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令和6年(2024年)7月24日 定例市長記者会見

最終更新日:2024年7月24日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 担当課の地図を見る

                            1 お知らせ

                                 ・熊本市電開業100周年記念式典について

                             ・熊本市電のタッチ決済キャンペーンついて

                             

                            2 報告

                             ・新型コロナウイルスの感染状況等について

                             ・上下水道局委託事業者への不正アクセスによる情報漏洩の恐れについて

                             

                            3 質問

                            (1)幹事社代表質問(日経・時事・NHK

                            (2)各社質問


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会見録


市長発表

まず発表に入ります前に、職員の不祥事についてお詫びを申し上げます。
先日、担当からもご説明させていただきましたけれども、児童相談所に勤務しておりました会計年度任用職員が、一時保護中の児童に対して行った行為について、身体的虐待及び不適切な行為に該当すると7月11日付で認定いたしました。
また、7月16日に、経済観光局の職員が、不同意わいせつにより逮捕されました。当該職員は熊本市内の飲食店で同僚職員と飲酒した後、行為に及んだということから、現在、同席をした職員への詳細な聞き取り調査を実施しているところです。今後、事実関係を確認のうえ、厳正に対処をしてまいります。
こどもたちの安全を確保すべき一時保護所において虐待が行われたこと、また、職員によるわいせつ事案が発生したことを、大変重く受けとめておりまして、被害者の方やご家族、そして、市民の皆様に対しまして、深くお詫びを申し上げます。申し訳ございませんでした。
改めまして、職員の法令遵守はもとより、常に全体の奉仕者としての強い自覚と緊張感を持って行動するよう徹底した意識改革を図り、再発防止と市民の皆様からの信頼回復に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
それでは発表に入ります。 

はじめに、熊本市電開業100周年記念式典についてお知らせをいたします。
熊本市電は、大正13年(1924年)8月1日の開業以来、熊本の街を走り続け、今年で100周年を迎えます。これまで100年もの長きにわたり、熊本市電を支えていただきました市民、並びに利用者の皆様に、改めて心より感謝を申し上げます。来る8月1日には、関係者の方々や市民の皆様をお招きし、「熊本市電開業100周年記念式典」を開催することとしております。
熊本市電においては、今年の1月以降、9件ものトラブルやインシデントなど、重大事故につながりかねない事案が立て続けに発生をしており、組織における非常事態であると認識をしております。本日、私から交通事業管理者に対してまして、改めて安全運行の確保について厳しく指導をしたところでありまして、私も、市のトップとして引き続き、覚悟をもって対応してまいりたいと考えております。
また、8月1日を安全運行の誓いの日とし、記念式典においては、皆様に安心して市電を利用いただくため、安全な公共交通機関として再起するという強い決意をお示したいと考えております。この大きな節目に際し、改めてこれまでの歴史に向き合い、次なる100年に向け、安全という原点に立ち返って再スタートをし、市民や利用者の皆様に信頼いただける公共交通機関となるよう全力で取り組んでまいります。 

次に、「熊本市電のタッチ決済キャンペーン」についてお知らせをいたします。
熊本市電の開業100周年を記念し、タッチ決済をご利用いただいた方を対象としたキャンペーンを実施いたします。こちらのモニターをご覧ください。
開業100周年であります令和6年8月1日には、タッチ決済を利用して、市電で運賃を支払うと無料となる、運賃の無料キャンペーンを行います。また、8月2日から31日まで、この約1か月間ですけれども、タッチ決済をご利用いただくと、1日の上限設定割引のキャンペーンを実施させていただきます。「1日上限設定割引キャンペーン」は、1日どれだけ利用しても上限額が360円ということになりますので、上限額を超える運賃は無料になるということです。ですから、2回乗ると360円ですので、3回目以降は無料が適用されていくということで、何度乗っても、乗れば乗るほどお得になるというようなことです。タッチ決済は、今、私自身も利用していますけれども、今までの全国交通系のICと同じように手軽に使えるものでもありますので、それを体験していただく意味でも、こうしたキャンペーンをぜひ期間中にご活用いただければと考えております。
タッチ決済は、クレジットカードのみならず、デビットカード、それからプリペイドカード、スマートフォン等でもご利用いただけますので、ぜひこの機会に熊本市電でお得にタッチ決済をご利用いただきたいと考えております。

