令和元年第3回定例市議会 市長提案理由説明
提案理由の説明に先立ちまして、災害や事故、不祥事の御報告とお詫びを申し上げます。
まず、一点目でございますが、今般、佐賀県や福岡県を中心に発生いたしました令和元年八月の前線に伴う大雨について御報告申し上げます。
この大雨により被災地におきましては、尊い命や財産が失われるなど甚大な被害がもたらされております。
ここに、お亡くなりになられた方々の御冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、被災された多くの皆様方に対し、謹んで御見舞い申し上げます。
本市といたしましては、八月二十八日に総務省消防庁から緊急消防援助隊の出動要請を受け、消防局職員三十九名を佐賀県大町町に派遣し、八月三十日までの間、救助活動等に携わりました。
同じく二十八日には、指定都市市長会からの要請を受け、「佐賀県庁現地調整会議」に職員三名を派遣いたしました。
また、九月二日には、内閣府及び佐賀県からの要請に基づき、「みなし仮設及び被災者住まいに関する会議」に職員四名を派遣するなど、これまでに合計四十六名の職員を派遣したところでございます。
今後も被災地と協議を行いながら、必要な支援を行ってまいります。
次に、七月五日に中央区呉服町二丁目の遺跡発掘調査中に発生した事故について、御報告申し上げます。
現場は民間の共同住宅建設予定地で、当日は職員計十一名で発掘調査を行っていたところ壁面が崩落し、全身生き埋めとなった職員一名がお亡くなりになられ、下肢のみ生き埋めとなった職員二名が負傷されたものでございます。
ここに改めて、お亡くなりになられた職員の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された職員と御家族に御見舞いを申し上げます。
この事故に関しまして、議員各位をはじめ、関係者や市民の皆様に御心配をお掛けしたことに対し、本市の最高責任者として衷心よりお詫び申し上げる次第でございます。
本市としましては、このような事故が二度と発生しないよう、現在、第三者による事故検証委員会における御指摘等を踏まえた再発防止の対策に取り組んでいるところであり、全ての業務における安全管理を徹底してまいります。
最後に、職員の不祥事について、御報告申し上げます。
去る八月二十三日、酒気帯び運転により交通事故を起こした市立中学校の教諭を懲戒免職処分といたしました。
不祥事防止に向け、全庁を挙げて取り組んでいるなか、このような不祥事が再び発生しましたことを大変重く受けとめております。
職員一人ひとりに、法令遵守はもとより、常に全体の奉仕者として強い自覚と緊張感を持って職務に専念するよう、改めて周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
議員各位をはじめ、市民の皆様に対しまして、市長として深くお詫び申し上げるとともに、市民の皆様からの信頼回復と再発防止、さらには職員の意識改革に全力で取り組んでまいります。
続きまして、三点、本市事業等の御報告と御案内を申し上げます。
まず、「SDGs未来都市」について御報告申し上げます。
本市のSDGsに対する提案が「SDGs未来都市」、並びに「自治体SDGsモデル事業」として国から選定されました。
特に、先導的な取り組みが選定される「自治体SDGsモデル事業」に対して、本市は「熊本地震の経験と教訓をいかした地域(防災)力の向上事業」を提案しました。
その結果、本市をはじめ全国から十都市が選定されたところでございます。
今後は、地域エネルギーの地産地消の促進や、EV車の電力供給に係る官民連携事業等からなる災害時をはじめとしたライフラインの強靭化により、地域防災力の向上を図るとともに、SDGsの普及啓発にも取り組んでまいります。
次に、国際スポーツ大会について、御案内申し上げます。
御承知のとおり、いよいよ「ラグビーワールドカップ二〇一九」が九月二十日に開幕され、本市でも十月に二試合が開催されます。
さらに、十一月三十日には、「二〇一九女子ハンドボール世界選手権大会」も開幕し、本市を中心に県内で計九十六試合が開催される予定でございます。
世界レベルの迫力あるプレイを間近で体感することは、未来を担う子ども達に夢と希望を与えるとともに、本市のスポーツの振興にも大きく貢献すると考えております。
また、二つの国際スポーツ大会の開催に伴い、世界中から多くの方々が本市を訪れていただくことを想定しており、ラグビーワールドカップの熊本での試合直前には、熊本地震により被災した熊本城大天守の外観復旧工事の完成に伴う特別公開も開始いたします。
世界中からの御支援によって、着実に復旧が進んでいる熊本城の雄姿を多くの方々にご覧いただくことは、本市の魅力や熊本地震からの力強い復興を国内外にアピールし、さらなる飛躍に繋げる絶好の機会と捉えております。
そのためにも、万全の体制で国際スポーツ大会の開幕を迎えるべく、関係各所と連携を図りながら準備を進めておりますので、議員各位におかれましては、今後とも御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後に、新・熊本市民病院について御報告申し上げます。
