令和2年第4回定例市議会 市長提案理由説明
提案理由の説明に先立ちまして、本市の新型コロナウイルス感染症への対応について三点御報告を申し上げます。
まず、今月六日、新型コロナウイルス感染症により、一名の方がお亡くなりになりました。
ここに、衷心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様に謹んで御悔やみ申し上げます。
次に、本市職員の新型コロナウイルス感染について御報告いたします。
今月二十六日、本市の職員が業務遂行中に新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。
これに伴い、当該職員が勤務する市庁舎二階を閉鎖し、接触者のPCR検査を実施するとともに、二十七日夜に同フロアの消毒を行いました。
このことによって、市民の皆様に多大なる御迷惑をお掛けしましたことを重く受け止め、改めて、職員の感染防止対策を徹底してまいります。
次に、本市の感染状況と今後の対策についてでございます。
本市のリスクレベルにつきましては、先月二十四日に開催した第四回熊本県・熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議における御意見を踏まえ、県のリスクレベルとの一本化を行ったところです。
今月二十五日に発表された熊本県における現在のリスクレベルは「レベル三警報」であり、本市においては、今月に入り四件のクラスターが発生しております。
さらに、リンク不明感染者の割合も高いなど、今後の感染拡大が懸念されるところです。
そこで、県市連携により中心市街地飲食店緊急PCR検査の受検勧奨の強化等を行うとともに、国の新型コロナウイルス感染症対策分科会が取りまとめた、感染リスクが高まる「五つの場面」の回避等の啓発を行うなど、改めて基本的な感染防止対策の徹底を図っているところです。
また、今後は季節性インフルエンザの流行期を迎えることから、新型コロナウイルス感染症との同時流行への備えに万全を期すこととしております。
議員各位におかれましては、御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
それでは、提出議案について、説明に入らせていただきます。
今回の補正予算案は、「新型コロナウイルス感染症」への対策経費をはじめ、南区役所や西消防署等の耐震改修経費など、今後の業務推進上、速やかに対応する必要があるものを計上しております。
また、新たに里親養育を推進するための包括支援経費をはじめ、来年度当初から業務を開始することとなる施設の維持管理経費等について、今年度中に入札等の契約事務を実施するための債務負担行為も計上しております。
まず、補正予算案の概要について申し上げますと、一般会計において五十四億三千二百八十八万円の増額、補正後の予算額四千五百六十二億四千二百七十七万円、特別会計において一億四千七十万円の増額、補正後の予算額二千八十一億一千三百二十七万円、企業会計において百二十九万円の増額、補正後の予算額八百十七億九千百十五万円となり、全会計の合計では補正額五十五億七千四百八十七万円、合計の補正後予算額は七千四百六十一億四千七百十九万円となりました。
補正後の予算を前年同期と比較いたしますと、一般会計では二十・八%の増、特別会計では二・八%の減、企業会計では三・七%の減、全体の合計額では十・三%の増となっております。
主な内容について申し上げますと、まず「新型コロナウイルス感染症」対策関連の補正予算ですが、今回の補正予算案では合計で四十七億三千五百七十一万円を計上しております。
分野別に申し上げますと、まず、総務部門では、感染症等への対応により増加した業務に係る人件費でございます。
次に、健康福祉部門では、インフルエンザの流行に備え、新型コロナウイルス感染症の検査体制を拡充する経費のほか、介護施設等における換気設備などの設置に対する助成経費でございます。
次に、農水部門では、柑橘選果場などの整備に対する助成経費でございます。
次に、都市建設部門では、飲食店等が感染防止を目的に実施する環境整備事業やタクシー事業者が講じる感染防止対策事業、更には鉄道事業者に対し、運行維持に必要な費用をそれぞれ助成する経費でございます。
次に、教育部門では、各学校の実情に応じた感染症対策や学力保障等を迅速に実施するための経費のほか、電子図書館のコンテンツの充実に要する経費に加え、小中学校の修学旅行が中止になった場合等のキャンセル料の助成経費や学校給食において県産馬肉を提供する経費でございます。
その他、先ほど申し上げました、防災拠点施設である南区役所や西消防署など、計十二施設における耐震改修経費などのほか、マイナンバーカードの未取得者へ交付申請書が再送付されることに伴うコールセンターの設置等に要する経費に加え、がん検診について、胃がんとの関係性が指摘されているピロリ菌検査の追加に向けたシステムの改修経費、介護保険法などの改正等に伴うシステム改修経費などに計八億六千九百二十二万円を計上するとともに、次年度以降に費用が生じるものについて、債務負担行為も併せて計上しております。
以上が、補正予算の歳出の説明でありますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う地方創生臨時交付金をはじめとした国・県支出金等の特定財源や市債を計上しますとともに、一般財源として繰越金を充当しております。
続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、まず、「熊本市公文書管理条例」の制定について御説明いたします。
これは、本市における公文書等の適正な管理、特定歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図るため、公文書等の管理に関する基本的事項等を定める条例を制定するものであります。
次に、「熊本市一般職の職員の給与に関する条例」の一部改正についてでありますが、これは、本年十月に本市人事委員会が行いました、職員の給与等に関する報告及び勧告に基づきまして、本市職員の期末手当の改定をするため、所要の改正を行うものであります。
このほか、これに関連して特別職などの給与に係る条例五件についても、併せて所要の改正を行います。
なお、「熊本市一般職の職員の給与に関する条例」など給与関係条例六件の一部改正につきましては、施行日の関係で先議をお願いしたいと考えております。
その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。
以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。