平成27年12月17日 第4回定例会後市長記者会見
【市長発表:職員の不祥事について】 説明に入ります前に、職員の不祥事につきまして、ご報告とともにお詫びを申し上げます。去る、12月13日、菱形小学校の教諭が住居侵入の疑いで逮捕されました。逮捕された教諭は、現在、警察において取り調べがなされているところです。また、市立学校教諭が12月4日夜、酒気帯び運転で県警に検挙されたという報告を受けておりまして、来週には処分内容とともに公表されるという予定です。いずれにいたしましても、今後、事実関係を確認のうえ、教育委員会において厳正に対処するよう教育長へ伝えたところでございます。 今年度に入り、不祥事が続発しておりまして、綱紀粛正を図ってきた中、再びこのような事件が発生いたしましたことを市長として大変重く受け止めております。市民の皆様方に大変ご迷惑をおかけいたしましたことを心からお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。改めて、職員の徹底した意識改革を図り、市並びに教育の信頼回復に、教育委員会とともに全力で取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。なお、既に報道各社に取り上げていただいておりますけれども、今定例会初日の提案理由説明時に申し上げました懲戒処分の指針の見直しを、12月8日付で行いました。これを機に、職員一人ひとりが常に全体の奉仕者として高い倫理意識を持って職務に専念することにより、市政の信頼回復に全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います 【市長発表:第4回定例会を終えて(所感)】 市長記者会見の様子 | |
それでは、平成27年第4回定例会を終えての所感について述べさせていただきます。まず、今回の定例会に提出いたしました、予算案、条例案などの議案につきましては、追加提案いたしました改正地方教育行政法に基づく新教育長の任命も含め、議会において慎重にご審議をいただきました結果、原案どおり全て可決・同意いただいたところでございます。今定例会におきましては、素案をお示しいたしました「第7次総合計画」の策定に関するご質問をはじめ、「桜町再開発・MICE施設整備」、3方面5ルートでの検討を行うこととしました「市電の延伸」等、いずれも将来のまちづくりに関わる重要な課題について様々な観点からご質問をいただいたところでございます。その他、賑わいのうちに無事終えることができました「江津湖花火大会」や「出張所等の再編」、少子高齢化・人口減少社会を反映した子育て支援策や高齢者福祉施策、さらにはTPPや地球温暖化や杭打ち施工データの改ざん問題等、国レベルで対策が必要な事案への認識・対策を問うものまで、幅広くご議論いただいたところでございます。今回いただきましたご意見につきましては、真摯に受け止め、今後の市政運営にできる限り活かしてまいりたいと考えております。 本日が年内最後の記者会見となります。この1年間、私も就任をして最初の1年間ということで、全力で取り組んでまいりました。報道各社の皆さん方にはこの1年間大変お世話になりまして、本当にありがとうございました。来年も、先ほど発表させていただきましたけれども、職員の不祥事あるいは、事務処理ミス、こういった市政の信頼が失われるようなことがないように、心してかかっていきたいと考えております。それと同時に、新しい年、政令指定都市になって5年目という年になります。いよいよ政令指定都市としての第2ステージということで、私が掲げておりますマニフェストに基づき策定をいたします第7次総合計画をきちんと実現できるように、皆さんと共に頑張ってまいりたいと思いますので、どうか来年もよろしくお願いします。私の方からは以上でございます。
【質疑応答:職員の不祥事について】【記者】最初に陳謝された酒気帯び運転の件ですけれども、処分後に詳しい内容を公表されると思うんですが、概要というか、もうちょっと詳しく教えていただいてよろしいでしょうか。 【市長】私の方には、酒気帯びで一斉検挙の時に検挙されたということでありまして、逮捕はされていなかったということで、今は事実確認をしていると伺っております。今後、公表について教育委員会の方での判断、それから経緯については改めて発表されるものと思っております。 【記者】公表自体がされていないということは、公表基準自体は処分後とか、そういう理由ですか。 【市長】例えば、逮捕された場合は即公表されていたのだろうと思います。