平成29年10月25日 定例市長記者会見
【市長報告:本市の公共施設で発生した火災について】 |
市長記者会見の様子 |
会見に入ります前に、2点お詫びを申し上げます。
去る22日(日)、市庁舎9階において、また、昨日24日(火)、植木火葬場において相次いで火災が発生いたしました。市民の皆様や関係者の方々に、ご心配とご迷惑をお掛けし、お詫び申し上げます。
市庁舎火災については、昨年12月の火災発生後、設備の点検等を実施するなど、再発防止に努めてきていた中発生したものであり、極めて重く受け止めております。現在、出火原因等については調査中でありますが、市庁舎のみならず他の市施設についても、速やかに電気設備等の再点検を実施し、二度と火災が発生しないよう、防止策を講じてまいります。
また、植木火葬場については、煙突周辺の屋根の部分、約8平方メートルを焼損したため、出火原因の調査分析及びそれを踏まえた屋根の修理や炉の状況確認が終わるまではご利用できない状況にあります。今後、出火原因の調査分析や利用再開の時期等について明らかになりましたら、報道発表等を通じてお知らせいたします。
【市長報告:衆議院小選挙区熊本市南区選挙開票録の紛失について】
次に、先般の衆議院議員総選挙で、南区開票所において、開票に関する事実を証明するための重要な書類であります「選挙開票録」を紛失する事態が発生いたしました。
立候補者の皆様、開票立会人の皆様を始め、多くの関係者並びに有権者の皆様に多大なご迷惑をお掛けいたしましたことについて、深くお詫び申し上げます。
詳細につきましては、昨日、市選挙管理委員会事務局から発表があったとおりでございますが、昨日中に開票立会人4名の方々に今回の顛末を説明し、開票録の作成についてご理解を得ることができましたため、署名・押印をいただき、本日、熊本県選挙管理委員会に届けることができました。作成いたしました開票録は、予定された選挙会において正本として取り扱われるため、選挙の効力には影響がないと考えております。しかしながら、今回の紛失事案はあってはならないことであり、市選管並びに区選管に対し、あらためて適切な事務処理の徹底を強く要請したところです。
このような不祥事は、市民の皆様からの市政に対する信頼を著しく損なうものであり、今後は全職員が公務員の責任の重さを自覚するとともに、緊張感を持って公務にあたるよう今一度引き締めてまいります。
【市長報告:パラアイスホッケー日本代表の平昌(ピョンチャン)オリンピックに向けた直前合宿について】 | 市長記者会見の様子 |
それでは会見に入らせていただきます。本日は発表項目が1点ございます。 平成30年3月に開催される平昌(ピョンチャン)パラリンピックに出場する、パラアイスホッケー日本代表チームの強化合宿が決定いたしました。 パラアイスホッケーとは、下肢に障がいを持つ人たちのために、「アイスホッケー」のルールを一部変更して行うスポーツです。冬季のパラリンピック出場は、銀メダルを獲得した2010年バンクーバーパラリンピック以来、2大会ぶりの出場となります。 今回の熊本合宿は、一般財団法人熊本国際観光コンベンション協会が、日本パラアイスホッケー協会へ熱心な誘致活動を行い、実現したものです。本市としても、パラリンピック強化合宿を受け入れることにより、障がいの有無を超えて、スポーツを通じて社会参加できる機会を積極的に支援できればと考えております。 合宿期間は、平成30年2月9日(金)から2月12日(月)までの4日間、場所は熊本市総合屋内プール(アクアドームくまもと)のスケートリンクで行います。参加者は選手・スタッフ含め25名の予定で、中学生以上の下肢障がい者の方を中心に、アイススレッジ(そり)に実際に乗ってもらう体験会のほか、アイスホッケーの体験会も併せて予定しております。また、合宿期間中は一般公開しており、見学も可能です。冬のパラリンピック競技は、なかなか見る機会がないので、皆様もぜひこの機会に見学をしていただくとともに、平昌(ピョンチャン)パラリンピックでは、躍動する日本代表チームを熱く応援していただければと思います。
【市長報告:被災者支援体制の強化について】
次に、被災者支援に係る庁内の体制強化についてご報告いたします。
