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平成17年第1回定例会市長提案理由説明

最終更新日:2011年12月14日
財政局 財務部 財政課TEL:096-328-2085096-328-2085 FAX:096-324-1713 メール zaisei@city.kumamoto.lg.jp

平成17年定例会

 平成十七年第一回定例会の開会に当たりまして、本日提案いたしました平成十七年度当初予算案及び各号議案についてその提案理由を御説明申し上げます。
 まず、当初予算編成に当たっての基本的な考え方について、国の新年度予算、あるいは地方財政計画等も踏まえて、ご説明申し上げます。
 ご承知のとおり、政府は二月の月例経済報告で、「景気回復は緩やかになっている」とし、昨年からの景気回復が総体的に継続しているものの、一部を下方修正するという基調判断を示しております。本市におきましては、雇用面でのミスマッチは見られますものの、企業収益や有効求人倍率などいくつかの指標におきまして持ち直しの動きが見られる状況となっております。
 このような中で、国は平成十七年度予算について、二〇一〇年代初頭における基本的財政収支の黒字化を念頭におき、これまでの「改革断行予算」という基本路線を継続し、持続的な財政構造の構築に向けて予算配分の重点化、効率化を行う一方で、無駄な歳出を徹底して削り、実質的に前年度水準以下に抑制してきた歳出改革を堅持・強化するとしております。
 その概略を申し上げますと、一般会計の予算規模八十二兆一千八百二十九億円、対前年度比〇・一%増、このうち政策的経費である一般歳出におきましては、社会保障関係費の増加傾向の中、三位一体改革等の影響により平成十四年度以来三年ぶりの対前年度比〇・七%減という姿となっております。 
 また、地方財政計画につきましては、全体規模が八十三兆七千七百億円、対前年度比マイナス一・一%、県に移譲された国民健康保険の調整交付金分を除くと実質マイナス一・五%と、四年連続して減少となり、地方一般歳出についても対前年度比マイナス一・二%、同様に国民健康保険の調整交付金分を除けばマイナス一・七%とするなど、歳出全体を抑制しておりますが、地方の通常収支の財源不足は七兆五千百億円にものぼり、その補てん措置としては、国の一般会計からの地方交付税への加算、あるいは地方自治体自身が発行する臨時財政対策債での補てんがなされることとなっております。
 この中で明らかとなった平成十七年度における国の三位一体改革について申し上げますと、国庫補助負担金改革といたしまして約一兆七千七百億円、うち約一兆一千二百億円が税源移譲されるということで、本市に関連するものといたしましては、養護老人ホームの運営費や公営住宅家賃収入補助等の国庫補助負担金が削減され、その補てんといたしまして所得税の一部が所得譲与税として配分されることとなっております。
 また、地方交付税につきましては総額で十六兆九千億円と前年度に比べ〇・一%増と総額の確保はされましたものの、臨時財政対策債が三兆二千二百億円、対前年度比二十三・一%のマイナスと地方の財政運営にとりましては厳しい内容も示されたところでございます。
 このような中、本市の平成十七年度当初予算編成を行ったところでありますが、歳入の根幹を成します市税収入につきましては、法人市民税等で若干の増加が見込まれますものの、地方交付税及び臨時財政対策債は前年度当初より三十二億円程度落ち込むことが想定されるなど、歳入全般にわたり厳しい状況が見込まれます。
 既に、今年度から、今後の市政改革の指針として策定しました「まちづくり戦略計画」と「行財政改革推進計画」に基づき、三つのターゲットに重点をおいた取り組みや、市民協働の具体化、民間委託の推進、さらにはPFIの導入等々に全庁的に取り組んでまいったところですが、今後さらに厳しい財政状況が想定されることから、新年度におきましても、市政改革を遅らせることなく、引き続き着実な実施に努めてまいる所存であります。そのため、新年度の予算編成にあたりましては、「まちづくり戦略計画」及び「行財政改革推進計画」の目標達成に向けまして、財源の重点的な配分に心がけたところでございます。また、担当部局の主体的な創意工夫を予算編成に活用するため、今回から新たな予算編成手法を導入いたしました。具体的には、まちづくり戦略計画関連の普通建設事業を除いた政策予算への枠配分や自主節減推進予算制度を導入することにより、担当部局の創意工夫の活用と限りある財源の有効配分の両立に努めたところであります。
