会見録
市長発表
はじめに、本日、熊本市内の介護老人保健施設「白藤苑」で、本市で18例目となる新たなクラスターが確認されましたので、お知らせいたします。現在までに、関連施設を含め、施設職員、入所者、利用者に合計23名の感染者を確認しております。
早急に、国や県などクラスター対策経験のある医療の専門家の関与もいただきながら、対策を進めて参ります。
詳細につきましては、後ほど担当から説明させていただきます。
本市におきましては、昨日24日に35名の新規感染者が確認され、これまでの1日25名の感染者を大きく上回り、過去最多を更新いたしました。
また、病床稼働率につきましては、昨日24日時点で、80.2%となっております。クラスターも発生し、重症化リスクの高い高齢者の方などの感染者が増えており、これ以上感染拡大した場合、医療体制が更にひっ迫し、県との入院調整等も難しくなる恐れがあるなど、非常に危機的な状況にあると考えております。
本市では、連日20人以上の感染が続いており、市中感染が拡大しているとみられます。普段の生活の中で、いつ誰が感染してもおかしくない状況です。
そこで、今回、大きなクラスターも発生し、本市における感染状況は極めて厳しい状況であることから、来年1月11日に開催を予定しておりました「熊本市成人式」の中止を決断いたしました。また、前日10日に開催を予定しておりました「熊本市消防出初め式」についても同じく中止をいたします。
成人式については、これから大人になる新成人の皆様の門出を祝す式典でありまして、新成人の方にとっても一生に一度の大切な節目となります。また、今回成人になられる方は、ちょうど5年前、高校に入学する際に熊本地震を経験し、大変辛い思いをしてこられた世代の皆さんでもありましたので、コロナ禍の中ではありますが、私としてもぜひ皆様の門出をお祝いしたいという思いで、これまで様々な感染予防対策等を講じながら、ギリギリまで開催に向けて準備をしてまいりました。しかし、現在の感染の急激な拡大状況を鑑みまして、中止という苦渋の決断をいたしました。
晴れの日を楽しみにしておられた新成人の皆様をはじめ、ご家族や関係者の皆様に対しましては、心から申し訳なく思っております。しかし、市民の皆様の命と健康を守ることを最優先に考えての中止という判断となりましたので、どうかご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、「熊本市消防出初め式」につきましては、消防の伝統行事でもありまして、規模を縮小して開催する準備を進めておりましたが、今般のコロナウイルス感染症感染拡大の状況を鑑みまして、参加者またそのご家族の安全を第一に考えた結果、こちらも残念ながら中止の判断に至ったところです。
あらためて、最後に市民の皆様へ強くお願いを申し上げます。
我々の社会は、新型コロナウイルス感染症が流行して初めての冬を迎えることになります。市民の皆様におかれましては、この半年以上、日常生活で本当にいろいろな我慢を強いられてこられたと思います。また、この年末年始、特別な時期であるこの時期を大変楽しみにされてきたかと思います。
しかしながら、この年末年始に人々の交流を通じて感染が拡大しますと、さらに医療がひっ迫し、また経済も大きな打撃を受けることになります。
市民の皆様におかれましては、繰り返しのお願いとなりますけれども、マスクの着用や手指消毒等の基本的な感染予防策の徹底はもとより、あらためて次の3点について徹底をお願いいたします。
1点目に、同居するご家族以外の方との会食はぜひ控えて下さい。2点目に、高齢者及び基礎疾患のある方は不要不急の外出を控えて下さい。3点目に、感染が流行している地域への旅行・外出を控えて下さい。また、年末年始の帰省等についても、極力控えて下さい。
今が今後の感染拡大を防ぐことができるかどうかの本当に大きな瀬戸際であると考えておりますので、年末年始を楽しみにされていた方には、大変ご不便をおかけしますが、どうか皆さまの命と健康、暮らしを守るため、ご理解とご協力いただき、年末年始をぜひ静かにお過ごしくださいますようお願いを申し上げます。
私からは以上です。
質疑応答
【記者】今日、1日の新規陽性者数が過去最大となって、病床稼働率も80%を超えたということで、この感染状況が続けば、すぐに100%を超えてしまうような状況にあるんではないかと危惧されますが、この状況に市長は先ほど危機的な状況にあるとおっしゃいましたが、あらためてこの状況をどういうふうに見ているか教えてください。
