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令和4年(2022年)5月24日 定例市長記者会見

最終更新日:2022年5月24日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

1 報告
・第38回全国都市緑化くまもとフェア「くまもと花博」について
・社会実験の結果について

2 質問
(1)幹事社代表質問(熊日・共同)
(2)各社質問

会見録

 

市長発表

はじめに、第38回全国都市緑化くまもとフェア「くまもと花博」についてご報告します。3月19日に開幕しました「くまもと花博」は、65日間の全日程を終え、5月22日に無事閉幕いたしました。「まん延防止等重点措置」の適用期間中での開幕となり、厳しい状況下でのスタートとなりましたが、春休みやゴールデンウィーク等を中心にたくさんの皆様にお越しいただきました。改めて花や緑が生活に癒しと潤いを与えてくれることを実感したところです。また、緑化フェアの中心的行事である「全国都市緑化祭」では、オンラインで佳子内親王殿下にご視聴いただき、「熊本から緑化推進の輪がさらに大きく、世代や地域を越えて広がっていくことを願います」とのお言葉も賜りました。
最終的な来場者数や経済波及効果については、とりまとめ次第、改めてご報告させていただきますが、熊本の街に賑わいが戻りつつあることは、私自身実感しているところであり、開催にご尽力・ご協力をいただきました全ての皆様に、この場をお借りして深く感謝申し上げる次第です。ありがとうございました。
まだコロナ禍の厳しい状況が続いておりますが、今後も、この「くまもと花博」をきっかけに高まった機運を一過性のものにすることなく、NEO GREEN PROJECT等の活動として拡大・継続し、花や緑溢れる「上質な生活都市くまもと」を目指してまいりたいと考えておりますので、引き続きご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、今回、花博で使用いたしました花苗やプランター等につきましては、学校における花育活動や公共施設への設置など、可能な限り再利用を行い、花博後の継続的な取組に活用してまいります。

次に、花博の開催期間に合わせて行いました社会実験についてご報告いたします。
まず、5月3日から5日の3日間行いました辛島公園北側道路を歩行者空間化する社会実験においては、昨年2月の社会実験と比較して、自動車交通量が約2割減少、そして、歩行者通行量は約4割増加という結果となりました。また、アンケート調査では、約9割の方が歩行者空間化に賛成との結果を得ました。今後、社会実験の検証や関係者との協議を進め、歩行者空間化の可否を判断してまいりたいと考えています。
また、5月13日から22日の10日間行いましたグリーンスローモビリティ、通称:グリスロを花畑広場から熊本城にかけて走行させる社会実験についてですが、連日ほぼ満員での運行となり、市民や観光客など約2,000人の方にご利用いただいたところです。今回の社会実験で得られた新たな移動手段に対するニーズや、自動車交通への影響等を踏まえまして、導入の可能性について検討してまいります。
最後に、花博最終日(22日)に銀座通りで行った道路空間の利活用イベントについては、約600人の来場があったと伺っています。商店街と連携した今回の取組を通じて、今後の利活用の在り方について考えてまいります。
いずれも、本市が進めている「歩いて楽しめるまちなか」の取組を体験いただき、ご好評いただいたところであり、今後、これらの社会実験の結果も踏まえながら検討を進め、引き続き、歩いて楽しめるまちの実現に向けて取り組んでまいります。

