経緯
本市は、平成28年の熊本地震の経験を踏まえ、温室効果ガスの削減目標の達成と「熊本市震災復興計画」に掲げる「防災・減災のまちづくり」を目指し、本市の一般廃棄物処理施設(東部・西部環境工場)を活用した自立・分散型のエネルギーシステムの構築に取り組むこととしています。
事業を推進するに当たり、専門性が高いエネルギー事業において民間の活力を活用するため、平成31年、西部環境工場を管理運営するJFEエンジニアリング株式会社が設立した地域エネルギー会社である「スマートエナジー熊本株式会社」に本市も出資し、連携して取り組むこととしたものです。
地域エネルギー事業開始記念式の様子(平成31年4月16日)
- 左 熊本市 大西 一史 市長
右 JFEエンジニアリング株式会社 大下 元 代表取締役社長
地域エネルギー事業での取組
(1) 東部・西部環境工場の発電電力の活用
・東部・西部環境工場で発電した電力を市有施設で活用し、本市の温室効果ガス排出量を削減しています。
・この取組により削減した電力料金を基に、市民や事業者に対する省エネ機器等の導入の補助を実施しています。
(2) 大型蓄電池の整備・運用
・市有施設において大型蓄電池を整備・運用し、電力の地産地消、災害時電力の確保、電力料金の削減を図っています。
(3) 西部環境工場と指定避難所をつなぐ専用電線とEV充電拠点の整備
・災害時に西部環境工場で発電した電力を活用できるよう、西部環境工場から指定避難所である城山公園運動施設に電力を供給する専用の電線(自営線)やEV充電拠点を整備しています。
(4) 市有施設のエネルギーマネジメント
・市有施設の電力使用状況を踏まえ、再生可能エネルギー導入や省エネルギー化の調査・検討などエネルギーマネジメントを行います。
(5)再生可能エネルギーの拡充(太陽光発電設備の整備)
・再生可能エネルギーの有効活用による温室効果ガスの排出量の削減や、災害に強い自立・分散型のエネルギーシステムの構築を目的として、市有施設に太陽光発電設備の拡充を進めています。
ごみ発電電力の発電量はほぼ一定である一方で、その電力を使う市有施設の時間帯別の使用量には波があり、ごみ発電電力を有効に活用するためには電力の需給を調整する必要があります。
そこで、本市では、ごみ発電電力の有効活用による温室効果ガスの削減と市有施設の災害対応力の強化を目的として、地域エネルギー事業の一環として防災拠点である市有施設に大型蓄電池の整備を進めています。
大型蓄電池は、平常時は充放電を行うことで電力の需給を調整し、ごみ発電電力の有効活用と電力料金の削減を図っています。また、万が一災害が発生して停電した場合には、設置した施設において一定量の電力を供給することが可能となります。
熊本市では、これまでに4施設において大型蓄電池を導入しています。
設置された大型蓄電池