市長室トップへ

ようこそ!市長室へ(スマホ版)ようこそ!市長室へ

  • 音声読み上げ リードスピーカーを起動します
  • 文字サイズ 拡大標準
  • 背景色 青黒白

平成20年6月議会前市長記者会見

最終更新日:2008年6月10日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【はじめに】

それでは、6月議会前記者会見をはじめさせていただきます。本日は、梅雨に備えての本市防災の取り組みについて述べました後、6月議会の提出議案につきましてご説明をさせていただきます。

【市長発表:梅雨に備えての本市防災の取り組みについて】

イメージ

九州南部は既に先月28日に梅雨入りをしておりまして、本市におきましても梅雨の本格化を控え、水防業務をはじめとした本市防災の取り組みについて述べさせていただきます。まず先月22日に、水害や大地震を想定した「熊本市総合防災訓練」を消防や警察など関係機関・団体、約2,200名参加のもとで実施いたしますとともに、昨年、河内地区に発令いたしました避難勧告を踏まえ、今月1日に同地区におきまして、本市で初めてとなりますが、国・県・市・防災関係機関・地域住民が一体となっての土砂災害・全国統一防災訓練を実施したところであります。さらに先月28日には災害時の対応策などをまとめました地域防災計画や水防計画の見直し等について検討いたします「熊本市防災会議」を開催いたしまして、水防法第15条の規定に基づきまして、白川・緑川の浸水想定区域内にある百貨店の地下街等や要援護者施設(老人、障がい者、病人、幼児などが利用する施設)の管理者へ、早めの避難を促すため洪水予報を伝達するよう見直しを行ったところであります。加えまして、災害時の緊急な支援活動を行いますため、各種協定の締結を進めているところでありまして、建設業関係や石油商組合、飲料水メーカーと協定を締結し、昨日でございましたが、NPO法人と資材提供協定を締結し、現在23の協定を結んでおります。
今後も、さらに協定締結を進めますなど、防災体制の強化を図りますとともに、職員に対する「安全マニュアル」の徹底や消防局による研修の実施など、安全対策に万全を期しながら災害に強いまちづくりに全力で取り組んでいきたいと考えております。

