会見録
市長発表
本日、第68回熊本市新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催いたしましたので、その内容についてご報告いたします。
はじめに、本市の感染状況については、直近1週間(4/21~4/27)の新規感染者数が157人、また病床使用率も60.3%となるなど、国が示す4つの分類のうち、上から2番目の「ステージ3」の状況であり、爆発的な感染拡大を示す「ステージ4」の段階に近づいており大変厳しい状況にあります。
また、感染経路不明者の増加、会食に関連した複数のクラスターの発生、中心市街地関連の感染の拡大がみられております。このような状況が続くと更なる感染拡大につながる可能性があります。
モニターをご覧ください。
入院患者のうち、中等症と重症者の割合は4月14日の時点で29.0%だったものが、昨日(4/27)時点では、中等症と重症者の方を合わせて54.0%に拡大しております。40代の方においても、重症化するケースが見受けられ、市民の命が脅かされる事態となっております。
(モニターのグラフの)下の方は参考までに第3波のときの状況であり、黄色(中等症)や赤色(重症)というのが、第3波の最初の時点である11月23日、11月30日、12月7日とお示ししておりますけれども、この第4波の方が、中等症や重症の方の割合が非常に多くなってきているということが見てとれます。
次のモニターをご覧ください。
病床数についてですが、12月時点で96床だったのですが、その後40床増床し、現在は136床確保するということで、病床の拡大も行ってきました。ところが、病床使用率を診ますと、昨日(4/27)時点ですでに60.3%となっており、このまま拡大していきますと、5月初旬(5/6)には、病床使用率が100%を超える恐れがあるということで、大変強い危機感を持っております。かなり感染のスピードが早いということが、ここから見てとれます。
改めて、市民の皆様には、不要不急の外出をお控えいただき、ゴールデンウィークはできるだけご家庭でお過ごしいただくなど、更なる感染拡大防止にご協力いただきますようお願いいたします。
また、県内の感染拡大に伴いまして、県から本市に対し、明日から5月13日(木)午前5時までの期間、「熊本市中心部の酒類提供飲食店に対する午後9時までの営業時間の短縮要請」とともに、「不要不急の外出自粛の要請」がなされたところであります。
このことから、時短要請に伴う協力金など感染拡大防止対策に要する予算とともに、感染拡大収束後、経済の再生のための事業を迅速に執行できるよう、必要な予算をあらかじめ確保することとし、「新型コロナウイルス感染症に係る緊急対策第15弾」、総額7億8,235万円の補正予算を、本日、専決処分いたしました。
事業内容は、お手元の資料のとおり大きく4つの取組からなっています。
まず、営業時間短縮要請に伴う協力店に係る県への負担金についてです。
時短要請にご協力いただいた飲食店等に対して、売上高等に応じて1日あたり2万5千円から20万円の範囲で支給される協力金の一部を本市が負担しますことで、厳しい経営環境の中で、感染拡大防止にご協力いただいている飲食店等の皆様を支援してまいりたいと考えております。
なお、時短要請により、首都圏等でも見られたような、いわゆる「路上飲み」を行う方が出てくることも考えられますため、対策として夜間の繁華街を中心に、青色回転灯装備車(青パト)による防犯活動を行いまして、不要不急の外出を控える呼びかけと、パトロール(見回り)をしっかり行ってまいりたいと考えております。
次に、感染拡大防止のために不要不急の外出をお控えいただく皆様への支援策です。
飲食店デリバリーの利用促進を図るため、外出をお控えいただく中にあっても、市民の皆様が自宅等で安心して飲食店の味を楽しんでいただけるよう、宅配代行事業者によるデリバリーサービスの配達料を市が全額負担いたします。これは前回行った対策と同様のものでございます。
また、テレワークの促進のため、市内の宿泊施設をテレワーク等で利用される場合に、利用料金に応じて1,500円または3,000円の割引が受けられる支援を行います。
次に、感染拡大が収束した後を見据え、迅速に地域経済の回復を図るための2つの対策です。
1つ目は、商店街やタクシー、ブライダル業界等が実施する、30%のプレミアム付き商品券の発行事業に対して助成を行うことで、消費需要の喚起を図るための準備経費です。
2つ目は、県内在住の方々が、お得な価格で市内宿泊を楽しんでいただけるよう、旅行代金に応じて1人1泊あたり1,000円から3,000円の支援を旅行事業者等に対して行うことで、コロナ禍の影響を受けた旅行需要の回復を図るための準備経費です。