次に、新型コロナウイルスの感染状況等についてご報告をいたします。こちらのモニターをご覧ください。
新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月から5類感染症となりまして、現在は市内25箇所の「定点医療機関」において、毎週の感染者を調査しているところです。直近の7月8日から14日までの1週間における定点報告数が537ということでありまして、本市において一定点あたり21.48人ということで、全国の11.18人と比較して2倍近くとなっており、5類移行後、最多の感染状況ということになっております。
高齢者施設等での集団感染の報告件数も増えておりまして、このまま感染者数が増加をいたしますと、熱中症等による救急搬送も多い中ですけれども、救急医療の現場がひっ迫する可能性もございます。次のモニターをご覧ください。
今後、夏休みやお盆の時期を迎えます。人と会う機会が増えるということで、感染がさらに拡大するおそれがありますので、私から、市民の皆様に次の3点をお願いいたします。
まず1点目は、マスク着用を含む咳エチケットやこまめな換気、それから手洗いなどの「基本的な感染防止対策の徹底」をお願いいたします。
2点目は、抗原定性検査キットや自宅療養に必要な市販の解熱剤、あるいは食料品など、それぞれのご家庭において事前の準備をお願いいたします。また、検査キットをご活用いただくと、自宅でセルフチェックができますので、軽症であれば、自宅等で療養を行っていただきますようお願いいたします。
3点目に、重症化リスクの高い方や症状が重い方など、医療機関の受診を希望される方は、直接受診をする前に、事前に医療機関にご連絡をいただきたいと思います。また、保健所や、厚生労働省が設置をしております相談窓口等もご利用ください。
市内の新型コロナウイルス感染症の発生状況は、本市のホームページを毎週金曜日に更新しておりますので、市民の皆様におかれましてもご確認をいただきまして、場面に応じた感染防止対策にご協力をお願いいたします。

最後に、上下水道局委託事業者への不正アクセスについてご報告をいたします。
既に報道されましたとおり、上下水道局の管路情報システムの委託先であります「東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社」が不正アクセスを受けたことで、本市の下水道利用者の皆様、約3万7千人分の個人情報漏えいの恐れがあることが判明いたしました。
現時点では、個人情報が流出をしたという痕跡は無く、情報の不正利用は確認されていないと報告を受けておりますが、市民の皆様には、多大なるご心配をおかけしておりまして、お詫び申し上げます。この事態を受けまして、7月22日より上下水道局内に「お問い合わせ窓口」を設置し、個別にご相談を受け付けておりますほか、今後、情報漏えいの恐れがある皆様に対して直接お知らせをさせていただく予定です。
「東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社」に対しましては、引き続き、今回の一連の経緯、対応等について詳細な報告を求め、原因究明と再発防止に向けた対策を講じてまいりたいと考えております。
何かご不明な点がございましたらぜひこちらの問い合わせ番号までご連絡をいただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
私からは以上です。

質疑応答

【記者】こうのとりのゆりかごについて3点お伺いします。先日、こども家庭庁に第6期の検証報告書を提出されましたが、どういった思い、お考えがあって、検証報告書を提出されたのかという点が一つ。2点目は、匿名性をめぐって、慈恵病院から検証報告書を疑問視するような意見が上がっていますが、そういったことも、こども家庭庁には伝えたのか、もし伝えたのであればどういった反応があったのか教えてください。最後に、慈恵病院の意見に対する市長の受け止めをお願いします。