最後に、本市の現在の感染状況ですが、5月17日から23日までの1週間で新規感染者数は2,044人、病床使用率は23日時点で43.9%、重症病床使用率は12.0%となっております。新規感染者数は、連休以降増加しましたが、懸念されていた連休後の急激な再拡大は見られておりません。しかし、20代以下を中心に依然として多くの感染者が発生していることから、注意が必要です。市民の皆様におかれましては、引き続き、手洗いや換気等の基本的な感染対策の徹底をはじめ、県が示している「会食時の感染リスクを下げる4つのステップ」を遵守するなど、お一人お一人が感染リスクを下げる行動をとっていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、多くの方に3回目ワクチン接種をしていただくことが感染拡大防止につながると考えております。本市における3回目接種の状況は、12歳以上の人口約65万2千人のうち、約43万人(約66%)の方が接種を終えており、そのうち65歳以上の方については約89%の方が接種済となっています。
一方、感染が広がっている10代から30代の若年層においては、全国的にも接種率が低い状況であり、本市における3回目接種では、10代は約24%、20代は約46%、30代では約49%と他の世代と比較すると低い状況です。ワクチン接種は決して強制ではありませんが、3回目接種によって発症や入院等の重症化のリスクの軽減といった効果が期待されます。
こちらは、国の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で示されたイギリスの研究データですが、オミクロン株BA.1及びBA.2に対する3回目接種の発症予防及び入院予防効果を表しております。発症予防効果については、BA.1で2回目接種後25週後(約半年後)に17.4%まで下がっていたものが、3回目接種後には45.5%に上がっております。また、BA.2に対しても、2回目接種後25週後に24.3%まで下がっていたものが、3回目接種後15週後には48.4%に上昇しております。また、入院予防効果については、オミクロン株BA.1において、2回目接種後175日後に32.4%まで下がっていたものが、3回目接種後70日後には72.5%と非常に高い数字になっております。BA.2に対しても、2回目接種後175日後に49.9%だったものが、3回目接種後約2か月後には70%まで上昇しております。ワクチン接種の効果は、時間の経過に伴って徐々に低下しますが、3回目接種によって発症や入院予防の効果を上昇させることができます。まだ3回目接種をお済みでない方につきましては、是非、積極的な接種をお願いいたします。
なお、接種会場で、接種後に何らかの症状で救急搬送された方については、5月23日現在で、集団接種会場で25件、医療機関で19件、合計44件となっており、本市の総接種回数158万回と比較した場合の割合は0.003%といった状況です。こうした副反応等に関する情報についても、本市のホームページに公表しておりますので、ご心配の方は、是非ご確認いただきたいと思います。

私からは以上です。


 

質疑応答

【記者】くまもと花博についてお尋ねします。冒頭、正式な来場者数や経済効果については、後日改めて報告するとお話がありましたが、当初の来場者数の見込みとしては65日間で約160万人でした。これを上回る見込みなのか、あるいはコロナ等の影響で下回るのか、現時点で概況が分かれば教えてください。

【市長】現在取りまとめておりまして、最終的な数字はまだ出ておりません。もともと来場者数160万人という数値自体はコロナ禍の状況を加味しないということでしたので、これを上回るというのは簡単なことではないと思っています。ただ、実際に春休みや連休期間中にかなり多くの方がお越しになりました。それから、最終日がまだ集計できていませんが、非常に多くの方に各会場にお越しいただきましたので、もともと見込んでいた来場者数に対してどうだったのかはまだわかりませんが、恐らくコロナ禍においては期待値以上の方々にご参加いただけたと思います。その上で、新型コロナウイルスの感染を拡大するようなことには繋がらなかったということで、このウィズコロナの中でも実施可能なイベントであり、また、屋外での開催であったため、みなさんがあまり不安を感じずに参加できたのではないかと考えております。
来場者数の集計は、メイン会場3か所とパートナー会場の様々な取組等々もあり、少し集計に時間がかかると聞いております。私も早くお伝えしたいのですが、来月中には取りまとめて、集計結果を皆さんにお知らせしたいと思います。