 それでは、予算編成に当たって重点的に取り組んだ事項につきまして、「まちづくり戦略計画」に掲げた項目を中心に御説明申し上げます。
 まず、市民協働によるまちづくりの推進についてでございます。
 私は就任以来、信頼される市政の実現のため様々な分野での情報公開を進めるとともに、市民の視点に立った市政の運営に努めてまいったところであります。また、市民協働をまちづくりの基本に掲げ、「まちづくり戦略計画」をはじめとした各種計画策定や、地域コミュニティセンター等の整備における市民参画など進めてまいりました。さらに、市民が主体となり公園・河川・道路などの美化活動を行うふれあい美化ボランティア制度を設け、現在、複数の企業や地域住民の皆様とこの協定を締結するなど協働のまちづくりを推進しているところであります。
 そのようなことから、今後のまちづくりを進めるに当たっての土台・基盤ともいうべき「熊本市自治基本条例」の制定を提案させていただくことといたしました。
 さらに、住民主体の地域づくりの新しい仕組みとして校区自治協議会の設置を進めておりますが、その運営への支援を新たに行い、設立促進を図るほか、これまでの、おでかけトークやゆめトークなど市民との直接対話を継続して行い、そこでの御意見や市政への様々な御提案などをデータベース化し全庁的に活用させていただき、ホームページ上でも公開してまいりたいと考えております。
 次に、ターゲット1の「良好な環境を未来へと引き継ぐまち」でございます。
 本市の財産であり、魅力である清冽な地下水を守り育て、次代に引き継ぐため、昨年、白川中流域の地下水かん養域にあたる大津町、菊陽町との間で「水田湛水推進協定書」を交わし、市域を越えた湛水事業への取り組みを始めたところであります。また、今年一月には森林の持つ水源かん養機能を高め、水資源の確保を目的として、白川上流域の大津町五〇ヘクタール、高森町五〇ヘクタールの町有原野に水源かん養林を造成する森林整備協定を結ぶなど、広域連携の強化に努めております。さらに、一月二十七日には「節水推進パートナーシップ会議」の皆様から、節水市民運動企画書の提出をいただいたところであり、今後これを参考にさせていただきまして、地下水の保全に力を注いでまいりたいと考えております。
 新年度におきましては、節水社会実験を中心として広報活動、節水器具設置の推進など、市民と行政のパートナーシップのもと節水市民運動を展開してまいります。さらに、水田湛水事業や水源かん養林整備など地下水の保全を推進するとともに、本市の貴重な財産であります「水」をKUMAMOTOブランドとして全国に発信していくための戦略づくりに取り組みたいと考えております。
 また、ごみ減量対策といたしまして環境教育の充実や、環境フェア等を活用した啓発に努めるとともに、リサイクルを推進するための集団回収や事業所への指導、そのほか、市民自ら目標を持ってごみ減量に取り組み、その活動状況等を情報紙で紹介する「ごみゼロサポーター」など継続して取り組むことといたしました。
 さらに、環境にやさしい交通機関の利用促進といたしまして、自転車道の整備を積極的に推進するとともに、市内中心部における新たな駐輪場の設置、熊本都市圏のバス路線網の見直しやノンステップバスの導入など引き続き取り組んでまいります。
 次に、ターゲット2の「子供たちが健やかに成長するまち」でございます。
 まず、子どもの個性を尊重し、豊かな人間性の醸成、個を育む学校教育の推進につきましては、これまでの少人数学級モデル校での実施を踏まえ、昨年、検討委員会から最終報告をいただいたところであります。その報告書の趣旨を尊重し、現在行っております小学校一・二年生の三十五人学級に加え、平成十八年度から小学校三年生の三十五人学級実施に取り組みたいと考えており、新年度におきましては、より効果を高めるため指導力向上に向けた研究推進体制の構築等を行うことといたしました。さらに、芸術文化の体験を通して感性を育む機会の拡充を図るとともに、ティームティーチング講師派遣等による学力の充実、あるいはいじめ・不登校対策の拡充、さらに体験学習や、学校と地域との連携推進など社会変化に対応した教育内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、子どもたちを取り巻く環境が変化する中、安心して子どもを生み育てられる環境づくりのため、これまでも多様なニーズに応じた保育サービスの充実や子育て支援センターなどの育児相談体制の整備、さらには放課後児童の健全育成など地域での子育て支援の充実に努めてまいりました。新年度におきましても、これらについて継続・拡充を図ってまいりますほか、待機児童解消のための保育所の新規認可、あるいは小学校校区での子育て支援ネットワークの育成や産後ホームヘルプサービス、さらには妊婦の歯科検診拡充などにも新たに取り組むことといたしております。
