はじめに、本日夜から明日28日にかけて予想されております大雨に関する対応についてお知らせします。 こちらのモニターをご覧ください。
気象台によりますと、熊本地方では、明日28日にかけて1時間降水量が多いところで70ミリ、24時間降水量が多いところで250ミリと予想されておりまして、土砂災害に対する厳重な警戒、浸水害、洪水害、洪水害というのは、橋が流されたり、堤防が決壊したりするというような大きな災害でありますけれども、浸水害や洪水害に十分に警戒をする必要がございます。次のモニターをご覧ください。
本日27日夜から明日28日午前中は、線状降水帯が発生し、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。明日(28日)の夜中3時から6時の間あたりから強い雨が降り始め、線状降水帯が発生をして、大雨災害発生の危険が急激に高まる可能性があるということであります。
このような状況を踏まえまして、本市では、早めの避難を促すため、本日17時に警戒レベル3「高齢者等避難」を発令し、熊本市内20か所の避難場所を開設する準備を現在進めております。
今後の雨の状況によりましては、警戒レベル4「避難指示」を発令する可能性がございます。
避難に時間を要する高齢者の皆さん、並びに自主的に避難を希望される皆さまは、早めの避難をお願いいたします。避難所の開設状況については、ホームページや熊本市の防災情報ポータル等でお知らせをさせていただきますし、また、報道等にも資料を発表しますので、よろしくお願いいたします。
次に、中国南部で発生した豪雨による洪水についてでございます。
この豪雨によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。今回発生した豪雨では、本市の友好都市である、中国・桂林市でも洪水被害が発生しておりまして、私から桂林市の李市長宛にお見舞の親書をお送りしまして、被災された方が安心できる生活を取り戻すために、協力を惜しまない旨をお伝えいたしました。引き続き、被害状況についての情報収集にも努めてまいりたいと考えております。
それでは、第2回定例会を終えての所感を述べさせていただきます。
本定例会に提出いたしました予算案及び条例案等につきましては、議会において慎重にご審議をいただきました結果、継続審査となった1件を除きまして、原案どおり可決をいただきました。
継続審査となりました議第175号「県道31号線 熊本田原坂線 に付属する道路の付属物の瑕疵に係る損害賠償金等の請求に関する訴えの提起」につきましては、都市整備委員会でいただいた様々なご意見、ご指摘を踏まえまして、今後の審査において、丁寧な説明に努めてまいります。また、「公共交通キャッシュレス決済環境構築費助成」事業につきましては、附帯決議を付されましたことから、導入にあたりましては、市民の皆様への丁寧な説明、国への要望等を行ってまいります。
一般質問では、本庁舎整備をはじめ、人口減少・少子高齢化対策、県市連携の強化、地下水保全、地域公共交通に関する取組など、いずれも本市の将来に関わる重要な政策課題について、議員各位から大変熱心にご質問をいただきました。本定例会を通じて賜りましたご意見・ご要望については、真摯に受け止め、市政運営の糧として取り組んでまいります。
また、24日に開催されました「庁舎整備に関する特別委員会」には、私自身も出席させていただき、客観的なデータに基づく分析についてお示ししたうえで、本庁舎・議会棟についてはNTT桜町敷地を建設候補地とし、にぎわいや景観の観点からも、中央区役所は分棟として進めたい旨を直接ご説明をいたしました。
次回の特別委員会では、中央区役所の建設地の選定に必要なデータ等をお示しをいたしまして、第3回定例会での関連予算上程に向けて、丁寧な説明に努めてまいります。
次に、「熊本市こども誰でも通園制度」についてお知らせをいたします。
こども誰でも通園制度は、全ての子育て家庭に対しまして、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、国が創設した新しい制度です。
本市では、令和8年度の本格実施を見据え、制度のニーズを把握するとともに、課題の洗い出しや検証を行うため、試行的に「熊本市こども誰でも通園制度」を開始することといたしました。 こちらのモニターをご覧ください。
本事業は、熊本市に住民票があり、保育所等に通っていない0歳6か月から満3歳未満のお子さんを対象として、こども1人当たり月10時間を上限に、保護者の就労の有無に関わらずご利用いただけるもので、利用料は、施設により異なりますが、1時間あたり300円程度です。
お申込みは今年の7月1日から、通園開始は9月からを予定しておりますが、申込開始日であります7月1日より、熊本市のホームページ上で、市内8カ所の実施施設の一覧を公開いたしますので、ご利用を希望される方は、実施施設をご確認の上、各施設へ直接お申込みをお願いいたします。なお、こども誰でも通園制度の試行的事業の実施は、県内では本市が初となります。