【記者】多くの人で賑わったという話がありましたが、数字は出ていないとしても、県外からの来訪者も含めて、経済効果についてはどのように捉えておられますか。

【市長】実際の人通りがどうだったか等は、数値データが出てくると思いますが、経済波及効果というのは一定程度大きかったと思います。この開催期間中、県外からの旅行等も制限を受けずにゴールデンウィークを迎え、私が関係者の方にお聞きする限りでは、例えば、宿泊施設の予約はほぼ満室に近い状況であったと伺っております。平日の状況はまた少し加味しなければいけないと思いますが、宿泊の稼働率が高いということは、その分、飲食やお土産物等への波及効果があるのではないかと考えております。
また、「アジア・太平洋水サミット」が同時期に開催されたということで、経済波及効果と「アジア・太平洋水サミット」は直接リンクしないかもしれませんが、大きな相乗効果もあったのではないかと考えております。
くまもと花博については、クレームや御批判・苦情等が特に寄せられたということはありませんので、多くの市民・県民の皆さん、あるいは来訪された皆さん方に大変好評で受入れられたイベントだったと考えております。
経済波及効果については、経済関連のシンクタンク等のデータと合わせてしっかりと分析するように、私から指示をいたしましたので、そのデータもある程度判明次第お伝えできると思います。来場者数より少し遅れての発表になるかもしれませんが、改めて皆さんにお知らせしたいと思っております。

【記者】ゴールデンウィーク期間中に実施された歩行者空間化の社会実験のことでお尋ねします。前回に比べて交通量が2割減少し、歩行者が少し増えたという結果でしたが、今後、正式な実施についての可否を判断するとのことでしたが、辛島公園からサクラマチを繋ぐ区間を歩行者空間化することの狙いや、どういった意義があるのかお聞かせください。

【市長】一つは歩行者空間化することによって、多くの方々が車ではなく公共交通機関を利用したり、歩いてこの街を楽しもうというきっかけにつながると思います。対象のエリアは、南側の辛島公園、北側の花畑広場、これを分断していますので、このエリアの一体的な活用についても、これまでいろいろな催事をされている事業者の皆さんからご意見を頂いております。今回、このエリアが分断しないことによって、どのくらい人が動くのか、ちょうど連休期間中でもありますので、車の通行をとめた場合にどのくらい悪影響を及ぼすのかということも含めて、この道路をとめることは非常にチャレンジングなことですので、よく検証しなければいけないということで実施しました。結果として、自動車交通量が2割減少して、歩行者通行量も4割増ですので、ウォーカブルシティにはつながるものだろうと思います。また、前回2月に実証実験を行った際は連休ではなかったので、今回連休期間中の人が賑わうようなときに当該エリアを分断せずに使えるというのは必要なことであろうと考えて実施しました。
この花畑広場の活用ですが、今回はイベントスペースの関係で、ここ(花畑広場の南側)にテントを置いてしまいましたので、ここ(テントより南側)との一体性があまり感じられなかったのかと個人的に思いました。今後例えば、辛島公園と花畑広場でイベントをされるとしたら、ここを見通し良く活用する、あるいはここ(辛島公園の北側)が少し斜めになっていて皆さんが芝生の上に座ったりできるということで、恐らく今後、ここは指定管理者の皆さんが管理をされていくことになると思いますが、いろいろと活用していく中で現時点でも相当数の催事が入っていると伺っています。今すぐにここを全面的に歩行者空間化というわけにはいかないと思いますが、状況を見ながら、そして皆さんの利活用状況を見て、歩行者空間化という取組についても検討していきたいと考えています。

【記者】明日、市長は指定都市市長会議に出席されますが、その中で、予期せぬ妊娠に悩む人々へのこれまでの市長会要請に係る報告が予定されています。可能な範囲での報告内容と、明日承認をされれば、3回目の国への要請をされるかどうかという可能性も含めて、教えていただけますか。