【市長】昨日、クラスターが発生しまして、そしてまた今感染者の方のいろいろな状況を見ていますと、やはりもう確実に市中感染が広がっている状況であります。そして、宿泊施設等の用意もしていただいて、今2棟目の方が昨日から入っていただけるようになりましたけれども、それでも、今感染者の方々の入院あるいは療養施設への入所ということについても、調整を強いられているような状況でありまして、感染が確認されたから、すぐ入院や療養施設に入所するということが、だんだんできなくなってきている、期間を必要としているということで、そういう意味でも、この熊本市内だけでこれ以上の感染が広がれば、今現在重症者の方は1名いらっしゃいますけれども、これがまたさらに今後、高齢者の施設でもクラスターが起こったということを考えますと、リスクの高い感染者の方の命が守れない状況になりかねない、今本当に危機的な状況にあると感じております。
ですので、医療のひっ迫状況をこれ以上大きくしないようにするためにも、どうか皆さんの御協力をいただきたいと思っています。
【記者】この状況を踏まえて、知事に対して時短要請であるとか、また新たな要請はなさっているのでしょうか。
【市長】もう既にこれまでの状況を踏まえ、県とも協力しながら、連携を取っておりますので、知事も含めて県でも、今の県全体の感染状況がこのままいきますと、ステージ3相当のレベルになるのは、もう近いのではないかなと考えておりますので、その上で、知事も時短要請であるとか、そういったことを判断されると思います。
ただ、時短要請等についてもそうなんですが、まず市民の皆さんに緊張感を持って、日々のこの暮らしで最大限注意をしていただくこと以外に、感染拡大を防ぐ道というのはありませんので、ぜひその点をよろしくお願いしたいと思っています。
【記者】成人式の中止について伺いたいんですけれども、今週月曜日の段階でも、お伺いしたと思うのですけれども、あの時点では、開催の方向だと話されてまして、今日、一転して中止を発表されたということで、決断をするに当たっての一番大きなターニングポイントっていうのは、いつだったんでしょうか。
【市長】1つは、ここ数日の感染状況が収まる気配がもうないということと同時に、昨日も感染拡大が(止まらず)、1日の今まで25人というのが1番ピークだったわけですけれども、これをもう超えて35人になったということで、この時点で、これ以上の感染拡大をさせるわけにはいかないということ。そして、この年末から年始にかけてが、まさに医療の崩壊を招かないためのターニングポイントだと考えました。そこで、(成人式中止の)決断をしたということであります。
【記者】確認なんですが、特に新成人の女性は振り袖とか、高額なお金をかけて用意とかされたと思うんですけど、特段市でその点を配慮して、補助するとかそういう検討は、現時点でなさっていますか。
【市長】それは、どこの自治体も全国そうだと思いますけれども、大変申し訳ないんですが、そういったことについては検討しておりません。
ただ、晴れ着を用意された方がたくさんいらっしゃると思いますけれども、今回、成人式という中で多くの方々が集まることはできないんですが、一番近いご家族と一緒にお祝いしていただくしかないなと思っていますので、そうした記念に写真を撮ったり、あるいは本当に近い同居するご家族と食事をしてお祝いをするなど、ささやかな形になるかもしれませんが、ぜひそういう形でお祝いをしていただければなと思っております。大変残念ですけれども、申し訳ありません。
【記者】成人式についてなんですが、延期ではなく中止にした理由を教えてください。
【市長】今後、感染の拡大はこれからもさらに(続く)、まだ終息する見通しが今立っていないということでありますので、(開催を延期して)時期をずらすというのは、かなり困難であると、先がなかなか見通せないということもあります。ですから、大変残念なのですけれども、中止とさせていただきたいと思います。
ただ、式典開催自体を中止しますけれども、式典で予定しておりました、私からの祝辞、それから市議会議長からのお祝いのメッセージをはじめ、記念感想文の最優秀賞受賞者が毎年式典で朗読しますが、そういったものについては、インターネット等で配信をさせていただきたいと考えております。
【記者】現時点で、まだ帰省について迷っていらっしゃる方等もおられると思いますが、市長として、「(帰省を)やめていただきたい」などありますか。
【市長】もうこれだけ感染状況が、熊本市内であっても広がっているということ、そして、もう病床稼働率も80%を超えているといった状況を踏まえると、本当に残念なんですけれども、帰省についても、ぜひ自粛していただきたいと思っています。
【記者】それは、感染流行地域でなくてもですか。
【市長】基本的には、感染流行地域ということでありますけども、この熊本自体も、もう感染流行地域に近い状態になってきているというような認識で、ぜひ皆さんには危機感を持って行動していただきたいと思っています。