本市では、今年度を「復興元年」と位置付け、被災者の生活再建を最優先課題として取り組んでおり、とりわけ7月からは、応急仮設住宅入居者の恒久的な住宅への移行に向けて、伴走型の住まい再建支援を実施しております。そのような中、応急仮設住宅への入居から1年半が経過し、健康面や日常生活面、将来への不安が増している被災者お一人おひとりの実情に寄り添った支援が一層重要となってきております。
そこで、既に報道していただいているところですが、被災者の生活再建を後押しするとともに、被災者の健康維持や安心した日常生活を確保するため、市民病院における診療の維持、新病院の開業も見据えた上で、市長事務部局に看護師等の専門職職員を10月20日付けで配置いたしました。
具体的には、被災者の見守り・生活支援等を行っている各区役所の地域支え合いセンターや、仮設住宅等の管理を行っている震災住宅支援課などを中心に27名を配置したところです。今回の体制整備により、効果的な支援をより一層推し進め、早期の生活再建に繋げてまいります。
【市長報告:防災に関する取り組みについて】 | 市長記者会見の様子 |
フリップ(2) (PDF:194キロバイト) 最後にお知らせが1点ございます。 国、県及び本市それぞれで、11月に防災に関する取り組みを行います。市民の皆様にはこの機会に防災意識の向上に努めていただけたらと思います。 まず、1日(水)に、県による『熊本シェイクアアウト訓練』が行われます。この訓練は、地震発生時の初動対応訓練であり、具体的には地震の発生を想定して、その場で「姿勢を低く、頭を守り、動かない」という安全確保行動を一斉に行っていただくものです。いざという時に備えておくためには、日頃の訓練が不可欠です。市民の皆様には初動対応を身につける機会となりますので、是非ご参加いただきたいと思います。 次に、14日(火)に、消防庁による『Jアラートを活用した防災行政無線などのテスト放送』が行われます。Jアラートとは、弾道ミサイル情報や緊急地震速報など、国から発信された情報を瞬時に住民に伝えるシステムのことであり、今回のテスト放送は、消防庁からの情報をJアラートで受信し、同報系防災行政無線(屋外スピーカー)で正常に放送等が行われるかを確認するためのものです。 これらに加え、本市では、当初検討していた、弾道ミサイル落下時の住民参加型の避難訓練に代えて、『避難行動に関する啓発活動』を重点的に実施します。具体的には、本市ホームページ(掲載済)や、市政だより11月号での掲載、さらにはテレビ・ラジオの市政広報番組等を通じて周知啓発を行ってまいります。 つきましては、市民の皆様の自助の意識がさらに高まるよう、報道各社においても、ぜひ周知啓発へのご協力をよろしくお願いいたします。なお、詳細は、お手元の資料にてご確認をお願いします。私からは以上でございます。 - 報道資料 (PDF:417.6キロバイト)
【質疑応答:パラアイスホッケー日本代表の平昌(ピョンチャン)オリンピックに向けた直前合宿について】 | 市長記者会見の様子 |
【記者】まずパラリンピックのアイスホッケーについてなんですけれども、アイスホッケー自体がまだなかなか競技人口が少ないスポーツになるかと思うんですけれども、熊本市としては何か盛り上げるためのイベントだったり、そういったものを考えられていますか。
【市長】パラアイスホッケーの日本代表合宿ですが、これはもともとやはりパラアイスホッケー自体がなかなか皆さんにあまり馴染みがない、あるいはテレビでも多く放送されていないということで、皆さんよくご存じないというところがあると思います。今回中学生以上の下肢障がい者を対象に、アイススレッジというそりに乗っていただく体験をしてもらいたいと考えておりまして、また一般の方にも体験していただくということを今考えているところです。当然代表の皆さんがお見えになりますので、合宿に伴って多くの皆さん方を歓迎するようなことというのは何か考えたいと思っているところでございます。実際に日本パラアイスホッケー協会であるとか、本市のアイスホッケー協会であるとか、あとは障がい関係の団体、実行委員会も作られていますので、こういういろいろな団体の皆さんとも連携しながら盛り上げていきたいと考えているところでございます。
【質疑応答:市庁舎火災に係る今後の再発防止について】
【記者】火事に関してなんですけれども、やはり去年12月から立て続けに起きてしまったということで、どうしても市民からもまたかというような声もあるかと思うんですけれども、具体的に今後の対策というのが気になるところだと思うんですけれども、そのあたりをお聞かせいただけますか。