【市長】指定都市市長会については、明日午前中から会議がありますが、これまで指定都市市長会では、2回国に対する要請ということで、政令指定都市市長会として国に要請活動を行ってまいりました。そうした中で、明日はまず報告をするということで、指定都市市長会の中で、特に予期せぬ妊娠で悩む人々への十分な対応を図るこの体制整備について、その後の状況ということで報告をいたします。特に、前回の要請の後ですが、状況の変化がございました。それは内密出産に関する状況でありまして、内密出産の運用と課題について、私から報告を申し上げようと思っております。
それで、予期せぬ妊娠で悩む方々への支援方法として、内密出産はあるということはお伝えいたしますが、一方で、やはり悩みを抱える女性への課題解決を図っていくためには、行政が早期に対応していくことが非常に重要かつ必要であるということを、皆さんにも共有したいと思っております。例えば、15年間に渡る「こうのとりのゆりかご」への預け入れの事例や、今般の内密出産の事例を通して、予期せぬ妊娠で悩む女性は、社会から孤立してなかなか誰にも相談できないままに出産に至るということがわかっているところであり、慈恵病院にもおいても、熊本市においても、全国から様々なご相談をお受けしているような状況です。
そこで、各都市でのいろいろな相談状況等を踏まえて、こうしたところでの相談機能をより強化していただくように、各都市にはお願いしたいと思っています。本市としては、内密出産により(孤立出産と比べ)安全な出産ができるとはいえ、陣痛が起こってから熊本市に新幹線に乗って来るのは非常に危険な状態であろうと思います。ですので、そういったリスクを回避するためには、より最寄りの相談窓口で医療機関等々に繋ぐ事や、早期にいろいろなご相談に乗ることができる体制を、全国20市の政令指定都市で体制を組んでいけば、内密出産か否かということにかかわらず、妊娠に悩む、あるいは予期せぬ妊娠でどうして良いかわからないという皆さんを救済していく窓口がさらに広がるということになると私は思っています。そういったことで、匿名での相談ということも含めてですが、自治体で十分対応できますので、既に20市の政令指定都市の中で相談窓口を設置しているところがかなり多いです。ところが、それが十分に知られておらず、知名度の高い慈恵病院にご相談が集中しているという状況があるかと思います。もちろん、相談していただくことが命を守ることに繋がっていくと思いますので、それは結構なのですが、指定都市市長会ではそういったことを皆さんに求めていきたいと思っています。
今のところ指定都市市長会としては、前回まで2回要請をさせていただいておりますので、その後の国の動き等々、例えばガイドラインの策定等のいろいろな動きが出てから、また指定都市市長会として要望や要請をすることになるのではないかと思いますが、現時点(明日の段階)では特段そこまでの状況には至らないということでございます。
一方で、熊本市がこれまで内密出産等々で関わったいろいろな事例についても増えてきておりますので、そういった事例の取扱いについて、今どういう課題があるのかということを、厚生労働省や関係機関に対してしっかり情報共有して、様々な現場の実情をお届けしたいと思います。それが、ひいてはガイドライン等々の策定にも、現実に即したものの策定に繋がっていくのではないかと期待しているところです。

【記者】辛島公園の歩行者空間化の社会実験についてお伺いします。アンケートの結果を見ると、9割の方が賛成と非常に高い結果だと思いますが、アンケートの実施方法と対象者の人数を教えてください。

【事務局】アンケートは、調査員を雇いまして聞き取りというような形でのアンケートをとっております。母数についてが、今手元にございませんので、後ほどお知らせします。

【記者】その聞き取り調査というのは、その場にいらっしゃった歩行者の方やこのスペースを利用されていた方に実施したということになりますでしょうか。

【事務局】アンケートは、そこの空間に来ていただいた歩行者の方、また付近の駐車場で運転をされている方、バスターミナルを利用された方々を、アンケートの対象としております。

【市長】あと、花畑広場の利用者もアンケートの対象になっています。

【記者】今のことに関連して、この9割の賛成の方の賛成の理由などはわかりますでしょうか。また、自動車の交通量は北側道路の交通量ということで良いですか。

【事務局】まず、交通量につきましては辛島町交差点の交通量ということになります。
また、賛成の理由についてですが、調査の際の聞き方として、この歩行者空間化についてどう思われますかというお尋ねをさせていただいておりますので、「良いのではないか」や「こういう雰囲気で歩行者空間化をやっていただいたら」といった回答を集計させていただいております。