【市長】まず、どういう思いで報告書を国に提出したのかということですが、先月6月5日に、専門部会から本市に(第6期報告書が)提出されたのですが、報告書については毎回、熊本市から国に報告を行っておりますので、その一環の中で、今回も第6期報告書が出たということで、その報告を行い、私からも内容等について説明をさせていただきました。やはり、こども家庭庁に今の現場の状況、そして検証の結果はどうだったのかということについて、客観的にきちんとした情報をお伝えすることが必要であると考えていますので、いろいろな形で今後も情報提供させていただきたいと思いますが、一つはそういうきっかけがあったという事です。
それから、ゆりかごの運用の中で、慈恵病院はこの報告書について疑問を持っておられます。特に、内容の文言の中で「匿名を最後まで貫くということは容認できない」と書いてあることについては、非常に反応されています。これは、過去のいろいろな検証結果の中にも記載はあるのですが、蓮田先生からすれば、匿名で安心して、いろいろな事情があっても、まずは相談して、そして、適切に母子の安全を守って出産をさせたい、という強い現場での思いと、いろいろと葛藤がおありの中で、この報告書の中の一文を見れば、何かそれを否定されているように感じられているのではないかと、蓮田先生のお気持ちも理解できないことはないと私も思っています。熊本市としても、妊娠内密相談センターを設置後、急激にご相談が増えています。内密に、まずは相談していただくことは、非常に(重要で)、予期せぬ妊娠で戸惑っている方や、どうしたらいいか分からない、どこに支援を求めたらいいか分からない、複雑な事情を抱えてる方々が本当に多いと思いますし、特に慈恵病院にご相談される方は、非常に深刻な方が多いと思います。そういう意味で、ただ単に匿名性だけを否定するのはいかがなものか、というのが蓮田先生の中にはあると思います。それは私も十分理解できますし、匿名で相談ができて初めて様々な支援につながっていくということ、あるいは、命を守ることにつながっていくことについては、私もそのとおりだと思っていますので、そこは蓮田先生とも認識が一致している部分です。
一方で、報告書の中では、最後まで匿名を貫くということではなく、母子への支援が切れてしまうことなく繋がっていくように、何らかの情報を残して支援につなげていくべきだということが考えられ、報告書にまとめられ、検証された結果であると受け止めています。これは内密や匿名にすることと、子どもの出自を知る権利が対立してはいけないということも、しっかり書き記してあります。そういう意味では、完全に否定しているということではないと私は受け止めています。
そういう背景も含めて、私どもとしてはこども家庭庁にお話をさせていただきました。こども家庭庁でも、この問題についてはかなり関心を持っておられるということであり、こども家庭庁の支援局長、また、担当課長や担当職員の方々も同席されて話を聞いていただきました。「非常に難しい問題であるが、こうした様々な現場の課題も共有しながら一緒に考えていきたい」というコメントをいただきましたので、熊本市や慈恵病院など関連する皆さん方のいろいろな検証も含めて、国としては課題があって何とか解決をしていかなければならない、しかし、法制化となると、ハードルが高い部分もあって簡単に答えを出せる状況ではないが、引き続きいろいろな形で情報の共有などを行っていきたいということでした。私たちも現場の状況はつぶさにお知らせをさせていただいて、そして国の協力をいただきながら、予期せぬ妊娠に悩む妊婦に対するいろいろな問題について解決していきたいと思っています。これは、こども家庭庁でも申し上げたのですが、熊本市の妊娠内密相談センターに、今、全国から問合せをいただいているということで、非常に件数が増えています。内密出産の事例も幾つも出ているわけですが、そうした中で、特に熊本まで移動してくるリスク、あるいは孤立出産に繋がるようなリスクがあることからすれば、できるだけ身近なところで相談を受けてサポートできるような体制が必要だ、ということは申し上げさせていただきました。熊本市の妊娠内密相談センターのような取組が、他の自治体や他の地域でも進めていただけるようにしたいということで、私からお話をしまして、それについて特段大きなコメントはありませんでしたが、理解をしていただいたのではないかなと思っています。
今後は、指定都市市長会も明日以降ございますので、そういった場できちんと発言をしながら、全国の指定都市の市長の方々にも訴えかけ、こうした動きで、世の中の今悩んでいる妊婦さんたち、そして、そのお子さんたちが未来に向けていい形で相談を受け、解決につながっていくような体制を構築していきたいと考えています。

【記者】市電についてお伺いします。市電が開業100周年を迎えるにあたり、再起するという決意を示されましたが、その思いについて詳しく教えてください。また、明日、外部有識者による交通局のインシデントに関する検証委員会が行われます。中間報告書の提出は8月1日の開業記念日までに間に合わせたいとのことでしたが、市への提出の日程が決まっていれば教えてください。