 次に、ターゲット3の「人々が集う元気なまち」でございます。
 まず、魅力ある熊本駅周辺のまちづくりに関しましては、九州新幹線鹿児島ルート全線開業二年前倒しの決定を受けまして、市民の皆様の期待や関心が高まります中、早急に進めていかなければならない重点課題だと認識しております。そこで、新幹線建設や連続立体交差事業を促進することはもとより、駅周辺地域において民間主体の魅力あるまちなみの形成を進めるため、地区整備計画案の策定に向けて取り組みますとともに、昨年設置されましたまちづくり協議会の皆様方と一体となってまちなみ形成を進めてまいりたいと考えております。また、熊本駅前東A地区の再開発につきましては、「(仮称)熊本市図書・情報センター」を核施設として市施行で進めることとしておりますが、十七年度内の都市計画決定と事業認可に向け、基本計画等の策定に取り組んでまいります。
 また、熊本城につきましては、今回の復元計画の目玉となります本丸御殿大広間の整備も順調に進んでいるところであり、平成十九年の築城四百年に向けまして、昔日の偉容を蘇らせる熊本城の魅力を一層高めますとともに、歴史や自然、文化など本市の魅力を全国に発信していくため、築城四百年記念事業の実行委員会組織の立ち上げを行い、市民の皆様方と一緒になって機運を盛り上げてまいりたいと考えております。さらに、熊本城を活かした魅力ある都心形成に向け、熊本TMOや商店街をはじめ民間と一体となった中心市街地の一体的な賑わいづくりを引き続き進めるとともに、新たにアーケード内の緑化にも取り組んでまいります。
 また、「熊本駅」、「熊本城・中心市街地」とともに、「熊本市地域再生計画」の対象となっている「水前寺・江津湖」については、動植物園の活性化策として、動物サポーター制度の推進や四月にオープンいたします(仮称)動物ふれあいランドでの体験学習、そのほか、再編整備に向けた取り組みなど積極的に行ってまいります。
 次に、国民健康保険会計健全化について申し上げます。
 本市の国民健康保険会計は平成十五年度決算で累積赤字が約六十六億円にのぼり、全国でも最悪の部類に属する状況にあります。これまでも収納率の向上を図るため、特別徴収や夜間休日徴収なども行っておりますものの、残念ながらこのままでは危機的状況も想定されるため、今般「国民健康保険会計健全化十ヵ年計画」を策定し抜本的な改善に取り組むことといたしました。
 具体的には、累積赤字の解消を図るため、その四分の三について一般会計から繰入れを行うとともに、単年度の収支均衡のためにも一般会計繰入れの新たなルールを作ることといたしました。また、保険料の定期的な見直しをはじめ、保険給付費の抑制や保険料の徴収強化を図るとともに、単独保健事業の段階的見直しも行うなど、市民の皆様の御理解と被保険者の皆様の御協力を得ながら、国保会計の健全化に取り組んでまいることといたしました。
 以上が今回の予算編成にあたり特に留意した事項でありますが、このほか、行財政改革推進計画に基づきまして、会館管理業務への指定管理者の導入をはじめ、ごみ収集・学校給食等行政サービスのアウトソーシング、さらには外郭団体の統合などを着実に進めるとともに、経常的経費の削減や、事務事業の廃止・見直しも引き続き行ったところであります。
 また、熊本市優待証、いわゆるさくらカードにつきましては、平成十六年度より、おでかけ乗車券を導入いたしておりますが、新年度におきまして、さくらカードをお持ちの障害者の方々を対象に、バス及び市電利用の際乗務員に提示をするだけで済む「おでかけパス券」制度を新たに創設し、利便性の向上を図りたいと考えております。
 さらに、厳しい財政状況ではありますが、景気の低迷や公共工事等の減少に鑑み、地場中小企業への発注につながる市道の舗装・改良等本市単独の公共事業については前年同額を確保するとともに、今年度の単独普通建設事業執行状況を勘案し、新年度においてさらなる拡充を図るなど、地域経済の下支えにも配慮したところであります。