こういう形で検問で検挙されたということで、事実確認をきちんとするということで、検挙したからと言って直ちに公表しているということではないと聞いておりますけれども、そういうふうな公表になっているということです。 【記者】今回の住居侵入や酒気帯びとか、市教委の範囲かもしれないですけれども、そういった教員の逮捕とか不祥事が相次いでいることについて、改めて市長としてのコメントをお願いします。 【市長】今回お詫びを申し上げた件というのは、教育委員会の範ちゅうの話でありますけれども、教育職にある公務員というのは、当然のことながら児童・生徒たちの指導に当たるという極めて高い倫理観・モラル・規範意識というものが求められるのは言うまでもありません。ですから、こうした事案については、教育委員会の方で厳正に対処していただくように教育長の方にはお伝えしたということでございます。これは、事務職、あるいは特別職、教育職、技術職も問わず、公務員というのは、もともと高い倫理意識を持っているということが当然であるということでありますので、私としましても懲戒処分の指針を厳しく見直したところでありますし、教育職についても拝見しますと、そもそもわいせつ事案も含めて、通常の厳しい懲戒処分の指針が設定されているところでございますので、処分にあたるという中にあっては、こういったことが続発をしているということ。以前の記者会見でも申し上げましたけれども、極めて危機的な状況にあって、しかも公務員のモラルだけではなく、他のまじめにやっている公務員でさえ、不祥事が波紋を広げてしまって、全体の信頼感を失くしてしまうということを、全ての職員に対して肝に銘じていただきたいと思っております。 私も市長として、この記者会見の場で謝罪を、何回頭を下げただろうかと思いますが、それだけ私もトップとして非常に責任を痛感しております。次々にいろいろな手立てを打っているつもりでありますけれども、それでもこうして様々な不祥事が起こってしまっているという現状については、極めて強い危機感を持っているというところでございます。そのうえで、改めて組織全体の規律を、しっかり緊張感を持って、市民の皆さんに信頼される組織づくり・熊本市政づくりをしっかりやっていきたいと感じているところでございます。よろしくお願いいたします。
【質疑応答:辞職勧告を受けた市議の対応について-1】【記者】北口市議が「議会後のしかるべき時期に自らの進退について会見を開く」と言われていたんですけれども、結局年明けに先延ばしをしたような形の話になったんですけれども。改めて、今回の件で市長が「どうあるべき」というのは言いにくいかと思いますけれども、お伺いしてよろしいでしょうか。 【市長】以前も申し上げたかもしれませんけれども、職員に対するいろいろな不当介入というのは、議員に限らず、いかなるものであっても、そういうことを許してはならないと思っています。そういう中で、市民の代表者である市議会議員という立場をしっかりと自覚をしていただいておれば、こういう不当要求行為等に該当するようなことを認定されるということにはならないのではないかなと私は思います。今回の市議会の冒頭で、議員に対して辞職勧告が全会一致で決議されたということは、議会にとっても大変重い判断だったろうと思います。ですから、そのことを踏まえて、議員としてそれぞれ適切に出処進退はご自身でお考えになるものだと考えております。
【質疑応答:各課への市長訪問について-1】【記者】市長が各課に訪問して回られていたかと思いますけれども、それは不祥事とか事務処理ミスが相次いでいるということもあったんでしょうか。 【市長】そうですね。私も市長に就任して、なかなか各課の職員一人ひとり、6,400人に会うというのは難しいことですが、出来るだけ一人でも多くの職員に直接会って、私の覚悟と言いますか、そういったものを伝えたいと。特に、事務処理ミスであるとか、不祥事が相次いでいますと、普通に真面目に頑張っている職員でさえ、モチベーションが落ちてしまうということもあります。そういう意味では、組織全体に緊張感を持ってもらうという意味でも「不祥事や事務処理ミスに対して、私が正面から取り組んでいくんだ。」と、「一つひとつを直視しながら、こういったものを二度と起こさないようにするんだ。」という決意を職員にもしっかり伝える。それと同時に、以前から申し上げているとおり、風通しのいい職場づくり・風土づくりということは、私自身トップが率先して各職員のところを回って、一人ひとりに出来る限り激励をしながら、そして、何かおかしなことがあればチームで解決をしていく、みんなで連携をしながら解決をしていく、そういう組織・風土づくりをしたいという観点から、各フロアを回らせていただいているということでございます。