【市長】100周年式典があるという事で、8月1日が大きな節目になると思っています。やはり、これだけインシデントが続く中で、事前に話をしていたのですが、この式典は、本来であれば、お祝い的なものになる予定だったと思いますが、私自身、100周年という節目の中で、これだけ大きくいろいろな問題が噴出しているということを考えますと、中止もやむを得ないのではないかと思っていました。ただ、一般のお客さんも含めて応募して参加していただくという形もとっていて、なおかつ、逆に言えば、これを単純なお祝いの日として、100年の歴史をただ単に振り返って次に向かっていきますということだけではなくて、この市電、公共交通というものに最も求められる、これは運用事業全て言われることですが、安全性ということに対してゆるぎない誓いの機会とする、そういう日にしようということで、改めて交通局に指示をさせていただき、そういった誓いの日にしようと思いました。
一部報道でもあったと思いますが、先日、香山佳代さんという16年前の10月12日に市電との事故に遭われて、その翌年にお亡くなりになった方の仏前にお参りをさせていただきました。過去にいろいろな事故があっており、確認したところ過去40年間で10人の方が何らかの事故で亡くなっておられます。もちろん過失の割合等いろいろあるとは思いますが、全面的に裁判で争われた16年前の事故のご遺族、そして犠牲になられた方に対して、今、これだけいろいろなインシデントが起こっているけれども、当時の事故に真剣に向き合って、今からまた、こういったことを絶対に起こさないという誓いをすべきだと思い伺わせていただきました。ご遺族からもかなり厳しいお言葉を頂いて、当時の事故に対してすぐ認めなかった市の交通局や市の体制に対して、未だに不信感をお持ちになっていると思います。ただ、私たちは安全をさらに誓っていって、これから皆さんが本当に安心して乗っていただけるような市電をしっかり築いていくということが、亡くなられた方やご遺族に報いることになるのだろうと思いお参りさせていただきました。こういうこと一つ一つから、安全が最優先になって、そして、今、経営や利便性のお話もしましたが、当然経営や環境がよくならなければ余裕も生まれないし、そして安全運行への対応がおろそかになってしまうと思います。安全をまず最優先に考えながら、どういう体制を考えていくのか、そういったことをしっかりと構築しながら、今、車両の更新や安全運行に対するチェック等々も、NHKさんや報道各社には100周年を迎えてということで、過去を振り返るような映像も含めて報道していただいています。市民の皆さんの足として長く利用いただいているこの100年間ご愛顧頂いたものですので、再起をしていくという意味での式典にさせていただきたい、その前にきちんとお詫びと誓いを申し上げたい、ということで伺わせていただきました。
今後、いろいろな形で市電は運行をしていくわけですが、人員体制を含めて体制を建て直す、検証委員会においてもその辺については検証いただいておりまして、中間報告に向けて、明日またご議論していただくことになっています。私にどういう形でご報告を頂くかということについては、改めての設定になるのではないかと思いますが、そうした検討の結果をしっかり受け止めて100周年を迎えたいと思います。日程に関しては、恐らく明日の委員会の中でご判断されるのではないかと思います。私自身、日程は聞いておりませんが、明日ご確認を頂ければと思います。

【記者】市電に関してお伺いします。昨日の特別委員会で、市電の延伸について5ルートで検討しますという説明をされたということですが、この延伸の5ルートについて、市長の思いやお考えをお聞かせください。