これまで、新型コロナウイルス感染症対策として1,100億円を超える経済対策を行ってまいりましたが、今回の第15弾では、感染拡大防止を図る予算とともに、感染拡大収束後、直ちに地域経済の活性化に取り組むことができるよう、必要な予算をあらかじめ確保することとしたものです。
次に、先日、発送いたしました新型コロナワクチンの接種券について、予約開始日時のご案内が、同封や記載されておりませんでしたことから、接種券が届いた多くの皆様方からコールセンターにお電話いただいたことで、コールセンターに電話が大変繋がりにくい状況となりました。
お電話をかけていただいた皆様にご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
引き続き、コールセンターの増強を図っていきますとともに、次回以降の予約スケジュールや接種実績をお伝えする等、高齢者の皆様の安心につながるよう、コールセンターでの丁寧な対応と情報提供に努めてまいりたいと考えております。
また、あらためて申し上げますが、予約開始は、5月6日木曜日正午からとなりますが、予約開始直後は、予約が取りにくい状況が続くことが予想されます。
高齢者分のワクチンについては、確実に高齢者の皆様へ行き渡りますので、慌てずにご予約をお願いします。
最後に、新型コロナウイルス感染症対策課の体制についてです。先ほど申し上げましたとおり、感染者数が急激に増加しておりまして、当課において疫学調査や入院調整等の業務における負担が増大してきているような状況です。
現在も通常の体制(65人)に加えまして、11人の応援職員を動員して業務にあたっているところですが、ゴールデンウィークにむけて更に応援職員を倍増(11人追加)して体制の強化を図る予定です。
しかし、今後さらに感染が拡大すれば、現在もかなり厳しい状況ではありますが、保健所体制がひっ迫し、感染防止対策にも影響が生じる可能性がございます。
市民の皆様にはこういった状況をご理解いただくとともに、スムーズな疫学調査等へのご協力を改めてお願い申し上げます。
私からは以上です。
質疑応答
【記者】病床についてですが、96床から40床増やされて136床になっていると思いますが、今後また病床を増やす予定はありますか。
【市長】はい。病床については、県が中心になってこれまでも取り組んできたところで、そこに私たち熊本市も健康福祉局の担当職員が一緒になって、各医療機関への要請等を行ってまいりました。これは現在も続けておりますので、この136床からどのくらい(増えるか)ということは今現在では言えない状況でありますが、協力要請を行い、拡充していきたいと思います。
しかしながら、この4、5か月ほどで40床を増やすというのが、かなり難しかったということがあります。何とか40床増やしたわけでありますが、今後さらに何十床増やすことができるかというと簡単にはできません。これは、病院の病室が空いていればいいという問題ではなく、そこに医者や看護師への配置、人材が必要になってきますし、また医療資器材も必要です。また、他の疾病等で入院されておられる方等に影響が出ないように、厳重に感染をコントロールしていく必要があります。そう考えますと、なかなか簡単なことではないということは、ぜひ市民の皆さんにも御理解いただきたいと思います。
一方で、この下の方の数字は宿泊療養施設(ホテル)の数ですが、12月の段階で60室だったものが、現在440室まで拡充しています。軽症の方や無症状の方は、こちらに入っていただくということになっておりますので、第3波のときよりかなり拡充している状況です。それでも、この急速に感染が拡大している状況では、短期間で集中して感染が拡大していき、退院される方もすぐ退院できるわけではありません。しかも中等症の方が多いということは、それだけ回復に時間がかかります。入院の在院日数が長くなると、さらに病床が逼迫していくということで強い危機感を持っています。そういう意味では、新規の感染者を増やさないということが何よりも重要になってくるということで、繰り返しのお願いになりますが不要不急の外出を控えていただいて、こういう危機的な状況がもう目前に迫ってるんだということを、皆さんにはぜひ御理解いただきたいと思っております。
【記者】今後の対策についてです。4番目の感染拡大収束後の経済対策ですが、具体的にはどういうタイミングが収束後ということになるんでしょうか。
