平成27年4月7日 新年度市長記者会見
【市長発表:新年度にあたっての抱負】
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市長記者会見の様子 |
本日は、新年度にあたっての抱負と明日から行われます、全日本女子レスリングの強化合宿について述べさせていただきます。平成27年度がいよいよスタートいたしました。政令指定都市となって丸3年が経過したところでございますが、これまでも申し上げてまいりましたように、政令指定都市移行4年目の新年度を迎えまして、セカンドステージへと大きな飛躍が期待されます中、新しく編成いたしました平成27年度予算のもと、地域主義の理念を徹底的に実践していくことで、地域の様々な政策課題に対して職員と一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。 それでは、今年度の組織体制と主な取り組みについて述べさせていただきます。本年度の主な組織体制についてですが、平成27年度は、トップマネジメント体制を強化するとともに、政策形成や政策調整機能を充実させ、新たな行政課題への対応や、より効率的な執行体制への見直しを図りますため、次に述べます組織改編を行ったところでございます。まず、局等の新設、再編についてですが、これまでの「企画振興局」を再編して、市長直下の組織として「市長政策総室」を設置いたしますとともに、「企画振興局」から「東京事務所」を独立させまして、市民活動を総合的に支援する「市民局」として再編したものであります。その他の改編としましては、財政局に、債権管理の適正化と円滑な運用を図るための「債権管理推進室」を設置するほか、「MICE推進室」を、課相当の組織として「MICE推進課」に再編いたしました。また、教育委員会事務局におきましては、特別支援学校の設置準備を進めるため、「総合支援課」内に「特別支援教育室」を設置したものであります。なお、先般、コンプライアンス担当監から意見を受け、改善に取り組んでいました「事務事業の適正な執行」につきましては、新たに不当要求行為について定義化するとともに、新たな会議体を設け対処することとしており、既に新年度から運用を開始しているところであります。 続きまして、今年度の主な取り組みについて申し上げます。まず、新総合計画の策定についてでございますが、本件につきましては、就任直後から見直しを指示し、既に着手しているものでございまして、現在、若手職員を中心に20数名の有志で意見を出し合い、議論しているところであります。策定にあたりましては、市民意見をもとに作り上げるボトムアップ型の計画とするため、まず、市民アンケートやワークショップなど、市民の皆様の意見をお聞きする機会を設けまして、実際の市民生活に根ざした実効性のある計画として、作り上げてまいりたいと考えております。また、人口減少社会を見据えて策定いたします「熊本市人口ビジョン」「まち・ひと・しごと創生総合戦略」につきましては、昨年12月10日に設置いたしました、私を本部長とする「熊本市まち・ひと・しごと創生推進本部」において検討を行っているところであります。この計画の策定にあたっては、地域の様々な課題を地方から問題提起し、国に対して提案していくなど、地域主義の考え方で、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。それから、人口減少社会へのもう一つの視点といたしまして、近隣市町村との広域連携が重要であると考えております。これは、熊本都市圏が一体になって、いわゆる「人口流出を止めるダム効果」を高めていくという取り組みですが、現在、14市町村で構成する熊本都市圏協議会を中心に意見交換を行っているところでございまして、今月からは、具体的な連携事業につきまして、事務レベル協議をスタートさせ、今年度内には連携中枢都市圏ビジョンを策定することとしております。今後、本市が中心となり、熊本都市圏域の経済成長を牽引するとともに、高度に集積した都市機能の活用や、本市との連携事業を展開していくことで、圏域住民のサービス水準の向上にも努めてまいりたいと考えているところです。 次に、中心市街地の活性化についてでありますが、桜町再開発事業については、施行認可に向けて、現在審査を行っているところであります。また、(仮称)花畑広場につきましては、先月から暫定供用を開始しておりまして、県民百貨店、センタープラザが閉店したあとにおきましても、引き続き賑わいが継続いたしますよう、マルシェの開催など広場の活用に力を入れてまいりたいと考えております。 