【市長】アンケートの中身というよりも、私が、実際に歩いた方等に伺ったところ、歩道のほうに気持ち的には行ってしまうけれども、通行量の調査の関係で警備員さんが立ってバリケードしていたので、商店街から入るときに入りにくいというような声も実はありました。ですので、そういった工夫は少し必要なのかなと私は感じました。皆さんの声の中で聞いたのは、「東京でいえば銀座の中央通りといったところが土日は歩行者空間化されているので、何かイベントがあるときに歩行者空間化したらいいのではないか」や「週末等の人が動きやすいときに歩行者空間化すれば良い」、「ずっとここ(花畑広場と辛島公園の間の車両)をとめることも賛成」「花畑広場と辛島公園の両方をうまく活用したほうが良い」というようなご意見もありました。今後また調査をしていきたいと思っていますが、辛島公園と花畑広場を一体利用をするようなイベントや催しを企画された場合に、そのときに来場している皆さん方にもう少し細かくどんな活用をしたら良いのかということもまた伺いたいと思います。
これから年末に向けて、利用予約が多数入っています。花博以降、今、休日で約7割の利用予約が入っているということで、おそらく事業者の皆様から賑わいに繋がる取組がなされるのではないかと思います。そのときに皆さんに、例えば、ここは車が通っていたほうが良いのか、止まっていたほうが良いのか等をお伺いして、おそらく利用者の方は止まっていたほうが良いとおっしゃると思いますが。また、そのときに交通に支障が生じるか等を見てみたいと思います。実はこの場所は高速バスが少し回るぐらいで、意外とバスが通ることが少なく、あまり日常的な交通ということではここ(花畑公園と辛島公園の間の車道)を遮断して何か交通渋滞を巻き起こすということには今のところならないのかなと見ています。ですが、もう少しニーズを掘り下げてみないと、ここを完全に歩行者空間化するということはできないと思います。今回の調査ではかなり前向きなご意見が出ているということですので、そういう意味でウォーカブルシティということについて、皆さんが一定の希望や期待を持っておられる証かなと思っています。
一方では、グリーンスローモビリティの実証実験もあちら(熊本城周辺)でやって、利用者数が2,000人ということでした。私は正直、あれは失敗するのではないかと担当者に言っていました。なぜなら、ゴルフ場のカートみたいなもので、あまり告知もしないで果たしてどれだけの人が乗るのだろう、もう少し告知も含めてしっかりやったほうが良いのではないかということを言ったのですが、メディアの皆さんに随分取上げていただいたこともあって、多くの一般の方が乗っておられました。私も1回乗ってみましたが、乗った皆さん方が、「これは楽しい」や「ちょっと非日常味わえる」というようなことで、すごくよかったという声や、それから、特に熊本城まで行こうとすると坂を上がっていかなきゃいけないということで、高齢者の方やちょっと足腰が弱い方が、積極的に利用したいという声もお聞きしました。今、チャリチャリというシェアサイクルも導入されていますが、これは歩行者空間化と同時にグリーンスローモビリティみたいなものを組み合わせる、あるいは他の交通モードと組み合わせることによって、ここの歩行者空間化の成果やメリットというのは、もっと高まるのではないかと考えております。この点は担当の都市建設局でよく分析をしながら、今後またご意見を幅広く聞きながら、慎重に進めていきたいと考えております。

【記者】歩行者空間化についてですが、花畑公園と辛島公園の一体的なサクラマチの整備ということで、この辛島公園北側道路の整備が終わってみて、自動車が通る道路であるよりも、一体的な空間として利活用したほうが良いという思いが、今回の実証実験を通じてあるということなのでしょうけど、今後の見通しや、それから、恒常的な歩行者空間いわゆる共用スペースにしてしまうということに繋がるのか、あるいは先ほどおっしゃったように、何かイベントがある時だけ実施するように図っていくのか、市長としてのお考えをお聞かせください。