これは、これからも時間があるかぎり続けたいと思っていまして、市役所の本庁舎だけではなく、区役所であるとか出張所であるとか、最前線で働いている職員に対しても。一度は今年に入ってから各区役所、あるいは市民病院であるとか、いろんなところを回らせていただいているんですけれども、今一度、「非常事態」と先ほど申し上げましたけれども、こういう事態を踏まえて職員一人ひとりにトップとして覚悟と決意を伝えて、「一体的に市役所の信頼回復をするんだ。」ということを伝えていきたいと考えております。 【記者】具体的にはどのような言葉を職員に伝えたんですか。 【市長】「事務処理ミス、あるいは不祥事が起こっているけれども、今一度みんなで気を付けて、気を引き締めて、そして、市民の皆さんからしっかり信頼される市役所であるために一緒になって頑張っていこう。」ということをそれぞれの職場で申し上げているところです。
【質疑応答:この一年を振り返って-1】 市長記者会見の様子
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【記者】この一年で市政の中で特に印象に残っていることと、漢字一文字で表すとするならば、どんな一年だったでしょうか。 【市長】この一年を振り返ってみると、私は市長になって最初の1年ということでもありましたので、本当に全力疾走でやってきたということが言えることかなと思います。その中で印象に残ったことは数々ありますけれども、市長に就任をしましてから新しく予算編成もしまして、十分ではないかもしれないけれども次世代への育成という部分で予算、あるいは事業についても配慮してきたということが一つあるかなと思っています。130項目のマニフェストを全て実現させるということは簡単ではないわけですけれども、しかし、この1年間の中で実現した項目、例えば江津湖の花火大会とか、こういったものも私の印象に残っていますが、これはただ単に公約を実現するだけではなく、市民の皆さんが一体感を持ってまちづくりをやっていこう、あるいは政令指定都市になって、中断をしていた花火大会も含めて、これから新しい時代が幕開けしていくんだという意味も込めて、いろいろな事業やってきたつもりであります。そういうことで、私自身は誠心誠意市民の皆さんのご期待に応えられるように、出来るだけ地域に出向いてお話を直接聞かせていただきました。まだ十分ではないかもしれませんけれども、地域主義という理念の下で、一人でも多くの市民の皆さんと私も含めて、市の職員全員が地域の中に入っていくんだということをスタートさせる最初の1年ではなかったかなと思います。いろいろな不祥事も起こっているんですが、一方で「市役所の職員も頑張っているね。」というような声も少しずつ私のところにも聞かれているところでありますので、そこはしっかりメリハリをつけて取り組んでいきたいと思っています。 漢字一文字で表すとすれば、私自身は「誠」という字を、今年一年自分の胸に手を当ててみて、市民の皆さんに誠実にやっていくということ、市政を誠実に行うということを心掛けてきた。そういう意味で「誠」という字にしたいと思います。そして、不祥事も含めていろいろなことが起こっていますが、事務処理ミスにしても、全件ホームページに公表するとか、そういったことも含めて、本来ミスをしたら出来るだけ人に見せたくないとか、隠したいと思うのが傾向としてあると思われますけれども、そういうことを出来るだけつぶさに市民の皆さんにできるだけ早く、誠実に正直にお示しして、市役所としての信頼を勝ち得ていく、そういった年にしたいという思いがございましたので、職員にとっても誠心誠意、「誠」の気持ちを持って新年を迎えてもらえればという気持ちを込めて「誠」という字にしたいと思います。 【質疑応答:新設される警察署の名称について】【記者】今日可決された意見書の中で、(新しく建設される)警察署の名称を「熊本合志警察署ではなく、熊本北警察署に」という意見書が可決されましたけれども、このことについて市長の考え方を教えてください。 【市長】私が県議会議員時代から新しい警察署が必要だということで、いろいろ意見が出ていて、その中で熊本県警の方で「熊本合志警察署」というのが仮の名称で、北区の方に設置をされるということで準備をされていると伺っているところであります。この名称については、今日意見書がいろいろ出されていましたけれども、議会でもいろいろ議論があったと思います。県議会でも議論があったと伺っていますけれども、一つは、市民にとって分かりやすいかどうかということが大事な観点ではないかと思います。