なお、熊本駅ビルの開発につきましては、先月下旬、JR九州から計画概要について発表がございましたが、熊本駅周辺においては、副都心的な役割を担うとともに、熊本駅から桜町・花畑地区、中心商店街などが“面”となってお互いが繁栄していくことを期待しているものでありまして、このことにより県全体、ひいては九州全体の活性化にも繋げていくことができればと考えているところであります。その他、上半期の主なトピックスといたしまして、7月から8月にかけて、有明海沿岸の自治体とともに「海フェスタくまもと」を開催いたしますほか、下半期では、我が国における最も基本的で重要な統計調査であり、本年で20回目となります、国勢調査を10月1日に実施いたします。非常に重要な調査でありますので、市民の皆さんに調査方法を含めて周知を図り、全庁を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 以上が、新年度にあたっての抱負、組織体制、主な取り組みについての概要でございますが、改めまして、マニフェストを着実に進めることによって様々な政策課題を解決していき、少しでも市政運営が前進いたしますよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 【市長発表:全日本女子レスリング強化合宿について】 引き続き、明日から行われます、全日本女子レスリングの強化合宿について述べさせていただきます。日本レスリング協会からの発表によりますと、吉田沙保里選手をはじめ、レスリング界のトップアスリート、監督コーチを含め総勢20数名が4月8日(水)から14日(火)までの日程で熊本県民運動公園体育館を中心に強化合宿を行うこととなっております。来熊初日には、配布しております資料のとおり、到着時の空港での歓迎セレモニーと、同日夕刻には、歓迎レセプションも行う予定であります。今回の全日本女子レスリングチームの熊本合宿が、有意義なものとなりますよう、熊本県や県レスリング協会とも連携を図りながら取り組んでいくとともに、今後ともスポーツコンベンションのみならず、くまもとMICE誘致推進機構を中心としたオール熊本の態勢で、MICE誘致に取り組んでまいりたいと考えております。 最後になりますが、今度の日曜日に行われます統一地方選挙への投票についてでございますが、投票は有権者が政治に対して意思表示ができる大切な機会でもありますので、有権者の皆様にはぜひ投票に行っていただきたいと思っているところでございます。私からは以上であります。
- 報道資料 (PDF:89.7キロバイト)
【質疑応答:桜町再開発事業について-1】【記者】桜町再開発の事業施行の認可についてですけれども、当初3月中というお話がありましたけれども、4月に入っていて、まだ認可されていないということですが、そのあたりの理由とスケジュール感を教えていただけますでしょうか。
【市長】まず、3月25日に都市再開発法に基づく意見書の提出を締め切らされていただきました。この中で、意見が特に出なければ、そのまま審査をして、だいたい年度内に認可という判断になったかと思いますが、意見書の方が出されましたので、現在法に則って適切に審査をしているというところでございます。いつ頃、どのような形で認可をするかということについてでありますが、もう少し審査をする、例えば口頭意見陳述をするとか、審尋(※行政不服審査法上の手続き)であるとか、そういったことが手続的に行われますので、そういったことを経て審査をした結果、認可をする・しないの判断を下すということになるかと思います。審査をするということになりますので、時期が何日になるかということを今は言えないような状況だと思いますが、適切に法に則って審査をして、認可の是非について判断を行うということでございます。
【記者】スケジュール感については「まだ何日かは言えない」ということでしたけれども。
【市長】まだわからないです。審査中だからわからないということです。
【記者】4月中だとか、そのあたりはどうですか。
【市長】寄せられた意見、審査の内容によって変わってきますので、今月中と断定できるかどうかは分かりませんが、通常で行けばそんなに長くかからないと思いますので、特に問題がなければ今月中ぐらいには認可という手続きの判断になるかと思います。
【記者】意見書というのは、具体的にどういう意見だったというのは。
【市長】意見書の中身については、私も個別に承知しておりません。今、審査をしているところですので。件数については、12件ほど出たと報告を受けております。 【質疑応答:統一地方選挙について-1】【記者】現時点で北区10人が無投票で当選を決めている状況ですけれども、それについてどう受け止められているのか教えてもらえますか。