【市長】私自身の考え方としては、皆さんが広場をどう利活用するかということ、それから、熊本はとにかく街中の中心部ぎりぎりまで車で行く方が非常に多く、街中の駐車場が非常に多いです。これだけの渋滞を引き起こしている熊本市の中で、この周辺は割と車を使わずに歩いて過ごせるエリアです。例えば、フリンジ駐車場といって、このエリアの少し外側の駐車場に車をとめていただいて、中心市街地のエリアは皆さんが歩いたりあるいはシェアサイクルやグリーンスローモビリティを使いながら、できるだけ公共交通や歩いたり自転車を使ったりといった移動手段で過ごすことができる立地性はありますので、そういったことは、今後考えていく必要があると思います。いろいろなご意見がありますが、交通に大きな支障がないのであれば、歩行者空間化して一体的に広場の空間を利活用するということは、非常に良いことではないかなと思っています。
もともと、サクラマチと花畑広場のシンボルプロムナードと言われるところも、バス通りだったわけでありまして、ビフォー・アフターでいうと非常に皆さん驚かれます。水サミットに来られた海外の皆さんも「ここがバス通りだったのか」と非常に驚いておられましたが、この場所の車両の通行を止める、あるいは、道路を廃止して歩行者空間化するということは、街中の回遊性やにぎわいを増すという意味では、非常に効果的なのではないかと思います。
海外でいろいろと視察をしてきたときに、グリーンスローモビリティというのは、熊本市と交流都市を締結しているエクサンプロヴァンス市の街中では、市役所の前あたり等が広場になっておりマルシェがあるのですが、その辺りは古い町並みがあって車が入れなくなっています。こういうところでの移動を、もう少し円滑にするためにということで、グリーンスローモビリティのようなものを走らせておられました。これは観光ではなく、日常的に利用されるもので、高齢者の方や歩行者の方が手を挙げるとすぐその目の前で乗れて、おそらく無料だったと思うのですが、雨の日はカートにビニールのようなものを被せて走り、今回社会実験した車両と非常に似たものでした。そういったものが日常的に利用されるということは、例えば、トランジットモールのように、エリアの中に(公共交通機関以外の)車両を入れないようにしてモール化するという構想はなかなか現実的には今の交通状況で難しいわけですが、段階的に少しずつ支障がないようにしながら歩行者空間を広げていくとか、商店街等の細い道は車よりもこの電動のカートのようなものが動けば安全性も高く、CO2の排出もなく、しかも近隣を周回するということになると、高齢者の方がお買物や移動するときにも利用できますし、もちろんまち歩きもしながら疲れたらそういったものに乗るということもできるなと、いろいろイメージが広がっていきます。これは、ただイメージをそのまま導入するのではなくて、実態に合わせながら、一つずつ慎重に確かめながら検討していくということで、社会実験を実施するということです。あとは費用対効果や料金の問題等があると思います。グリーンスローモビリティに関しては、運行の形態をどうするかということもあります。アンケート調査でも、どのくらいの料金ならこれに乗りますかといった調査項目もありましたが、その点もまだこれから集計をされていくと思いますので、その結果を見てからだと思っています。
歩行者空間化については、特に指定管理のエリアになってくるので、その中でもう少し一体的に使いたいという話が事業者の方から出てくれば、そういったことも検討しながら、場合によっては土曜日曜や祭日等、交通に影響がない範囲で、一定の期間社会実験的にやってみるということもできるのではないかと考えています。

【記者】花博に関して、市長から冒頭にご発言もありましたが、たくさんの方が来場されて賑わいを見せ、皆さんも喜んでいらっしゃるというのが印象的でした。一方で、大花壇や、商店街・街中にきれいに飾った花がなくなってしまうと(街中の様子も)寂しくなり、65日間の花博が終わり、景観が変わってしまうというところもあるかと思います。また、花と緑あふれる熊本市を目指すということを先ほどおっしゃっておられましたが、例えば一過性のイベントに終わらずという点で、立田山や江津湖等の既存の草木が自生して自然環境として残っていたものが、今回会場として活用されていますが、そういったところの保全といった観点も必要になってくると思います。そういった点について、今後、このイベントをきっかけとして、どういった取組をされるかを教えてください。