本市では、引き続き、こども子育て施策を積極的に推進し、こどもを核としたまちづくりを進めてまいります。
次に、児童手当の制度改正についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
児童手当については、本年6月5日に成立した「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」によりまして、令和6年12月支給分から対象児童の年齢が18歳まで延長となりますほか、所得制限が撤廃されるなど、支援内容が拡充されます。これに伴いまして、現在、児童手当を受給されていない方で、新たに支給対象となる方、例えば、高校生のみのお子さんを養育されている方や、所得制限により受給されていない方については、児童手当の申請手続きが必要になります。なお、現在、児童手当を既に受給中の方は、申請は不要ですのでよろしくお願いします。
新たに手続きが必要となる方に対しましては、本日から、ご案内の通知を発送しておりますので、通知に記載の方法によりまして、本年11月15日までに申請をいただきますようお願いをいたします。なお、制度改正の詳細や申請方法につきましては、市のホームページでご確認いただけますほか、専用のコールセンターを設置しておりますので、ご不明な点はお問い合わせをいただきたいと思います。
最後に、令和6年度電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金についてお知らせいたします。今回の給付金は2種類ありまして、一つは、令和6年度に新たに住民税非課税等となる世帯に対しまして、1世帯当たり10万円に加え、児童1人当たり5万円を支給するものです。もう一つは、今月から実施をされている定額減税において、減税しきれない額を調整給付として支給するものです。
いずれの給付も、対象となる世帯・個人の皆様に対して、7月下旬に通知書等を発送いたしまして、8月中旬から順次支給を開始する予定としております。対象者やスケジュールに関しての詳細につきましては、お手元に資料を配布しているほか、本市ホームページに掲載しておりますのでご確認いただきたいと思います。コールセンターの番号は096-355-8866です。土日祝日を除く平日9時~17時までです。制度や手続きに関するご不明な点は、コールセンターにお問合せいただきたいと思います。
私からは以上です。
【記者】先ほど議会の所感で触れられました継続審査についてお伺いします。上熊本駅の屋根落下事故を巡り、施工業者に訴えを起こす議案が継続審査となりました。議会側からは、市の管理不足の責任を問う声が上がっているほか、業者側も会見を開いて反論されています。これに対する市長の受け止めと、今後の方針についてお聞かせください。
【市長】今回の議案につきましては、平成28年3月に完成した屋根に、求めるべき品質と性能を欠く瑕疵があったということにより、本来負担する必要のない費用が発生しておりますことから、賠償金の請求を行ったものです。
この議案に関しては、都市整備委員会等において2日間にわたりご審議いただいておりまして、継続審議となりましたが、いくつかのご指摘を頂きました。議会のご指摘を踏まえまして、今後の審査において丁寧に説明させていただきたいと思っています。
市民の皆様には、大変ご迷惑をおかけしており、心よりお詫びを申し上げます。現地自体は、屋根の再設置が完了し、安全な通行を確保しておりますので、安心してご利用いただきたいと思います。今回のこの継続審議となった議案に対する議会のご指摘は、管理不足であるとか、説明不足であるとか、そういったことをいただきましたので、真摯に受け止めて対応していくということと、また、再度、顧問弁護士等とも協議を行い、今後の審査において丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
【記者】丁寧に説明を進めていかれるというお話でしたが、訴えを提起されるという方針については、変わりないという理解でよろしいですか。
【市長】先ほど申し上げましたように、本来求めるべき品質や性能を欠く瑕疵があったということは事実であり、本来負担する必要のない費用が発生しておりますので、それに対する賠償金の請求が必要であると考えています。ただ、議会からご指摘があり、事業者の方も記者会見まで開いて反論をされたということですが、その辺の事実関係についても、しっかりもう一度主張等々について顧問弁護士などと相談をしながら、今後の対応については慎重に判断をしていきたいと考えています。
【記者】熊本城に関してお伺いします。兵庫県の姫路城をめぐっては、姫路市が外国人観光客に対し、入場料の値上げを検討しているということで話題を集めていますが、外国人客への値上げについての市長のお考えと、熊本城の方針についてお聞かせください。
