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平成29年4月20日 定例市長記者会見

最終更新日:2017年5月1日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【市長発表:2年連続待機児童「ゼロ」の達成について】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 本日ははじめに、本市の本年4月1日現在の待機児童の状況について発表させていただきます。

 

 PDF フリップ(1) 新しいウィンドウで(PDF:178.4キロバイト) 

 

  お手元の資料もお配りしておりますとおり、本市では、平成29年4月1日時点において、2年連続で待機児童「ゼロ」を達成いたしました。

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子


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 また、こちらのグラフにありますように、待機児童を平成27年の397人から2年連続で「ゼロ」を達成いたしますとともに、保留児童についても、平成27年の801人から昨年は450人へ減少し、本年もさらに77人減の373人となり、改善を図ったところでございます。本市では、平成27年8月に「熊本市保育環境緊急対策」を取りまとめて以来、(1)保育の受け皿の確保、(2)保育の担い手の確保、(3)保育入所業務の改善を3つの柱として、積極的に取り組んでまいりました。その待機児童対策の具体的な取り組みとしては、(1)保育の受け皿の確保として、保育所や地域型保育の更なる整備等により定員増を図るとともに、(2)保育の担い手の確保として、保育士再就職支援コーディネーターの配置や子育て支援員の養成、更には(3)保育入所業務の改善として、利用者支援員の各区役所の配置などによるきめ細かな入所斡旋を集中的に行ってまいりました。さらに、昨年11月からは保育所等の空き情報公開システムを導入し、入所を希望する保護者が、入所可能施設をパソコンやスマートフォンで簡単に閲覧できるようにしており、保育所等と保護者のマッチングを深めることで、効率的な入所斡旋に努めてまいりました。これらの取り組みにより、昨年に引き続き、本年4月1日時点におきましても待機児童「ゼロ」を達成することができました。

 

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子


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 また、入所児童数についても大幅に増加しておりまして、平成29年度の809人増につきましては育児休業退園制度の見直しによる335人を含んでおります。これは、本年4月から育児休業期間中における3歳未満児の継続在園を認め、復園を希望されている方々に入所いただいた人数であります。なお、先日、一部報道において、保育所の第1次選考における落選率の比較が掲載され、本市が指定都市のなかで39.4%と一番高かったことにつきましては、昨年11月30日までの1次申請において保護者の希望を入所選考に反映するため、一旦、第1希望の保育園のみを対象とした選考を実施していることによるものであります。また、本年1月20日締め切りの2次申請につきましても、保護者の第1希望園のみを対象に選考を行い、その段階でも希望の保育園に入所できない方につきましては、あらためて保護者の希望をうかがってマッチングをすすめるなど、きめ細かな対応をしながら最終的な待機児童ゼロを達成いたしましたので、この点につきましては、市民の皆様に誤解のないようお伝えさせていただきます。

今後も、これまでの取り組みを引き続きスピード感をもって進め、更に保留児童の方々へのきめ細かな入所斡旋を行うことで、保留児童を含めた「実質的な待機児童ゼロ」の実現に取り組んでまいります。

なお、詳細につきましては、会見後、担当課からレクチャーをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 

【市長発表:熊本城天守閣の復旧工事内容について】

次に、熊本城天守閣の復旧工事内容について発表いたします。 

今年度から本格復旧工事に入った天守閣については、今後の復旧工事の安全を確保するため、現在、大天守の最上階6階と3階に鉄骨を通して足場を組む作業を進めているところであり、この足場の設置とともに作業員の転落防止や資材・工具などの外部への落下を防ぐための工事用シートで覆っていくこととなります。この工事用シートについては、GW明けから徐々に最上階6階から覆っていき、7月頃には大天守全体が覆われる予定であり、市民・県民の皆様をはじめ、各方面の皆様から天守閣が見えなくなるのではないかとのご心配や不安の声を多くいただいていたところでございます。

 

 