【市長】先の定例記者会見でも若干申し上げたかもしれませんが、選挙ですから出来るだけ多くの方が立候補されて、政見を述べられて、住民の意見、有権者の意見を聞かれて当選をされるというのが選挙という意味では望ましい姿かもしれませんが、立候補者がそれで定数を満たしたということについては、それが現状なのだろうなと思っておりますし、無投票であっても当選された皆さん方には、色々な市民のご意見、当然立候補するまでの間に様々な問題意識でありますとか、市政に対するご意見・ご提言があろうかと思いますので、議会の中でお互いに市民の代表として、議会の場で前向きな市民に対する提言をいただければと期待をしているところでございます。
【記者】全国的にも今回は無投票の選挙区が多くて、議員のなり手がそもそも少ないという現象が見られますが、市長ご自身も県議として長くやってこられたお立場から、現状をどうご覧になっていますか。
【市長】選挙に立候補するということ自体は、かなり勇気のいることでもあります。どのように、市政あるいは県政、そういった地方議会の中で自分たちの主張を繰り広げながら、民意をより反映した政治を行っていくのかという意味では、立候補するという決断に至るまでが非常にハードルが高いです。当然、落選するリスクがあるわけで、私も17年間、市長選を除きますと議員選挙だけで5回選挙を行ってきました。選挙活動自体が非常に大変なものでもありますし、簡単に意見があるから立候補、とはなかなかいきにくいというところが心理的にもあるのかなと思います。一方で、議会のいろいろな存在意義について、このところの無投票ということについて全国的に問われているというところがあります。私も議員としての活動をする中では、議員がそれだけ有権者の皆さんに信頼されるような存在になること。そして、議会での活動をより幅広く知っていただく必要があると思っておりますので、そういう活動を通じて信頼感の中で候補者の方がたくさん出てくるような、政治的な素地というものが必要なのだろうなと思います。ところが、現実には、政務活動費の不適正な使用でありますとか、あるいは不祥事、セクハラであるとかそういった発言が取りざたされて、全国に地方議会の中でも一部の議員の行動によって、非常に信頼感が低下したということが、今回の立候補者が少ないということついても何らかの影響を与えているものだと思います。私も議員活動をしていながら、有権者のいろいろな意見を聞きながら、それを議会の場で執行部に問いただしていくとか、提言をするとか、意見を言うとか、非常に重要な職責を負っているものだと思うんですが、一方で、不祥事であるとか、スキャンダラスな話がかなり繰り返し報道されていますと、地方議員あるいは地方議会に対する信頼感が全国的に低下をしているということは、これからの議会の在り方を議員・議会みんなが一丸となって、信頼関係をもう一回取り戻すというようなことをしていかなければならないと思っています。私も議員活動をする中で、ローカルマニフェスト推進の運動でありますとか、政策中心型の選挙をやっていくんだ、ということでいろいろな活動をしてきました。現実的には、議員の活動が大きく有権者の方々に示されるような、マスメディアで報道される場面も少ないですが、それでも真面目にきちんと活動していれば、評価もしていただけるし、議員としての信頼感も醸成できると思います。私もそういう信頼関係の中で5期17年間、議員としての活動をさせていただいたと思っておりますので、これから、今選挙戦で戦っておられる候補者の皆さんも地方議会が信頼されない状況だからこそ、どういう議会改革をしていくのか、どういう姿勢で議員として政策論争を行っていくのかといった政治姿勢も含めて明らかにしていただいて、今回の統一地方選挙が、民意の代表として地方議員の皆さんが信頼される存在になるように頑張っていただきたいと思っています。
【記者】議員のやりがいであったり、議員という仕事の魅力そのものについてはどういうものがありますか。