【市長】まず、市役所9階で起きた小火でありますけれども、これは充電していた機器から出火しただろうと今考えられているということでありますけれども、発生した翌日10月23日の朝、臨時で庁議を開きまして、こうした火災についての報告を受けるとともに、幹部職員に対してこうしたことを絶対に起こさないようにするために徹底して各部署で対策を講じるようにということで私から強く指示を出させていただきました。そうしたことを受けて、10月24日付で副市長名で火元責任者である各課、室長に通達を出しまして、今後このようなことがないように各部署で緊急点検と改善措置を実施するということ、それから継続的な取り組みによって職員の防災意識を向上していくということで、組織のリスクマネジメントを醸成するように図ることとしたところです。具体的には、毎月最終金曜日に各課、室の長が火元責任者になるわけでありますけれども、主体となって電源等の点検と電源のレイアウト、例えばここは古い庁舎でもありますのでコンセントがどうしても足りないということで、電源タップを使ったり、それからそういうコンセントを使っていろいろな機器を繋いでいるわけですけれども、そういった電源のレイアウトを各課で必ず全て確認して、状況が変わっていないか、例えばたこ足配線になっていないか、あるいはコンセントの緩みがないか、ゴミが溜まっていないかとか、そういうことも含めてあるいは充電機器を放置していないかとかですね。実際に市庁舎9階の小火は日曜日に起こっています。前回も休みの日でした。ですからそういうことを考えると、やはり毎日人が出てきていると気付く部分が、やはりそうやって充電とかそういったものが放置されていたりとかそういうことを未然に防ぐために、毎月最終金曜日に確認すること、それを実施した結果をきちんと各局の主管課長が取りまとめて各局長へ報告することにしたということです。電源のレイアウトを変えた場合には速やかに更新しなければならないということにしておりますし、それから人事異動後にやはりきちんと事件・事故・事務処理ミス発生時の対応フローの確認を確実に行うということと、火災対応マニュアルについても改めて職場内での周知、啓発、徹底をするということを今対応しているところでございます。そういうことで対策を打っていきたいと思っていますが、やはりこれから冬場にかけてより乾燥もしますし火災のリスクが非常に高まります。本市の関連施設も含めてですけれども3度火災が起こったということでありますので、もうこれ以上のことが起こらないように、また市民の皆さんにご迷惑、ご心配をお掛けしないように、緊張感を持って取り組んでいきたいと考えております。
【質疑応答:市庁舎9階小火の出火原因について】
【記者】今の質問に関連しますけれども、市役所9階での小火ですけれども、出火原因というのは電気的な要因が可能性があるということですが、特定はまだされていないということですか。
【事務局】今回の本庁舎の出火箇所でございますけれども、充電器本体と充電器、充電中の電池、どちらからかの出火と考えております。ただ詳細についてはこれから調査を進めまして最終的にはご報告したいと思っております。
【記者】究明中ということですか。
【市長】はい、原因究明中ですが、そこの充電器付近からの出火と見て、今そこを重点的に確認しているということです。
【記者】先ほど市長がおっしゃった再発防止策なんですが、これは市の施設全てで行うということですか。例えば区役所、まちづくりセンターですとか。
【市長】もちろんそうです。ですから火元責任者というのが課長や室長ということになっています。それぞれの施設で必ず定められていますので、そこできちんと確認を行うということが極めて重要であります。そういうことをやはり一つ一つ面倒でもやっていかなければまた引き起こしかねないというふうに私は危機感を持っていますので、そういうことを徹底するように指示したというところでございます。
【記者】昨年12月に火事が起きた時も、たこ足配線ですとか、その点検を指示されていたかと思いますが、今回は毎月最終金曜日に各その担当に対してレイアウトとかを確認してもらうというのが新たな追加ということでしょうか。
