熊本市は、生活用水を100%地下水でまかなっています。約74万人の熊本市民が、いつでも蛇口からおいしいミネラルウォーターを手にすることができる、とても恵まれた都市です。
しかし、この素晴らしい地下水が長期的に見ると減少傾向にあります。都市化が進み雨水等が浸透する面積が減少していることが主な原因です。更に熊本市民が1人1日あたりに使う水の量が九州の他都市に比べて多いのも現状です。
そこで、皆さん1人1人の「節水」がとても重要になります。いつまでも美味しい地下水が飲めるよう、節水にご協力をお願いします!!
2013年3月22日「世界水の日」に熊本市は国連“生命(いのち)の水”最優秀賞を日本で初めて受賞しました。この賞は、2011年から世界の都市で行われている特に優れた水管理の取り組みを表彰しているものです。
熊本市が長年にわたり広域的に取り組んできた、水循環を活かした地下水かん養や、節水市民運動の取り組みなどの地下水保全活動が評価されました。
日本の8割以上が河川水を水道水として利用しているのに対し、私たちが暮らす熊本市は生活用水を100%天然地下水でまかなっている全国的にも珍しい都市です。
熊本の地下水は、阿蘇の外輪山あたりから江津湖まで、およそ20年かけてゆっくり地下を流れてくるといわれています。
その間にミネラル成分や炭酸分がバランスよく溶け込み、おいしい地下水になるのです。
熊本地域(熊本市を含む11市町村)では、市街化や開発などによって、森林や農地が減少しつつあります。そこで、今11市町村一体となって森林の整備・浸透施設の設置に取り組んでいます。
熊本市は、九州のなかでも家庭で水を使う量が多い都市です。いくらきれいでおいしい水だからといって、使いすぎは地下水が減っていく原因になります。
ひとりひとりが節水を心がけることが大切です。
熊本市では節水型社会の形成を目指し、平成17年度から熊本市民総参加で節水に取り組む節水市民運動を展開しています。
節水市民運動では、市民1人1日あたりの生活用の水使用量を平成14年度の平均約254リットルから10%削減した230リットルにすることを目標に取り組み、みなさんのご協力のおかげで、毎年水使用量は着実に減少し、平成24年度にはついに目標の230リットルを達成しました!!
しかしながら、九州主要都市の市民1 人1 日あたりの生活用の水使用量の平均218リットル(H23)と比較すると、まだまだ多い状況にあります。
今後も更なる生活用の水使用量の削減に努めなければなりません。平成26年度からは目標値を218リットルとし、更なる節水に取り組みます。引き続き節水へのご協力をお願いします。
●水源かん養林の整備
近隣町村と森林整備協定を結び、水源かん養林の整備に取り組んでいます。また、水源の森づくりボランティア制度を通じて、市民参加で森づくりを進めています。
●白川中流域における水田湛水事業
近隣の大津町・菊陽町等と協定を結び、生産調整で転作した水田で水張りを行う農家に対して助成金を交付する制度を創設し、地下水をかん養しています。
●地下水質の監視
水質の実態を把握するための調査を継続的に実施しています。汚染が判明した場合は、飲用に関する指導を行い、汚染の原因・濃度等に応じて地下水の浄化、監視などの対策を行っています。