【市長】姫路城の料金の値上げに関しては、外国人の方に対する部分の値上げ金額が大きく、何倍というような額を設定されていることは、報道等で承知をしております。
熊本城に関しましては、現時点で今の料金から変える考えはありませんが、全国でインバウンドも非常に多くなってきており、熊本市においても、宿泊税の議論もさせていただいており、導入についても先日発表させていただいたところです。
やはり、観光に関する経費であるとかそういったもの、特にインバウンド等にいろいろな対応を迫られる部分に関して一定程度の負担を求めながら、いい観光地、あるいは、そういう環境をつくっていくことは、海外でもそういった手法を取っている所もありますので、理解できることではあります。ただ、観光客の皆さんからすれば、何で観光客だけこんなに取られるんだ、おかしいじゃないかという声もありますし、こういった料金設定については、慎重に議論を重ねながら検討していく必要がありますので、今後、議会でも、他の城郭や関係各所の動きを見て検討、議論がなされるのではないかと思います。
熊本城は、全国各地の多くの皆さんからのご寄附、ご支援をいただきながら、復興途上の姿を見ていただいていますので、できるだけあまり大きな変化をもたらさない形でご支援をいただき、多くの方々に復旧過程を見ていただきたいというのが、私自身の考え方です。ただ、熊本城の価値が800円なのかということについては、以前、値上げする際にも議論があったのですが、世界各地の観光地や城郭等々を見てみますと、海外に行って1,000円以下という所はあまりなく、けっこう高額な観光の拠点施設の入場料を支払うことはあります。熊本城の場合は、多くの方に見ていただきたいという料金設定で、ある程度必要な分だけをお願いしておりますが、管理経費が増えたこともあって、現在の800円に値上げをさせていただいた訳です。料金についての考え方は、物価の高騰等のいろいろな状況の変化もありますので、そういったことも踏まえて、適切に設定していくべきだろうと思います。
姫路城の料金に関して、私から特にコメントすることはございません。
【記者】こうのとりのゆりかごに関連してお伺いします。先週、慈恵病院の蓮田院長が市長と市の専門部会宛てに公開質問状を出されました。それに対する、市長の受け止めをお聞かせください。
【市長】こうのとりのゆりかごに関しては、専門部会からの報告書を受けて、慈恵病院から公開質問状という形で質問が提出されています。市宛てには3点、そして専門部会宛てには10点のご質問をいただいています。
ゆりかごへの預け入れを前提とした孤立出産や出産直後の長距離移動に伴う母子の生命の危険、そしてこどもの出自を知る権利をどう保障するのかということで、解決すべき課題が多く残されていることを、この報告書の中でご指摘をいただいており、特に匿名性の観点からの評価については、ゆりかごの運用が開始された当初から、匿名性が母子にとっての緊急避難として機能し、様々な援助に結びつける入り口となり得るということがあります。
一方で、こどもの人権を守り、養育環境を整える面からは、最後まで匿名を貫くことは避けるべきであるということが報告書の評価でした。ただ、生まれてくるこどもの命や母親の命を守りたいという思い、それからこどもの健やかな成長を願う気持ちは社会全体の根底にあるもので、慈恵病院としても、非常に切迫した緊急性の高いような状況の中で、母子の命を守ってきましたので、大変対応に苦慮されているという面があって、蓮田理事長が記者会見等で、そんなものは机上の空論だというようなことをおっしゃっていましたが、そういう言葉を発されるくらい、恐らく、私の受け止めとしては、現場の状況は本当に切実なものがあるんだなと察しているところです。
ですが、専門部会のお話も何も全てを否定するということではなくて、匿名性の評価という面では、やはり匿名性が母子にとっての緊急避難として機能していることや、様々な援助に結び付ける入り口となり得ているということについては、しっかり検証委員会の報告書の中で評価されています。そうは言っても、そこで守られたこどもの命が、その後のいろいろな環境の中で養育をしていき、こどもも成長し、自分の出自と向き合うという大事な時期に差しかかるその時に、出自の情報をどう扱うのかということ、また、真実告知をどうするのかということについて、様々な検討や議論がなされているところですので、そうした検討結果も踏まえて、いい形になっていく必要がある。そういう意味では、匿名性を完全に貫くというよりも、例えば、内密出産は一部の方だけに親の情報を知らせることが、ある程度担保されているという点で、そういう運用の中で慈恵病院さんも現在やられていますが、そういったこと(出自の情報)があったほうが、手がかりやいろいろなことに繋がっていくという面があると思いますので、最後まで匿名性を貫くことについて避けるべきであるという評価も理解をしています。
