復されていることから、自宅にて安心して療養していただきたいと考えております。なお、7月22日からは、看護師による夜間の相談窓口とオンライン等での診療をスタートしております。ご不安がある場合は是非ご相談いただきたいと思います。
市民の皆様へのお願いですが、先日の会見でも申し上げましたが、本市では現在、保健所のリソースを高齢者や基礎疾患のある方への対応に集中するなど、重症化リスクがある方々の命を守るために全力で取り組んでおります。しかしながら、現在、感染が急拡大しており保健所や医療提供体制にも大きな負荷がかかっております。このようなことから、市民の皆様に次の4点についてお願いをいたします。
1点目は、「医療機関の適正な受診」です。先ほど園田会長からもご説明がございましたが、市民の皆様におかれましては、医療現場の状況をご理解いただき、夜間に発熱された場合についても、出来る限り平日の昼間の診療時間内に受診いただくなど、医療機関の適正な受診にご協力をお願いします。落ち着いて行動していただきたいと思います。また、救急医療を守るために軽症の場合や検査目的での救急病院の受診は、お控えいただきたいと思います。
2点目は、「重症化リスクの高い方を守るためのワクチン接種」です。ワクチン接種は決して強制ではありませんが、3回目接種を受けていない方や4回目の対象となる方で希望される方は、高齢者など周りの大切な方を守るためにも、是非、積極的な接種をお願いします。
3点目は、「高齢者や基礎疾患のある方及びその同居家族の皆様の感染防止対策の徹底」です。高齢者やその同居のご家族の皆様におかれましては、適切な換気や場面に応じたマスクの着用など、基本的な感染防止対策について改めて徹底していただきますようお願いいたします。
最後に4点目は、「感染に備えた食料・日用品・市販薬等の準備」です。現在の感染状況をみますと、誰がどこで感染してもおかしくない状況となっております。ご自身やご家族が感染された時に備えて、市販の解熱剤や咳止め薬、熱さまし用の冷却シートや氷など療養に必要な物を事前にご準備いただくとともに、普段から少し多めに食品を買い置きしていただき、食べたら新しく買い足すサイクルを繰り返す、いわゆる「ローリングストック」で食料品なども備えていただきますようお願いいたします。
その他、現在、感染拡大により保健所へのお問い合わせが急増しており、電話がつながりにくい状況となっています。そこで、お問い合わせの前に、まずは市のホームページをご確認いただきたいと思います。
また、現在、陽性となった方へのご連絡については、直接お電話することはせず、携帯電話のショートメッセージサービスを送信する方法へ切り替えており、そこに必要な情報を掲載しておりますので、そちらをご一読いただきたいと思います。
今後も社会経済活動を継続しつつ、保健・医療提供体制を維持するためには、市民の皆様のご協力が不可欠です。どうぞよろしくお願いいたします。本市においても、保健所体制の強化は適宜図っており、感染状況を踏まえ熊本市医師会や関係機関との連携により、療養支援体制の更なる強化を図るなど、市民の皆様の健康と命を守るために全力で取り組んでまいります。

最後に、ワクチン接種について2点ご報告いたします。
1点目は、「ノババックス」ワクチンの第2期予約受付と対象年齢の引下げです。7月16日から接種を開始しました「ノババックス」ワクチンですが、第1期の予約が全て埋まりましたことから、7月23日(土)から第2期の予約を開始しております。接種日は9月3日(土)と9月24日(土)の2日間で、接種会場は市総合体育館・青年会館です。また、7月22日(金)からは、このワクチンの1・2回目接種の対象年齢が、これまでの18歳以上から12歳以上に引き下げられました。なお、3回目接種はこれまで通り18歳以上です。
2点目は、4回目接種対象者の拡充についてです。4回目接種については、医療機関、高齢者施設等に従事される方についても接種の対象とすることが決定されたことから、本市においても、7月22日(金)、対象施設に対して通知したところです。新たな対象者は約5万2千人と推計しており、医療提供体制や介護サービス等の維持に向けて、医療機関等と連携し、早期接種を進めてまいります。
ワクチン接種のオミクロン株に対する感染予防効果は、時間の経過とともに低下しますが、重症化予防効果は、接種後36日から42日後においても、77%と高い効果があることが国の審議会でも報告されています。
ワクチン接種によるリスクはゼロではありませんが、これまでの163万回を超える本市の総接種回数の中で、重篤な症状になった方は極めて稀な状況です。ワクチン接種は、重症化を防止する効果があるほか、命にかかわる病気や怪我をされた方が必要な医療を受けていただくための体制の確保にもつながります。ワクチン接種がまだお済みでない方は、是非、積極的な接種をお願いいたします。