【市長】市電の延伸については、実は、過去からずっと検討されていて、5ルートの話も実は新しい話ではなく、平成27年から28年に前回のルート選定を行ったことを、もう1度、5つのルートの考え方について昨日の特別委員会で当局からお示しをさせていただいたということです。当時のいろいろな議論の中で優位性が最も高いとされたのが、自衛隊ルートと呼ばれていた東町線という今度延伸をする予定のルートということで、まずはそこに着手したということが一つの経緯です。他にも当時、南熊本ルートが有力だと言われていました。鉄道が通っていないような基幹軸もある中で公共交通を担う路線をしっかり整備していくということ、多くの住民の方々の移動手段、高齢化も進んでいく中、こども連れの方などいろいろな方が利用しやすい市民の足として、今、減便でご不便をおかけしていますが、ルートも含めて将来的な姿を充実させていく事で、先日のトップ会談でも知事と合意しましたが、自動車の1割削減、渋滞を半減させ、公共交通の利用を2倍にしていくことにつながっていくのだろうと考えております。そういった一環の中で、今まで検討したことについても、改めて昨日、特別委員会でご報告させていただいたということです。議会でも費用対効果など、そういったことに対するご意見があったと報告を受けておりますので、これからどういう形で進めていくのかについては、よく議会ともご相談しながら一歩一歩進めていきたいと思います。
ただ、全体の絵姿として公共交通網全体の将来像を皆さんに見ていただいて、そしてそれを描いて、どのようになっていけばみんなの移動が楽になるのか、あるいは、もっと公共交通を乗りやすくすることによって、車の利用が減るのかというようなこともあわせてしっかり考えていく。そのためにはルートの設定もそうですが、アンケートをとったりしてまたお話を伺っていきたい。と言いますのも、平成27年から28年のちょうど熊本地震の前、私が就任してすぐに行ったもので、当時から市電延伸やルートを充実させることは、私のマニフェストにも掲げていました。ただ、熊本地震があり、コロナ禍もあり、TSMCといろいろなことで移動の手段も変わっています。例えば、南熊本ルートは当時優位性があるということでしたが、当時と比較してどう優位性が変わっているのかということも検証してみると分かると思います。豊肥線を増強していく計画もあります。また、空港アクセス鉄道を県で計画していて、今、光の森を含めたTSMC近辺からの利用も増えていますので、今、新水前寺駅での市電への乗り換えが非常に多く、この場所に乗換が集中しています。そこで仮に、南熊本から辛島町方面まで延伸が進みますと、新水前寺駅で乗換えて市役所前を通過して辛島町方面に向かうより、JRで南熊本駅まで行って市電に乗換えたほうが近いという方もいらっしゃるということで、新水前寺の負荷が分散できる可能性も出てきます。例えばそういったことも、今の利用状況と当時これを検討し始めた頃との変化をしっかり検証しながら、できるだけ将来に向けての利便性の向上につなげていきたいと思います。これは昨日の特別委員会の中でも、市電だけの手法でなくてもいいのではないかという議論もあったとお伺いしておりますので、あまり予断を持たずに、公共交通の軸のルートを増やしていくということが、皆さんの公共交通利用促進につながって、市民の皆さんの幸せにつながっていくと考えて、これからも積極的に検討していきたいと考えています。

【記者】昨日の特別委員会では、市電の決済方法について、簡易型IC読み取り端末機の導入案とその予算を示されました。現状を見極めるというお話でしたが、現時点での市長の見解をお聞かせください。

【市長】今取りうる手段がどういうものがあるのかということで検討させていますので、昨日、特別委員会で報告させていただいた決済手段もあるということです。ただ、これも、どういう形が1番いいのかということについては、いろいろ議論があると思います。パターンは3つお示ししましたが、やはり最後はユーザーの利便性が高まるかどうかというところが、1番重要だと思っています。全国交通系ICカードが今まで使えていたのに使えなくなるということに関しては、皆さん抵抗感もありますし、そういうことはやめてほしいという要望も含めて、我々のもとにたくさんきています。そして、議会でもご議論頂きました。これを真摯に受け止めて、どういう方法があるのかということをもっと探求しながら、どれが1番市民の皆さんの利用に資するのかということを、しっかり判断していきたいと思います。ただ、バス事業者に関しては、どうしても更新の時期がもう間近に迫っています。市電がその1年後で少し余裕があるということですので、その間、見極めていきたいと思います。先ほどご説明しましたように、クレジットカードのタッチ決済キャンペーンをやりますが、こっちでもいいやという方が出てくる可能性もあります。そういった皆さんの利便性や利用がどうなるのかということをしっかり見極めることは大事ですし、アンケート調査等々も今後行っていき、市議会でもしっかり議論していただきながら、丁寧に進めていきたいと思います。
全国交通系ICカードについては、今、全国では熊本の交通事業者だけがやめるという判断を示されているわけですが、日経新聞の記事だったと記憶していますが、キャッシュレスICカードにチャージをして決済するものの利用がだんだん落ちていて、QRコードやクレジットカードのタッチ決済等に少しずつシフトしているような動きがあるということが、昨日か今日の日経新聞の報道であっていたかと思います。
そういった動向は変わっていきますよね。10年前に全国交通系ICカードを導入した時は、QRコード決済はありませんでした。ここ数年で急激に使われるようになっていることを考えますと、やはり変わっていくんです。ですので、1番は皆さんが利用しやすい環境をいかにつくるか、そこに注力をしなければならないと思っています。ただ、どうしても場面転換をする中で、今まで利用していたものが使えなくなるということには、皆さん非常に抵抗感があると思いますので、そういったことがスムーズにいくように、例えば簡易型の決済手段も議会でご議論いただいて、残したほうがいいとなるのかどうか、費用もまた余計にかかりますが、それは変えられないのかどうかも含めて、議会とよく相談をし、そして、市民の声を聴いて進めていきたいと考えています。