【市長】私自身が議員として17年間活動している中では、執行部の方に問題提起をして、あるいは有権者の皆さんからのいろいろな声を代弁するような形、あるいは自分でいろいろな考え方を持って勉強をして、調査して、それを議会で質問という形で問いただす。それによって、行政の方も「確かにそういう意見があるな。」という気付き、あるいは「そういう提案であればいい方向に修正をしていこう。」という動き。私の場合は、知事のマニフェストに対して何回も質問をさせていただきましたが、そういったものに対してもきちんとチェックをしてくということで、県政運営、行政の運営が適正に執行されていって、良い方向に動くということについて、どういう評価をされるかは別として、自分の発言が何かの役に立っていると、行政の適正な執行に対して有効な提案をしたんだというような、ある意味では達成感が私はあると思いますし、行政では声がなかなか届かないという部分も届ける、リアルタイムの民意をしっかり届けるという意味でも、地方議会の役割は非常に大きいと思います。私が実際に市長になってみて、議員と市長の立場で違うのは、議員の場合は自由に調査や研究をしたり、有権者の声を取ろうとすぐに飛んで行って話を聞くというような自由があったんですけれども、市長になりますと執行機関の長ということで、時間的にも制約が多い。執行機関の長として出なければいけないいろんな会議でありますとか式典でありますとか、記者会見もそうでありますけれども、そういったことでかなり自由に意見を聞きに行くことが出来ないわけです。そういう時に有権者の一番身近なところにいる議員の皆さんが声を上げるということは、二元代表制の中で極めて重要な役割を担っているんだと私は思っています。ですから、市長になってみて初めて「議会というのは本当に大事なんだな。」と思いました。実際に、議会で厳しく質問する立場だったんですが、今度は厳しく質問される立場になってみると、また違う。「そんなに厳しく聞かないで。」と思う面もあるんですけれども、逆に聞かれることによって、きちんと説明を尽くさなければいけないんだなとか、行政の在り方について修正をしていかなければならないという気付きが出てきますし、それによって緊張感が出てくると思います。議会と執行機関の二元代表制のもとで、制度として置かれているのは必ず意味があって、その在り様がある意味では問われている。先日発表しましたコンプライアンスのいろいろな問題で、例えば大きな声を出してみたり、不当な要求をするということではなくて、議会の場で緊張感のある関係の中で、正々堂々と住民のために議論を戦わせていくということが議会の本当に必要なものだと思いますので、私自身は非常にやりがいのある仕事だと思って、17年間議員として活動をしてきました。 【質疑応答:桜町再開発事業について-2】【記者】桜町再開発事業の意見書の話で、今12件意見書が今出ていて、それを審査していると。ただし、今月中には意見書の審査も終了して認可を出せると。
【市長】認可が出せるかどうかは意見書の内容次第です。
【記者】12件出ていて、今月中に審査が終了するというような見通しを持っていらっしゃるということは、そこまで重大な意見書は出ていないという報告を受けているわけですか。
【市長】そこまで重大というよりは、今は審査中ですから、12件のうち何が法に則った適法なもので、何が適しないものなのかというのは、まだ報告は受けておりませんけれども、少なくとも重大な意見書といいますか、事業認可に関わる部分で、重大な、全てをやり直さなければいけないといった問題にはなっていないのではないかなと認識しているということです。詳細な意見書の中身についても審査中でありますので、ある程度それが出てきて、きちんとした手続きを踏まえて、私も報告を受けるということになると思います。適切に審査をされていくと思っています。 【質疑応答:統一地方選挙について-2】
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市長記者会見の様子 |
【記者】告示後の選挙戦の中でいろいろな議論が交わされていますけれども、市議選をめぐる候補者の議論というのは、活発に行われていると見ていらっしゃいますか。
【市長】活発かどうかということよりも、おそらくそれぞれの場面で、例えば街頭演説であったり、個人演説会を中心にそれぞれ活動なされていると思いますし、あるいはインターネットを使った活動の中で自分の政見をきちんと述べられていると思います。ただ、私は今まで統一地方選の当事者としてずっと活動をしてきたので見えなかった、わからなかったことは、私も一人の有権者として考えた場合、立候補者の主張の違いというものが届きにくいというのが、私が今回初めて気づいたところでした。当然、今までも伝わらないなという思いも持っていながら、ジレンマがあって、インターネットを使ったり、出来るだけ街頭演説を増やしたり、辻立ちをしたりといろいろなことをやってきましたけれども、実際に客観的に選挙を見る立場になると、情報がなかなか入ってこない。県議・市議、それぞれたくさん出ておられる議員の皆さん方の考え方を知る手段が限られているなということ。報道でも公職選挙法の関係もありますので、長時間を割いて、あるいは大きく紙面を割いて報道するというのはなかなか難しい部分があるのかなと思っておりまして、有権者に対して選挙公報が出されることはありますけれども、立候補者がどのような考え方を持っていて、どのように市政運営、あるいは県政、自治体の運営に反映させたいのか、政見が伝わりにくいという状況があるというのが私が率直に感じているところです。