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

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 そこで、復旧過程を公開していく観点からも、今回の工事ではこの(A)の部分になりますが、この透過性の高いシートを使用することで、夜間のライトアップを含め工事中であっても天守閣を見ることが可能になると考えており、是非、復興のシンボルである天守閣の復旧していく姿を市民・県民の皆様をはじめ、多くの観光客の皆様にリアルタイムでご覧いただければと考えております。また、今回の天守閣復旧工事では、耐震性能を向上させるため、解体・再構築を要する部分があるので、あらかじめお知らせいたします。

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

  PDF フリップ(5) 新しいウィンドウで(PDF:424.5キロバイト)

 

 パネルで黄色く網掛けしている部分で、大天守では、最上階6階部分と出口にあたる附櫓(つけやぐら)の部分、小天守では、大天守に続く部分など1階の大部分について解体・再構築を予定しております。これらについては、基本的に地震による損傷が大きな部分であり、特に大天守最上階の6階部分については、5階以下の階層との構造上の違いから、ほとんどの瓦が落下するなどの激しい揺れにより、屋根を支える柱などが大きく損傷しており、5月下旬頃から最上階の解体作業を始め、6月頃には最上階の全てが解体されている状態となります。また、天守閣の出口にあたる大天守の附櫓(つけやぐら)部分については、石垣崩落による沈下や傾きが見られることから、今月4月下旬には解体を終える予定であり、小天守1階の大部分についても、石垣崩落により大きく沈下し、屋根が変形するなど大きな損傷が見られることから、6月下旬頃から解体に着手し、11月頃には解体を終える予定でございます。このように、今後、天守閣の一部で解体・再構築の工事が並行して進み、一定期間、部分的に天守閣の外観が大きく変わることに対して、多くの皆様が驚かれると思うが、これもより強い天守閣に復旧するために必要な工事ですので、工事へのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 

 

 

【お知らせ:ブルーインパルス展示飛行について】

最後にお知らせが1点ございます。

既に、先日報道資料を提供させていただいておりますが、今週23日日曜日に、二の丸広場にて開催します飛翔祭の一環として行います「ブルーインパルス展示飛行」について、お知らせとお願いがございます。

ブルーインパルスの拠点である「松島基地」は、東日本大震災の津波により壊滅的な被害を受けましたが、ブルーインパルスは、奇跡的に難を逃れ、基地復旧後に開催した復活飛行は、被災された東北の方々に多くの勇気を与え、東北震災復興のシンボルと言われました。今回、熊本地震で被災した熊本県民を応援し、復興を後押ししたいという関係者の招致努力により、地震から1年となる4月に、本市としては10年ぶりの展示飛行が実現したものでございます。

このブルーインパルス展示飛行は、4月23日(日)午前11時頃から約20分程度、「熊本城上空」で行います。当日の飛行ルート上空では、大きなジェット音がすることが想定されますことから、市民の皆様のご不安を和らげるため、様々な方法で情報提供を行っていますが、あらためて報道各社の皆様にも周知のご協力をお願いいたします。また、前日の22日土曜日には、テスト飛行が同時刻に行われますので、併せて情報の周知のご協力をお願い申し上げます。

【お知らせ:市長の入院について】

最後に、各社既にご存知かと思いますが、結節性甲状腺腫治療のため、4月26日から5月2日まで入院させていただくことになりました。療養期間中の公務は、多野春光副市長が職務代理を務め、その代理期間は4月24日から5月7日となります。市民の皆様や関係者の皆様にご心配をお掛けすることになり、誠に申し訳なく存じておりますが、5月8日に万全の体調で公務に復帰し、これまで以上に市政運営にまい進してまいりますので、何卒ご理解をお願いいたします。私からは以上です。

 

【質疑応答:熊本城天守閣の復旧工事内容について―1】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

【記者】熊本城の市民からの見た目としては、どのように見えるような形になりますか。

 

 PDF フリップ(4) 新しいウィンドウで(PDF:1.83メガバイト)

 