【記者】市電に関してお伺いします。先ほど、8月1日を安全運行の誓いの日にされたいとお話されましたが、市として毎年8月1日を安全運行誓いの日ということで定めるのかどうかと、どんな人がどんなことをするのかという点で、例えば交通局だけの話なのか、またはバス事業者含めた公共交通に携わる人を含むのか、あるいは市民を含めた日にするのかといった、もう少し具体的なイメージを教えてください。

【市長】安全運行の誓いの日にするということは、市電の100周年ということもありますので、まずは市電と我々は考えています。公共交通のバス事業者等の皆さん方と、安全運行についていろいろなことを確認するような日というのは、今後、必要になってくるのではないかなと思います。まだ、特段バス事業者の皆さんや関係の皆さん方にそういうことは申し上げておりませんので、あくまでも、市交通局の中での誓いの日としたいと考えています。これを毎年するかどうかということよりも、まず、100周年という大きな節目がありますので、ここでしっかり誓いを立てる。そして、今「事故ゼロの日」をやっているのは10月12日です。これは先ほど申し上げました、市電の事故で犠牲となられた方を教訓にしながら、それを誓う日です。しかし、今までそれをやっていたにもかかわらず、このようにインシデントが起こっています。そう考えますと、決意の示し方もそうですが、どう具体的に手法をとっていくのかということについて、今、いろいろな検討をさせていただいて、それを8月1日の式典の中で、私からも、あるいは交通事業管理者からも、きちんと表明させていただきたいと考えております。

【記者】市が定める日として、熊本地震の日があり、これは条例で設定されていますが、8月1日も地震の日と同じようなイメージになるのでしょうか。

【市長】条例でというところまでの検討は今のところしておりません。まず、この式典にあたって、100周年の歴史を単に振り返るだけではなくて、過去の反省にも立ち返り、そして未来に向けてスタートする大事な日であるとしたいと考えています。ともすれば100周年ということで、お祝いだけのムードになってしまいそうで、それでは駄目なんです。過去の事故や厳しいことに向き合わないと、本当の意味で信頼を得るための安全運行への誓いということには、私はならないと判断しましたので、そこは今、交通局といろいろ指示をしながら進めています。ただ、式典の第2部でコロッケさんやDo As Infinityの伴都美子さんのライブなど、100周年に花を添えていただく機会については、以前から楽しみにされていた方もたくさんいらっしゃって、実際に応募が非常に多く、一般参加者の定員は550名としていましたが、631名の方に応募いただいたので、会場のキャパもなんとかなるということですので、(ご応募いただいた)皆さんに入っていただくようにしたいと考えています。

【記者】新型コロナに関してお伺いします。久しぶりに市長のマスク姿かと思いますが、これは感染対策として着用されているのでしょうか。

【市長】もちろん予防もありますが、私自身、咳が少し出たり、喉もガラガラでして、熱があるわけではないのですが。そういったことを考えるとマスクをしておいたほうがいい。最近では場面場面でマスクを着用していまして、先週も懇親の場があったときも、あえてマスクを付けたりしていましたので。自分の体調を見ながら予防的に行うということは非常に大事です。
(モニター画像を指して)咳エチケットとありますが、私は手洗いを20秒とうがいと鼻うがいをやっています。自分でできるだけの予防をすることはすごく大事なことで、皆さんもマスクを着けたり着けなかったり、その時の体調に応じてということもあると思います。先ほどグラフで見ていただいたように、これだけ感染が広がっているということは誰が罹患してもおかしくないというぐらいの状況でもありますし、私自身もなかなか休みがとれていなくて少し免疫力が落ちているのかなと思うので、予防をしていきたいと思います。ただ暑いので、こう(マスクと口元に隙間を開ける様に)します。皆さんも、なかなかこういう時期にマスクをするのはきついかなとは思いますが、喉がイガイガするなとか、咳が少し出るな、と思われる時はできるだけ予防していただくことが必要かなと思っています。