【市長】花博のレガシーは何かということになるかと思います。花博が終わってから、私のところにはメールも含めていろいろご意見が来ております。「ぜひまたやってください」や「できれば続けてください」というご意見も頂いております。この規模で続けるのは、なかなか簡単ではないのですが、ただ、それぞれの取組が今後もネオグリーンプロジェクトや、皆さんもご参加いただける取組、例えば、街路樹の植え込みの部分をストリートガーデニングといって、企業の方々のスポンサー花壇という形式で彩る取り組みを実施しており、今回、全国都市緑化フェアというこの大きなイベントを誘致することによって、それをきっかけに市民の皆さんに「花や緑がすばらしい」と感じていただくことで、町並みをもっと美しくしていこうという意識に繋がっていく、そして、自然環境を守っていくことになろうかと思います。例えば、立田山であれば、「今まであんなところがあったことを知らなかった」というお声も多く、あんな素敵な池や森林、広場があったり、いろいろな野生の植物があったりするということを、今回子どもを連れていくことによって初めて知ったという方もおられました。立田山のまち山エリアには、(外から)花を運んだりしていませんので、そこの自然環境を楽しんでいただくということで取り組んできました。あるいは動植物園であれば、植物園のゾーンは36年前の第1回目の緑化フェアのときに整備されたのですが、動物園ゾーンと比べるといま一つお客さんも少なかったのですが、今回こうやって光を当てることによって、多くの方がその存在の素晴らしさを実感していただきました。今後は、民間の皆さんのご協力をいただきながら、例えば大花壇には継続的にこういった花をみんなで植えてみようといった緑化運動を実施していくことに派生していく、皆さんが「花博ロス」と言われたのですが、「花博ロスで」寂しいと思うだけではなく、自分たちが参加して町並みの緑化に繋げていく活動へと、さらに繋げていきたいと考えています。それと同時に、これはまだこれから議会からのいろいろなご意見も伺いながらと思っていますが、来年や再来年、これだけの規模は難しいかもしれませんが、定期的に街中や動植物園やいろいろなエリアで花や緑を楽しむような機会を提供できるような取組も、継続的にやっていくべきだという話にもし賛同を得られるということであれば、事業化も含めて、ネオグリーンプロジェクトの一環として考えていければ良いかと考えております。

【記者】歩行者空間化の社会実験の関係ですが、まちづくりということで、多くの方に来ていただきたいという趣旨で社会実験されたということかと思います。車両の通行を止めて、街中を歩けるようにする取組ということで、第1段階としてそれはとても良いことだと私も思うのですが、例えば、その道路自体を活用して歩行者の方に楽しんでいただけるようなイベントは結構全国的にもいろいろとやっておられます。昔から実施されているのは、静岡の大道芸人の祭りや、以前東京で見たことあるのが、道路の上に短距離の陸上競技用のレーンを簡単に作って、そこに有名なアスリートに来ていただいてみんなで一緒に走ってタイムを競うなど、ただ走るだけなのですが結構たくさんの方もいらっしゃって大変賑わっているところを見たことがあります。また、道路(車道)の上を歩くということも新鮮な体験だと思いますが、その先の取組、もう少し道路をうまく利用していくといいますか、この社会実験がうまくいった後、次の段階の話になると思いますが、何かお考えがあればお聞かせください。