私からは、以上です。

 

質疑応答

【記者】感染拡大が続いている中、これから夏休みもありますが、行動制限についてはどうお考えでしょうか。

【市長】先程、園田会長からもお話がございましたし、私からも状況をご説明しましたとおり、重症化率や致死率も、60歳未満に関してはインフルエンザ並みということで、非常にリスクが低くなっているという状況がございます。それから国や県でも、現在強い行動制限をかける状況にはないとお話をされておりますのでそうしたことに従い、また、権限もございませんので、特に熊本市として何か強い要請をするということは考えておりません。ただ、重症化するリスクの高い60歳以上の方に対して適切な医療を提供するため、医療提供体制が逼迫しないよう努めなければなりません。こういった状況下において、皆さんには落ち着いていただき、(感染した方で重症化リスクの低い方には)自宅で療養し重症化しないよう警戒していただくことが大切であり、感染しないように気をつけていただくということも重要であると思います。また、例えば、行動制限を強く行っても、この感染状況が直ちに改善するとは私は考えておりませんので、そういったことからも、皆さん一人一人に気を付けていただき、また、病院にかかる際や保健所への問合せ等については、重症化リスクの高い方や高齢の方といった方々の命を守るために、ぜひ、お問合せをされる場合にもまずはホームページ等のいろいろな情報を先にご確認をいただく等、落ちついて行動していただきたいと思います。

【記者】園田会長に伺います。今の第7波のピークはまだ来ていないのかなと思うのですが、その辺りも含めて、先行きについてどのように考えられていますか。

【園田会長】まだ第7波と言われるものが始まって1週間ぐらいです。今のところは全くピークアウトする気配はないとは思っております。非常に簡単なようで難しい質問であり、先のことを聞かれても、私個人ではなかなか答えにくいのですが、いずれは第6波のようにピークアウトして、徐々に4回目のワクチン接種の効果等が出てくれば、新規陽性者の数は減っていくのではないかと思っています。
また、新規陽性者の数についてかなり大きく報道等されており、これに一喜一憂する市民の方がかなりおられますが、新規陽性者の数よりも、今は病床使用率のほうに重点をおいてリスクレベルも判断するということになっておりますので、(新規陽性者の)数にとらわれないほうが良いのかなと個人的には思っております。

【記者】病床使用率の伸びがかなり急だと思うのですが、どういった方が今入院状態になっているのかということを園田会長に伺います。また、このままいくと、ピークアウトする前に病床がパンクするのではないかと、市民の方は感じていると思いますが、その点について市長のお考えを教えてください。

【園田会長】この1週間で驚くほど病床使用率が上昇して、熊本市内では、昨日(確保病床ベースで)98%ではなかったかと思います。もうほとんど入院できない状態ということです。1番の原因は、高齢の方の感染が多いということです。高齢の方は、基礎疾患がいろいろあり、新型コロナの症状としては一応退院できても、例えば脱水の治療が要る等、ご自宅あるいは施設には戻れるほどの状態ではないということです。そういうことで、入院期間が延びているという報告を聞いております。それが1番ではないかと思います。後方支援ということで、次の病院がかなり頑張っておられますが、全体の数が多いので、そこまでいっぱいになっているのだろうと思います。金曜日の知事の記者会見でもそのことは言われておりますので、できるだけ、熊本市医師会の会員の先生方に、そういった患者さんを診てもらえるようなお願いをしたいと思っています。

【市長】今の病床に関しては、県と本市も含めて連名で各医療機関に対して、そうした病床の確保をお願いしているところです。病床使用率は、確かにこのようにかなり上がってきておりますので、今、園田会長からお話がありましたが、とにかく高齢者の方が感染をしてしまうと他の疾病とのリスクで入院が長期化してしまうということがあります。今、私がいろいろと聞いているところでは、重症者の方(で受入医療機関にご入院されている方)は今熊本市内で4名ということですが、中等症の方が比較的増えているのですが、以前であれば、中等症から重症化する人が非常に多かったです。これが、今は標準的な治療の確立もあり、重症化せずに回復される方がいらっしゃって、もちろん入院期間というのはそれぞれなのですが、短い人では中等症の方でも6日ぐらいで退院される方がいらっしゃるということです。そして、今、(園田会長からもありましたが、)合併症といいますか、他の治療が必要だということで、まだ高齢者施設とかに帰れない状態の軽症等の方がいらっしゃるということはあります。今そういった状況であるということで、これからは、特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方に絶対感染しないように、同居のご家族や接する機会が非常に多い方は十分注意していただきたいということを皆さんにお願いしたいと思います。
本市としては、今、県とも協力をしながら、また医師会とも協力しながら、そして診療していただける病院を確保するということで頑張っておりますので、そのご協力をよろしくお願いしたいと思います。