 この結果、予算規模は、一般会計において二千六十億七千万円、特別会計二千三十九億六千三百二十一万円、企業会計四百億六千三百七十万円、一般・特別・企業の各会計総計四千五百億九千六百九十一万円となりました。前年度当初予算と比較いたしますと、一般会計はマイナス六・六%、特別会計は三・四%の増、企業会計はマイナス四・五%、総計でマイナス二・二%となりました。
 それでは以下、部門ごとに主な事業について申し上げます。
 まず総務部門では、市民協働でのまちづくりを推進するため、自治基本条例広報経費や自治推進委員会開催経費、行政改革については、外郭団体の改革推進のための関係職員の職員の研修にかかる経費などをお願いしております。
 また、電子自治体の推進のため、庁内LANの拡充や職員情報システム、市税総合システムの開発を継続して進めるとともに、地域情報化の推進をも含めた新たな情報化推進計画の策定にも取り組むこととしております。
 さらに、災害に対する備えといたしまして、防災マニュアル及び洪水ハザードマップを作成し全世帯配布を行うとともに、一時避難場所標識の整備を行うなど防災体制強化のため所用の経費を計上しております。
 このほか、まちづくり戦略計画の達成度を測るためのモニタリング調査、戦後六〇周年を契機とした平和啓発事業の拡充、音声読み上げシステムや地図情報の導入によるホームページ拡充、五年ごとに行われております国勢調査、固定資産税課税適正化等の経費を計上しております。
 市民生活部門では、住民自治を推進する新たな仕組みづくりとして地域組織の連携や調整を図る校区自治協議会の設立促進のため、その運営費支援を新たに実施するとともに、地域コミュニティセンター三カ所の建設、児童育成クラブの施設整備などにも対応を図ることとしております。
 また、平成十八年に開催されます世界女性スポーツ会議では実行委員会負担金を計上しておりますが、開催を一年後に控え、JOCの協力のもとにオリンピック選手が参加するスポーツ交流イベントや、メディアを活用した広報事業等が予定されております。同会議の開催及びそれに向けた事業の実施は、本市を全国にアピールする好機であると認識しており、私も自ら先頭に立ち、取り組んでまいりたいと考えております。
 そのほか、中高生など若年層にまで広がりつつある携帯電話での架空請求などのトラブルに対応するための相談及び予防啓発を行うことといたしました。
 国際交流関係では、姉妹都市でありますサンアントニオ市に友好代表団の派遣を行うとともに、友好都市ハイデルベルク市友好代表団の受入れ及び日本におけるドイツ年開催に合わせた市民交流経費等を計上しております。
 次に健康福祉部門では、まず健康政策関係において、PFI方式により建設することとなりました(仮称)熊本市総合保健福祉センターの埋蔵文化財調査及びPFI事業者選定のためのアドバイザリー契約等に要する経費、センター開設に合わせ保健福祉情報システムを構築するための概要設計等の経費を計上するとともに、各種イベントや市民会議等により健康づくりに取り組む健康くまもと二十一の活動も引き続き推進することとしております。
 また、国民健康保険関係では、先ほど申し上げました国保会計の健全化に向け、保健基盤安定や保険者支援制度など一般会計からの法定内繰入れのほか、累積赤字削減や単年度収支均衡を図るため、所要の予算措置を講じております。
 福祉関係では、次世代育成支援行動計画を推進し、地域子育て支援センターや児童デイサービスの拡充、児童及び職員健康診断の事業所内保育施設への助成拡大などを講じるほか、待機児童解消のための私立保育所の新規認可、病気回復期の児童一時預かりや保育所における一時保育など多様な保育需要への対応、児童虐待相談員の設置など、引き続き子育て支援の充実に積極的に取り組むことといたしました。
 また、障害者への支援といたしまして、小規模作業所の助成対象施設を国補助対象外施設まで拡大を行うとともに、ひきこもり対策のため予防講習会や新たに訪問相談を実施するほか、児童福祉施設・老人福祉施設・知的障害施設など社会福祉施設の整備に対し引き続き助成措置を講じております。