【記者】市役所がある中央区ですけれども、桜町再開発が非常に重大な案件として一つの争点になるとみられていたんですが、16人の候補者の中で桜町再開発の問題点を取り上げてらっしゃる方は限られている状況ですが、市長として、これは議会の承認を得たことなので当然のことだと思われますか、それともこれについてもっと議論していいと思われますか。
【市長】当然いろんな見方があっていいと私は思っていますので、候補者がそれぞれどのような主張をなされるのかということ、あるいはどのようなところに争点があると思われるのかについては、候補者のご判断だと思っています。それを私がどうすべきだと争点を示すべき立場ではないと思っています。それは二元代表制の中での首長として、議会の議員の選挙に対して、「こういうことを争点にすべきじゃないか」ということはあまりにもせん越ではないかと思います。ただ、出来るだけいろいろな論点を出していただくことが必要で、報道の記事によりますと、今日の熊日さんでは、中央区では高齢化の問題も違った意味で進んできているという話があったり、西日本さんの社会面を読んでみて、「ああそうだなぁ」と自分のことを懐かしく振り返りましたが、議員をやっていく中での活動の難しさ、経費の問題でありますとか、ある議員の実例がかなり細かく報道されていましたが、あのようなものを見ると、地方議員の在り方論についても論じていただくということが重要なことではないかと感じています。それぞれ争点を出していただくということ。今度の土曜日までしか主張を戦わすことはできないわけでありますが、その間に候補者皆さんのそれぞれの考え方を発信していただけると、有権者にはよりわかりやすく、そして関心も向くのではないかなと思っています。
【記者】市議選の候補者への祝電は、選ぶ基準を設けていらっしゃいますか。
【市長】特に設けていません。私の市長選でも応援をしていただいた方には為書きを送りました。くださいという方もいらっしゃったので、そこは事務所の方で判断をしてやっていて、特段どうこうということはありません。
【記者】今回、北区だけが無投票になって、これまで全市一区だった熊本市民からすると、特に北区の住民からすると違和感があると思いますが、この選挙制度についてはどうお考えですか。
【市長】公職選挙法自体が昭和22年に施行されてから、幾度の改正が行われているものではありますけれども、選挙区の問題にしても、なかなか現状の有権者の皆さんの意向に沿っているのかどうかということは、選挙運動の在り方についても公職選挙法の規制でいろいろな規制がされていますけれども、大きく見直していかなければいけないのではないかと感じています。以前のような、例えば飲ませ食わせであるとか、金銭での買収であるとかという行為はほぼ見られなくて、私自身も大学院で研究した時に、そういったケースは極端に減っていて、捜査当局の方としても、何をもって事前運動として、何をもって選挙運動とするのかというのは非常に難しいという判断の証言もなされているところです。例えばヨーロッパで言えば、ドイツあたりの地方選挙になりますと、選挙期間がいつからいつまでというのが無くて、半年間ぐらいやっている中で、例えば候補者の方が街頭の立ち寄り所みたいなところで意見を交わして、投票の判断材料にしていただくというような取り組みをなさっているようなので、そういう他国のいろんな地方自治体の選挙の在り方も研究してみて、多くの皆さんに関心を持って参加をしていただくような制度に変えていく必要があるだろうなと思っています。それでも、ヨーロッパでも地方議員の選挙の投票率は低い状況にあったかと思います。制度の問題は非常に難しいなと思っていますが。
【記者】区割りについてもということですか、政令市になったことによって。