ただ、慈恵病院の蓮田理事長もおっしゃられていたように、内密ということ、匿名を守ってくれるということで、切迫した状況にある母親が相談することは十分に理解できることでもありますし、熊本市でも妊娠内密相談センターを開設していますが、ここでも内密にしているからこそ本音でといいますか、今の状況を打ち明けることができているという状況もあります。こうしたことも踏まえながら、公開質問状に対しては慈恵病院が求める期限までに対応したいと考えています。いろいろな考え方がありますので、慈恵病院からのご意見も伺いながら、また、専門部会のお話も伺いながら対応させていただきたいと考えています。
【記者】慈恵病院の公開質問状の回答期限は秋頃までとなっていますが、秋頃までに回答されるという理解でよろしいですか。
【市長】はい、長くてもということです。
【記者】こうのとりのゆりかごに関してお伺いします。蓮田院長は(専門部会の)報告の内容を受けて、ゆりかごそのもののシステムを否定する内容になっているとおっしゃられていたと同時に、そもそもの専門部会の設立の意義などに、疑問を持たれていますが、専門部会の存在意義について、大西市長はどのようにお考えなのか、教えてください。
【市長】日本でも初めての事例、そしてそれがずっと一民間病院の中で行われているということを考えますと、この検証の必要性はあると思っていますし、こうした専門部会でのご議論というものは、客観的にいろいろなことを見ていくうえでは、必要なことだと思っています。ただ、これまで、いろいろな評価の中で指摘を受けて、慈恵病院としても、いろいろなことに苦悩しながら対応してこられたということで、専門部会等々への不信感といったお気持ちもあるのではないかと察しているところです。
ですが、我々としても、慈恵病院とは内密出産の導入以降、ずっと連携を取りながらやらせていただいていますし、慈恵病院としてのご主張やご意見というものは、もちろん行政としてもしっかり受け止めながらも、客観性のある専門部会や検証の場において、しっかりご審議をいただきながら、適切に進めていきたいと考えております。
【記者】蓮田院長の受け止めとしては、現場のことを知らない方々によって作られた報告書ということで、当事者が不在の議論になっていることに疑問を持たれています。今後、専門部会や、大西市長を含む3者での協議の場を設ける意向などがあるのかお聞かせください。
【市長】今回、公開質問状を出されていますし、また、それは市だけではなく、専門部会に対しても提出されていますので、そうしたことを踏まえながら検討していく必要があると思っています。
【記者】庁舎整備についてお伺いします。次期定例会に向けて丁寧な説明をしていきたいというお話がありましたが、今回示された案について、現在、市ホームページに掲載されていますが、例えば素案を示された後のように、市民説明会を開くお考えがありますか。議会内での説明に留まるのであれば、8月に市の建設案を決められるその間の説明方針についてお聞かせください。
【市長】先日、本庁舎の移転候補地をNTT桜町ビルと発表させていただき、また、分棟にするということについても、委員会の場で発表させていただきました。今後、7月に開催予定の特別委員会において、ご審議いただくことになりますので、この方針で議論をさせていただきながら、その後の対応については、検討していきたいと考えています。
報道機関の皆さんには、いろいろな形で詳細に報道していただいていますし、市ホームページ上でも情報を公開させていただいています。多くの市民の皆さんから、内容についての感想やコメントが私にも届いていますので、そうした声はしっかり受けとめていくということ、それから、今後、市民の皆さんからのいろいろなご意見をいただく場面は、例えば、基本構想の場面で説明会をさせていただき、予定の時間を超えて担当からご説明させていただいております。私自身も、何らかの形で、ある程度の方向性が固まった状況の中で、その内容についてお示しをしてご説明する機会は必要だと思っています。いずれにしましても、まずは7月の特別委員会で分棟案の内容についてもお示しをさせていただいた上で、今後のことについては、議会でもまだ、ご審議が続きますので、そういうものを踏まえて検討していきたいと思います。
ただ、先日開かれた特別委員会でもご承知のとおり、もう少しいろいろな疑問に分かりやすく答えるFAQのようなものをホームページに示してほしい、というような市議会からのご指摘、ご意見もございましたので、そういったものをしっかり用意し、以前は本庁舎を建てかえる時、例えば動画を作って公表をさせていただいています。耐震性の不足に対しての考え方ということで、以前動画を作成しましたが、できるだけ市民の皆さんに分かりやすく伝えるような形で、情報を発信できるように丁寧にやっていきたいと考えています。
【記者】耐震性能に関しては、まだ納得されてない方も多くいらっしゃることは、市長もご承知かと思います。今後の広報の手段の中で、例えば耐震性能についても新たにご説明を追加するというようなお考えはありますか。