【市長】最初の想定では、このDですね。Dくらいの濃さというか、かなり濃いものでほとんど何も見えないというか、これはやはり先ほども申し上げたように工事の安全上、それからここの防音もそうですけれども、防音のシートであるとかネットであるとかこういったものの間から危険物が落下しないようにということで、労働基準監督署とかこういったところとかとも、施工される技術者の方ときちっとした協議の下で、よく海外では全てが覆われて透けても見えないような状況なんですが、今回熊本城の城域を立ち入り禁止にもしておりますし、またここの部分に関しては、できるだけ市民の皆さんからもすっぽり隠れてしまうのではなく、できるだけ少しでもシルエットでも見えるようにならないかとお話があったので、いくつか実は施工業者さんが今回やる中で、A、B、C、Dと素材の違うものをそれぞれできるかどうかということで試してみられました。当然工事上のことからすると、当初はDぐらいで想定されておられたということですけれども、Aというのはネットみたいなものです。ですから、風も通りますし透けて見えるのですが、網目は比較的、15mm四方というような網目であるということで、15mm四方であるとさすがにそういう落下物の危険性も非常に少ないのではないかということで、関係各所とも協議されて安全面でもこれは問題ないということになって一番見える形となります。このBというのが一番ちょっと色が付いていて30mm角なんですけれども、これだと例えば瓦のかけらだったりとかいろんなものが落下してしまう可能性もあるということも考えられることから、安全上少し問題だということから労働基準監督署の方からも認めにくいと伺っておりますが、そこで今回Aのものに決定して、これで少しは見える状態になるかなと、以前の本丸御殿あたりを覆った時のような形ではない状態になるのではと思います。ただ、これは全体が実際に覆われてみないとなかなかその姿というのは分からないところがありますが、おそらく幾分ライトアップしてもシルエットがちょっと見える状態になるのではないかなと考えているところです。ただし、これで全部を覆っていくわけですけれども、この黄色い部分に関しては全部解体されるということです。ということである意味で天守閣の上の部分が全く取り外されるというところが見えてくるということになります。そのため今ある天守閣の最上階の部分、大天守の部分はこれが今見えている姿が最後ということになるということで、これは全く新しく再構築されていくということになります。それから大天守の出口の部分と小天守の下の部分も解体をされるということでございます。また、過程についてもできる限り報道公開ということでさせていただきたいと思いますので、各社さんよろしくお願いします。

 

【記者】技術的には一回解体をしてしまって、また構築するということですか。

 

【市長】そうですね。だから黄色以外の部分に関してはそのままのものを使うと、当然色々剥がしたりとかいろんなことはあるんですけれども、基本構造部分に関してはそのまま残るということ、鉄筋コンクリートという造りではありますが、一番上の部分は鉄筋コンクリート造りではないということ、要は鉄骨造りということになります。そこの部分は解体し補強して、より大きな揺れにも耐えらる形にする、そういう復旧をするということです。

 


【質疑応答:みなし仮設での孤独死について】

【記者】今県の方で、みなし仮設で孤独死と見られる方が、熊本市に住んでいらっしゃった方で3人いらっしゃるということ、また、もう一人熊本市の方で孤独死なのか病院でなのか分かっていない人がいるということですが、今後熊本市の、県とは別ですので、見守り体制とかなかなか人手の問題もあるかもしれませんけど、あとプライバシーの問題あるかと思いますが、そこら辺をどうお考えですか。

 

【市長】まずは今回、このような事案が発生をしているということは大変に残念に思います。本市でも9月1日からみなし仮設住宅においては相談員の看護師が、またプレハブ仮設住宅においては本市の社会福祉協議会の相談員、これは常駐職員ですけれども、これが訪問活動を行っておりまして、各入居者の状況に応じた見守り支援というものを行っているというところであります。そうした中で、今回のような事案が発生しているということでありますので、当然今後もさらにそういった見守りは引き続き強化しながら行っていくことが必要だと思っております。また、今年度からみなし仮設住宅の入居者向けの地域交流会というものを各区で開催する予定にしております。この交流会を通じて入居者同士の方々はもとより、地域の皆さんとの交流を深めていただくということで、入居者の方々のコミュニティ形成についてもしっかり支援をしていくことが必要だと考えております。これらの取り組みを継続していって、さらに各地区にささえりあセンター、あるいは関係課によって、例えば地元の自治会、民生委員さん等、地域全体で見守りを徹底していく必要があるというふうに思っております。そういうことを続けていくことで、今回のような事案の発生を未然に防ぎたいというふうに考えております。確かに数も多くて、それからみなし仮設においてはバラバラに居住されているという実態がありますので、なかなか実態の把握というのは難しいところがございますけれども、それでも最善の状況を作っていくように最大限努力をしていきたいと今考えております。