【市長】政令指定都市になりましたけれども、県議選の場合は熊本市の中でも任意合区が出来るということで、北区と東区と中央区が第1選挙区、西区と南区が第2選挙区ということになって。これは、衆議院の選挙区と出来るだけ近いような形にするということで、ある程度法的な文言もありますので、それに倣ってそういう形になったかと思いますが、例えば、区割りがあまり小さいと市全体をどう考えるのかという意見ではなく、自分の地域のことだけという狭い議論に集中するのではないかという恐れとか、そういった声も一部には聞かれますので、そういう意味では任意合区とかそういったあり方も議会の方で検討していくことかなと思います。ただ、法との関係があるのでそう簡単にいく話ではないと思っていますが。私も選挙を戦う立場として言えば、どこからどこまでが公職選挙法としてグレーでどうなのかと判断するのはとても難しいんですよね。自分の政見を言おうと思っていても、「今度の選挙に立候補する予定です。」という話をどこまでするかというのも、公職選挙法では極めてグレーで難しいところがありますので、区割りの問題もそうですけれども、選挙法自体の見直しというのは、今回の無投票の状況も踏まえながら検討されるべき課題だと思います。
【記者】市長の方から国への働きかけをするようなお考えはあるのでしょうか。
【市長】選挙制度に関してどういう形でというのはありますけれども、例えばそういう意見を言う場というものがもしあるのであれば、いろいろ申しあげたいことはたくさんあると思いますし、私も研究者の端くれとして提言を今までしてくる中で、投票にしたって、ヨーロッパのように一人一票というわけではなくて、連記制の投票(※単一の選挙区で二つ以上の候補を選択することができる投票方法)をするということもやられていることなんです。それが出来るかどうかも含めてですが、そういった検討も含めてやるということもあるのではないかと思います。そのような機会があればいろいろな提言はしていきたいなと思います。 【質疑応答:全日本女子レスリング強化合宿について】【記者】これまで新潟ですとか違うところで開かれていたのを、熊本で開くことになったということで、いろいろな誘致活動があったかと思いますけれども、来年以降も熊本でやってほしいとか、オリンピックの時に合宿をやってほしいとか、狙いはあるのでしょうか。
【市長】一つは、スポーツの合宿であるとか、試合であるとか、ラグビーであったりハンドボールであったりということもそうですけれども、熊本がスポーツをするにうえおいていい拠点なんだということ、そういうことをアピールしていくことが必要だと思っておりまして、そういう意味で今回女子レスリングの強化合宿をされる皆さん方に、県と連携をしながら、県の総合運動公園の体育館でありますとか、うまかなよかなスタジアムのトレーニングのジムを使いながら環境を整えていくということで、県市連携の協力体制を取っていますので、熊本に今後レスリングだけではなく、レスリングは当然定期的に来る、トップアスリートが来るという環境にしていただきたいなと思いますので、明日は私も大歓迎をしようと思いますが。一方で、どの辺が足りないのか、そういった検証も出来るようにいろいろなご意見を聞きたいなと思っています。ただ、事前にリサーチをされる中では、運動公園であるとか、宿泊施設であるとか、そういったことも含めてかなり整っているので、熊本というのは非常にいい場所だという評価を事前にはいただいているということでありますので、あとは選手の皆さんのインプレッションがどうだったのか、あるいは「こういうところをもう少し改善してほしい。」というようなご提案があればそういったことも受けながら、熊本がスポーツのトレーニング、あるいは試合をするうえで最適な土地なんだということを知っていただけるよう努力したいと思います。 それからもう一つ、MICEということで、イベントであるとかエキシビションであるとかコンベンションという中で、スポーツもMICEの一つの事業でありますから、こういったものを呼び込むための体制づくりを今年度以降強化をしていきたいと思っています。それからオリンピックについては、各地で各国のいろんな種目の選手団の皆さんを受け入れようということで、キャンプ地に立候補したり、これから招致活動を一生懸命されていくと思いますが、そういったことも分析をしながら、アプローチする場合があれば各国の大使館を訪れてみる、あるいは姉妹友好都市を結んでいるような国の相手方を通じてアプローチをしていくということで、熊本にも東京オリンピックの効果が波及していくような取り組みをこれから強化していきたいと考えています。
【記者】具体的なアプローチの仕方とか、アプローチ先はこれから考えていかれるのですか。