【市長】そうですね。新たに今後さらに取り組むということです。それからあとは、不要な電気関係の、例えば機器類を繋ぎっぱなしにしてあるとか、あるいは不必要なものであるとか、他で代替できるものはできるだけ外す、あるいは撤去するということを全庁的には徹底させたいと、現在それとは別にオフィススペースや職務環境の改善ということで、全庁的に清掃や職場の中の見直しを内部的に行っているところです。そういったことも合わせながら、そういう確認もさらに徹底していきたいと考えています。
【質疑応答:植木火葬場の代替施設について】
【記者】植木火葬場が利用できないということなんですが、これは利用できない場合は代わりの施設としてはどこですか。
【市長】代わりの施設としては当然本市の斎場ということで、東区にある熊本市斎場で当面対応します。熊本市斎場は、年間1万件ほどの処理能力があります。平成28年度において、植木火葬場が年間に414件、これは一日平均1.1件の処理件数で、熊本市斎場が7,045件ということですので、そういう意味では対応はなんとか可能ということではないかなと思っていますが、利用が集中するということも考えられるということ、あと立地が離れています。そういったことで非常にご不便をお掛けするということもありますので、今後火災の原因と、それと施設自体も老朽化しておりますので、どういうふうにしていくのかということも総合的に検討しながらまた皆様方にお知らせしていきたいと思っています。
【記者】ここは旧植木町の方が利用されると考えていいんですか。 【事務局】やはり主に北区、植木町の方のご利用が多いです。
【市長】それ以外にも山鹿市にも斎場がございます。これも北区から比較的近いところにありますが、これは市外の利用ですと利用料金が倍になります。そういうことも含めて、山鹿市さん等とも話しながら、例えば共同の利用はできないかも含めてですけれども、そういうことも今後検討していかなければならないのではないかと。しばらく植木火葬場が使えないとか、あるいはこの施設自体をどうするかとなった場合には、そういうことも今後検討していかなければならないのではないかということで考えておりますが、まずは火災が起きてその原因を究明していくということがございますので、まずそこを急ぎたいと思っているところです。
【質疑応答:開票録紛失に対する市長の所感について】 | 市長記者会見の様子 |
【記者】開票録の紛失についてなんですけれども、かなりトラブル等気を付けられて対応されていたと思うんですけれども、結果的に紛失されていたということで、これはやはり少し気の緩みみたいなところが招いたものなのでしょうか。その辺の市長の考えをお聞かせください。
【市長】やはり開票事務というものがいかに重要なものか、そしてその一票一票の投票していただいた皆さん方の思いというのを、きちんと公正な手続き、選挙という極めて重要な手続きによって民主主義というのが成り立っているということを考えますと、その重みというのがある意味では事務処理的に形骸化しているのではないかと考えています。今気の緩みというお話がありましたけれども、私は緊張感の欠如であると言わざるを得ないと思っておりますので、そういう意味ではこの報告を受けた時に私からは大変厳しく、そういうことについての原因究明も含めてですけれども、徹底するように要請したところです。やはり例えば選挙結果を確定させる、日本ではある意味では選挙というのは、今回熊本では投票率が上がりましたけれども、諸外国では時にはそういう選挙の公正性を保つということがなかなか難しいようなこともある中、選挙という極めて民主主義の根幹をなす手続きが非常に重いものだという意識がどうしても最近薄れているということが、私はどこかあるのではないかと思っています。これは前回の参議院選挙からですけれども、18歳以上の新たな有権者が誕生して多くの民意を選挙に反映させようということで、しかも投票率の向上も含めてですけれどもやはり選挙に参加する、その参政権というのをきちんとそういう形で発表していくために、選挙の投開票事務というのはその根幹ですので、いかに重要なものかということを改めて投開票事務に関わる職員全てにそういう意識を徹底させる必要があると考えています。
【質疑応答:衆院選で当選した県選出議員に今後期待することについて】
【記者】選挙に関連して、1、2区で新しく自民の前職が、国会議員の方々が当選されましたけれども、熊本市として今後期待されることというのを伺えますか。