【市長】これは以前と同じですが、減少傾向になり、一定程度、例えば病床も確保できたとか収束が見込まれていろいろな (措置や医療非常事態) 宣言等も解除されて、落ちついた段階ということになります。ただ今の状況は感染が急拡大しておりますので、急にぐんと下がるということはちょっと考えられないわけです。しかしながら今後収束した時期に、そこから予算を準備して、議決をするなり、先決処分するなりして、手続をしていても、経済対策の効果を発揮しようという時に十分に発揮出来ない可能性があります。そのため、あらかじめ用意しておいて、機動的に、感染の収束状況に応じて実施し、また拡大傾向になったらやめるというメリハリをつけた対策がとれるようにするための、予備的な予算を確保しているということです。
特にプレミアム付き商品券等の券を用意するにも時間がかかりますし、いろいろな手続を進めていくのにも始めてからやはり1か月程度かかります。事業者の皆さんも時間を要しますし、行政としての手続にも時間がかかることが予想されます。そうしますと、それを始めてスタートする頃には感染が再拡大するということも考えられますので、できるだけ感染拡大しないように人の動きを止めるということは非常に重要なことですが、一方で、そうやって経済とのバランスをとるということ、一定程度の収束が見込めた時に機動的に対策が打てるようにするということは非常に重要だということで、今回そのための予算を専決処分させていただいたということです。
【記者】神奈川県の知事などは、「神奈川に来ないで」といった発信をしていますが、ゴールデンウィークにかけて県外から(熊本に)来られる方がいらっしゃると思うのですが、そういった方々について何か…。
【市長】もう既に「県民・市民の方が県外に移動することはぜひお控えください」と申し上げておりますし、また帰省等でこの熊本にお越しになるという方もぜひお控えいただきたいと思います。ゴールデンウィークは、そういうことで移動を控えていただく(必要がある)ということは、このデータを見ても明らかであります。これを少しでも抑制したいという思いがありますので、皆さんには熊本にお越しいただくことをぜひお控えいただいて、落ちついた状況になり、熊本城の天守閣等も皆さんにお披露目できるような落ちついた時期、それからワクチンを多くの皆さんが打って少し安心できるというような時期になった時に、また改めて来ていただくということで、大変申し訳ないのですが、そのようにお過ごしいただければと思っております。
【記者】接触機会の低減の対策の中の、路上飲みについての対応をお伺いしたいのですが、まず現時点で、熊本市内においてもそういった路上飲みの一帯があるのかというところと、この青パトによる対応なんですけれども、これは誰が、どういう日程で、どんな時間から、どれくらいの規模でやるのかということも教えてください。
【市長】はい。今現時点でこういった状況を把握しているということはありません。熊本市内で路上飲みがあちこちで行われているような状況ではありませんが、明日から営業時間の短縮ということになって、そういう首都圏等で問題なってる報道等を見て外で飲めばいいじゃないかと思っていただくと、これは感染リスクを拡大させてしまうということにつながりかねませんので、今回県警にも御協力をお願いしながら、連携して対策を取り組んでいくということであります。
具体的な対策のことについては、まず生活安全課所有の青パトというものがあります。これで、防犯活動に合わせて、不要不急の外出を控えていただくこと、あるいは密を避けていただくことを呼びかける状況であります。状況次第で各区の青パトを活用することも検討しております。
それから、夜間の巡回を行うこととしております。この夜間の巡回に関しては、熊本市客引き行為等の禁止に関する条例に基づいて、繁華街(下通りや上通りエリア等)にて、夜間巡回指導員が既に見回りを行っているんですけれども、その際に路上飲みにより通行人等に迷惑行為等がないかどうか確認して、そうした方々には声かけを行うことにしております。ですので、夜間巡回指導員の数は後でまた担当の方からお知らせをしますが、そういう形で声掛けを行うということ。それから、巡回指導員の声かけ等でトラブルになる可能性も十分考えられますので、110番通報も含めて県警の皆さんとも十分に連携をして、体制を整えていきたいと考えております。
【記者】今の路上飲みに関連して、巡回の時間帯というのはお店の時短営業が終わる午後9時頃に合わせるとか、何かそういう時間帯はあるのでしょうか。
【市長】時間帯についてはまた後で(事務局からお伝えします)。基本的には夜間が多くなるとは思います。ゴールデンウィーク期間中になりますと、例えば、学生さんとか久しぶりの仲間と会って、なかなかお店も開いていないから行こうということにならないとも限りませんので、やはり9時以降というのが1番ターゲットとしては大きいと思いますが、平日の昼間等も、時間やマンパワーも含め、そういったものはありますが、できる限り見回って、迷惑行為につながらないように取り組んでいきたいと考えています。