【記者】病床はパンクしないだろうと今見ていらっしゃるという理解で良いでしょうか。

【市長】第6波までの病床の逼迫状況とは、若干違うと受け止めています。ただ、感染される高齢の方が増えておりますので、重症化される方がこれから増える可能性ももちろんあります。ただ一方では、先ほど申し上げたように、快復して退院される方も日々おられますので、何とか、これ以上感染が広がらないことを私たちも願っておりますが、現時点で、直ちに病床がパンクするというところまではいかないと思っています。しかし、先ほど園田会長からもお話ありましたとおり、医療機関のいろいろな受診も含めて、かなり厳しい状況になっているのは事実でありますので、その点は十分皆さんには気をつけていただきたいと思っています。

【記者】園田会長に伺います。冒頭、医療現場の状況についてご説明があったかと思うのですが、今、連日患者さんが増えていて、受診できないケースもあるということですが、その点をもう少し詳しく教えてください。例えば、濃厚接触者になってPCR検査を受診する際、通常であれば、まず電話で予約をしてから医療機関を訪れるという流れになると思うのですが、例えば、予約なしで直接いらっしゃる方がある等、現場が今どういった状況で受診をお断りするケースが急増しているかを教えてください。

【園田会長】理想は電話をしていただき時間を決めて(受診するということです)。やはり、発熱されている患者さん等が1人おいでになると、そこで検査をいたしまして、仮に陽性だと届出をするということになります。それにかなりの時間を要することになります。普通の診療をしながら検査をすると、検査から届出まで、慣れない頃は1時間くらい時間を要していました。その間は、他の患者さん待たせないといけないということで、当院でも(発熱患者等を診療する)時間帯の枠を決めて、診療しているのですが、先ほど記者さんが言われたように、予約なしというか突然来られる方もおられます。例えば、今日は熱のある方がいきなり受付まで来られました。熱のある方は、一度外から電話をかけてくださいと張り紙をしているのですが、そういう方も中にはおられて、その方は一家3人で来られました。お二人は車の中におられたので、すぐ駐車場で検査をしましたが、その間は他の診療ができません。当院は副院長がおりますので、まだ対応ができる方ですが、1人で診療されている医療機関は、大量の検査ができません。
そういった事実がありますので、本当は発生届等を簡単にしていただきたいのですが、1番困るのは、保健所に発生届をファックスしても、ファックスがつながらず、電話もつながらないということで、夜間保健所まで発生届を持っていかれる医療機関もあると聞いております。なるべく速やかに提出・報告するようにという義務がありますので、そういったことで、対応できる数に上限があるということです。それ以上に患者さんが来られているということです。
患者さんからすれば、一刻も早く検査をしたいと思いますが、また、症状がなくても会社から検査に行って来いと言われた等、そういったことを少し控えていただくと、症状がなければ、自宅でも療養できますが、会社から検査に行くよう言われたということがあると来院されますので、最近はそういった方については、もう検査できないということでお断りせざるを得ない場合もあります。できるだけ対応しようと思っていますが、今は加えてワクチン接種もやっておりますので、ワクチン接種と検査と一般診療で本当にてんてこ舞いの状態です。また、昨日は関連した施設等で感染者が出て、クラスターが発生してしまったのですが、そちらの色々な検査も引き受けておりますので、なかなかご希望どおりに検査ができないような状態です。今申し上げましたのは、当院の事例ですが、そういった事例が、統計的には上がってきていないのですが、いろいろな情報はSNS等で医師会の会員の先生方ともやりとりしている中で、そういった事例はたくさんありますので、おそらく似たような状況ではないかと思います。

【記者】今のお話に関連して、無症状だった場合や、濃厚接触等で感染が不安であってもその時点で症状がない場合というのは、どのように対応したら良いのかということを園田会長もしくは大西市長から教えていただけますか。

