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令和3年第1回定例市議会 市長提案理由説明

最終更新日:2021年2月19日
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令和3年第1回定例市議会 市長提案理由説明

 提案理由の説明に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様に謹んで御悔やみ申し上げます。

次に、お詫びと御報告を申し上げます。

 まず、職員の不祥事についてでございます。

 先月、コンビニエンスストアにおける窃盗の容疑で現行犯逮捕された中央区区民課の会計年度任用職員を懲戒免職にするなど、昨日、四件の懲戒処分を行いました。

 市政への信頼を失墜させるこのような不祥事が相次いだことを、市長として大変重く受け止めており、議員各位をはじめ市民の皆様に対しまして深くお詫び申し上げます。

 今後、職員一人ひとりが公務員として法令遵守を徹底することはもとより、常に全体の奉仕者として強い自覚と緊張感を持って行動するよう、改めて職員の意識改革を図り、市政の信頼回復に努めてまいります。

 二点目に、二月十三日の深夜に発生いたしました、福島県沖を震源とする地震についてでございます。

この地震により被災された全ての皆様に対しまして、心より御見舞いを申し上げます。

本市では、発災直後から被災状況等について情報収集を行っており、現時点で、本市に対する支援要請はございませんが、今後、全国市長会や指定都市市長会と連携し、被災された皆様が一日も早く元の生活に戻ることができるよう、可能な限りの支援を行ってまいります。

三点目に、本市における新型コロナウイルス感染症への対応についてでございます。

御承知のとおり、二月以降、本市における一日当たりの新規感染者数は五名以内で推移し、重症者数も減少傾向が見込まれるなど、医療提供体制の逼迫は緩和されつつあったことから、先般二月十五日に開催した熊本市新型コロナウイルス感染症対策本部会議にて、「熊本市医療非常事態宣言」を解除する方針を決定いたしました。

この決定の同日、県より、県独自の緊急事態宣言について、二月十七日をもって終了することが発表され、それに伴い、本市の医療非常事態宣言につきましても、昨日十八日に解除いたしました。

市民の皆様におかれましては、今後も決して気を緩めることなく、感染の再拡大を防ぐためにも当面の間は抑制的に行動をしていただきますようお願いいたします。

 また、ワクチン接種につきましては、一昨日十七日より医療従事者に対する先行接種が国内で開始されたところでございます。

本市では、先月設置した「専任チーム」を中心に、国、県からの情報収集に努めるとともに、接種体制の構築について医療機関等との協議を進めており、国が示している四月以降の高齢者の接種開始に向け、迅速かつ確実に準備を進めてまいります。

 本市では、引き続き県や医療機関と連携し、医療提供体制並びに保健所や検査体制の強化を図るなど、市民の皆様の生命と健康を守るため、全力で取り組んでまいります。

 最後に、熊本地震からの復旧・復興についてであります。

 本年四月で熊本地震の発生から五年の節目を迎えます。

 これまで、被災された方々の生活再建を最優先に、市民の皆様とともに復旧・復興に取り組んでまいりましたが、その結果、仮設住宅等入居世帯の九十九%以上が住まいの再建を果たされるなど、着実に復興が進んでおります。

 今後も、全ての被災者の方々が一日も早く元の生活を取り戻していただけるよう、引き続きお一人おひとりに寄り添ったきめ細かな支援に取り組むとともに、復興のその先を見据え、地域共生社会の実現や防災・減災のまちづくりなど、熊本地震の経験と教訓を活かした取組を進めてまいりたいと考えております。

 議員各位におかれましては、引き続き御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、令和三年度当初予算編成にあたっての考え方について、御説明申し上げます。

 御案内のように、新型コロナウイルス感染症の影響は深刻かつ長期化しております。

 そこで、令和三年度当初予算案については、新型コロナウイルス感染症対策を最優先の課題と位置づけ、重点的に予算を配分したところであり、市民の皆様の命と暮らしを守り抜きたいと考えております。

