平成19年第3回定例会市長提案理由説明
提案理由の説明に先立ちまして、一言申し上げます。
まずもって、七月上旬の未曾有の大雨により被災された皆様方には心からお見舞い申し上げます。
また、七月十一日未明、水防活動中に東部土木センター職員の命が失われました。誠に痛恨の極みであります。ここに、故人の御冥福を心からお祈りし、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。今回の事故に関しましては、議会はじめ市民の皆様にも大変な御心配をおかけいたしました。また、捜索にあたりましては、関係機関の皆様に多大なる御協力をいただきました。深くお礼を申し上げます。
今後、このような不幸な出来事が二度と起こらぬよう、事故原因の究明を行っておりますので、あらゆる方面からの安全対策を講じてまいります。
続きまして、職員の不祥事について申し上げます。
職員採用試験に際し、学歴を詐称して合格し勤務していた職員につきまして調査をいたしましたところ、十八名の職員について事実を確認いたしましたため懲戒処分といたしました。
また、交通局の職員に対しましても、服務に関して懲戒処分を行いました。
このような不祥事が起き、議会をはじめ市民の皆様の信頼を裏切る結果となりましたことは、まことに残念であり、ここに深くお詫び申し上げます。
今後も職員一丸となって市政への信頼回復に全力を尽くしてまいります。
それでは、本日提案いたしました各号議案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
まず、補正予算でありますが、今回は、国庫補助の内示に伴うもの、法令の改正等に伴うもの、また、七月上旬からの大雨に関連するものを中心に、本丸御殿の展示関係経費など、今後の業務推進上やむを得ないものについて補正予算案を提出しているところであります。
その結果、一般会計において、四億一千八十八万円の増額補正、補正後の予算額二千八十一億六千八百七十八万円、特別会計において、一億六千五百七十八万円の増額補正、補正後の予算額二千八十八億八千九十六万円となり、一般会計・特別会計の合計では補正額五億七千六百六十七万円、補正後の予算額は四千百七十億四千九百七十五万円となりました。
補正後の予算を前年同期と比較いたしますと、一般会計では一・一パーセントの増、特別会計では七・一パーセントの増となり、一般会計・特別会計の合計額では四・〇パーセントの増となっております。
その具体的な内容を申し上げますと、まず議会部門では、ハイデルベルク市との友好都市盟約締結十五周年を記念して派遣致します代表団の経費を計上しております。
次に、総務部門では、水防活動の安全性向上のための経費や、政令指定都市実現の機運を醸成するための広報経費、都市PRにもつながる第七十八回都市対抗野球大会出場に際しての、熊本市代表応援実行委員会への支援経費を計上しております。
また、熊本駅前東A地区市街地再開発事業につきましては、建設業務代行者が決定し協議を進めますなかで、情報交流施設部分についての設計工期の短縮を図る必要が生じたため、実施設計経費を計上し、あわせて債務負担行為を設定しております。
次に、市民生活部門では、ハイデルベルク市への友好代表団派遣、ならびに、観光面での交流を進めている韓国・蔚山広域市への訪問団派遣のための経費、また、緊急に増設が必要な放課後児童育成クラブ三ヶ所分の施設整備経費を計上しております。
次に、健康福祉部門におきましては、七月十六日に発生した新潟県中越沖地震の被災地である柏崎市への保健師六名の派遣経費、また、七月六日から七日の大雨にかかる災害について、災害救助法の適用を受けたことに伴い災害援護資金貸付金などの災害援護経費を計上しております。
また、後期高齢者医療制度の実施にかかる窓口端末設置経費や、国からの補助内示に伴う子育て支援キャンプや児童虐待防止の啓発のための経費も計上しております。
次に、環境部門では、十月十日に供用開始予定の東部交流センターの指定管理料を計上し、あわせて平成二十二年度までの債務負担行為を設定しております。
次に、経済部門では、平成二十年四月からの一般公開を予定しております熊本城本丸御殿大広間の復元に伴う展示関係経費や、亀裂が生じております天守閣鯱の制作・設置経費及び劣化等が見られる屋根瓦の補修経費を計上しております。
また、本年度で三年目になります中心市街地におけるイルミネーション設置に対する助成や、商店街が行う防犯カメラや街路灯などの共同施設設置に対する助成、さらに、補助内示に伴う河内白浜地区の果樹園地用水施設整備への助成経費を計上しております。
次に、都市建設部門では、平成十七年六月に景観法が全面施行されたことを受け、熊本市都市景観条例の改正に向けた調査経費や、財団法人日本宝くじ協会からの大型児童遊具寄贈に伴います坪井川緑地の基礎工事費を計上しますとともに、国からの補助内示を受けました緊急地方道路整備事業ならびに電線共同溝整備事業につきましても所要額を計上しております。
最後に、教育部門であります。北部総合支所前の国道三号線の拡幅工事に伴い、北部武道館を現在の北部公民館別館用地に移転新築することとし、今回の補正では、北部公民館別館の解体経費、及び、武道館の新築設計経費等を計上しております。
次に、特別会計ですが、まず、国民健康保険会計では、前期高齢者保険料特別徴収にかかるシステム改修経費を、介護保険会計では、介護予防事業にかかる地域支援交付金返還金を計上しております。
食品工業団地用地会計では、団地内分譲地の一区画につきまして、売却先からの買い戻し要望を受け、売買契約書の買い戻し特約に準じ、本市が買い戻す経費を計上しております。
以上が、補正予算の歳出の説明でありますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う特定財源及び繰越金を充当いたしております。
次に、主な条例議案について申し上げます。
まず、熊本市大規模集客施設制限地区内における建築物の制限に関する条例の制定について御説明いたします。
これは、本年五月に認定を受けました「中心市街地活性化基本計画」の認定要件でもあります、準工業地域における大規模集客施設の立地を制限します特別用途地区の建築制限に関する条例で、その内容としましては、床面積が一万平方メートルを超える映画館、店舗等の大規模集客施設の建築制限を行うものであります。
次に、「熊本市国民健康保険条例」の一部改正ですが、これは、これまで毎年四月に仮算定、八月に本算定としていた保険料の二段階賦課を六月の本算定一回のみとし、これまで年間十二期に分けて行ってきました徴収を、毎年六月から翌年三月までの十期に分けての徴収とするものであり、所得の変化などに伴う年度途中での保険料の変更がなくなることで、より市民の方にわかりやすい制度を目指すものであります。
その他の議案につきましては末尾に簡単な理由を付しておきましたので御説明を省かせていただきます。
なお、一般、特別、企業の各会計の決算につきましては、別途報告書を添付しておきました。
何とぞ、慎重に御審議のうえ御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。