一方で、警察署の成り立ちも、もともと合志市のエリアというのは、大津警察署が現在も管轄しているということでありますが、地域のいろいろな部分が広がっていく中で、もともと合志市の方からも「合志市内に特別に管轄する警察署を設置してほしい。」ということがもともとのスタートとしてあったということも伺っております。ですから今回、熊本市が政令指定都市になったということで、当然北区に所在するから「北警察署」という名前がいいのではないかという話もあります。ただ一方で、現在の北警察署が熊本市中心部を含めてかなり広いエリアを管轄しているということもありますので、そういったことは分かりやすさと混乱を失くすということも含めて、総合的に熊本県警さんの方で検討をなされる話だろうと思っています。ですから、私自身が名称について、どうこう言うことはありませんが、市民、あるいは市議会のそういった意見を受けて、市民に分かりやすい、また多くの皆さんの治安を担保する体制を取っていただければと願っているところです。 【記者】市長としては、どちらがいいかとは言えないと。 【市長】それは警察署の方で判断されるべきものだと私は思います。あるいは、県議会の方でも議論は教育警察常任委員会あたりでも議論をされていくのではないかと思っていますので、そういったことを見守っていきたいと思っています。
【質疑応答:辞職勧告を受けた市議の対応について-2】【記者】先ほど出ました北口議員の件ですけれども。結論がなかなか出ない、今日もそうですけれども、年内に支援者との話がなかなか出来ないということでしたが、こうやって先延ばしにされているということについて、なかなかコメントしづらいかもしれませんが、そのあたりの議員の態度についてどのように思われますか。 【市長】他の自治体の議会の議員の方の中にも、辞職勧告を受けてもお辞めにならないという方もいらっしゃいますから、そういうことがどういうふうに市民・住民の皆さんから見られるのかということは総合的に判断されることだと思います。ただ、政治家の出処進退というのは、何回も繰り返し申し上げますけれども、自身できちんと判断すべきものだと思いますので、周囲の皆さんの意見、市民の皆さんの市民感情、こういったものを総合的に勘案しながら判断されるものだと思っています。
【質疑応答:夫婦別姓及び女性の再婚禁止期間の最高裁判決等について】【記者】昨日の最高裁判決で、夫婦別姓と再婚禁止期間が女性だけ設けられていることについて判決がありましたけれども、自治体の方には再婚禁止期間については、すでに文書が回っているような報道もありましたけれども、熊本市は、政令指定都市として全国に先駆けての取り組みとしまして、そういった婚姻関係、民法の規定、議会でも一部出ていました性的マイノリティの人たちの婚姻届とかあったかと思いますけれども、そういったところで何かお考えはお持ちでしょうか。 【市長】最高裁の判決が出たばかりですので、私自身も担当の方と、ペーパーが出たからどうする、ということをまだ協議をしている段階ではありません。ただ、この夫婦別姓の禁止が合憲であるということが最高裁で示されたということで、私自身も夫婦別姓を禁じた今の民法の規定というものが、どういうふうに判断がなされるのかということについては、非常に注目をして見ておりました。と言いますのが、例えば不利益を受けるということが、夫婦別姓によってあってはいけないのではないかということを個人的にも持っております。一方で、夫婦が同じ姓を名乗るという制度は、我が国においてもかなり定着をしている部分があって、現在の制度が判決でもありましたけれども、「旧姓を通称として使用することまでは許されないわけではなく、通称使用が広まることで不利益は緩和される。」ということで、そういったことも勘案して憲法24条には違反をしていないというような判決が示されたということです。ただ、いろいろな補足意見も含めてなんですけれども、寺田裁判長の補足意見では、「不合理というものを裁判の枠内で見出すことは非常に困難で、むしろ国民的議論、あるいは民主主義的なプロセスで合理的な仕組みを決めることこそふさわしい解決だ。」というような意見が出されていましたので、今後国会において最高裁の判決に従って適正に、特に民法については今から見直しも含めていろんな議論がなされていくと思いますし、議論がしっかり高まっていくということが重要なのではないかなと思います。 一方で、女性再婚制限違憲の判決の要旨も読ませていただいたところでありますけれども、女性のみに6カ月の再婚禁止の期間を定めるという規定については、憲法14条に違反するということでの判決だったということでございます。