 次に、環境保全部門では、本市の財産であり六十七万市民の飲料水をまかなう貴重な地下水保全のため、白川中流域での水田湛水事業や、高森町・大津町での水源かん養林整備など市域を越えた地下水のかん養に引き続き積極的に取り組んでまいります。また、節水対策の推進のため節水社会実験などの市民運動を展開するとともに、市街地での雨水浸透や建築杭工事の地下水への影響等の調査を踏まえた地下水保全条例の見直しにも取り組んでまいることとしております。
 また、豊かな緑を保全していくため公共地及び屋上などの緑化推進とともに、下通アーケード内の植栽を新たに行うほか、環境保全型エネルギー利用促進のための太陽熱温水器設置や環境フェアの開催などにも引き続き取り組むこととし、所要の経費を計上しております。
 清掃関係では、本市中心部の十校区の燃やすごみ収集運搬や環境工場の焼却灰運搬業務の外部委託を行うほか、再生資源の集団回収や家庭用生ごみ処理機普及助成などによる資源リサイクルの推進、ごみの分別徹底と減量化に対する市民への啓発や事業者の意識向上などに努めてまいります。
 家庭ごみの有料化については地域説明会を実施し、多くの市民の皆様から意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 そのほか、設備の更新や改修が必要となっております東部環境工場の基幹的整備、また、中長期的なごみ処理施設の確保を見据えた新たなごみ処理施設整備事業計画及び施設基本計画の策定、東部環境工場余熱利用施設にかかる用地取得並びに造成工事等に所要の経費をお願いしております。
 次に経済部門では、まず商工関係では産業文化会館四階に設置しました中小企業経営サポートプラザの相談機能等の拡充を行うほか、地下の空き店舗部分を活用いたしまして、新規創業を目指す起業家にノウハウと実践の場を提供するチャレンジフロアの開設、南熊本駅北側用地で中小企業基盤整備機構が行うインキュベーション施設建設に伴う周辺整備、企業立地促進条例に基づく本市への進出企業に対する助成等に所要の経費を計上しております。
 また、中心市街地の活性化のため、まちなか賑わい創出事業や城下町大にぎわい市など継続して実施するとともに、厳しい経営環境が続きます商店街への支援措置を講じることとしております。 
 農林水産関係では、農業者と市民が連携し交流を通して地産地消の拠点づくりをすすめる「農とぴあ」を推進するとともに、地元の伝統野菜など、いわゆる「ひご野菜」の掘りおこしを通してKUMAMOTOブランドを発信してまいりたいと考えております。また、国県の補助を活用いたしまして野菜、スイカ、メロン等の低コスト耐候性ハウス整備や生産体制強化に取り組むほか、水産関係といたしまして四番漁港の用地に水産指導センターを建設することとし、設計等の費用を計上しております。
 観光関係では、秋に熊本県で開催されます伝統的工芸品月間全国大会に対し所要の予算措置を講じるほか、国内外からの観光客の誘致や観光情報ホームページサイトの充実、観光おもてなし人材育成事業等に引き続き取り組んでまいります。また、動植物園におきましては新たな遊具施設の導入や動物ふれあいランドの開設に伴う経費などを計上しております。
 熊本城関係では、本丸御殿大広間の復元整備を引き続き推進するとともに、奉行丸一帯や場内案内板の整備、年間パスポートの発行等による利活用の推進、さらには、春夏秋冬のお城まつり開催経費を計上いたしております。
 次に建設部門について申し上げます。
 まず、電子入札につきましては、二月二十一日より地元の業者に御協力をいただき実証実験を行っておりますが、その結果を踏まえ、新年度からは大規模な土木・建築工事について導入を図ってまいりますとともに、発注から納品まで電子データを活用するキャルスCALS/イーシーEC基本計画の策定に取り組むこととしております。
 また、道路橋梁関係では、舗装、新設改良、交通安全施設、都市計画道路整備事業のほか、電線共同溝整備事業、自転車走行空間の整備等に六十八億四千九百万円、都市基盤河川、準用河川、排水路整備や浸水解消対策等の治水事業に十一億二千百万円、公園整備事業に七億一千五百万円、さらに公営住宅建設事業については、新規着工百十戸分として十億七千八百万円を計上したほか、公共下水道築造事業に六十億八千二百万円を計上いたしており、平成十七年度末における下水道普及率は八十三・八%になるものと見込んでおります。
 また、九州新幹線建設及び連続立体交差建設事業について、その進捗に合わせた負担金を計上するとともに、熊本駅前東A地区市街地再開発事業の都市計画決定や事業認可のための基本計画等の作成、熊本駅西土地区画整理事業の推進、上熊本駅周辺の基盤整備や駅舎保存などに所要の経費を措置いたしております。