【市長発表:6月議会の提出議案について】

続きまして、6月議会の提出議案についてでございます。今回は、当初予算編成後間もない時期でございますが、今後の業務推進上やむを得ないものや、補助内示に伴うもの、また、県の補正予算と関連するものなどを提出しているところであります。その具体的な内容を申し上げますと、まず総務部門でありますが、植木町との合併問題調査研究会、及び益城町との合併任意協議会の設置経費をはじめ、熊本城桜の馬場における埋蔵文化財調査経費、朝鮮会館に対する固定資産税等に関する訴訟関連経費を計上いたしております。また、本庁舎の自動火災報知設備等工事につきましては、計画年次を変更しまして、本年度予算の減額と次年度の債務負担行為を設定いたしております。
次に、市民生活部門では、本年7月から崇城大学と市民会館におけるネーミングライツ契約を結ぶこととしております。契約期間は平成23年度までの4年間、年間のネーミングライツ料は1千5百万円であり、補正では、7月以降分の歳入と、それを原資として行う文化振興事業費や仲介業務委託経費等を計上いたしております。
次に、健康福祉部門では、障害者自立支援法につきまして、本年7月の利用分から利用者の負担軽減と事業者への報酬加算を柱といたしました制度改正がなされています。それに伴い、自立支援給付システムの改修経費とケアホーム、児童デイサービスを行う事業者への報酬加算分の経費を計上いたしております。また、各種福祉団体や大会への助成経費につきましても、県の6月補正予算とあわせ、本市の助成経費を計上いたしております。
次に、環境部門では、本年2月に、アスベスト使用の有無の分析調査につきまして、対象アスベストと分析方法を指定した厚生労働省からの通知と総務省からの調査依頼が出されたところであります。本市におきましては、平成17年度の時点におきまして国が示した方法でアスベストの有無についての分析を行いまして、必要な除去・囲い込みの処理は全て完了していたところでありますが、国の新たな方針に従い再度分析調査を行うことといたしまして、市長事務部局所管施設を環境保全局におきまして、また、学校等の教育施設につきましては教育委員会におきまして必要額を計上しているところであります。
次に、経済部門におきましては、本丸御殿の落成式に合わせまして通町筋電車通りを中心に実施いたしました「くまもと城下まつり」におきまして、地元商店街と連携したイベントの拡充分や、交通規制の周知徹底、警備員による安全確保対策経費などが、当初計画以上に必要となりましたため、その不足額を計上しているものであります。また、国の事業採択を受けまして、下通2番街・3番街・4番街の各商店街振興組合が実施するアーケードの改修に対する、中小企業振興助成条例に基づく助成経費や、県からの補助内示を受けまして、漁協が実施いたしますアサリ漁場改良事業、農協が実施いたします非主食用米緊急生産実証モデル事業に対する助成経費も、それぞれ計上しているものであります。
次に、教育部門におきましては、先ほど申し上げましたアスベスト調査経費のほかに、県が実施いたします熊本武道館の改修経費に関する分担金を計上いたしております。
続いて、食品工業団地用地会計でありますが、本年2月に全焼しました「とれたて市」につきましては、現在、運営主体である協同組合フードパル熊本が、仮設店舗で営業されておられます。そこで、議案としても提案しておりますが、当該土地等を組合に譲渡いたしますとともに、組合への店舗建物の建設費に対する助成経費を計上いたしております。
最後に市民病院でありますが、平成21年度からの地方公営企業法の全部適用に向けまして、職員情報システムの改修経費を計上いたしております。
この結果、一般会計におきまして、7,958万円の増額、補正後の予算額2,079億4,158万円、特別会計におきましては、2,417万円の増額、補正後の予算額は1,582億1,653万円、一般会計・特別会計の合計では、1億375万円の増額、補正後の予算額は3,661億5,812万円となりました。補正後の予算を前年同期と比較いたしますと、一般会計では0.1%の増、特別会計では24.2%の減、一般・特別会計の合計におきまして12.1%の減となっています。
以上が、補正予算の歳出の説明でありますが、これを賄う財源としまして、それぞれの歳出に見合う特定財源及び繰越金を充当いたしております。
最後に、条例その他の議案でありますが、主なものを申し上げますと、まず「熊本市基本構想の策定」についてであります。本構想は、地方自治法の規定に基づきまして、総合的、計画的な行政運営を図るために策定するものでございます。本構想では、熊本市がめざすまちの姿を、「『湧々(わくわく)都市熊本』、九州の真ん中、人ほほえみ暮らしうるおう集いのまち」とし、これを実現するためのまちづくりの基本方針を定めており、目標年次を平成30年度といたしております。
ここで本市の「湧々(わくわく)都市熊本」のイメージを強く印象づけるうれしい知らせがございましたのでご報告申し上げます。「日本水大賞グランプリ」の受賞に引き続きまして、環境省が選定されます「平成の水百選」に本市の「水前寺江津湖湧水群」と「金峰山湧水群」の2カ所が選ばれました。清冽な地下水と豊かな緑に恵まれた素晴らしい環境の中に、快適な都市機能が集積する熊本の魅力を「湧々(わくわく)都市熊本」「日本一の地下水都市」として全国に広くアピールし、活力と魅力にあふれた誇りの持てるまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、「熊本市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例」の制定についてでございますが、この条例は、適正な都市機能と健全な都市環境を確保いたしますために、地区計画を定める区域内におきまして、建築物の構造及び用途に関する制限を定めるためのものであります。対象区域は、九州新幹線の全線開業に向け整備が進められております熊本駅周辺地域の中で、熊本駅南A地区といたしまして、同地区内における土地の高度利用と都市機能の更新を図るものであります。
次に、「熊本市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について」であります。これは、平成21年度から、病院事業に地方公営企業法の全部を適用するための改正を行うものであります。 
熊本市民病院附属熊本産院の平成19年度の決算収支がまとまりましたので、改めましてご報告申し上げます。平成19年度の熊本産院への一般会計からの繰出金は、5,429万9千円でありまして、そのうち退職金を除く額でありますが、2,653万8千円でありました。現在、この収支結果を含めまして、妊産婦に対する支援等の状況について総合的な検討を行い、熊本産院の機能を市民病院に一体化する方向で検討を進めているところでありますが、今議会におけるご議論等を踏まえ、9月議会を目途に最終的な判断を行いたいと考えております。
また、最後になりますが、先日、本市非常勤職員が強制わいせつ容疑で逮捕されまして、市民の信頼を再び失うこととなりまして、心からお詫び申し上げる次第でございます。市民の信頼回復に向けまして7月にも職員倫理規則を作成し、職員はもとより、非常勤職員、臨時職員も含めまして服務の遵守、倫理の向上に努め、信頼される市政の実現に向けて更なる努力を続けたいと考えております。
以上で発表並びに説明については終わらせていただきます。それでは質問をお受けいたします。