 

【質疑応答:市長の体調について】

【記者】市長について皆が心配しているんですが、市長の今の体調はいかがですか。

 

【市長】今は絶好調です。発表させていただいたのも、ずっとここの甲状腺のところですね、数年前から小さなしこりがあるということで、エコーの検査で分かってはいたんですけれども、ただそんなにそれ自体が健康に直ちに何か悪影響を及ぼすということではないということで、ずっと経過観察ということだったんですけれども、昨年、市長に就任して、震災もあって去年の11月の末に改めて人間ドッグを受けた時に、ずっとここのしこりが残っているけれども、これは一回精密検査をしてみましょうかということで、念のためにそこを精密検査を行いました。精密検査の結果は良性という評価をいただいたわけですが、お医者さんといろいろ話していく中で、そういう良性であって放っておいても良いということですが、仕事柄今後のいろんなリスクを減らしていった方が良いので、なかなか休みは取れないだろうけれども、入院する期間というかそういう時期がもし取れるのであれば取りましょうかねということで、そういうご判断がありました。それで、たまたまこの連休の前に、ちょうど4月28日が手術ができそうだということで病院からお知らせがあったので、それに合わせてちょうど連休に入りますので、療養する期間も十分取れますし、その前後で何かあってもきちんと職務代理者を置いて入院をするということの方が市民の皆さんにとっても良いのではないかということで、このタイミングで今回手術するということになりました。市民の皆さんから既にご心配の声をいただいておりまして、あるいはお見舞いの言葉もたくさんいただいておりまして、本当にありがたいなというふうに思っております。ただ、震災対応をしていく中で、やはり市長、その自治体のトップというのは常に健康管理、体調管理に十分留意しておかないといけないなと思いました。私もなんとか発災後一年間ほぼ休みもなく毎日突っ走ってきましたけれども、やはり疲労が全くないかというとそんなことはないわけでありまして、いくら若いと言えども常に事前にきちんとした健診を受け、そして最善の治療を行う、あるいは必要な措置を行うということで、自治体の長として職責をしっかり果たせるように、体調を万全に整えたいということで今回入院して手術することにいたしました。ですので失敗しない限りは大丈夫だと思います。お医者さんを信頼しておりますし、特にそんなに複雑な手術ということではなさそうですし、手術自体も長時間かけて行う手術ではなさそうですので、予後も早いということで、術後3日くらいで退院ができますので、その後少しお休みさせていただいて療養させていただこうというふうに考えておりますが、また5月8日からは元気に復帰しますので、よろしくお願いします。

 

【質疑応答:「こうのうとりのゆりかご」開設10年について―1】

【記者】5月10日に「こうのとりのゆりかご」の運用が始まって10年、1つの節目ではあるかと思いますが、市の方で子どもの名前を付けたりもされていますが、10年ということで受け止めを伺えたらと思います。

 