 さらに、県及び西合志町と共同で鉄軌道系の強化に関する調査に取り組むとともに、熊本都市圏交通アクションプログラム推進状況フォローアップ調査、(仮称)JR弓削駅の北側駅前広場整備に関する負担金等、所要の予算措置を講じたところであります。
 次に消防部門では、県と共同で緊急時に緊急車両がスムーズに現場に到達するための現場急行システム整備を行うとともに、携帯電話一一九番通報につきまして現在の分散受信方式から、管轄消防本部への直接受信方式への変更を県下一斉に行い、緊急通報への対応の迅速化を図ることといたしました。
 また、署所体制の見直しにより南熊本出張所を平田地区に移転することとし、地質調査及び設計経費を計上しております。
 このほか高度な消防及び救急救助活動のため梯子付ポンプ車の導入や高規格救急車等消防車両の整備等に所要の予算措置を講じております。
 次に教育関係について申し上げます。
 まず学校教育関係では、平成十八年度からの小学校三年生への三十五人学級導入に向け、これまでの少人数学級モデル校での研究結果を踏まえ、市内小学校を五ブロックに分け、拠点校を中心とした研究推進体制を構築し、少人数指導に関する教職員の指導力向上を図ることとしております。
 また、これまで行っておりますナイストライ事業、ティームティーチング講師派遣、いじめ・不登校対策など継続して実施するほか、学校施設の整備につきましては、義務教育施設の大規模改造や校舎、体育館、プールの増改築、校舎の耐震化優先度調査など計画的に進めるとともに、中学校パソコン教室の機器更新を行うことといたしました。
 このほか、障害をもつ児童の修学旅行参加に対する新たな助成制度の創設や小学校教科書改訂に伴う経費、共同調理場二施設の調理業務民間委託経費等を計上いたしております。
 生涯学習関係では、熊本駅前東A地区再開発ビルに建設予定の(仮称)熊本市図書・情報センターの基本計画策定に取り組むほか、子育てサロン開催や、健康文化施設の整備経費を計上したところであります。
 以上が一般会計及び特別会計の説明でありますが、これを賄う財源として、市税、地方交付税等の一般財源をはじめ、それぞれの歳出に見合う国、県支出金等、特定財源を充当いたしております。
 次に、企業会計について申し上げます。
 まず、市民病院会計についてでございます。
 市民病院は、先日、県内で初めてとなるがん診療の中心となる地域がん診療拠点病院として厚生労働大臣より指定を受けたところでありますが、今後、継続的に質の高い医療を提供する体制を整え、研修会の開催やがんに関する情報の収集・提供などを行うとともに、自治体病院として市民の医療需要に対し、適切な対応と患者サービスの向上に努めてまいります。また、計画的に進めております南館の改修工事につきまして、新年度は、空調や給排水設備等の改修を行うこととしております。
 次に、水道事業会計では、日頃より良質で安全な水道水の供給のため計画的な施設の整備や改良に取り組んでいるところであります。新年度におきましては、第五次拡張事業の見直しを踏まえた設備投資と維持管理に努め、中期財政収支を見通した経営改善を進めながら、水質監視、あるいは災害に強い水道の構築を図るほか、八〇周年記念として本年製造いたしましたペットボトル「くまもとの水」に関しましても市場調査を行うこととしております。
 次に交通事業会計について申し上げます。
 交通事業につきましては、公営交通としての使命と役割を果たすため、企業意識の高揚を図りつつ、乗客サービスの向上と経営の健全化に取り組んでいるところでありますが、新年度はやさしいまちづくりの一環としてノンステップバス五両を含みますバス購入のための経費や、通町筋電停付近の軌道敷の改良に要する経費などに所要の予算措置を講じております。
 次に、条例その他の議案のうち、熊本市自治基本条例の制定について御説明申し上げます。
 まず、何故この自治基本条例が必要なのか、を述べさせていただきます。
 私は、この条例を「これからの新しい熊本のまちづくりを進めていくための基本的なルール」と考えております。それは、市政を取り巻く環境が大きく変化しているという認識を持っているからでございます。
