熊本市大規模盛土造成地マップについて
平成31年(2019年)3月から大規模盛土造成地マップを公開しておりましたが、地図情報サービスでも確認できるようになりました。 地図情報サービス(外部リンク) 大規模盛土造成地マップとは 新潟県中越地震や東北地方太平洋沖地震、平成28年熊本地震において、大規模に盛土された造成宅地の滑動崩落が発生しました。 今回、熊本市では、市民の皆様に身近にある大規模盛土造成地を知っていただくため、国土交通省のガイドライン等に基づき、市内に存在する大規模盛土造成地のおおよその位置と規模を調査し、マップを作成しました。 大規模盛土造成地と滑動崩落のイメージ 大規模盛土造成地は、要件によって「谷埋め型」と「腹付け型」に分類されます。 滑動崩落とは、地震時に、盛土全体又は大部分が盛土底面部をすべり面として、旧地形に沿ってすべり落ちる現象のことです。 谷埋め型 盛土の面積が3,000平方メートル以上の大規模盛土造成地を「谷埋め型」といいます。 地震時に、造成前の谷地形に沿って滑動崩落が発生する可能性があります。 | | 谷埋め型のイメージ | 谷埋め型の滑動崩落のイメージ |
腹付け型 盛土をする前の地盤面の水平面に対する角度が20度以上で、かつ、盛土の高さが5メートル以上の大規模盛土造成地を「腹付け型」といいます。 地震時に、造成前の急斜面に沿って滑動崩落が発生する可能性があります。 | | 腹付け型のイメージ | 腹付け型の滑動崩落のイメージ |
※図の出典:国土交通省「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説」
大規模盛土造成地の抽出方法 造成前後の地形データを重ね合わせて、造成後の地盤の高さが造成前より高くなっている(盛土されている)ところを探しました。その後、面積や高さなど、盛土の規模が大規模盛土造成地に該当する箇所を抽出しました。 ※図の出典:国土交通省「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説」
大規模盛土造成地の抽出結果 熊本市の地形は、北西部が金峰山等からなる山地、北東部が阿蘇山の火山噴出物によってできた台地や丘陵地からなっています。そのため、北西部から北東部にかけて台地に入り込んだ谷地形を埋めた盛土が多く見られます。 詳細は、以下のパンフレット及びマップをご覧ください。 熊本市大規模盛土造成地マップ(1) (PDF:1.93メガバイト) 宅地災害の前兆を見極めるためのチェックポイント 宅地における被害を防ぐ・減らすためには、宅地を所有される皆様が、日頃からご自身の宅地や擁壁に目を配り、点検しておくことが大切です。以下のチェックポイントを参考に点検することで、滑動崩落などの宅地災害の前兆となりうる異常を発見することができます。 擁壁の変状(長い亀裂やハラミ出し) | | | 長い亀裂やハラミ出しのイメージ | 長い亀裂 | 擁壁下端のハラミ出し |
※図の出典:国土交通省「わが家の宅地安全マニュアル」 擁壁からの水のしみ出し、湧水部分のコケ | | | 水のしみ出しやコケが生えた擁壁のイメージ | 水のしみ出し | 湧水部分のコケ |
※図の出典:国土交通省「わが家の宅地安全マニュアル」 ほかにも、国土交通省のホームページに、より詳しい情報がありますので、必要に応じてご覧ください。 国土交通省 宅地防災トップ(外部リンク) 盛土・宅地防災:我が家の擁壁チェックシート(案)(外部リンク) 盛土・宅地防災:宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)(外部リンク) 大規模盛土造成地に関するQ&A マップ公表の目的は何ですか? このマップは、身近にある大規模盛土造成地を知ることで、市民の皆様に、宅地災害に対する意識を高めていただくことを目的としています。 このマップに載っている場所だけが危険で、それ以外の場所は安全ということですか? 今回公表したマップは、造成前後の地形データを重ね合わせて、大規模盛土造成地のおおよその位置と規模を示したものです。必ずしも、マップに載っている場所が危険で、それ以外の場所が安全というわけではありません。 大規模盛土造成地に入っていると、土地利用の制限があったり、土地取引の時に特別な手続きが必要になるのでしょうか? 大規模盛土造成地に入っていることによって、土地利用に制限があったり、土地取引において特別な手続きが必要になることはありません。 平成28年熊本地震で滑動崩落が発生しなかった場所は今後も安全でしょうか? 時間の経過により盛土内部や擁壁等の施設も老朽化していきますし、地震ごとに震源・規模も異なります。熊本地震で滑動崩落が発生しなかったからといって、今後も絶対に安全というわけではありません。
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