ですから、これは当然のことながら、医療や科学技術が発達した今、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防止するということで、100日を超える部分が合理性があるかどうかということもこの判決の中で示されていますけれども、「正当化するのは困難だ。」ということで言われているということであります。それぞれ補足意見も各裁判官から示されていますけれども、そういったことを踏まえて、国の法改正ということもありましょうし、自治体での婚姻に対する手続きといったものにも影響してくるものですので、その辺は今後、この判決を踏まえた国民的な議論の中で適切に判断がなされていくべきものだと思っています。 【記者】最後に、性的マイノリティの方たちについては。 【市長】性的マイノリティの方々のいろいろな葛藤であるとか、置かれた立場の厳しさというのは、私自身もいろいろと理解をしているところであります。私の元にもいろいろな声が届いております。自治体のいろいろな動きというのは、それぞれの地域で判断されていると思いますが、困難にある皆さんが、不利益を被らないようなことというのは、当然行政としてもしっかり考えていかなければいけないと思います。ただ、当事者のご意見も含めて、いろんなシンポジウムとか勉強会とか、いろいろなことが行われているということであります。ですからまずは、そういったお話を聞きながら、私自身も実態も含めて研究をさせていただきたいと思っています。 【記者】具体的な取り組みはまだですか。 【市長】今現在、直ちにということではありません。 【質疑応答:この一年を振り返って-2】【記者】先ほどの漢字一文字「誠」の話ですけれども、先ほど市長が「市民に誠実であるためにミスなどの公表もした。」という話をされましたけれども、その「誠」の意味の中には、この1年いろいろ不祥事が相次いで、改めて誠実な市政運営の大切さを知ったというような思いも込めていらっしゃいますか。 【市長】はい、そういうことです。いかに誠実で、正直であるということが重要なのかということは、世界的にもいろんな事件や様々な事案が起こっていますけれども、隠蔽しようとした時、あるいは隠蔽するような期間、組織的に隠蔽するとか、いろいろなことも含めて、期間が長くなれば長くなるほど大きな問題として露呈をしてしまうということがあります。そういうことも考えますと、熊本市役所というのは、ミスは当然起こさないということは第一義的に注意しなければいけないことですが、それでも人間ですからヒューマンエラーですとか、いろんなミスは起こり得るということです。そういったことが起こった時に、出来るだけ早く公表をすることで、市民の皆さんへの悪影響を最小限に食い止めるということ。それと同時に、再発を防止するために仕事のあり方を見直すということは、原因をしっかり直視しないと、私はいつまでたっても治らないと思います。今、事務処理ミスを総点検させていますけれども、こういった中でも「どうしてこの仕事の流れでチェックできていなかったのだろうか。」とか、システムの問題、人だけではなく、仕事のやり方そのものの問題、あるいは人員配置が本当に十分だったのかとか、そういった問題まで直視すればわかってくるわけで、そうすると次からは同じようなミスを起こさないという体制がしっかりとれる。人の問題も当然ありますけれども、システムも不適切な事務処理を起こさないような体制を作っていくという意味でも誠実に一つひとつの案件について向き合っていく覚悟が市役所に求められているのだと思います。
【質疑応答:各課への市長訪問について-2】【記者】先ほど各課を回っておられるというお話がありましたけれども、今日回られたということですか。 【市長】いいえ、開会して、例えば1時間とか時間があれば回っていましたし、開会中にずっと回っています。最初は13階から来て、最初の日は6階まで行って。ずっと各階を回って、今は中央区役所まで回り終えたところです。これからまた時間を見て外にあるセクションにも行きたい。 本庁舎全体は全部回りました。