熊本地震からの復興のシンボルとして移転再建に取り組んでまいりました熊本市民病院が、去る六月末に竣工いたしました。
今後は、十月一日の開院、十月七日の診療開始に向け、着実に準備を進めてまいりますとともに、熊本地震による教訓を踏まえた災害に強い病院としての機能を果たしつつ、地域の基幹病院として貢献してまいりたいと考えておりますので、今後とも御高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
それでは、提出議案について、説明に入らせていただきます。
今回の補正予算案は、先ほど御報告申し上げました「自治体SDGsモデル事業」に選定されたことに伴うモデル事業の実施経費のほか、去る五月八日に滋賀県大津市の交差点で発生した園児死傷事故を踏まえ、危険性が高い交差点に安全対策を講じる経費など、今後の業務推進上、速やかに対応する必要があるものを提出しております。
まず、補正予算案の概要について申し上げますと、一般会計において十三億七千六百一万円の増額、補正後の予算額三千七百五十三億七千八百九十九万円となり、一般、特別、企業会計合計の補正後予算額は、六千七百四十四億三千六百八十四万円となりました。
補正後の予算を前年同期と比較いたしますと、一般会計では一・七%の増、全体の合計額では一・九%の増となっております。
主な内容について部門別に申し上げます。
まず、議会部門では、フランス・エクサンプロヴァンス市等への訪問団の派遣に要する経費を計上しております。
次に、政策部門では、国際交流会館の中央監視設備の改修に伴う設計業務委託などに要する経費を計上しております。
次に、市民・区役所部門では、繁忙期の窓口混雑解消に向けた住民異動届の入力業務委託に要する経費のほか、全区役所に証明書自動交付機を設置する経費などを計上しております。
次に、健康福祉部門では、新たに一般不妊治療を補助対象に拡充する経費のほか、十月から実施される幼児教育・保育の無償化に合わせ、多子世帯が負担する保育園等への副食費の助成経費などを計上しております。
次に、環境部門では、先ほども申し上げましたが、SDGsの普及啓発に要する経費のほか、「自治体SDGsモデル事業」の実施に伴う、EVバスの運行分析に要する経費などを計上しております。
次に、経済観光部門では、市民部門と連携し、消費税増税対策として、マイナンバーカードを活用した消費活性化に要する経費のほか、景気の動向や大型商業施設の開業による人の流れの変化等を把握するための調査経費などを計上しております。
次に、農水部門では、六月と七月の豪雨により被災した農地等の復旧経費のほか、組織改編に要する経費を計上しております。
次に、都市建設部門では、市民の皆様からの声に対応するための生活道路等の修繕経費のほか、来年四月に予定しております土木部の組織改編に伴う南区役所等の施設改修経費などを計上しております。
次に、消防部門では、国の補助内示を受け、消防団の機能強化のための資機材購入に要する経費を計上しております。
最後に、教育部門では、あおば支援学校の開校に伴うスクールバスの運行経費のほか、小・中学校の給食調理業務等の外部委託経費などの債務負担行為を計上しております。
以上が、補正予算の歳出の説明でありますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う国・県支出金等の特定財源や市債を計上しますとともに、一般財源として繰越金を充当しております。
続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、まず、「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行等に伴う関係条例の整備に関する条例」及び「熊本市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例」の制定について御説明いたします。
これらは、地方公務員の臨時及び非常勤の職員について、一般職としての会計年度任用職員に係る制度が創設されるとともに、特別職の任用及び臨時的任用が厳格化されることに伴い、当該会計年度任用職員の給与等に関する規定を新設するなど関係規定の整備を行うものであります。
このほか、これらに関連して公営企業職員の給与に係る条例三件についても併せて一部改正いたします。
次に、「熊本市使用料及び手数料の改定のための関係条例の整備に関する条例」の制定についてでありますが、これは、市民サービスの提供に当たって徴収する公の施設等の使用料及び証明書交付等の手数料について、適正な受益者負担を確保するため見直しを行った結果、当該使用料及び手数料の改定を行うこととするものであります。
その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。
以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。