提案理由の説明に先立ちまして、一点お詫びを申し上げます。
去る十月二十四日、飲酒運転により物損事故を引き起こした本市職員を、十月三十日付けで懲戒免職処分といたしました。
飲酒運転の撲滅に向け、全庁を挙げて取り組んでいる中、このような事案が発生しましたことを大変重く受け止めており、議員各位をはじめ市民の皆様に対しまして、深くお詫び申し上げます。
改めまして、職員の法令遵守はもとより、常に全体の奉仕者として、強い自覚と緊張感を持って職務に専念するよう全職員の意識改革を図り、市民の皆様からの信頼回復並びに再発防止に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。
次に、二点御報告を申し上げます。
まず、海外訪問についてですが、去る九月三十日から十月八日にかけて、フランス・エクサンプロヴァンス市との交流都市締結十周年及びドイツ・ハイデルベルク市との友好都市締結三十周年を記念し、両市を訪問いたしました。
フランス・エクサンプロヴァンス市では、熊本市造園建設業協会をはじめとした関係機関の御協力により、二〇二一年に整備が完了しましたサンミトル公園内の日本庭園を視察したほか、エクサンプロヴァンス市総合病院において、予期せぬ妊娠をした妊婦の方への支援体制や匿名出産の実態などについて情報交換を行いました。
また、ドイツ・ハイデルベルク市では、未来を担う若い世代の交流機会の創出等に関する意見交換や中断していた医療交流とスポーツ交流の再開についても合意し調印したほか、自動車交通から自転車利用へシフトする取組を視察するとともに、ドイツ連邦家族・市民社会局を訪問し、内密出産の法制度について説明を受けました。
今回の訪問を契機として、今後更なる友好・交流を促進し、各分野の施策展開に活かしてまいりたいと考えております。
次に、十一月十四日から十九日の六日間にわたり開催されましたバドミントンの国際大会「熊本マスターズジャパン」について御報告申し上げます。
この大会は、世界バドミントン連盟のワールドツアーであり、世界のトップ選手が熊本に集い、来年のパリ・オリンピック出場をかけて熱い戦いが繰り広げられました。
大会期間中は、県内はもとより、国内外から一万八千人を超える方々が来場され、熱い声援で大会を盛り上げていただきました。
本大会を通じて、多くの市民の皆様にスポーツのすばらしさや感動をお伝えするとともに、改めて熊本の魅力や熊本地震から力強く復興しているまちの姿を国内外に発信することができたものと考えております。
なお、本大会は今後三年間熊本で開催されますことから、関係団体と連携を図りながら、大会の更なる充実に向けて取り組んでまいります。
それでは、提出議案について、説明に入らせていただきます。
今回の補正予算案は、「国経済対策」への対応経費をはじめ、先日部材の落下事故が発生しました上熊本駅東口駅前広場における歩行者通路の屋根改修に要する経費など、今後の業務推進上、速やかに対応する必要があるものを計上しております。
また、来年度当初から業務を開始することとなる施設の維持管理経費等について、今年度中に入札等の契約事務を実施するための債務負担行為を計上しております。
まず、補正予算案の概要について申し上げますと、一般会計において百二十九億二千五百二十二万円の増額、補正後の予算額四千六十一億二千四百六十万円、特別会計において一億三千五百六十万円の増額、補正後の予算額二千三百二十五億九千六百二十八万円、企業会計において二億四百五十万円の増額、補正後の予算額八百三十八億六千九百五十万円となり、全会計の合計では補正額百三十二億六千五百三十二万円、合計の補正後予算額は七千二百二十五億九千三十八万円となりました。
補正後の予算を前年同期と比較しますと、一般会計では一・五%の増、特別会計では一・九%の増、企業会計では三・三%の減、全会計の合計額では一・〇%の増となっております。
主な内容について申し上げますと、まず、「国経済対策関連」の補正予算ですが、今回は合計で百十二億二千九百七十一万円を計上しております。
分野別に申し上げますと、まず、健康福祉部門では、住民税非課税世帯等に対する電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金の支給に要する経費を計上しております。
次に、経済観光部門では、LPガス価格高騰の影響を受けた世帯及び事業者に対する支援に要する経費を計上しております。
次に、農水部門では、水田の畑地化に伴う土地改良区への協力金等の支援に要する経費を計上しております。
次に、都市建設部門では、道路、河川、公園等における防災・減災、国土強靭化等への対応に要する経費を計上しております。
続きまして、国経済対策関連以外の補正予算の内容につきまして、まず、財政部門では、納税者の修正申告等に伴う過誤納金の還付に要する経費を計上しております。
次に、文化市民部門では、戸籍法の改正に伴うシステム改修に要する経費を計上しております。
次に、健康福祉部門では、障害者総合支援法等の改正に伴うシステム改修に要する経費を計上するとともに、債務負担行為も併せて計上しております。
次に、都市建設部門では、先ほど申し上げました、上熊本駅東口駅前広場における歩行者通路の屋根改修に要する経費を計上するとともに、債務負担行為も併せて計上しております。
次に、消防部門では、西消防署移転候補地の測量業務委託に要する経費を計上しております。
次に、特別会計のうち、介護保険会計では、介護保険制度改正に伴うシステム改修に要する経費を計上しております。
以上が、補正予算の歳出の説明でございますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う国・県支出金等の特定財源や市債を計上しますとともに、一般財源として繰越金を充当しております。
続きまして、条例等の議案でございますが、主なものとしまして、まず「熊本市手数料条例の一部改正」について御説明いたします。
これは、マイナンバーカードを利用してコンビニ等で戸籍の謄本又は抄本等の交付を行う場合における手数料を減額するため、所要の改正を行うものであります。
次に、「熊本市国民健康保険条例の一部改正」についてでありますが、これは、出産した被保険者等に係る国民健康保険料の免除措置に関する規定を整備するなど、所要の改正を行うものであります。
なお、熊本市一般職の職員の給与に関する条例など、給与関係条例七件の一部改正につきましては、施行日の関係で先議をお願いしたいと考えております。
その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。
以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。