【市長】基本構想の説明会の中で、疑問点をいただき、それに対してご説明をさせていただいています。納得するかしないかということに関しては、それぞれの皆さんのお考えだろうと私自身は思うのですが、ただ、必要な情報をきちんと、疑問に対してこういう考え方なんだということをお示しして、分かりやすくしなければならないと思っていますので、例えば誤解に基づくようなことがないように丁寧な説明、あるいは、有識者会議で長年に渡ってご審議をいただいた結果がしっかり(報告書に)載っています。ところが、全部載せても分かりにくい、委員会においても探しにくいというご指摘があったように、疑問点に応えられていない部分があるのかもしれませんので、そういったことも分かりやすくお伝えできるようにしたいなと考えています。
議会でもいろいろご意見も出されており、また陳情もたくさん出されておりました。そういったことには、これまでも我々は丁寧にお答えをさせていただいておりますが、耐震性能も含めて、しっかり市民の皆さんの疑問に答えられるように説明を尽くしていきたいと考えています。
【記者】「こども誰でも通園制度」についてお伺いします。国の制度の試行事業ということで、何かこれからの期間の中で調査されることや報告をされることはあるのでしょうか。
【市長】実際に市内の8施設でスタートするわけであり、お子さん1人当たりの利用時間が月上限10時間ということで、利用日数の制限はないということでありますが、どういう形でニーズがあるのかや、受け入れるために、施設ごとにいろいろな形で対応ができる職員や体制の整備も必要になってきます。あるいは費用的な問題、1時間に300円頂くということになりますが、実際にどのくらいのコストがかかるのかについても、試行によってニーズの把握はできていくのかなと思いますし、そういったものを分析して、国に対しても、こんなことがある、こういう状況であるということは逐一報告をさせていただきたいと思っています。やはり、令和8年度以降の制度の本格実施につなげていきたいということでありますので、あまり悠長にしている時間はないだろうと思いますが、ただ7月に受付をして、9月から利用開始ということで、この期間の中で、課題も含めてですが、分析できたことについて国と共有しながら、そしてニーズが高いということがあれば、こういったものを拡充していくような、あるいは、来年度以降の方針についてもしっかり検討していかなければいけないなと考えています。
【記者】あと1点、熊本市では一時預かり保育という事業もされていると思います。人口減少や働き方改革といった中で、熊本市においては、この取組はどのように捉えていますか。
【市長】私自身は「誰でも通園制度」というものは、働き方の多様化もそうなんですが、子育て世代の皆さん方の様々なニーズにお応えする上では非常に重要な事業だと認識をしていますし、ですからこうやって試行的なことも進めていくということであります。
実は今、熊本市のこども計画の策定を目指しておりまして、これを策定するためにずっと母親やお父さんや子育て世代の皆さんからのご意見を聴いたり、それから今度は、こども当事者からのご意見を聴こうということで、ずっといろいろな形で、こどもや子育てに関する「市長とドンドン語ろう」というものも開催をしておりますので、そういった中でも評価については伺っていきたいし、実際にそういう声を反映して、よりよい制度となるように精一杯努力していきたいと思っています。
【記者】水害の対策等についてお伺いします。熊本豪雨からもうすぐで4年を迎えるという点で、市長の所感があればというところが一つと、今後、木村県政と連携して水害対策等をどういった形で進めていきたいのか、今後の方針があればお聞かせください。
【市長】令和2年の7月豪雨は、球磨川の氾濫を含めて非常に大きな被害が出ました。もう間もなく4年ということで、犠牲となられた皆さん、そして、今、復旧に尽力されている地域の皆さんにお悔やみを申し上げたいと思います。水害の時も、発災以降すぐ人吉市長と連絡をとりまして、熊本市の職員もすぐに派遣をして被災地に行きました。そして応援体制を組みました。局地的に大きな被害になりましたが、線状降水帯があれだけ長くとどまって、集中的に降ったということで、あのようなことはいつどこで起こってもおかしくない状況で、先ほど、私からも今夜から明日にかけての大雨についての情報を発表させていただきましたが、本当に十分に警戒をしていかなければならない。しかし、洪水は、夜中に大きな雨が降ると気がつかないで、起きた頃にもう大変な状況になっていたとか、気がついた時には流されていたとか、いろいろなことがありますので、何といっても早めの避難、これしかないと思っています。