【質疑応答:選挙制度改革について】【記者】衆議院の選挙制度の改革の話ですけれども、まだ答申の段階ですので正式には決まっていませんが、熊本を含む主に地方の議席が減って、首都圏の議席を増やすような案が出されていますけれども、これに関して受け止めをお願いします。 【市長】一票の格差という問題があると思いますし、小選挙区制になって地方の議席の配分、あるいは大都市圏の議席の配分ということについては、常々いろんな議論が出ているところです。今日の報道によりますと、熊本県全体としても、小選挙区5選挙区あるのうち一つが減になるのではないかということで示されているということであります。これは、一票の価値・重みというものを考えれば、国の方で考えて、しっかり民意が反映できる仕組みを考えてもらいたいと思います。選挙制度改革の中で、過去にも中選挙区制度から小選挙区制度に移行する時に、比例の議席はどうするのかとか、様々な議論がある。あるいは、来年参議院選挙がございますけれども、二院制についても、あり方についていろいろと議論がある。そして、その一票の格差というものについてもいろいろ議論があるし、違憲判決ということも示されているわけですから、そういったことを総合的に国会の方でしっかり議論していただいて、結論を出していただきたいと思っています。私が国会議員の秘書をしていた時代は、中選挙区制度から小選挙区制度に変わる時でありましたから、選挙制度の変更というのは、非常にそれぞれの議員にとっても大きな影響を与えるものであると思いますが、この制度改革だけでなく、議会全体の在り方ということ。選挙権も18歳まで年齢が引き下げられるという時に、本当に今一度選挙の意味、議会・議員の代表としての意義・役割を、もう一度国民的な議論の中で考えるちょうどいい機会ではないのかなと思っています。 私個人は、中選挙区制度だから良いとか、小選挙区制度だから良いというような単純なものではなく、私は政治家として18年目になりますけれども、まず大前提として、いかに有権者から信頼されるような関係を構築するのかということ、これが選挙制度の如何に問わず、常に政治家に問われていることなのではないかと自戒を持って感じているところです。 【記者】今回の改革が仮に行われた場合に、地方の声が届きにくくなるのではないかというような考え方もできるかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。 【市長】代議制でありますから、代弁者が多い方が多様な意見が届けられると私も思います。そういう意味では、今の制度がどうかということも含めて考えなければいけないんですが、ただ、現行制度でいろいろな地方の声も十分聞いていただいていると思いますし、まさに国においては地方創生ということで考えていただいていることでありますので。仮に、大都市圏を選挙区とする議員であっても、国家全体のことを考える責務があるわけですから、そういう意味では、地方をないがしろにするようなことに直ちにはならないと私は思っております。 ただ一方で、過疎地の現場の声を届けやすくするという意味では、単純に人口割ということでだけで割り切っていいのかなという思いも一方で持ってはおります。そういったことも、自治体の長もそれぞれ選挙で選ばれておりますので、国に対していろいろ意見を申し上げる機会がありますから、そういったこともしっかり伝えていく、地方の実情を伝えていきたいと思っております。そういうことに影響が出ないようにしてもらいたいと思っています。
【質疑応答:化血研の問題に対する市の対応について】【記者】先ほど「隠ぺいしようとした時に大きな問題が生じる。」とおっしゃっていたんですが、市内にある化血研が第三者委員の報告で不正を指摘されていると思うんですけれども、熊本市の方に健康に関する不安の声とか、市民からの声は届いているのかどうか。届いているとするならば、今後どういう対応をされるのかをお聞きします。 【市長】化血研による、国の承認とは異なる方法で血液製剤やワクチンを長年にわたって製造していたという問題については、今パニックになるような話ではないと伺っていますが、ただ、こういったことは信頼性、特に命に係わる問題でもありますので、製薬メーカーとして、しかも、熊本に立地する企業ですから、しっかりと説明責任を果たして、組織体制、あるいはいろいろなことで問題があったとする行政指導がなされていると伺っていますので、こういったことに真摯に向き合って取り組んでいただきたいと思っています。 【記者】市の方に説明とかがあっているとかではないのですか。 【市長】特段無いです、現時点ではございません。報道では、15日に厚生労働省による行政指導が行われたということで、これと別に行政処分というものが出されるということでありますし、こういう状況を我々は引き続き注視していきたいと思っています。今のところはそういう状況です。