【市長】無症状の方で感染が心配だという方が、今検査に行っていただくと、病院の医療リソースを非常に圧迫してしまうことになります。先ほど申し上げましたように、まず、症状がない方は重症化リスクが低いと考えられますので、まず自宅で療養や待機をしていただき、落ちついて行動していただきたいと思います。そして、まずは市の保健所のホームページ等に様々な情報が詳しく載っていますので、それをご覧になって落ちついた行動をお願いしたいということです。また、濃厚接触者の方についても、国のルールがまた変わって、待機のルール等も変わっています。これについても、今、ホームページ等にも掲載しご案内させていただいておりますので、そちらをご覧になって対応をお願いしたいということです。
今、園田会長からもお話がありましたが、企業等から、病院にとにかく検査に行くようにという指示が出ていることがあると思いますが、それはぜひお控えいただきたいと思います。各企業等にも、いろいろな事情や都合があるかもしれませんが、今ここでそうした行動をとられてしまうと、医療リソースを非常に圧迫してしまうということにつながりますので、こういったことをお伝えしたいということもあって、今日会見を開かせていただいているということをぜひご理解いただきたいと思います。また、園田会長からもお話がありましたが、医療機関から発生届等を保健所に連絡しなければいけません。ファックスも含めて、色々な影響で非常につながりにくいということがありましたので、私からも指示をいたしまして保健所の回線も増強し、加えて、メールのシステムで連絡ができるような運用が既に始まっていますので、そういったことで、できるだけ現場のご負担を軽くするように今一生懸命やっているところです。

【記者】今の説明の中で、オミクロン株の場合リスクがこれまでに比べれば低いから、無症状の方はまずは自宅で療養してくださいということだったかと思うのですが、一方で、今これだけ感染拡大して、特に子どもと親世代、家庭内の感染が中心ということで、誰か家族1人に感染者が出たときに、どうしても心情としては、他の家族が大丈夫だろうかということで、一刻も早く検査を受けたいという気持ちになるのではないかと思います。そういった点についてどう考えるか、あるいは、どのように理解を求めるかについて、教えてください。

【市長】いろいろな感染の状況については、皆さん非常にご心配だろうと思います。今、こうした診療の体制も含めてですが、非常に厳しい状況になっている中で、ご家族の誰かが感染したとしても、まずは落ちついて行動をしてくださいということをこれまでもお願いしてきました。改めて、今の症状や自分の状態等、全身状態も含めてですが、特に慌てる必要がないという状況の場合は、落ちついて対応していただきたいということです。(このような場合、)直ちに命に直結するというような状況ではないと思われますので、そこはぜひ冷静な対応をお願いしたいということをあえて申し上げたいと思います。
ただ、例えば、夜間で非常に心配であるとか、いろいろな事情があってどうしても相談したいという場合は、相談窓口にお問合せをいただきたいと思います。そのときには、例えば、ホームページにも掲載してあるのですが、具合が悪くなった際にどういう状態になったときは、相談をする、あるいは、救急車を呼ぶようにしてくださいというように書いてありますので、それらを事前に確認していただくということが、まずは必要だと思います。それぞれで備えていただくということが、今は非常に大事だと思いますので、その点についてぜひご協力をお願いしたいと思っています。

【記者】園田会長に伺いたいのですが、医療機関の中でも小児科についてです。小児科の医療機関では、陽性者に対しての診療を行っているのでしょうか。

【園田会長】小児科に関しては、私はあまり存じ上げていないです。ただ、ワクチン接種について、最初は18歳以上が対象ということで、小児科の先生には、ワクチン接種等にはあんまり関心を示していただけなかったです。その後、小児科にもワクチン接種の対象が広がってきて、ただ、ワクチン接種に反対する方がおられたり、反対する運動もあったりなどの問題もあって、小児科の先生方のことについては、はっきり言って私は存じ上げていないので、これ以上は言えないのですが、内科の先生と比べるとあまり積極的でないのかなと思います。また、小児科の医療では、主に感染症の診療をされていますので、大体慣れておられるから、特に今(のオミクロン株)は小児科においては重症化率が低いので、中にはもちろんいろいろな病気が出ていますが、我々ほど心配されてはいないかなという気はするのですが、これははっきりとはわかりません。

【記者】熊本県内全体では、どれぐらいの医療機関で(新型コロナウイルスの)診療や検査を行っているのでしょうか。

【事務局】発熱等の症状がある方につきましては、熊本県で診療検査医療機関というものを指定されておりまして、こちらが熊本市内におきましては、7月15日時点で232医療機関が指定を受けている状況でございます。