そこで、今日5時に「高齢者等避難」を発令し、避難所ももう開設するということでありますが、それでも「ひょっとしたらこのぐらいだったら大丈夫じゃないか」「今はあまり降っていないからね」ということで避難をしないと、突然降ってきて長く線状降水帯がとどまった時にはもう遅いんですよ。だから、そういう危機感を、ぜひ、市民の皆さん、地域の皆さんには持っていただきたい。気象庁がこれだけの発表をしているということは、空振りであればそれはよかったねで済みますが、そういうことで済まない事態が起こりうるということが発表されているということ、そして私も記者会見で言っていることを、ぜひ多くの皆さんには必要以上に警戒していただきたいと思います。それが一つの水害被害の教訓を今の我々が生かすということにつながるんだろうと思っています。
一方で、木村知事や県との連携ですが、これは県も災害の対応ということで一生懸命されていまして、市町村と共同でいろいろな訓練をしています。例えば、河川の状況やシミュレーションによって訓練の想定は変わりますが、そういったことを繰り返していくこと、そして連携をしていくこと、情報の共有をスピーディにやること、それからトップ同士のホットラインがあること、これが非常に重要でございます。私自身も九州市長会で会長をさせていただいておりますので、防災部会などでのネットワークももちろんございますが、県内の首長さんたちともすぐ連絡をとれる体制、ホットラインはそれぞれ確保しており、それはもちろん知事とも確保しているということであります。いざという時に、そういったことはないようにしたいと思いますが、いざあった時にも対応できるような体制を組むことが必要だと思っています。
【記者】全国交通系ICカードについてのお尋ねです。市電については附帯決議が付きましたが、市としては、市電についてどのようにお進めになる考えでしょうか。
【市長】市電については、今回、附帯決議も頂き、また、委員会でのご審議、それから市民の皆さんからもいろいろな声がたくさん寄せられています。今、実際に市電はいろいろな種類のキャッシュレス決済ができるようになっています。やはり、今使われているものが皆さん慣れていると思いますが、以前、令和5年に2回ほどアンケートを取らせていただいた時に、「もし全国IC系のカードが使えなくなった場合はどうしますか」という問いには「転換をします」「影響はない」という答えが結構多かったんですよ。それは、(その時点では)廃止という情報を皆さんご存じなかったし、(現在、)こういう状況になっているということは、多分前提が違う。熊日新聞が先日アンケートをとられていますが、廃止に賛成か反対かということでの問いかけだったと思います。「もし使えなくなった場合どうしますか」という問いに「困る」と答えた方はあの時点では少なかったんですよね。そういうことも含めて、もう一度どういうことを皆さんが望んでいるのか、やはり使い慣れた今までの全国系ICの方が東京に行っても便利、JRで使っても便利、市電に乗るときも便利、だから、それは継続してほしいという声も強いのか。もしくは、チャージをしなくていいクレジットカードタッチでもだんだん慣れてくればいいとおっしゃるのか。あるいは、他の決済手段をもう少し検討してほしいとおっしゃるのか。そういったニーズをもう一度しっかり把握していくことが必要だと思います。そこで、アンケートなどいろいろな利用者の方々の声を伺う機会を作っていきたいと思います。
もう一つは、この全国交通系のICカードというのは、大都会のラッシュアワーに対応できるような、非常にスピードを持って反応するような仕組みのハイスペックなものです。しかも、それだけハイスペックだからということもあるのかもしれませんが、更新費用や維持の費用が非常に高いという課題、問題があります。(スペックが)そういったところまでいかなくても、熊本の市電などの利用が割とスムーズにいくということになれば、そういった決済手段を今後もずっと続けていくことは、経費の問題からも難しいということになると思います。ですから、利用のしやすさの検証みたいなことを、実際に比較してみて、例えば、実際乗ったことがない方は分からないと思うのですが、乗ったことがある方だと、もう既にQRコード使われている方もいらっしゃいますし、それから全国系じゃないカードを使われている方もいらっしゃいます。熊日さんのアンケートだと1%ぐらいですかね、クレジットカードタッチ決済は。
【事務局】(本市の調査による)市電のクレカ利用率は1%です。
【市長】市が発表したことを(熊日新聞が)報道したものでした。失礼しました。
1%ということですが、この人たちが実際にどうやってその辺がストレスなく使えるのかとか、乗換えが簡単かとか、例えば、この前半額キャンペーンをクレジットカードタッチでされましたが、ちょっと使ってみたら意外とよかったからまた使おうというのか。やはり、今までの全国交通系ICじゃないと難しいのか。そういった使い勝手の面も含めてですが、しっかりご利用の皆さん方の声を聴いて。こういった決済手段は、できるだけコストがかからないようにしたほうがいいんですよね。以前の記者会見で申し上げたように、信用乗車みたいに、ヨーロッパは切符をちゃんと買っておけば改札をわざわざ1個1個通らなくても大丈夫になっています。