【市長】それぞれ選挙で当選された衆議院議員の皆さん方には、改めてお祝いを申し上げたいというふうに思います。それと同時に、本市としても喫緊の課題としては、当然熊本地震からの復旧・復興という大変大きい問題がございますので、この点に関しては熊本県選出の国会議員としてぜひさらに国からの支援をいただけるようにお願いしていきたいと思っています。それからさまざまな政治課題がある中で、やはり子育て支援でありますとか、そういったことへの今回全体的な訴えも各政党でマニフェストや公約を出されたわけでありますけれども、そういったことをどう充実していただけるのかと、国の方向性を示すため、また地方創生についてもきちんと公約やマニフェストに言及がございましたので、そういったものについてどのようにリードしていかれるのかということには、私も極めて注目しているところです。それと同時に、ぜひ国会議員の皆さん方には、やはり自治体のそれぞれの声、地方の声、現場の声というのを良く聞いて、それを国政に反映していただきたいということをお願いしたいと思っています。
【質疑応答:被災者住宅支援のスピード感に係る市長の評価と今後の動きについて】
【記者】熊本市の各区、恒久的住まいの確保ができていない人が多数見受けられるんですけれども、そのスピード感とかについて市長はどう評価していて、具体的な今後の動きとかありましたら教えてください。
【市長】被災者支援に対しては、やはり震災から1年半という期間が経た現在でも1万世帯以上の皆さん方がまだ仮設住宅等に入居しておられるということは、今回仮設住宅入居の供与期間の1年間延長という、いろいろな条件がある中でも1年間延長という方針が示されはしましたけれども、やはり供与期間の原則というのは2年間ということもありますので、できるだけ速やかに皆さん方に恒久的な住まいに移っていただくように全力で取り組んでいかなきゃいけないと思っております。そういう意味では、先ほどもお話しましたけれども、そういう伴走型の支援あるいは見守りの支援をしていくために人事体制を強化し、取り組んでいこうということであります。またこの仮設住宅の延長するしないも含めてなんですが、こうした事務も急がなければ、来年の4月には早くも供与期間2年という方がもう出てくるわけであります。そうしますともっともっとスピード感を持って対応していかなければならないと考えております。
【質疑応答:衆院選の結果に対する市長の所感について】
【記者】選挙の話に戻ります。衆院選について先ほど期待される内容というのを話していただいたんですが、それとは別に選挙自体今回自民党の圧勝という形で終わりました。野党の分裂などありまして、政策的な議論が深まったとは言えないような部分もあるかと思いますが、選挙の結果についてご印象といいますか、ご所感をお伺いしたいと思います。
【市長】一つは今回の解散総選挙というのが、当初内閣が改造された後でありましたから、この解散時期についても唐突な感じを持った方が大変多かったのではないかなと思いますが、その後やはり野党の再編であるとかそういった政局のことがクローズアップされてしまって、本当に今後の政策的な面で日本の方向性をどういうふうに示していくのか、各党が政策を中心に切磋琢磨して今回の選挙が行われたとは言い難い状況にあったと私自身は考えています。候補者の皆さんはそれぞれ訴えをされたというふうに思いますが、全体の印象として申し上げれば、やはり政局中心、それから野党再編も含めたそういったところにどうしてもスポットが当たった感じがあります。そういうこともありますので、実際に例えば保育教育の無償化であるとか、教育負担の軽減であるとか、こういったことが自民党や公明党でも政策の中心に挙げられていたわけであります。大体マニフェストの筆頭にそういったものが書かれているということを考えますと、こうしたものに対して、人づくりに対してどうするのかということも含めて、あるいは少子化に対応するためにどうしたらいいのかという、そういう政策議論がやはり選挙の時にもっと深まるような努力をしていただくべきではないかというのは、今回の選挙を全体的に見て感じたところであります。それはやはり国民から見ても、割と政局はドラマティックでもあるので、一瞬そういうふうに目が向きがちなんですけれども、本質的には国民が求めていること、今困っていることが何なのかということについて、選挙の機会を通じてやはり民意をしっかり受け止める、そして自らの政策的な考えを示すということが、選挙というのは非常に重要だというふうに思いますので、そういう意味では今後やはり当然政治ですからそういう政局の部分であるとか権力闘争的な部分であるとかというのはやはりクローズアップされる部分は当然あると思いますけれども、その上で何を実現するのかということを選挙戦の中で訴えるような形にしていただきたいと思っています。