【市長】まだこれからです。例えばさっき言ったように、(姉妹都市である)サンアントニオ市があるアメリカに働きかけをするとか、ハイデルベルク市が姉妹都市であるのでドイツにアプローチをしていくとか、フランスであるとか、韓国、中国、いろんな地域にいろんなチャンネルを使って働きかけをしていくと思っていますけれども、まだ具体的には無いです。ただ、キャンプ地を誘致するためのいろんな条件としてどういったものが必要なのかということを、県と協議をしながら一緒になって誘致活動に取り組んでいきたいと思っています。 【質疑応答:事務事業の適正な執行にむけての取り組みについて】【記者】新年度からのコンプライアンスの関係で、新しい会議体の運用を始めているということですが、これまでまだ日にちは立っていませんけれども、具体的な事例を会議体で協議しているような状況ではないですか。
【市長】ありません。ただ、4月1日に職員の異動もありましたので、職員の方には、相談とか要望も含めた文書での記録については徹底するようにということで指示をしておりますので、もし事例が出てきた場合には会議体で協議することになると思いますが、今のところは何も報告を受けていませんのでないと思います。
【質疑応答:桜町再開発事業について-3】【記者】4月末までに審査を終えるという話がありましたけれども。
【市長】4月末までとは言っていないです。月内ぐらいになるのかなという見通しです。
【記者】これは審査を終えて、これまで早ければ昨年度末と言われた話が、早ければ4月末ということで受け止めてよろしいでしょうか。
【市長】法律の標準的な指針の中で、申請からだいたい80日ぐらいということですが、意見書も出たということもあってその辺の状況が少し変わっていますので、それで行けば、そんなに大きな変更がない限りは月内ぐらいになるのではないかと見通しているということです。ただ、新聞記事に「今月中に」と書けるようなものかどうかは、私も意見書の中身を見ていないし、どんな審査かにもよって変わってくると思いますので、はっきり断言は出来ないです。
【記者】基本的に、審査を終えた段階で問題がなければ認可を妨げるものはなくなるわけですか。
【市長】そうです。その時点で認可をするか、しないかの判断をするということです。その判断をするにあたっては、通常は公告をするという手続きのようです。そのような場面があれば皆さんにお知らせをするということを考えているところであります。ただ、これは審査が終わってからということでありますので、然るべきタイミングでアナウンスさせていただきたいと思っております。
【記者】MICE推進室を課に格上げされたのは、今お話のあったスポーツを含めたMICEの誘致の話もありましたけれども、施設整備の本格化というのも見据えた対応になるわけですね。
【市長】そうですね。施設整備と同時にイベントの誘致であるとか、コンベンションの誘致であるとか、体制をどうやって作っていくかということで言えば、そこは強化をしていこうということでありますので、どちらかと言うと、ハードの整備もこれから本格化していくんですけれども、それと同時にソフトの部分をどう誘致するのかという体制を整えるうえでもかなり強化をしなければならないということで、MICE推進課だけではなく、他のコンベンション協会でありますとか、こういったところと連携を強化する。あるいは県、他の自治体との連携を強化するうえでも非常に重要になってくると思いますので、組織的に強化したということです。 【質疑応答:(仮称)花畑広場の利活用について】
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市長記者会見の様子 |
【記者】(仮称)花畑広場のマルシェですけれども、どのくらいの時期から定期的に始まるのでしょうか。
【市長】雨が降ったら地面がぐちゃぐちゃになってしまいますので、4月から人工芝を張るということで整備しています。早ければ6月ぐらいには、広場の利活用はスタートできるかなと思っていますので、順調にいけば5月の中旬ぐらいには申し込み受け付けを開始できるのではないかと考えています。
【記者】市が主体ではなくて、あくまでも民間の方が申し込むということですか。
【市長】もうすでに、担当課の方にかなり問い合わせがきているようでありますので、そういったものも含めてですけれども、市の方で空いている期間とか、使える時間には市としてイベントをやっていくということも当然考えますし、定期的なマルシェみたいな形を、どういう形で進めていくかを含めてですけれども、これから検討しながら進めていきたいと思っています。民間でもオファーがあればそれに応えていきたいと思っています。まずは市がキックオフという形で一回やらせていただきました。私は夜は行っていないですが、昼間は最初は「なにかな」という感じだったんですが、じわじわ人がたくさん集まってきて、広場というのはこういういろんな発想で活用されていくんだなと実感しました。それから上天草の物産市みたいなものがありましたけれども、あればすごい人出で賑わっていましたので、あのようなやり方もあるなと。サンロード新市街からアーケード内を含めてプラスの波及効果が出るようなイベントをたくさんやっていただければと思いますし、熊本市としてもできるだけ積極的に取り組んでいきたいと思っています。