例えばそういう方法もあるよねということですが、とはいえ、現状ではそういうシステムになっていますので、やはりユーザーの皆さんの目線で一番どうあるべきかということを、熊本市電としては追求していきたいと思います。バス事業者の皆さん方が余り大きな混乱がなく、全国交通系ICではなくても、混乱がなくできていて移行がされていくということになれば、私たちはその後ですので、状況をしっかり見ながら対応していくことが重要と思っています。いろいろな考え方や、ユーザーの皆さんにとっては利便性がもっと高まるようにとか、例えばポイントがこうすれば貯まりますとか、いろいろなメリット、デメリットが比較されて、決済手段は選択されていると思いますから、その辺のご意向等々もしっかり伺って判断をしていきたいと思います。議会にもその都度、情報を提供させていただきたいと思います。
【記者】「こども誰でも通園制度」についてお伺いします。8か所ということですが、1か月当たり何人ぐらいのこどもを受け入れられるものなんでしょうか。
【市長】8施設全体で1日当たりの定員が40人程度です。大体1施設当たり1日5人ぐらいの受入れ枠ということです。ですから、ひと月当たりの最大の受入れで500人程度となるということです。
【記者】ひと月当たりの上限が10時間ということで、どういう使い方を想定されているのかということもひとつ疑問もありますが、例えばどういう場面での利用が想定されますか。
【市長】一時預かりとはまた違いますが、上限が10時間ということもあり、どういう使われ方をされるのかということはご家庭の状況によるかなと思いますので、あまり私からこういう事例だとか申し上げにくいのですが、ただ上限を超えて預かりを希望される方に、別途一時預かりを利用していただくとか、選択の幅が今までよりは増えるので、それでどういう利用があるのか。逆に言えば、10時間でも足りないよね、という声も出てくるのかなと予想されますが、当然制度の運用の中で、あるいはどういうやり方がいいのかということは、これから検討していく必要はあると思いますので、まずはスタートしてみてと考えているところです。
【記者】新庁舎の話に戻りますが、内部告発文書が市議の皆さんに届いているということで、特別委員会でも答弁されていたと思います。真偽も含めて、調査なり、取り扱いなり、数日経ってもいますので、現段階の受け止めや調査の進展、その後の様子などをお願いします。
【市長】特別委員会でも申し上げましたが、改めて申し上げますと、この文書は本市の要綱で定める窓口の通報ではなく、形式要件を満たしておりませんので、内部通報にはなりません。ただ、公益通報に該当する可能性があると考えているので、法務部門や顧問弁護士に現在確認中でございます。精査をした中で、その結果を踏まえて、適正に対処していきたいと思っています。そういう意味では、まだ弁護士等々や法務部門に確認中ですので、詳細のコメントは差し控えさせていただきたいと思います。公益通報に該当する場合は、当然のことながら、まず、通報者の保護ということは第一に考えなければならないと私自身も考えております。
それから、この文書の真偽についてですが、実際に書かれているものを私も読ませてもらいましたし、担当部局でも確認をさせていただいておりますが、この内容については事実と異なる部分が非常に多くあります。これは職員を名のる人なので、実際に職員かどうかも分からないんですが、ただ、仮にそうであったとしても、例えば、有識者会議の答申であるとか、耐震性能分科会の報告書を市職員が作成をしたということが問題だということで書かれていますが、市職員というのはあくまでも有識者会議の事務局としての作業に従事することでありますので、当然、答申内容であるとか報告書の内容は、有識者の皆さん方がオーソライズしたものであるんですね。
ですから、事務方とか、それから執行部のほうで何か都合のいいようにと書いてあり、あるいは、市長に忖度するというような文言もありましたが、何を忖度するのか。私は有識者会議に対して、ゼロベースで検討してくださいと申し上げていますので、全く忖度する必要はないわけです。ただ、そう表現してあるということは一体どういうことなんだろうなと思いますが、まず、そこの部分は事実と異なるということは、この場でも明確に申し上げておきたいと思います。
それから、事前に意見照会を行ったという点も書いてありましたが、有識者会議の皆さん方のご発言であるとか、作成した答申案の語句とか表現の誤りというものがないかということについて事前に確認を行ったということが実際のところだと、私も報告を受けています。それは、有識者会議の事務局として市の職員が当然行うべき事務作業であると考えているところです。そういうこともあって、この文書は明らかに事実とは異なるということでありますので、これは委員会でも否定をさせていただきましたが、この場においても明確にそういった事実はないと否定させていただきたいと思います。