 また、震災の発生から五年、指定都市への移行から十年目という節目を迎える新年度は、震災からの復興はもとより、厳しい状況下においても、社会情勢の変化等に対応した施策により、熊本の未来を支える礎を築き、「誰もが憧れる上質な生活都市くまもと」の実現を目指すとともに、県全体の発展に向け、一層中核的な役割を担うべく非常に重要な年度でもあります。

 そこで、令和三年度当初予算の編成につきましては、感染症の影響により税収の減少が見込まれますものの、国や県の補助金等を有効活用するとともに、事務事業の徹底した見直しや事業の優先度に応じた選択と集中などにより、必要な人員と財源を確保し、国の経済対策を含む令和二年度二月補正予算と一体的に編成しました。

 それでは、特に重点的に取り組むこととした「新型コロナウイルス感染症への対応」と「上質な生活都市」の実現に向けた取組について、御説明いたします。

 まず、「新型コロナウイルス感染症への対応」につきましては、「感染拡大を防止する」、「市民生活を支える」、「地域経済を支える」の三本の柱に基づき、六十八事業、総額約百億円の対策を講ずることとし、市民生活や地域経済への支援などに全力を傾注してまいります。

 第一に、「感染拡大を防止する」につきましては、ワクチン接種やPCR検査を実施する経費のほか、指定避難所などに感染防止資機材等を購入する経費などを計上しており、感染症の克服に向けた取組を進めてまいります。

 次に、「市民生活を支える」につきましては、離職者等へ住居確保給付金を支給する経費やスクールカウンセラーの配置時間を拡充する経費のほか、感染症に関する正確な情報を発信する経費などを計上しており、市民の皆様が安心して生活を送るための取組を進めてまいります。

 最後に、「地域経済を支える」につきましては、総合相談窓口を引き続き設置する経費や失業者等を雇用する企業へ奨励金を支給する経費、コロナ禍の影響を受けた子育て中の女性の再就職を支援する経費などを計上しており、中小企業の事業継続支援や雇用対策に重点的に取り組みます。

 これら「新型コロナウイルス感染症への対応」につきましては、これまで同様、刻々と変化する局面や国の動向等を見極め、必要に応じた施策を迅速に講じてまいりたいと考えております。

 次に、「上質な生活都市」の実現に向けた取組ですが、これは「熊本地震からの復旧・復興」と「まちづくりの重点的取組」の二つを大きな柱としております。

 一つ目の柱である「熊本地震からの復旧・復興」につきましては、市民力・地域力・行政力を結集し、熊本地震からの復旧・復興を着実に進めることとしており、次の三点に取り組んでまいります。

 一点目の「被災者の生活再建に向けたトータルケア」につきましては、仮設住宅退去後も継続してきめ細かな支援を行うほか、近見地区の液状化対策工事については、令和三年度中に対象となる全てのエリアの工事に着手し、令和四年度中の完成を目指すなど、これまで同様、被災者の生活再建を最優先に、経済的支援や見守り活動をはじめ、あらゆる側面からの支援を行ってまいります。

 二点目の「防災・減災のまちづくり」につきましては、南区役所などの防災拠点施設の耐震化を行うほか、災害時に避難所となる学校のトイレの洋式化を進めるなど、ハード・ソフト両面から市民・地域・行政の災害対応力の向上に取り組み、災害に強いまちづくりを進めてまいります。

 三点目の「熊本地震の記録と記憶の伝承」につきましては、熊本城の特別公開第三弾の開催に併せて、復旧過程の段階的公開と活用を図るほか、これまでの復興支援に対する感謝の意を全国に広く発信するなど、熊本地震の記憶を風化させることなく、次世代へ伝えていく取組を継続いたします。

 続きまして、二つ目の柱として第七次総合計画に掲げる「めざすまちの姿」を実現するための、まちづくりの重点的取組について御説明いたします。

 一点目は、「安心して暮らせるまちづくり」です。

 まず、学校教育関係では、全国に先駆けて整備した一人一台のタブレット端末を最大限活用するとともに、ICT支援員の増員と合わせて教育の質の更なる向上に取り組んでまいります。