【記者】今の市内の病床、医療状況ですけれど、これはもう逼迫しているとお考えなのか、逼迫しつつあるとお考えなのか。
【市長】これはもう50%を超えていますので、既に今日の時点で60%です。4月10日ぐらいからここ1週間ぐらいでぐっと上がってきたということを考えますと、もうここの時点で逼迫をしているという状況だと考えていただきたいと思います。病床は136しかありませんので、1つクラスターが起きて複数の人が感染すれば、それだけで、特に中等症の方が増えてくればあっという間に100%を超えます。だから、前回の反省でとにかく早めにアラートを出したつもりでしたが、それにも増して感染拡大が急スピードであるということです。前回は、1月10日の段階で医療非常事態宣言を出していますが、この時は90%を超えている状況でありました。ですので、今回この50%で医療非常事態宣言を発令したわけですけれども、この状態でも逼迫していると考えないと、あと半分だから、まだ半分余裕があるよねと思っていたら、とてもそんなに余裕のある病床数ではないということです。136床あって、今もう60%以上を超える方が入院をされていることを考えますと、あと40%ですから数十人。毎日毎日20人、30人近くの方が感染していることを考えますと、その方々が無症状や軽症でない限りは、どんどん、どんどん病床が埋まっていくということになりますので、今の時点でもう既に逼迫していると考えております。
【記者】中等症の感染者の数が多いというお話もありましたが、第3波よりも怖いというか、そういった認識もありますか。
【市長】そうですね。先ほど見ていただいた通り、今圧倒的に中等症の方が増えている。そして重症者の方も増えているわけですね。これは12月7日時点で、第3波が感染し始めてからしばらく経って、この後高齢施設等でクラスターが起こって、またさらに感染が爆発したわけでありますけれども、その時からしても既に中等症の方の割合が多いということです。これはもう十分に今回の第4波の、特に変異株に関しては感染力が強く、しかも症状が重く出るということが、このデータからも見て取れるのではないかと思います。詳しい分析は、また保健所等で行っていきますが、今まで出ている分かる限りのデータで見てもこれは危機感を持っていただくべきものだと、第3波よりもさらに危機感を持っていただくことが重要だと考えております。
【記者】路上飲みについての対応に関連してお尋ねします。路上飲みの対策は今回夜間というところになると思いますが、例えば昼間に市内でバーベキューをできるような場所があるとか、先日熊本城の二の丸広場でピクニックをやってらっしゃる方をお見受けしたりとか、昼間に仕事が休みのゴールデンウィーク中に複数人で集まって外で飲食したりということも考えられますが、そういったことの対応は考えていらっしゃるんでしょうか。
【市長】お昼の公園等を御家族で散歩されるとか、そういうことについて規制するものではありません。これは国の方からも示されておりますけれども、不要不急の外出はもちろん控えるとはいえ、健康を維持したり、ストレスを解消するためにちょっと外の空気を吸うとかということは、感染防止をしていただく上では特段問題だとは思っていません。ただ、アルコールが入って飲み会のような状況になってしまいますと、感染リスクが高まるということは間違いありませんし、そういう意味では、そういった行為についてはお控えをいただきたいということです。そこまで徹底して、昼間の二の丸広場や一般的な公園を閉めることはいたしませんので、各自御留意いただきたいと思います。また、それぞれ地域、大きな施設等には管理者がおりますので、そういうところでは(管理者が)見回ってご注意を申し上げることはあると思いますが、市民の皆さんに御協力をいただきたいと思います。
【記者】ワクチンの接種券についてですが、高齢者の方の混乱を招いたということで、原因と、改めて5月6日に予約を開始するというお知らせの方法としてはどういったことがありますか。
【市長】もともとは皆さんに早く接種券をお配りして、皆さんにまずは安心していただくということ、早めの準備をしていただくということで、早く発送させていただきました。しかし、発送までは時間が結構かかってしまうということで、どうしても予約の受付日が確定できない段階でお送りしてしまったということは大きな反省であります。市のホームページやSNSでアナウンスすることで皆さんにはお伝えできたのかなと思っていたのですが、高齢者の皆さんに情報をお伝えするにはかなり無理があったということ、我々の見込みが非常に甘かったということが言えると思います。その点は本当にお詫びを申し上げたいと思います。本日の新聞広告でも出させていただきましたが、今後テレビのスポットCMであるとか、そういった皆さんへの周知の仕方というのを、高齢者の皆さんに伝わりやすいような工夫をしたいということで今考えておりますので、その点メディアの皆さんもまたご無理を申し上げるかもしれませんけれども、ぜひ御理解と御協力をいただきたいと思います。