【市長】こうのとりのゆりかごについては、10年前に設置されてから多くの子ども達が預けられるというようなことで、これついては極めてセンシティブ(※慎重を要する)な情報でもありますので、厳重な情報管理の下で、本当に子どもにとって一番良いことは何なのかということで、これまで取り組んできているものだと思います。本市としても検証をしっかりとしながら、そういったことに繋がらないようにしてきたということです。こうのとりのゆりかごは慈恵病院で運営されているわけでありますけれども、やはり預けられる子どもが無いということが一番の理想であって、使われないことが一番良いことだと今でもとても強く思っています。一方で、出産や育児に対する相談ができる公的な窓口を充実させて、例えば本市でも24時間の相談電話窓口を開設して相談を受けているわけです。例えば望まない妊娠をしてしまった時にどうすればいいのかとか。今、慈恵病院や「くまもといのちの電話」を含めいろんなところから、特にこうのとりのゆりかごがある一自治体の一民間病院である慈恵病院に、全国から問い合わせも含めて電話が集中している状況であるということは、やはり国全体としても、私も厚生労働省にお願いはしているんですけれども、相談体制を各自治体に充実していくということが非常に重要であるということ、それからこうした施設が利用されないためにも、様々な相談機関を充実させていったり、例えば匿名による出産とか色々なことが選択肢としてあるわけでありますけれども、海外の色々な事例も含めてですけれども、よく研究して、いわゆる棄児、捨て子ということになってしまうわけですから、非常にリスクも高いです。しかも遠くから、生後間もない赤ちゃんが運ばれてこうのとりのゆりかごに託されたという例もあって、これは子どもだけではなく母体の方にも、命に関わる問題でありますので、そういうことがこの10年間で色々な事例が多く出ているということを踏まえて、これを総括しながら、私達も設置されている自治体としてそうなんですが、やはりこれは一自治体レベルで解決できる話ではなく、国としても一緒になって課題を共有しながら、これからこうのとりのゆりかごがそうした使われ方をしない社会、そしてその前に踏み留まって色々相談を受けたり、そして育児もしやすい、あるいは困った方々に誰かが手を差し伸べてくれる環境を私達は十分に整備していく必要があるというのが、この10年間を振り返ってみて感じることであります。

 

【質疑応答:待機児童について】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

【記者】2年連続で待機児童ゼロ達成ということなんですが、減少はしていてもまだ保留児童が373人いると思うんですが、まだこうやって保留児童がいるということと、これを解消していくために今年度新たに取り組んでいくことがあれば伺いたいと思います。

 

【市長】待機児童の定義の中で、それをゼロにしていくということは重要なことだと思いますし、そのことによって、他の自治体ではこれがなかなか達成できない、本市でも昭和45年以来去年まで、待機児童がゼロになったことがないんです。ですからそういうことを考えますと、一定の努力をしてきた成果、私も市長に就任した直後に、あまりにも待機児童が多いので、私のマニフェストにも掲げておりましたので、とにかく待機児童を減少させて保育の受け皿を増やしていこうということでやった取り組み、それから待機児童になっている方、保留児童も含めてですけれども、やはり保育が必要な方に一日も早く保育環境を整えていくことが、何よりも私達がやるべきことです。ただ単に、数字がゼロになったから良いという評価をしているわけでもありませんし、またこの保留児童の数も、私が就任した直後は800人以上もいて、実際に待機児童の数を全国で比較して、減らせば良いというような風潮が全国的にありましたけれども、実質的に子育て環境が本市として、質の部分も含めてきちんとした体制になっているのかどうなのかということを、改めて他の自治体との競争よりも、自分の自治体がどういう状況かというのを把握して、対策を作っていくことが重要だと思ってやってきました。ですから、待機児童を含めて保留児童についても、これをゼロにしていくということ。今なかなか保留児童をゼロにしている自治体というのは、指定都市では新潟市くらいしかないと思いますけれども、これはやはり受け皿の問題もそうなんですが、保留児童のほとんど、80%ぐらいの方は希望園に入園できないということです。実は3歳児以上のお子さん達を預かる受け皿というのは、少しずつですけど余裕が出てきている状況にあります。ところが、やはり希望に沿わないということもありますので、例えばどういう条件が整えば違う園が良いのかとか、違う園に移れるのかとか、そういった保留児童の方々のそれぞれの状況を、入所支援員もおりますので、よく掴みながらこれから丁寧に入所斡旋をやっていくということが重要なことだと思っています。それから、どうしても地域偏在みたいなこともありますので、今はこの各区の入所支援員の方々と連携を取りながら、区をまたいで、例えば通勤途中にあるとかそういった方々など、できるだけ自宅からあんまり遠い距離ではないところでも預け入れができるという体制を今取っているところですので、まずはそういったことをしっかりやっていきたいと考えております。