【質疑応答:民泊について】【記者】以前、ラグビーワールドカップの宿泊問題に関して伺ったんですが、民泊の件です。今日から神戸市が試験的に始めますが、熊本は来年2月に熊本城マラソンですとか、大型イベントがあって、宿泊の問題があるのかなと思いますが、ご検討が進んだとか、そういうことがあれば教えてください。 【市長】まだ現段階では検討は進んでおりません。前回の記者会見をしてまだ数週間しか経っていませんので、特に議会もあっておりましたので、特段今それを、すぐどういうふうに行うかということは、熊本市としてはありません。ただ、当然いろいろと調査をしながら、国の動き、それから特区によって、これは北九州市でしたか、民泊ということで進めていくというような動きもあっていますので、取り組んでいる自治体の動きもしっかり調査をしたいということで、そういったことを調査するようにという指示は担当の方に出しているところでございます。それらを踏まえて、民泊についてはいろいろな問題点も指摘をされるという部分がありますので、慎重に進めていかなければいけない部分もあるのかなというのが今の私の見解であります。 一方で、この宿泊が、大きなスポーツコンベンション・イベントがあった時には、ただでさえ訪日観光客が増えていて、東京あたりでもホテルが取れないと報道であっていましたが、私も実際、出張の時はホテルが取れなかったり、予算の中で収まらなかったりということが、現に起きておりますので、宿泊をどういう形で提供することが出来るのかという意味では、私はこの民泊ということも、いろいろな選択肢の中で考えていかなければならないし、特にラグビーワールドカップを、もう4年を切った状態で控えている中では、完全にホテルの宿泊キャパシティが足りないということは見えているものですから、そこは県と一緒に連携をしながら、これから課題の整理をやっていきたいと考えております。
【質疑応答:桜町再開発事業について】 市長記者会見の様子
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【記者】桜町再開発事業が本格化してきていると思いますが、中心市街地の活性化に向けて市長の決意を改めてお聞かせいただければと思います。 【市長】桜町の再開発で、今ビルの足場が組まて、それぞれ解体がまさに始まっているところであります。確かに、一時的にまちの賑わいが無くなっている状態であるというのは、バスターミナルも含めて改修をしていますので、そういう状態にあると思っていますが、一方で、(仮称)花畑広場の活用が非常に進んでおりまして、大変な賑わいを持っているところであります。いろいろなイベントが目白押しでありまして、後から詳しくお知らせしますが、土曜日曜の休日は70、80%に近いような利用の申し込みがあっているということで、かなりいっぱいになっているということであります。こういうところも含めて、広場だけでなく、隣のビルも解体されて、今仮バスターミナルになっているシンボルプロムナードも、まちの賑わいのスペースとして広場的に活用されるというのは、今の(仮称)花畑広場の活用状況を見ても明らかに活性化に資するものだと思っています。ですから、市民の皆さんのどういうニーズがあるのかというのを、(仮称)花畑広場の中で的確に掴んでいくということが重要だと思っていますけれども、それと同時に可能性ですね。私自身も、この前あの周辺を歩いて回ってみましたけれども、非常に良い広場空間になっていると思いますし、これから将来に向けての可能性としてはかなり大きいなと思っていますので、そういう意味でも、桜町の再開発というのは、非常に大きな可能性があるなと見ているところです。あとは、出来るだけ早く工事期間を過ぎて、少しでもまちの形が見え始めると、また市民の皆さんの期待の声も非常に大きくなってくるのかなと思っている次第です。 【事務局】(仮称)花畑広場の利用率は、実績と3月までの予約で、全体で64%ですが、休日では75%ということになっております。 【市長】これは3月までの段階ですから、冬の寒い時期であってもイベントが行われるということで、私が先週か先々週に「くまフェス」というコスプレをした若い人たちのイベントに行ってきたんですが、どこにこういう人がいるんだろうというぐらいたくさんの人が来ていらっしゃいまして。それだけでなく、天草の物産展であったり、いろいろな形態がたくさん生まれているので、やっぱり広場というのは市民に開放的な場所であるべきだと改めて感じているところです。いずれにしましても、多くの皆さんのアイディアをもとに、来年になりますと、この再開発も少しずつ動いていくとはっきりしてくると思いますので、その辺も含めて、皆さんに具体的に出てきた姿を出来るだけ早くお示しすることが重要だなと思っています。 どうも1年ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。
(終了)
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