提案理由の説明に先立ちまして、台風一〇号に関する本市の対応について御報告申し上げます。
台風一〇号は、事前の気象庁の発表によると、甚大な被害が発生するおそれがあったことから、去る八月二十八日に避難場所及びペット同伴避難場所を順次開設するとともに、二十九日から三十日までの二日間、市役所本庁舎をはじめとする市有施設を原則として全て閉館し、窓口業務を含む市役所業務を停止するなど、災害対応業務に専念いたしました。
このような早めの対応と市民の皆様の御協力により、当初懸念していた大きな被害もなく、市民の皆様の生命・財産を守ることができたと考えております。
今後も台風シーズンが続くことから、今回の対応において市民の皆様からいただいた御意見を分析し、さらなる災害対応力の向上に繋げてまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様におかれましては御理解、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
続きまして、御報告とお詫びを申し上げます。
令和五年第三回定例会で御報告いたしました熊本県少年保護育成条例等の違反で逮捕されました教育委員会事務局の職員を、六月二十八日付で懲戒免職処分といたしました。
また、去る七月、不祥事の根絶に向け、全庁を挙げて取り組んでいる中、本市職員が警察に逮捕されるという案件が立て続けに発生いたしました。
逮捕された職員につきましては、捜査状況や刑事手続きを見守りつつ、今後、事実関係が明らかになった時点で、厳正に対処してまいります。
今回の件を受け、八月の庁議において、私から幹部職員に対し、綱紀粛正の徹底について改めて指示するとともに、全職員に対して綱紀粛正に向けた通達を発出したところです。
さらに、昨日、新水前寺駅前電停において、発車直後に市電のドアが開くという重大インシデントが発生いたしました。
このような事態が相次いで発生しましたことを大変重く受け止めており、議員各位をはじめ市民の皆様に対しまして、深くお詫び申し上げます。
引き続き、再発防止と市民の皆様からの信頼回復に全力で取り組むとともに、安全を最優先に皆様に安心して利用いただける公共交通機関となるよう取り組んでまいります。
次に、三点御報告を申し上げます。
まず、「第四十七回火の国まつり」について御報告いたします。
八月二日から四日にかけて開催しました「火の国まつり」は、今回、初めて「城下町くまもとゆかた祭」と同時開催となり、各会場は、浴衣姿で御来場いただいた方々で賑わったほか、メインイベントである「おてもやん総おどり」には、前回を上回る五十四団体、約四千八百人の皆様に御参加いただき、沿道にも、お子様連れの御家族や帰省中の方を含め、約十万人の観客の方にお越しいただくなど、メインイベントにふさわしい盛り上がりとなりました。
次に、「江津湖花火大会二〇二四」について御報告いたします。
八月二十四日に開催しました「江津湖花火大会」は、地域住民の方々の御協力のもと、来場者の皆様の安全確保を最優先に取り組んでまいりました。
当日は、開始直前まで天候が心配されましたが、約十三万六千人と多くの皆様に御来場いただき、夜空と湖面を鮮やかに彩る一万発の花火を楽しんでいただけたものと考えております。
熊本の夏の風物詩となっております「火の国まつり」及び「江津湖花火大会」を、多くの皆様の御協力をもちまして、今回も、大きな事故等もなく、成功裏に終えることができました。
ここに改めまして、議員各位をはじめ、開催にあたり、御尽力いただきました関係者の皆様方に対しまして、心から厚く御礼申し上げます。
最後に、八月十九日に開催しました「熊本県・熊本市調整会議」について御報告いたします。
本会議は、平成二十九年度以降、県と市が密接に連携して取り組むべき施策について協議を行う場として、これまで五回会議を開催し、県市共通の様々な課題等について協議してまいりました。
六回目となる今回は、寺本議長にも御出席いただき、「熊本都市圏の交通渋滞対策」と「地下水保全対策」を議題に、現状分析を踏まえた交差点改良の実施や、九月から県市で推進する時差出勤の取組、地下水量の保全にかかる新たなかん養手法としての草原等の活用など、改めて課題の共有や今後の取組の方向性について協議することができ、大変有意義な会議となりました。
今後とも、県と市が連携しながら、熊本都市圏を取り巻く課題等に対してスピード感をもって取り組んでまいります。
それでは、提出議案について、説明に入らせていただきます。
今回の補正予算案は、新庁舎整備に係る基本計画策定及び基本・実施設計等に伴う債務負担行為の設定など、今後の業務推進上、速やかに対応する必要があるものを計上しております。
まず、補正予算案の概要について申し上げますと、一般会計において七億九千百五十二万円の増額、補正後の予算額四千三十三億二千八百五十六万円、企業会計において千八百八十万円の増額、補正後の予算額八百五十九億三千六十一万円となり、全会計の合計では補正額八億千三十二万円、合計の補正後予算額は七千三百十四億四千六百六十万円となりました。
補正後の予算を前年同期と比較しますと、一般会計では二・六%の増、企業会計では二・七%の増、全会計の合計額では三・一%の増となっております。
主な内容について分野別に申し上げます。
まず、政策部門では、先ほど申し上げました、新庁舎整備に係る基本計画策定及び基本・実施設計等に伴う債務負担行為の設定のほか、本業務の受託者選定に要する経費を計上しております。
次に、財政部門では、宿泊税制度導入に向けた市税情報システム改修業務委託に伴う債務負担行為を計上しております。
次に、健康福祉部門では、生活保護受給世帯に対する大学受験料等の支援に要する経費のほか、老人福祉施設等の整備に要する経費を計上しております。
次に、農水部門では、六月二十七日から二十八日及び七月十四日から十五日にかけて発生した豪雨により被災した農地等の災害復旧に要する経費を計上しております。
次に、都市建設部門では、運転士不足等の課題解決に向けた自動運転バスの実証実験に要する経費のほか、(仮称)東町線の市電延伸に係る実施設計等に要する経費を計上しております。
最後に、企業会計のうち、交通事業会計では、市電のドア開け走行対策、信号冒進等対策のための装置設置に要する経費を計上しております。
以上が、補正予算の歳出の説明でございますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う国・県支出金等の特定財源や市債を計上しますとともに、一般財源として繰越金を充当しております。
続きまして、条例等の議案でございますが、主なものとしまして、「熊本市立小学校及び中学校設置条例の一部改正」について御説明いたします。
これは、令和九年四月一日より、新たに義務教育学校として「熊本市立天明みらい学園」を新設する等のため、所要の改正を行うものであります。
その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。
以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。