家の中にいるダニ
私たちが生活している屋内には、ヒョウヒダニ、ツメダニ、コナダニ等のダニが必ず生息しています。体長はどれも0.3~1mmで、肉眼で見ることはできません。また、イエダニ、トリサシダニ、マダニ、ヒセンダニ等のネズミや野鳥等に寄生しているダニが屋内に入り込むこともあります。
屋内で繁殖するダニ
ヒョウヒダニ(チリダニともいい、アレルギー疾患の主な原因)
ツメダニ(人を刺す)
コナダニ(食品に大量発生することがある)
動物に寄生し、屋内に入り込むダニ
イエダニ(ネズミに寄生し、人からも吸血する)
トリサシダニ(野鳥に寄生し、人からも吸血する)
マダニ(動物に寄生し、人からも吸血する、感染症を引き起こす)
ヒセンダニ(人の皮膚にもぐりこみ、かいせん症を起こす)
家の中のダニ被害
家の中のダニで人に被害を与え問題となるのは、主にヒョウヒダニ、ツメダニ、イエダニの3種類です。
ダニの種類 | 被害 |
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ヒョウヒダニ | どこの家にも生息していますが、人を刺すことはありません。 人のフケやアカなどを食べ、室内の埃の中に多くみられます。 屋内にいるダニの大半を占め、糞や死骸を含む全てがアレルギー疾患の原因となります。 |
ツメダニ | 普段はヒョウヒダニの体液を吸っていますが、数が増えると人を刺し、痒みを起こします。 新築後2~3年の畳、湿度が高い部屋の畳やじゅうたんに多く発生します。 このダニによる被害は、毎年8月から9月の暑い時期に長期間家を留守にしたときなどに発生することがあります。 |
イエダニ | ネズミに寄生する吸血性のダニで、ネズミが死ぬと離れ、人に被害を与えます。 刺された後、かゆみと赤いはれが3日程度続きます。 主にひざから腕の柔らかいところ、脇の下、首から胸等が被害を受けます。 |
痒みについて
皮膚が赤くなり痒みがあると、一般に「痒み=ダニ刺され」と判断される方が多いです。しかしながら、屋内で人を刺す虫はダニ以外にも、ノミやトコジラミ(ナンキンムシ)、アリガタバチ等も考えられます。また、他に原因疾患がある場合、衣服が皮膚に擦れたり、体調が悪くても、痒みを感じることがあり、容易に原因を特定することはできません。専門医の診断を受け、他に原因がないか確かめてください。
ダニが増える条件
ダニが増える条件は、エサ、高温多湿、住処の3つです。この3つが揃うとダニは大量発生しやすくなります。
- 人のフケ・アカ、カビ、食べ物などのエサが豊富にあること。
- 高温多湿な環境があること。ダニの繁殖に最適な温度:20~30℃、湿度:70~80%
- 畳、布団、じゅうたん、ぬいぐるみなどの住処となる場所があること。
駆除の方法
殺虫剤などで屋内からダニを一気に完全に駆除することはできません。エサ、高温多湿、住処を取り除くことが必要です。ダニは肉眼では見えないため、対策の効果も分かりにくいのですが、辛抱強くダニが生息しにくい環境を作ることが確実な対策となります。
掃除
掃除機を使用し、ゆっくり丁寧に1平方メートル当り30秒程度の時間をかけて掃除をしましょう。週2回の頻度で掃除をすれば、十分にダニを減らすことができます。また、床面だけでなく、棚の上やカーテンなどに埃がたまり、ダニが生息することがあるので、掃除をしましょう。掃除が終わったら、集めたゴミを長い時間ためず、早めに処分しましょう。
換気
ダニは乾燥に弱いため、室内の湿度を低く保つことが必要です。天気のいい日は、部屋の窓を2箇所以上開けて風通りをよくしましょう。天気の悪い日は、換気扇、エアコン、除湿器などを利用して除湿をしましょう。
床面
ダニの数は、板、畳、じゅうたんの順に多くなります。特に畳の上にじゅうたんを敷くと、畳とじゅうたんの間は掃除が難しく、通気が悪くなり、ダニの絶好の住処になります。畳の上にじゅうたんを敷くのは止めましょう。
寝具
ダニは50℃で10分以上処理すると死滅します。天気のいい日は、夏場で日中の2時間程度、冬場なら4時間程度、布団を日光干しするといいでしょう。干した後は、布団用の吸引口をつけた掃除機で埃を吸い取ると効果的です。また、寝具類を丸洗いするのも効果的です。
ダニの相談
ダニを含む住まいの衛生相談では、ご希望に応じて職員がご自宅を訪問し、機器等を用いて原因を調査し、その結果から解決策について助言させていただく「住まいの健康快適度診断」を実施しております。どうぞお気軽に生活衛生課までご相談ください。
【対象】
・熊本市内にお住まいの方に限ります。
【注意事項】
・新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、中止いたしますので、予めご了承ください。