【市長】今お話がありましたとおり、全国各地で道路空間を歩行者空間化して、例えばそこで大道芸やいろいろなイベントを実施するといった、道路を使っていろいろな賑わいを創出しようという取組が行われています。今、ここ(花畑広場と辛島公園の間)はアスファルトになっていますが、例えば、ステージで行われるいろいろな催しをこの空間で実施するということも可能になってきます。ですから、より広場をさらに拡張して使えるという利点はかなりあると思います。ですから、それは大道芸であっても良いだろうし、ちょっと古いかもしれませんが、私たちが学生の頃に見に行っていた原宿のホコ天のような利用ができたりしても良いと思います。今回は簡易的な形でやりましたが、例えばキッチンカー等はここに入れますので、お店を設置する場所として使うなど、いろいろ活用して良いのではないかと思います。これは民間の皆さんのほうがいろいろなアイデアが多分浮かぶと思います。ですから、例えば、もしここが歩行者空間化したら何がしたいというようなアイデアコンペを実施して、実験した上で結果が良好であれば実際に実施することもできるかと思います。また、銀座通りの歩道を歩行者空間化についてですが、ここは割と盛り場が多いエリアでありますので、昼間は賑わいが少ないわけでありますが、例えば、そういったところを休日の昼間でも楽しめるようにしようというような趣旨の取組であって、これは商店街の皆さんとのコラボ企画ということになりますので、こういったことをこれから徐々に進めていければ良いと思っています。

【記者】内密出産の関係で伺います。以前、1例目については、お子さんの戸籍が無事にできたというご報告をいただきましたが、2例目のお子さんの戸籍作成について、「完了している」や「滞りなく進んでいる」といった現時点で発表できることがあれば教えてください。また、今後も内密出産が発生した場合は、無戸籍にならないように戸籍の作成などの対応をしていくのかを教えてください。

【市長】2例目ということで、病院ともいろいろと情報をやりとりしながら対応していますが、内密出産で産まれてきたお子さんの戸籍というのは、やはり個別事案ごとに法務局にご相談しながら対応していく必要があると思っています。現在、この2例目については、法務局にご相談しながら戸籍の作成に向け対応を進めているという状況であります。
お子さんの状況については、なかなかお答えをしかねますが、本市としましては、子どもさんの最善の利益がやっぱり確保されるように全力を尽くしていくということで、処遇等々についても、1例目と2例目とで状況が違いますので、そのケースに応じて状況をよく把握しながら対応していきたいと思います。そして、なかなか断片的な情報だけではわからないこともありますし、お母さんの意向等いろいろなことも踏まえながら、対応していきたいと考えています。

【記者】毎年8月に開催される江津湖花火大会についてお尋ねします。例年多くの市民の方が楽しみにしていると思いますが、4月下旬の実行委員会では開催決定が持ち越されました。これについてどういうふうに進めていくのか、住民の方からは人の密が発生する状況でコロナの感染リスクを気にする声が上がっていました。この点は対立する考えでなかなか難しいところもあると思いますが、どのように進めていくべきだと考えていますか。

【市長】4月の実行委員会のときに、いろいろと感染対策を行いながら経済回復のためにも実施したらどうかというお話もございました。一方では、安心して参加できるようなものにしてほしい、多くの若者が参加するのに若者のワクチンの接種率も低迷していて開催する場合はその点が不安だという声であったり、また、周辺住民の皆さん、特に地元の皆さんから非常に不安だという声が出されました。そういったお声も踏まえながら、どのような形が一番望ましいのかということは、慎重に判断していく必要があるだろうということで、結論を持ち越したということです。
やはり、開催したいというご意見があった一方で、感染対策であるとか地元自治会の皆さん方のいろいろな不安といったものにしっかり応えながら、慎重に決定していく必要があると思いますので、現時点では、もう一度皆さんに実行委員会の中でご意見をいただいて、予断を持たずにそこで判断をしていきたいと考えています。
楽しいイベントでもあるので、不安が残るような形で(実施するのではなく)、特に地元の皆さんの不安が残らないような形でやるということが望ましいのではないかと私は思いますので、いろいろと期待する声もあるのは承知しておりますが、そこは慎重に対応を検討していきたいと思います。
次回の実行委員会の会議の中で、また皆さんにお諮りして、最終的な判断をしていきたいと思っています。

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