【記者】病床使用率が5月6日のゴールデンウィークがちょうど終わる頃に100%になる予想を立てられていますけれど、100%になった時は熊本市としてはどういう風に対応していくのか。何かお考えがあれば教えてください。
【市長】もちろん100%にならないように皆さんの御協力をということで、今回記者会見をさせていただいているわけですが、実際、第3波の時点で100%を超えた事態が度々ありました。この時は自宅療養もできなかったんですね。しかし現在は、無症状の方等リスクの少ない方は自宅療養でモニタリングを保健師等で行うことがかなりできるようになったということと、この宿泊療養施設ですね。宿泊療養施設は今、県と共に、さらに新たに確保できるように取り組んでいるということで、何とか今の感染拡大を、あと1週間ちょっと位しかありませんけれども、この時期までに抑えながら確保していきたいと思います。ただ、見込みはかなり厳しいと言わざるを得ないと思います。
【記者】市長としては、ゴールデンウィークに爆発的感染がそのまま続くと思われているんでしょうか。
【市長】それを最悪のシナリオとすべきだと思っています。前々回(4月20日)の定例会見で皆さんにお伝えしましたが、新規感染者数の試算のグラフがこれで、これは確かその当時お見せしたものから少し変わっていますけれども、前々回の記者会見をした当時は、まだこの位の状況(新規感染者が10人程度)でしたので、大阪の感染が急拡大した状況を踏まえるとこれから急拡大しますけれど、そこまでは多分行かないと思うので(感染拡大が)緩やかになるようにぜひお願いしたいということで、より強く警戒していただきたいとお願い申し上げました。
ただ、この黒い線が今の状況(新規感染者が20~30人程度)です。つまりこのカーブを見ていただくと分かるとおり、この赤の大阪の定数よりもさらに上昇傾向にあると見てとれるんですね。私たちは希望的には、この位緩やかにいってもらえればと思っていたのですが、想像以上に感染者の急増が見てとれます。ゴールデンウィーク中に感染が爆発しないためにも、今、抑制的な行動をして不要不急の外出を抑えていただくと、このカーブが仮にもう少し上がったとしても落ち始めるところが早くなります。そうでなくて、このままぐっと上がっていくと、僅か2~3週間で落ち着くことには到底ならないという状況になると考えていますので、このゴールデンウィークは本当に瀬戸際だろうと思います。ですので、そういう意味で今日の対策本部会議でも、厳しい状況であることを認識しながら、連休期間中も熊本市役所総動員で感染防止の対策を全力で取っていこうということを改めて確認したところです。
【記者】先ほど接種券を巡る混乱の話があったかと思うんですけれども、原因として、いわゆる開始日の確定前の段階で接種券を発送してしまったということで、予約開始日の決定が遅れたという話だと思うんですけれども、その原因が何かあればというところをお聞きしたくて。というのが、河野大臣が度々発言で、ワクチンの国から都道府県への配送がどうしても遅れてしまう部分があって、各自治体に迷惑をかけているという話なんかもあっています。その辺の熊本市側としての受け止めというのはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
【市長】この接種券の発送については、健康福祉の担当から。
【事務局】接種券の発送自体は、国の方で3月というスケジュール感で一旦お示しがあっておりましたので、そこに間に合うように準備をさせていただいたところでございます。最終的に、接種券を発送する、予約を開始することにつきましては、ワクチンの供給量をしっかり見定めながら決定せざるを得なかったというところがございまして、その決定に少し時間がかかったというところでございます。
【市長】そのことによって、対応が後手後手に回ってしまったということは否めないわけです。ですから、そういう意味では、国に対してはやはりもっと詳細な供給スケジュールを早くお知らせいただきたいと。要は全体として7月末ぐらいまでに打てますよとか、そういうざっくりとした話ではなく、私たちは1日も早く接種できる体制をとりたいということで、その点に関しては、私も先日河野大臣に直接申し上げたところでございます。そして、特に感染が拡大している地域に、特に政令指定都市はそうですけれども、早く接種することで感染の広がりというのは相当程度抑制できるということ。これはワクチンの効果が一定程度海外でも実績が出ているということも考えますと、そういったことをぜひお願いしたいと思っています。