 また、助産師等による産後の母子へのサポートを開始するとともに、不妊治療に対する助成を拡充するほか、新たに里親養育の包括的な支援体制の構築に取り組むことに加え、児童育成クラブの開設時間を延長するなど、子どもと女性に優しく、誰もが安心して子育てできる環境を整えてまいります。

 更に、地域担当職員等が把握した地域の課題について、各区と担当部局が連携し、その解決に取り組むとともに、健康ポイント事業については、連携中枢都市圏による共同実施に移行し、圏域内の健康づくりを本市が牽引するほか、がん検診の検査項目に胃がんリスク検査を追加することに加え、重度障がい者の方が修学等を行う際に必要なヘルパー配置に要した費用を新たに支援するなど、「おたがいさま」で支え合う地域コミュニティの形成を積極的に進めてまいります。

 二点目は、「ずっと住みたいまちづくり」です。

 まず、多核連携都市の実現に向け、十五の地域拠点において、地域特性を活かした地域主体のまちづくりを実現するための機運醸成を図るほか、中心市街地においては、歩いて楽しめる魅力的な都市空間を創出するため、歩行環境の改善に向けた検討を行うとともに、夜間景観や屋外広告物も含め、地域の景観に合わせたルール作りや景観形成を進めてまいります。

 また、バス事業者の共同経営に向けた検討などへの支援や市内中心部における「まちなかループバス」の社会実験を行うとともに、熊本版MaaSの導入に向けた検討のほか、増収が見込まれる都市計画税を活用し、都市基盤整備の加速化と災害に強いまちづくりを進めるなど、誰もが移動しやすく暮らしやすい都市づくりを進めてまいります。

 更に、就職氷河期世代の方々に対する就労支援を新たに開始するほか、くまもと森都心プラザの一部を新たなビジネス支援拠点として再整備するとともに、先輩起業家などのメンターを活用した起業家の発掘と育成を支援するなど、雇用機会を創出し、熊本に住み、働ける環境を整備してまいります。

 その他、コロナ禍を踏まえ、オンラインによる移住支援などを展開するほか、高齢者が居住する住宅のバリアフリー化に対する補助制度を新設することに加え、農業部門では、農業経営の高度化やスマート農業への転換を支援することにより「日本一の園芸産地」を目指すとともに、競争力の強化に向けた施設整備に対して助成を行うなど、活力ある農水産業の振興にも取り組んでまいります。

 三点目は、「訪れてみたいまちづくり」です。

 まず、感染症の収束後を見据え、動植物園などの受入環境の体制整備を行います。

 また、コロナ禍においては、リモートワーカーの誘致等を行いながら、収束後も見据え、長期的な戦略に基づくプロモーションを展開してまいります。

 更に、全国初となる、連携中枢都市圏十八市町村により共同策定を行う地球温暖化対策実行計画に基づき、脱炭素社会の実現に向けた施策を推進するほか、アジア・太平洋水サミットや全国都市緑化フェアの開催に向けた準備も着実に進めるとともに、辛島町電停付近の軌道敷の緑化を行うなど、人と自然が共生する恵み豊かで持続可能なまち熊本を国内外に広く発信してまいります。

 四点目は、「デジタル化の推進」です。

 まず、デジタル市役所の推進に向け、主要な行政手続きのプロセスを抜本的に見直し、市民の利便性向上や業務効率化等に向けた検討を庁内横断的に実施します。

 また、マイナンバー制度の更なる普及促進に向け、東区にサテライトセンターを整備するほか、窓口の待ち時間短縮に向けた取組や駐車場使用料などのキャッシュレス決済の推進に向けた取組も進めてまいります。

 更に、デジタル技術を活用したデジタルミュージアムを新たに構築するなど、文化芸術に触れる機会の創出に取り組むほか、ICT技術の活用による、常任委員会等の動画配信の開始や市議会の視聴環境の充実に取り組むことに加え、ビッグデータの解析結果による地域特性に基づいた健康コミュニティづくりも進めてまいります。