【記者】先ほど、園田会長が、ここ数日はほとんど入院の受入れができない状態になっているというお話でしたが、そうなってくると、今まで中等症で抑えられていた患者の方が治療を受けられなくて重症化したり亡くなったりするような事態が想定されるのですが、そういったリスクは、今もうそこまで差し迫ってきているのでしょうか。

【園田会長】重症者病床の数にはまだゆとりがあると思います。正確な数字は覚えていませんが、重症化した方はまだ入院はできるという状況です。

【事務局】まず熊本市内で申し上げますと、入院病床分につきましては、緊急時フェーズということで最大の病床を確保するように県から医療機関にお願いをしているところでございます。そちらにつきまして、病床数といたしましては、今熊本市内で316床の準備ができておりまして、昨日午前10時時点では(最大確保)病床使用率が77.5%という状況となっております。先ほど会長が申しましたのは、確保病床といいまして、最初に確保した病床数で計算すると98%という状況でございますが、病床を転換して広げておりまして、最大確保病床で77.5%という状況でございます。

【市長】事務局の説明のような状況ですので、例えば医療非常事態宣言も出さないというのも、今、病床がパンクして重症者を全く見ることができないという状況ではないということで、総合的に判断をしているということです。

【記者】今までは、何かしらの行動制限を行い何とか感染波を抑えてきたところもあると思うのですが、今回はそれをせず、そういったことで感染の波は止まるのでしょうか。それについても、おそらく市民の方は心配していると思います。

【市長】今までいろいろな行動制限をするということが国の方針でもあったわけで、県でそういったご判断をなさって、まん延防止等重点措置を取られるということでありましたが、ここまで感染が広がっている、また、今のように行動制限をとらないで感染の波がどうなるかというのは、今回が初めてとなります。第6波までの間は行動制限があっておりますので、そう考えますと、今の重症化率や致死率などのリスクと総合的に判断して、国もこういった対応をとられていると思いますので、今後、どういう形でピークアウトしていくかというのは、今見ていかなければわからないと思います。
ただ、今言えることは、熊本市においては、先ほどお示ししたような重症化や致死率という状況ではありますが、感染者が非常に増えている一方で、市内の人流に関しては全く変わらないような状況です。人流が増えたから、感染者が急激に増えたということであれば因果関係があるわけですが、そこの部分に関しては、今、特段の変化が見られないということですので、そういう意味では、そういった点も慎重に見ながらこれから対応を考えていかなければいけないと思います。そう考えますと、今直ちに何らかの行動制限をとるということにはならないのではないかと思います。

【記者】今のご発言の中にもありましたが、医療非常事態宣言に関連して、まず、重症病床使用率について最新の数字が分かれば教えてください。

【事務局】昨日午前10時点で16%でございます。

【市長】(医療非常事態宣言については、)今まで重症病床使用率で閾値として大体25%を超えると本市としては、医療非常事態宣言の発令の検討に入るということであったのですが、その手前の段階で、例えば全体の確保病床使用率が50%超えるということ、あるいは今申し上げたように重症病床使用率が25%を超えるということを言ってきましたが、先ほど申し上げましたように、これからは総合的に判断するということで、前回の記者会見でも申し上げたとおり、判断を変えておりますので、今、総合的に医療機関の状況や感染状況を見て対応を考えるということにしております。ですから、今は重症病床使用率が16%ということで、4名の方が重症病床に入っておられます。実は、(重症病床に入られている方の数は)ここ2週間ぐらい4名前後で変わっていません。おそらく、1週間くらいは間違いなく4名で推移しており、感染者数が急激に増えているにも関わらずそこ(重症病床に入られている方の数)は増えない。ところが、今までの第一波からの経験では、感染者数が急激に増えていくと、この重症病床の使用率も急激に上がって、そこに医療リソースをかなり投入しなければいけないということで、他の病床も回らないというような状況があったということですが、今は何とかそこが大変な状況でありますが、抑えられているという状況ではあります。ただ、これ以上重症化する方を増やさないためには、高齢者の方やリスクのある方がとにかく感染しないように、皆さんに気をつけていただきたいということです。

【記者】直ちに医療非常事態宣言を発出する程まで医療は逼迫していないものの、冒頭、園田会長からもご説明ありましたように、現場ではいろいろな感染者急増による影響が出始めていると、医療がひっ迫し始めているという理解で良いでしょうか。

【市長】ですから、特に軽症者の方の受診が非常に増えたことによる医療の逼迫があると言えるのではないかと思います。

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