今後は、今回特にそういうことで選挙が終わりました結果、自民、公明の与党が圧勝するということでありました。この結果については、それぞれ国民の皆さんの判断があったというふうに思いますが、そういう安定した政権を築かれるということであれば、尚更具体的に各公約あるいはマニフェストに示されたことを国会での論戦の中でしっかり深めていただいて、国民に分かりやすくこの政策を実行していただきたいと考えているところです。特に、保育教育の無償化であるとかそういったことも含めてなんですが、こうしたことというのは実は基礎自治体と非常に密接に関わる政策テーマなんです。ですから私たち自治体の声というのをもっともっと国に聞いていただく、現場の声を受け留めていただく必要があると思います。今後国会での論戦がさまざま繰り広げられていくと思いますけれども、地方創生もそうですが、やはりこういったテーマについて、掲げられていることについては、私たちもきちんと自治体として要望であるとか提案であるとか、こういったことは積極的に行っていきたいと考えています。
【質疑応答:選挙制度のあり方に対する市長の所感について】
【記者】選挙に関連してなんですが、今回衆議院選挙で熊本県内小選挙区が5区から4区になりました。これは一票の格差の是正ということで公職選挙法の改正に伴うもので、それから定数削減ということになっているということなんですけども、一方でこういった一票の格差の問題をずっと今後の人口減という見通しの中で見ていきますと、なかなか地方の代弁者といいますか、それが減ってしまうのではないか、選挙区がますます減ってしまうのではないか、参議院の場合ですと合区なんてこともありましたけれども、そういった今回5区から4区に県内選挙区が減ったという中で、今後のそういった地方の声、代弁者の確保という観点ですね、憲法の改正というのも一つはそういった一票の格差の問題というのも含めていろいろ議論になっていくのかもしれませんけれども、こうした選挙制度のあり方というのもそろそろ限界が来ているのかなという印象もありますけれども、市長はいかがお考えでしょうか。
【市長】現実的にはなかなかこの選挙制度というのは、各国で非常に難しい問題があると思いますけれども、今回やはり過疎化でありますとか、高齢化が非常に進んでいる地方においてそういう代弁者が減ってしまうということについては、やはり地方自治体を預かる長としては、できるだけそういう地方の声を国会に届けていただけるような形をぜひ制度の中でお願いしたいと思っています。一方で、やはり一票の格差を含めて司法によってその正当性が問われているということで、判決もさまざまな違憲判決も含めて、一票の格差については毎回選挙のたびに議論がなされるわけでありまして、そういったことを解消していくということも必要なことです。それから定数自体についても、世界的に見て国会議員の定数というのが日本の場合どうなのかということ、あるいは議員の方々の活動のあり方というのがどうなのかというのも一方では問われていると思います。ですから今回の選挙の区割り、こういったものを通じてやはり国民の皆さんが国会議員、国政に望んでいくために一番やりやすい、いろいろ国民、市民、地域の意見を代弁していただくという意味で真剣に考えて声を上げていく必要があるんだろうなと思います。これはやはり国民主権でありますから、国民の皆さんがそういった選挙結果を踏まえて、あるいはこの区割りで実際に今回経験してみたことを踏まえて、またいろいろと声を上げていただく必要があるのではないかなと思っています。例えば熊本4区、3区もそうですが、かなりエリアが広いです。それと候補者と有権者との例えば対話の機会であるとか演説を聞く機会であるとか、やはり回数的にもかなり減少していくということもありますので、そういうことを考えますと、今の制度が限界というふうにおっしゃいましたけれども、やはり制度というのは何らかの工夫を考えていかなければならないところにきているんだろうと思います。
(終了)
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