令和5年9月29日、大西市長は、厚生労働省に対し、令和6年度以降の新型コロナワクチン接種の円滑な実施に向けた指定都市市長会緊急要請を行いました。
要請書の内容(要請項目)は、以下のとおりです。
1 今後のワクチン接種に係る実施内容の早急な提示について
これまでも制度改正や方針等を見直す際に、情報が早期に提示されず、準備事務の費用増や非効率にもつながってきた。特に、今般、特例臨時接種
から枠組みが大きく変わることが見込まれるため、令和6年度以降の接種について、予防接種法上の位置付け、使用するワクチンや供給方法、医療
機関との委託契約の方法、対象者、市町村や関係機関の事務フロー等の具体的な方針を早急に市町村に示すとともに、ワクチン接種の開始までに
市町村での十分な準備期間を確保すること。
なお、方針決定に当たっては、地方自治体の意見を十分に踏まえること。
2 ワクチンに係る国費による支援について
ワクチン価格については、ワクチンメーカーにおける商用販売価格が110 ドル~130ドル程度となる旨の報道がなされるなど、インフルエンザ
ワクチンと比較して著しく高額な水準となる可能性があり、仮に定期接種と位置付けて接種を実施した場合、自己負担額が高額となり、接種希望者
からの批判を招くほか、市町村財政にも大きな影響を与える。また、ワクチン価格の動向、新たな変異株の発生やワクチンの安定供給など、不確定
な要素が多い状況にある。
仮に定期接種に移行する場合には、これまで全額国費により実施してきた経緯やインフルエンザワクチンにおける水準等も踏まえ、国費による、
自己負担額や地方負担額に最大限配慮した支援を継続すること。
3 新型コロナワクチン接種特有の事務等に係る国費による支援について
現在の特例臨時接種下においては、通常の定期接種では実施していないワクチン接種記録システム(VRS)での接種履歴の管理や接種証明書の
発行等の事務が生じている。
仮に定期接種に移行する場合には、新型コロナワクチン接種特有の事務の廃止を検討し、廃止できない場合、その費用は全額国が負担すること。
また、令和6年度に処理せざるを得ない特例臨時接種期間中に実施した接種費用の支払いや予診票の保管等の事務処理についても全額国が負担する
こととするほか、今なおワクチン接種後の長期的な副反応に関する相談が寄せられ、令和6年度以降も引き続き相談体制が必要になることが想定され
るため、専門的な相談体制を構築する指定都市に対して、必要な財源を全額国費により支援すること。
4 接種費用に係る標準単価の明示について
仮に定期接種に移行する場合には、ワクチンを含む接種費用については、市町村により自己負担額が異なることに対する不平等感が生じる等の
課題が想定されるため、国において接種費用積算の基礎となるワクチンに係る費用及び予診料等の標準単価を示すこと。
5 安定的な制度への円滑な移行に向けた国の説明・支援について
安定的な制度の下での接種に移行するに当たっては、国民の理解促進、医師会等との調整やワクチンの安定供給及び医薬品の卸売販売業者による
流通体制の確立等を図る必要がある。
国が責任をもって、国民への周知・広報や、日本医師会、ワクチン製造販売業者・ワクチン卸売販売業者等関係機関との調整を行うとともに
必要な支援を実施し、支障なく新たな制度に移行できる環境を整備すること。
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厚生労働省への要請活動の様子 |