 具体的には、現下の経済情勢のもと、市税の急激な伸びは期待できず、また、国の三位一体改革等の影響による地方交付税や臨時財政対策債の縮減など、今後も厳しい財政運営が続くものと考えております。一方、急速に進みます少子・高齢化や地球規模での環境問題など対応すべき課題は山積しており、さらに本市におきましては、九州新幹線の全線開業や熊本城の復元・利活用、合併・政令都市への移行といった将来を左右する重要な課題への対応もせまられております。
 このような中、今後の市政運営におきましては、財源や人材といった限られた資源を最大限有効に活かしていくことは当然のこととして、複雑・多様化する市民ニーズの集約や合意形成にこれまで以上の努力が求められるとともに、政策選択の場面におきましても一段と厳しい対応が必要になるものと考えております。
 その反面、地方分権が進展し、国と地方との関係が対等となりますと、地方には、自らの意思決定とそれに伴う責任が強く求められることになりますものの、独自性の高い、魅力あるまちづくりが進めやすくなるということに非常に大きな期待をもっているところでございます。
 一方、市民の皆様に関しましても、市政運営への関心の高まりに伴い、公平性や透明性を求める声が強まってまいりましたし、自治会や社会福祉協議会、青少年健全育成協議会や防犯協会といったこれまで様々な場面で地域のまちづくりを担っていただいております住民の方々の活動に加えまして、ボランティア団体やNPOといった自らの意思に基づいた活動も盛んになってくるなど、その考え方や行動に変化が生じていると考えております。
 これらの状況を踏まえ、これまでの市政運営の進め方に情報の共有や連携・協働という考え方を加えた新しいルールが必要であり、そのことによって、市民の皆様に信頼される市政が実現できると考え、正に、地方自治の原点に立ち返ることとした次第でございます。
 つまり、自分たちのまちは、自分たちが創るという考え方を基本に置き、熊本市というまちを構成する市民・市議会・行政の三者が、それぞれの役割や責任を認識し、情報の共有による相互の信頼関係を築き、協働の取り組みを実行することにより、まちづくりを進めていくことが重要であると考えます。
 そして、これらのことを条例という形で明らかにし、新しい熊本市のまちづくりに取り組んでいこうとする自治体の意思表示・決意こそが、この自治基本条例制定の意図するところでございます。
 この条例づくりにつきましては、市民の皆様との協働で実践したいという思いから、百名を超える公募市民による「協働のまちづくりを進める市民会議」におきまして、一昨年の九月から昨年の七月まで、約一年間の熱心な討議をいただきましたし、シンポジウムや市内五ヶ所での地域説明会も協働で開催いたしました。
 さらに、この条例につきまして、一人でも多くの市民の皆様に御理解をいただくため、通常より長い期間パブリックコメントを実施し、百六十四名の皆様から七百一件もの御意見・御提案をお寄せいただいたところであります。
 そのほか、市政だよりへの条例案の掲載、市民センター等での関係資料の閲覧、自治会等での研修会や出前講座、校区青少年健全育成協議会など各種団体への説明、地域公民館や「健康くまもと二十一」など団体の構成員への資料配布といった活動を積極的に展開してまいりました。さらに、一月二十九日のオープンハウスでは、私自身もこの自治基本条例の広報活動に努め,御来場の市民の皆様から様々な御意見をいただいたところございます。
 一方、行政の対応といたしまして、職員に対する研修会の開催をはじめ、全庁的な検討に取り組むとともに、学識経験者による法的な検証を加え、条例案をまとめたところであります。
 以上、熊本市自治基本条例の提案理由を御説明させていただきましたが、その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので説明を省かせていただきます。
 最後に、平成十六年度の補正予算につきましては、国・県の補助内示に伴う台風被害の野菜生産農家への復旧資材購入助成などのほか、新年度から指定管理制度を導入します流通情報会館、食品交流会館、くまもと工芸会館の債務負担行為をお願いしております。また、引き続き厳しい状況が続いております国民健康保険会計への繰出措置や保健師の派遣などを行いました新潟中越地震対応経費、そのほか決算見込みによる過不足調整等を計上いたしております。
 以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。

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