【質疑応答:県民百貨店等の閉店に対する対応について】【記者】県民百貨店やセンタープラザに入っていたお店が近隣に自分のところで店を借りて営業を始めるということをやっていますけれども、店の改装費の一部を市が補助するということになっていましたが、申し込みは今どのくらい件数があっていますか。
【事務局】平成26年度分で8件です。
【記者】それは、県民百貨店とセンタープラザ併せてですか。
【事務局】両方併せて8件です。 【質疑応答:花畑地区について】【記者】このまえ用地を取得されたビルの隣の駐車場ですけれども、あそこは取得されるような考えはおありですか。
【市長】あそこは民間の所有者の方が持っておられますので、手前のビルを取得したということです。
【記者】あそこは駐車場としてそのままということですか。
【市長】活用については、例えば仮バスターミナルの一部として使えないかということで、再開発会社と地権者との協議がなされていると聞いておりますが、まだ具体的に固まっているという報告は受けておりません。あそこまで広げて広場ということではなく、あくまでも産業文化会館跡地と取得したビルを含めての広場ということになろうかと思いますが、まずはビルの中にもテナントさんが入っていらっしゃいますし、移転先を見つけたりとかということも当然あるでしょうから、それが終わって解体となれば少し広くなると思いますが。まずは、今解放されているスペースを暫定整備して、暫定的に使っていただくということです。
【質疑応答:組織改正について】【記者】組織改正のところで、新しく債権管理推進室を設けられるということですけれども、これは市長として公金の未納の問題に対してどういった思いで室を設けられるのかお聞きします。
【市長】債権回収については、未収金でありますとか、かなり残高があるということであります。これは熊本市だけに限らず、全国的に自治体であるということでありますので、私自身そういったことが非常に問題だと思いましたので、市長選挙のマニフェストの中で債権管理を徹底的に強化するということで一項目敢えて挙げております。そういったことを踏まえて、債権の回収を踏まえて徹底をして、制度としてきちんとした運用をしていくためにも、こういった未収金でありますとか、そういったことを出来るだけ解消していくということを出来るだけ早くやっていこうということで、強力に進めていくためにこういったセクションを置いたということであります。
【記者】将来的には条例を作られたりとか、そういったことも視野に入れられていますか。
【市長】はい、債権管理の条例については、各自治体ですでに取り組んでいるところもございます。そういったところも参考にしながら、内部的には検討を進めているところでありますけれども、条例化については議会とも議論する必要があると思いますし、まずは今の状況の中での債権の回収管理を適切に、強力に行っていくということ。制度としての不公平感、払う人と払わない人が同じ状況であるというのはいけないということでありますので、そういった不公平感をなくすという意味でも債権管理は徹底してまいりたいと思います。当然のことながら、生活が困窮しているとかそういった状況は踏まえながらやっていくということであります。
【質疑応答:市立中学校女子生徒の転落死について】【記者】調査が進んでいると思いますが、今の進捗をわかる範囲で教えていただけますでしょうか。
【市長】市教育委員会の方で、3月30日に熊本市いじめ防止等対策委員会の臨時部会を設置されまして、同日第一回目の会議が開催されておりまして、現時点では、今後の臨時部会において、何故このような事態になったのかということを調査・検証されていると思いますので、二度とこのような痛ましいことが起こらないようにするために、対応等について検証がなされると考えております。今のところ臨時部会の方で検証していかれると思います。ただ、保護者の方の心中をお察しすると、非常に残念な状況でありますので、その辺にもきちんとした配慮をしながら検証がなされなければならないと感じています。
(終了)
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