 次に、合併三町における新市基本計画につきましては、令和三年度においても、道路や農業基盤、上下水道などの都市基盤の整備に加え、義務教育施設の整備などに総額約六十七億円の事業費を計上しており、対象期間が延長された合併推進事業債を最大限活用しながら、計画を着実に進めてまいります。

 最後に、本庁舎の整備について申し上げます。

先ほど申し上げましたように、令和三年度における最優先の課題は、新型コロナウイルス感染症から、市民の皆様の命と暮らしを守り抜くことと考えております。

一方、庁舎整備は、議会、そして市民の皆様の御理解をいただきつつ、耐震性能といった防災の観点、財政の観点等、多角的な視点で慎重に検討を重ねる必要があります。

そこで、令和三年度は、建替を進めるための経費は計上せず、多角的な視点で更に検討を重ねるため、有識者による会議を設置して、本庁舎のあり方を諮問することといたしました。

 本市は新型コロナウイルス感染症対策を最優先の課題として取り組む一方、有識者の皆様には、これまでの調査結果や議会における御議論等をお示しした上で、予断を持たず、建替えの是非を含め、客観的な立場から御審議いただきたいと考えており、そのための経費を追加提案しております。

 令和三年度当初予算、並びに補正予算に関する説明は以上でありますが、予算の規模としましては、一般会計の当初予算が三千七百五十億円、補正予算が八百万円、合計三千七百五十億八百万円となり、熊本地震関連分を除くと過去最大規模となりました。

 また、特別会計で二千八十六億五千百七十一万円、企業会計で八百四億九千二百二十七万円となり、追加提案した補正予算も含めますと、全会計の総計は六千六百四十一億五千百九十八万円となりました。

 これを前年度当初予算と比較いたしますと、一般会計は二・七%の増、特別会計は一・八%の増、企業会計は〇・九%の減となり、総計では二・〇%の増となりました。

 続きまして、令和二年度の補正予算について御説明いたします。

 今回の補正予算は、一月二十八日に可決成立した国の第三次補正予算に連動し対応する分として、総額約百二十一億円を計上しております。

 まず「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」については、各学校における感染症対策等の取組に要する経費などでございます。

 次に、「防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保」等については、主要幹線道路の整備や義務教育施設の長寿命化対策、河川の改修に要する経費に加え、農業者等が行う生産性向上のための取組を支援する経費などでございます。

 更に、本市独自の感染症対策としまして、PCR検査に要する経費や感染症の影響により失業された方などを雇用する企業へ奨励金を交付する経費のほか、市電の運行維持のための助成経費などでございます。

 そのほか、国庫補助内示額の減や入札残などに伴う減額等に加え、決算見込みに伴う過不足調整等でございます。

 続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、まず、「熊本市放課後児童健全育成事業利用者負担金徴収条例の一部改正」について御説明いたします。

 これは、令和三年度当初予算の説明でも触れましたが、児童育成クラブに対する新たなニーズに応えるため開設時間の延長などサービスの拡充を行うとともに、放課後児童支援員の処遇改善を図るため、放課後児童健全育成事業の利用者負担金の見直しを行うものであります。

 次に、「くまもと街なか広場条例の制定」についてでありますが、これは、市民の皆様等に憩い及び集いのための場を提供することにより、中心市街地の新たなにぎわいを創出するため、くまもと街なか広場の設置及び管理に関する条例を制定するものであります。

 続きまして、令和二年度補正予算に関する専決処分について御説明いたします。

 これは、感染症対策として、通所型高齢者施設等の従事者に対し、PCR検査を実施する経費や自宅療養者等の健康観察業務を外部委託する経費などについて、一月二十六日に四億千六百七十万円を、また、県独自の緊急事態宣言の延長に伴い、営業時間短縮の協力要請に応じた対象店舗への協力金の本市負担分に加え、対象店舗の取引事業者等を支援する経費について、二月八日に八億七千百四十一万円を専決処分したものであります。

 この専決処分については、地方自治法第百七十九条第三項の規定に基づき市議会に報告するとともに承認を求めるものでございます。

 その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。

 以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。

 

 

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