【記者】私からも本庁舎についてお伺いします。前回の委員会では、事業費が青天井に膨らむのかという懸念の声が委員から出ていました。また、NTT跡地の土地の取得費も発表され、土地の所有者は前向きに応じる姿勢を見せているということですが、その表現について、前向きに交渉に応じているということは、このままいけば70億で土地が取得できるという認識でいいのか、それとも売却の条件など何か他のパターンが想定されるのでしょうか。
【市長】私が直接交渉してるわけではないのですが、実際にプラスアルファと書いてある部分に関しても、金額を大きく逸脱するようなことではないだろうと思います。それは、協力的にお話を聞いていただいているということです。ただ、用地の交渉に関しては、当然我々として、公共事業に関する補償金額であるとか、用地の取得の大体の費用というのは、土地家屋調査士など、いろいろな人たちのデータに基づいて、先方と交渉をしていくということになりますので、現時点で幾らということは私からは明確には申し上げられません。ただ、現時点でのやりとりの中では、非常に適切に対応していただいているということで聞いています。何か補足があれば。
【事務局】補足させていただきます。70億円と出しておりますのは、土地の鑑定などが済んでいませんので、登記簿上の面積に路線価をかけたようなもので、参考値として出しているものでございます。今後、建設地が決定してから、きちんと精査をしていく、市の補償基準に則りながら進めていくことになります。
【記者】掲載されている数字をもとに前向きに交渉が進んでいるというわけではないということですか。
【担当課】交渉のベースの数字ではございません。あくまでも、登記簿であるとか路線価から出している金額です。
【市長】公開されている情報の中でやりとりをするとこのぐらいの金額ということで、我々としてはそれを建設のコストの中に入れたということです。だから概算の事業費だということです。あくまでも概算なので、当然、いろいろ精査をする中では多少交渉の中でも変わっていくことがあり、それが妥当かどうか、取得するかどうかということは、意思決定が議会でなされていくというプロセスが出てきます。当然、予算もあげるわけですし、青天井で何でもかんでもやるというようなことではないと思います。
【記者】市電について話が戻るのですが、このICカードに加え、定例会中に減便を伴うダイヤ改正、それから料金・運賃の値上げの検討というお話がありました。経営環境や労働環境を改善されるということで方針を出されたと思います。一方、利用している市民にとっては、大きく環境が変わるもので、矢継ぎ早にこういった方針が示されたことで、戸惑いや不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。そういった不安や戸惑いに対して、どういった対応をされていくのかについてお願いします。
【市長】減便については、本当に利用者の方々にご迷惑をおかけすることになって大変申し訳なく思っています。今回、車両不足や人員不足によって減便せざるを得なくなったということでありますが、一時的に皆さんにはご迷惑をお掛けします。今後の見通しとして、現在3両編成の車両を2台製造中で、これが恐らく年内には運行が開始できるということ、それから、運転士の確保についても採用強化を行っていまして、8月には新規採用者10名の教習を開始し、来年の4月には運転士が勤務可能となるということで、この車両や人員の状況が改善すれば元の状況に戻る、あるいは改善していくということであります。そこの見通しをお示しすることで、一時的にご不便をおかけしますが、一時我慢すれば何とか将来、先の見通しは明るいと思っていただければ、利用者の不安も随分減るのではないかと思っています。というのが、実際に減便が発表されて、今でさえ積み残しがあって混み混みなのに、これで減便されたらもっと大変なことになるのではないかという声があったのですが、説明をしていたら、来年には解消するということを皆さんご存じない、報道でも「減便、これだけ減ります」ということしかない。だから、見込みという事を少しお伝えすると皆さんは安心されるのかなと思います。もちろん、何も見通しが立っていない見込みを発表するわけにいきませんが、今申し上げたように、10名の運転士の養成をこれからしていくということ、そして、新しい車両が入る見込みがありますので、そういうことをお伝えするのも大事なことかなと思います。ぜひその点も、来年の4月以降は、経営環境というか、人員体制なども変わり、皆さんには、快適な、ある程度ご不便をおかけしないような状況に戻せますということをお伝えできればなと思います。
【記者】今のお話なんですが、今はダイヤ改正ということで進めていらっしゃいますけれども、来年4月にはまた元のダイヤに戻る見通しなんでしょうか。
【市長】そういう見通しです。とにかく今の状況は、一時的なことをしのぐために、やむを得ず減便をさせていただくということでご理解いただきたいと思います。来年の4月には見通しが立っていると言って構わないと思います。また、改めてダイヤ改正をさせていただいて、便を戻すということになるかなと思います。