【記者】その件についてもう一つお聞きしたいのが、接種券は65歳以上の方に一斉に発送してるかと思うんですけれども、国の手引なんかを見ますと、さらに細分化して、例えば75歳以上だとか、小分けして接種するやり方も提案されていたかと思います。そういったやり方については、何か検討されなかったのか。
あともう1点、6日から予約が始まりますけれども、当日は電話等だいぶ混雑することが予想されますが、今から時間は限られますけれども、何かその混乱の回避策というか、考えられることがあれば。例えばコールセンターも100人体制とお聞きしていますけれども、もうちょっと何か増やせるかとか、何かあれば教えてください。
【市長】まず、後の質問の予約についてですけれども、接種券を発送しただけでも電話がパンクしてしまうということですので、特に予約開始になれば、本市の場合高齢者数が20万人を超えていますので、どうしても電話がつながりにくい状態にはなることはぜひ御理解いただきたいとあらかじめ申し上げているところであります。また、コールセンターの増強をさらに図るということ、それから、次回以降の予約スケジュールや接種実績をお伝えするなどできるだけ高齢者の皆さんの安心につながるように、コールセンターで丁寧に対応し、メディアの皆さんにも協力いただいて情報をできるだけ広くお伝えをしていきたいと思っています。それから、ワクチンの最初のところについては担当のほうから。
【事務局】ワクチンの年齢による細分化等の検討についてでございます。いろいろ検討をさせていただいたんですけども、我々のところにも直接ワクチンはまだかというかなり強い御要望がございました。その方々からは、60歳を超えている中でも80歳より年齢が若い方であっても基礎疾患があるので早く打ちたいという御要望がありました。そのような御要望をいただいた中で、やはり年齢だけがワクチン接種の優先順位ではないだろうと判断し、今回は65歳以上の方に送らせていただいた次第です。
【記者】すいません。あと1点だけワクチンに関するお尋ねです。昨日から接種会場の一覧というのが熊本市のホームページに公開されてるんですけれども、これについてうちの会社の方にも、ホームページのどこから見えるのかと、特に高齢の方が多いものですから、分かりにくいという主張をいただいておりまして、その辺については何か改善できるところがあるのか。今すぐの話は難しいとは思うんですけれども。
【市長】それは改善させなければと思っています。ホームページだけでは分かりにくい、どこに聞けばいいのか分からないというようなことで、私にも直接御意見をいただいてます。例えば、(接種会場の)一覧のチラシを作ってお配りをするということもまた一つだと思います。ホームページもなかなか見にくい。それから例えば高齢者の方も御利用いただいてるようなLINEなども一つの方法かなと思ってます。それは接種できる医療機関をお知らせするという意味でですね。ただこれも400の医療機関の内、全てをそこに掲載できているという状態ではないです、少し変更点があるので。そういった情報について逐一できるだけ皆さんに分かりやすくお伝えしていきたいと思います。それから医療機関にもお願いをして、例えばうち(の病院)で打てますよという(張り紙を)張っていただいたり、案内をしていただくということ、例えばしょっちゅう薬を貰いに行ってるとか定期的に診察を受けているというようなかかりつけ医等の病院があれば、そういったところでも、医師会等にも御協力をお願いして、チラシや資料を皆さんに差し上げるようにしたいと思っております。
【記者】改めてにはなりますが、明日から時短要請が県からされます。お店の方や市民の方に改めてどのような呼びかけをされますか。
【市長】はい。度々こうして時短要請それから不要不急の外出を控えていただきたいと申し上げるのは本当に心苦しい訳であります。ですが、皆さんの協力なしにこの感染拡大を防ぐということは出来ません。ですので、私たちの方でも今ベストを尽くしてやってるところであります。市民の皆さんが、この1年以上ずっとこうした自粛であるとか不自由な生活を送っていただく(状況)、そしてまた経済的にも大変厳しい状況になってるということは我々もよく理解しております。今、第15段の対応等も発表させていただきましたが、今後も市民の皆さん方に少しでもそういった状況を御理解いただいて、何とか御協力をいただきたいと改めてお願い申し上げます。