今後については、空き状況もそうなんですが、私が就任して緊急事態を宣言して、それから平成27年8月に策定した本市の保育環境緊急対策というもの、これに基づいて受け皿の確保をしっかりやるということ。ニーズがあるのに入れないということですから。それから保育の担い手の確保が必要です。それから入所事務の改善ということで、できるだけわかりやすく、今ホームページやスマートフォンで空き状況が分かるということになっていまして、実際にその問い合わせの件数自体もかなり多い状況でありまして、全体で保育所の空き情報システムの利用が月間平均7,000件、トータルの利用が、昨年11月から3月末までの5ヶ月間で利用者数が34,965件ということでございますので、かなりこういったことを利活用していただいているということ。それから利用者の支援員、私達は「コンシェルジュ」というふうに呼んでいますけれども、この支援員の斡旋状況も、少ない月でも300件近く、それから多い月だと約2,000件ということで、こういった方々が平成28年度トータルで9,673件、斡旋の相談等々を受けているという状況がありますので、こういったことを丁寧にやっていくことが非常に重要だと思っております。

いずれにしても待機児童対策ということは、常に見ておかなければならないところでありますので、熊本が子育てしやすい環境に以前よりなっているよということを、是非皆さんにも感じていただけるように、これからも最大限の努力をしていきたいと考えています。

 


【質疑応答:熊本城天守閣の復旧工事内容について―2】

【記者】先ほどのお城の話に戻りますけれども、解体の前に足場を組んで中身も出すと思うんですけれども、その話はされていますか。

 

【市長】中身を出すと言うのは「波奈之丸(なみなしまる)」とかですよね。それについては熊本城総合事務所長の方からお願いします。

 

【事務局】「波奈之丸」については、もうそろそろ中で解体して外に出すという作業が始まります。予定では4月中に準備して取り掛かるということになっています。具体的な契約までには至ってなかったとは思いますが、博物館の方で進めてまいります。

 

【質疑応答:「こうのうとりのゆりかご」開設10年について―2】

【記者】こうのとりのゆりかごについてですが、こういう施設を使われないことが大事というのは皆さんが思われていることだと思うんですが、慈恵病院が施設を作る発足当初に、子どもの命を助ける所になるという一方で、逆にそういう施設ができることで行動を助長させるというような是非論があったと思いますが、市長は慈恵病院が熊本でゆりかごを運用し始めた意味をどのように思われますか。

 

【市長】元々慈恵病院の方でこうのとりのゆりかごが設置される時に、相当大きな論争になりました。当時私は県議会議員として関わっておりましたので、当然県でもそういった担当セクションといろんな話をしてきました。私も議会でも散々議論をしてきたんですけれども、全体的に相談体制であるとか、望まない妊娠も含めて様々な困難なケースがあって、妊娠した、しかし妊娠から出産、育児までの一連の中で、やはり公的な相談機能が十分に機能していないというのが、私の最初の実感でありました。ですからそういう意味では、こうのとりのゆりかごが設置されるということで、今まではいわゆる産み落としであるとか、捨て子であるとかというような痛ましい事件が起こっていた中で、救われる命があるということは、一つ評価できることだと思いますし、実際にこれまで救われた命が事実としてあるということは、こうのとりのゆりかごが設置されたことが影響した部分だと思います。

一方で、やはり当初から議論されていた安易な棄児に繋がるというようなこと、そうとも取れるような事例もあるのではないかなと思われますので、そう考えますとやはりこの日本の社会の仕組みの中で、こうのとりのゆりかごの設置というのは、一自治体の一民間病院の取り組みでは済まない問題であるというのが、開設当初からの私の評価であります。ですから今後、神戸の「マナ助産院」の方でも、ゆりかごを設置するというような話があったけれども、結局断念をされたと。やはりこれは医師や人員も含めてですけれども、相当な体制が敷かれていないと難しいというようなことでもありますし、今慈恵病院の運用の中でも、24時間体制で、しかも多くのスタッフの方が病院という命を守る機能は維持したままでやっていて、かなり厳しい状況にあると伺っていますので、今後こうした出産を巡る困難な問題を抱えている方々への対応が、もっと行政でもできるように、国家的に考えるべき問題であると私は認識しています。

 