【記者】前回の記者会見でも触れられましたが、観光地における外国人の料金に関してお伺いします。姫路城の入城料が話題に上り、熊本城に関しては検討の段階にないということでした。関西圏では、大阪市が興味関心を示したり、逆に神奈川県では少し抵抗があるという慎重な意見も自治体レベルで出てきているのですが、改めて熊本市での導入の可能性についてお伺いしたいのと、市長の見解として、こういった取組に肯定的なのかあるいは慎重な意見をお持ちなのか、教えてください。

【市長】料金に関して姫路城の議論や大阪でも関心を持っているということに関しては、これからもいろいろな動きが出てくるだろうと思います。今、観光客があちこちに殺到しているということもあって、いわゆるゴールデンルートというエリア、東京、名古屋、大阪、京都を含めたエリアに大体78%ぐらいのインバウンドの方が集中していて、そこから西に関しては僅か8%程しかいらっしゃいません。正確な数字は確認しますが、大体そのぐらいで非常に少ない、偏っている状況です。これをどうするのかということで、西のゴールデンルートアライアンスという、福岡の高島市長が会長になって、私も月曜日の会議に参加してきたわけです。やはり、いろいろな形で、インバウンド、観光客の皆さんに楽しんで頂くための取組はやっていかなければなりませんが、本当に料金が適切なのかどうかという議論もあります。例えば安過ぎるのではないかという話もあります。市民利用ということに関してはある程度安くても、海外から来た人に少し負担をいただいて、いろいろな整備等々に使っていこうという考え方は、私はありだと思っています。
ただ、熊本城に関して言えば、もう500円だったものを800円に値上げをさせていただきました。これは熊本城に対して、皆さんから復興支援という形でたくさんの寄附を頂いている中で、熊本城は世界的に比較してみるとかなりすばらしい城郭だと思いますので、その価値は高いと思います。そういう意味では、500円や800円という料金は安いと思っていますが、いろいろと警備や管理する部分で、どうしてもコストがかってしまうのでお願いをして値上げをしたという経緯がございます。熊本城に関して、また市議会やいろいろなところでのご意見、ご議論もあると思うのですが、料金の設定については、他の自治体において観光客の人から受入れられているというような状況になれば検討してもいいのではないかと思っています。ですので、必ずしも否定的ではありません。ただ、まずは多くの皆さんに文化財的な価値を知っていただいて、熊本城は熊本地震で被災して傷ついた後、これからまだ約28年も多くの支援を頂きながら復旧していかなければならないという被災したお城でもありますので、その辺はご議論を頂きながら慎重に検討しなければいけないと思います。

【記者】九州市長会の有志の勉強会に参加された件で2点お伺いします。この会の発起人である福岡市の高島市長が、九州府構想の振り返りをすると掲げられていましたが、制度を変えることが目的ではないということや、ゴールを決めてないというようなお話がありました。大西市長は呼びかけ人の1人に名を連ねておられ、九州市長会の会長でもいらっしゃいますが、大西市長自身は、この会のゴールをどのあたりに見定めていらっしゃいますか。また、会の中で九州府という名前が出たことから、道州制など制度を変えるというお話もあったわけですが、道州制はかつて賛否もいろいろとあり、下火になったという経緯があると思います。九州府構想または道州制に学ぶ点があるとすればどういうようなところなのか、市長のお考えをお聞かせください。