【質疑応答:みなし仮設入居者に対する支援について】

【記者】みなし仮設の入居者に対する支援の中で、市長が12月だったかと思いますが、被災自治体が集まった会合で、自治体をまたいでみなし仮設に入る、例えば益城町から熊本市のみなし仮設に入るというような人たちの支援を早く実施した方が良いと提案をされて、実際4月ぐらいからようやく始まるんですけれども、それでも発災から1年経っても、同じ熊本市に住んでいながら、支援と言いますかサポートが届かないという現状ができてしまったんですが、このことについてはどのように思われますか。

 

【市長】元々みなし仮設についても、この見守りは基本的には自治体の方、それから県も含めてですけれども、もちろん仮設住宅設置の主体というのは災害救助法の主体である県が一義的には行うものではありますけれども、とは言え、やはり自治体間の横の連携は非常に重要であります。ただ、今ご指摘があったように、1年掛かってようやく相互の見守りができるように少しずつなるということ、これはやはり制度的な問題もあったと思いますけれども、一方でこうした事態を、あまり過去の災害で想定してきていないということはあったんだというふうに思います。ですから、今回熊本モデルというわけではありませんけれども、できるだけ多くの隣接する市町村が一緒になって見守り活動を行っていくということが非常に重要でありますので、ただこれは要請を受けないと、我々はなかなか動けないというのも制度上ありますので、被災自治体の住民の方がみなしで熊本市内に移られる方、その町あたりがしっかり分析して、私達のところに「この方は見守りが必要です、お願いします」という要請をいただかないと、これはなかなかできないというところがありますので、勝手にこれを熊本市民以外の住民の方を見守ることはできないということもありますので、そういった点では少し丁寧にいくことが必要だと思います。

 

【記者】これから熊本市は、みなし仮設を含めていろんな支援メニューが今年度始まると思うんですけれども、そういった方達にも、例えば熊本市は連携中枢都市のリーダー役として、益城町から転入してきているんだけれども同じように使っていいんじゃないかというような考えはないですか。

 

【市長】当然ながらそういう考え方でいくべきだと思います。あらゆることを含めて、当然被災自治体同士の色々な連携というのは密にしていかなければならないと思いますし、皆それぞれ行政区が違うからといって被災状態が変わるわけではありませんから、本当に深刻な方に対してきめ細やかに対応していくというのは、当然自治体として責務であると思いますし、連携中枢都市圏ということで、17の市町村同士がそれぞれ連携協約を結んでいるわけでありますけれども、こういった連携を更に深めていく、そして被災後の復旧復興期にどういうふうに連携をしていくのかということは、今後もずっと深く考えていかなければならないと考えています。

 

【質疑応答:「こうのうとりのゆりかご」開設10年について―3】

【記者】先ほど市長が、匿名出産など海外の事例も研究してはいかがかとおっしゃいましたが、市長から国に、匿名出産であるとかゆりかご以外の制度について検討してくれと、直接お伝えされたことはありますか。

 

【市長】国には、これまでにゆりかごを通して見えてきた課題について、色々と検討していただきたいと考えています。要は国家としてこうした問題を捉えていただきたいということは常に申し上げてきましたので、そういう意見交換の中では、匿名出産の話であるとかそういったことも政務三役の皆さん方であったり、事務次官であったり、そういった方々には個別にお話しているということです。全般的に要望としては、やはりこうのうとりのゆりかごの課題について、全国的な公的な相談体制の構築、こういったことを中心に今まで要望はしてきております。

 

 

待機児童の件につきましては、このあと先ほど申し上げたようにレクチャーさせていただくことにしておりますけれども、もう1件、今日の熊本日日新聞さんに、被災マンションに関する記事が掲載されておりまして、公費解体申請を特別措置法で区分所有者の8割以上の同意で決議可能となっているものに関して、本市が全員同意を要求しているというような見出しで記事がありましたけれども、この件について、法的な手続きということも含めて、結構複雑な部分がございます。この件につきましても誤解が生じるといけませんので、どういう仕組みかということも含めて、この後担当課から改めて記者の皆さんにレクチャーさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。   

 

 

(終了)

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