【市長】九州府構想は平成24年5月に九州市長会で報告書が取りまとめられました。これは、当時、国でも、法制化など、道州制の実現に向けて検討されていましたので、そういった時期を踏まえて九州市長会においてまとめられたと伺っています。その報告書を私も拝見しましたし、当時、私は県議会議員でしたが、県は当時の蒲島知事が道州制の州都として熊本が選ばれるように頑張るというようなことをおっしゃられていたこともあって、道州制については議論が進んでいたなと思います。
今回の九州府構想、私も呼びかけ人となって勉強会を立ち上げた1人でもありますが、福岡市の高島市長と話をする中で、ただ単に制度論とか、例えば都道府県をなくして州政府にするということに関して、当時の町村会の反対があったり、それから国でも議論があって、与党の政策のマニフェストの中にも法制化を実現するというようなことも掲げられた時期がありましたが、それがやはり下火になってしまいました。もう1回我々が勉強(会を開催)する中では、九州がもう少しまとまっていくためにはどういう形で、そして、まとまるだけではなくて世界に発信をしていく。今、いろいろな産業も集積をしてきていて、熊本も福岡も各県それぞれ多様な文化や、食や農水産物も含めて、どんどん世界に打って出れるようなことができるだろうけれども、例えば北海道は、観光で言うと圧倒的にプレゼンスが高いです。世界的に見ても、存在感はやはり北海道が高い。一つにまとまって色々なことをやっているということがあって、北海道という取組についても意識していることもあります。
この時にまとめたのは、制度論だけで進んでしまうと、ぶつかったり、それから皆さんの臆測を生んでしまって、純粋に九州のポテンシャルを上げていこうとか、もっと固まってまとまっていこうということにつながらないので、こういう有志の勉強会という形で立ち上げて、そして振り返っておさらいをしながら、もう一度この九州の魅力を高めるために、みんなで力を合わせるためにどうしたらいいのかということのきっかけにしよう、ということがキックオフでこの勉強会が始まっています。最終的にそれらをまとめていく中で、ゴールというか、今の制度下でもできることはいっぱいある。例えば、西のゴールデンルートアライアンスの話をしましたが、熊本ではあまり報じられていないと思うのですが、しかし、かなりいろいろな議論が昨日ありまして、確か報道関係者もいらっしゃったと思いますが、観光やインバウンドに関して、相当ポテンシャルがある。そして、この発信をするための手段としての一つのまとまり、そうすると県境を越えるということは容易にあるわけです。例えばルート設定をどうするかという部会を一つつくって、もう一つはそういうコンテンツをどうやって魅力化していくのかというような検討もすることになっていますので、そういう具体的なものにつながっていき、その先に制度を変えていった方がいいということになれば、そういう話になるかもしれませんが、まずは、九州自体のポテンシャルをどうやって上げていくのか、そして、アジアを含めた海外に対して、どうしたらそれを発信できるのかということをやっていこうという集まりでもあります。これからまだまだ余り固定的にせずに議論を深めていきたいなと思います。
次は、9月の頭に九州の経済界の皆さんと我々市長とで意見を交わすという場が第2回目として設定されています。その後、10月には、鹿児島で九州市長会総会もありますので、フェーズフェーズで議論を深めていきたいと考えています。

【記者】現制度でやれることはたくさんあるという思いの中で、将来的には、その制度というものを見据えていらっしゃるのかなという感じは受け止めたのですが、そうなると恐らく、先ほどのお話のように、町村会などから市長会は何を考えてるんだと、訝っている人もいるのかもしれませんが、その辺りのご説明を今後どう対応していかれるのかを教えて下さい。

【市長】今、(九州には)119の市がありますが、政令指定都市から小さい都市までありますし、かなり多様なご意見が出ています。道州制には反対だよ、という豊後高田市の市長さんもいらっしゃいましたが、いろいろと話していく中で、地域の魅力が上がることに対しては、皆さん同意されるわけです。そういう意味では、例えば吸収合併するなど、平成の大合併で、行政区域を合併したり越えたり、そこが大きく変更されることによって、地域コミュニティーが壊されていくような恐怖心といいますか、そういったものがあって、それが広域でのいろいろな取組について弊害になっているんじゃないかなと私自身は感じているところがあります。
いろいろなところが連携をして、今、熊本都市圏では連携中枢都市圏をやってます。今はもう、自治体がそれぞれ単独でやっていくのではなくて、正にアライアンスではありませんが、連合、連盟、いろいろなものを一緒になって広域的に魅力を発信していく。そして人もいなくなるわけです。自治体の人口も減っていくけれども、職員数もどんどん減ってしまうと、できることも限られてきます。だからこそ一緒に協力しながらやろうよという動きは、経済界の皆さんも賛同されていますし、町村会の中でも、恐らく単に飲み込んで自分たちの自治を悪くしたり、自由度を狭めるような話ではないんだということが理解されれば、私は非常にスムーズにいく話だと思っています。
そのプロセスは非常に丁寧にすべきだと思っているので、高島福岡市長や竹内北九州市長ともよくお話ししますが、制度論やら何やでがちがちにやろうということじゃないよねということは、最初にスタートの段階で合意をしながら進めています。
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