【質疑応答:熊本産院の存廃について】

6

【記者】熊本産院の件についてお尋ねします。今の市長のお話で、産院は市民病院と機能を一体化する方向で検討して9月議会を目処に、これまでの議会議論を踏まえたうえで最終的な判断をしたいとのことですが、本山にある産院の施設は廃止して市民病院にすべて機能を移すということになるのでしょうか。
【市長】熊本産院についての質問がございましたけれども、長くなりますが現時点での考えを、あらためてご説明させていただきます。
 先ほど申しあげましたように、平成19年度の決算収支がまとまり、退職金を除いた一般会計からの繰出金が、2,653万円余となったわけです。
 熊本産院につきましては、平成18年第1回定例会におきまして議決されました「熊本市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」、この附則におきまして、「2年目を目途として本市における妊産婦に対する支援等の状況について総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること」と、この条例の附則のなかに記載されております。
また、この附則に関しまして保健福祉委員会において「『①母乳育児の推進、②措置・福祉的分娩、③妊産婦に対する支援、④熊本産院の経営状況、⑤病棟施設等の環境など』以上5点についての『総合的な検討』を行い、その結果に基づいて『必要な措置』を講じること」とされております。そして、「総合的な検討が加えられる際、収支差が3,000万円以下とならない場合は熊本産院は廃止をする」とする付帯決議がなされたところでして、あらためて経緯をご紹介させていただいたところです。
 そして現時点での、特に先ほどの付帯決議の5項目の取り組み状況ですが、一つ目の「母乳育児の推進」、二つ目の「措置・福祉的分娩」、三つ目の「妊産婦に対する支援」などにつきましては、市民病院や民間の各医療機関、市保健福祉センター等関係機関において着実にその取り組みが進められております。
 そして四点目の「熊本産院の経営状況」については、平成19年度収支は患者数の大幅な増加や収支改善計画に沿った取り組みによる経費節減の努力もございまして、26,538千円の赤字であったわけですが、平成18年度決算は105,272千円の赤字でございますなど、今後の安定的な運営見込みにつきましては見極めが非常に難しい状況にあると、捉えております。
 そして五点目の「病棟施設等の環境」についてですが、築40年を経過いたしまして老朽化が進んでおり、耐震対応を含め、今後建替等の多額な費用が見込まれると考えております。
以上、その付帯決議の中の5項目につきまして、現在の状況についてあらためて述べさせていただいたわけですが、その5項目のうち、「①~③」につきましては関係機関における取組みが進みつつあり、また産院が有しますノウハウや人材を関係機関に引き継ぐことにより、現在産院が果たしている機能は十分引き継ぐことができ、より効率的に充実し、実施できるのではないかと考えております。
そして四点目の「熊本産院の経営状況等」につきましては、先ほども申し上げましたように今後の見極めは大変難しい中におきまして、五点目の「病棟施設の環境」についてですが、老朽化が進み今後多額の投資経費が必要になると見込まれているところです。
また、更に公立病院の果たすべき役割ということを考えると、産院の産科医療機能は、市民病院が有する高度医療機能や総合的な医療体制の中で一体的に行うことが望ましいと考えられます。
併せまして、周産期母子医療体制の充実、NICU増床等にも、早急に取り組む必要があるという状況にあると考えております。
このようなことから、産院の産科医療機能は市民病院に一体化し、その他の妊産婦支援機能については市民病院はじめ関係機関に引き継ぐことにより、周産期母子医療体制及び妊産婦への支援を効率的に充実することが望ましいと考えております。
 現時点におきまして私どもはこのような考え方をもっておりますが、いずれにいたしましても、私どもの、この現時点での考え方をお示ししたうえで、今議会におきましてご論議いただきたいと考えており、これらを踏まえまして9月議会を目途に最終的な判断をしなければならないと考えております。
【記者】今の市長の考えでは熊本産院を廃止すると。それをこの6月議会に投げかけることだという風に理解しているのですが、議会の中にも廃止に反対だと根強く主張している議員もいますけれども、そういった方々にも理解を得られる内容だと思いますか。
【市長】私どもの考え方を、今議会の中で、できる限り丁寧に説明する必要があるだろうと考えております。そして、こういう話をしても仕方の無いことかもしれませんが、「廃止」なのか「存続」なのかということ。今も「廃止」ということをおっしゃいましたが、私どもといたしましては「一体化」をするなかで、医療機能であれ、あるいは福祉的機能であれ、より充実したものにつなげていきたいという思いを持っておりますので、あえて「一体化」という言葉を使わせていただいております。それが言葉遊びだと捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような強い思いを持っています。
【記者】「一体化」とおっしゃられましたが、「熊本産院」という名称は無くなるというふうな理解をしてよろしいでしょうか。
【市長】具体的に名称をどうするかという話はこれからということになりますが、市民病院との一体化を考えております。
【記者】おととしの3月議会時点と、市側としては、考え方は変わっていないということでいいのでしょうか。
【市長】考え方はこの二年間での推移を踏まえたうえでの、現時点における考え方ですので、二年前と全く同じということはないだろうと思っています。当時と比べましても、先ほど申し上げた「母乳育児の推進」や「措置・福祉的分娩」の推移、或いは「妊産婦に対する支援等」等につきましても、この二年間での推移等も踏まえましたうえでの考え方ですので、二年前と全く同じという風には、私どもとしては認識は持っておりません。
【記者】産院の存廃に対する考え方は二年前と違うということは説明の中でわかりましたが、産院の機能を一体化させて、どう展開していくかというような形態ですね、産院の今後のあり方の形態については二年前の提案時とほぼ同じと理解してよろしいか。
【市長】「一体化」という考え方は、二年前と基本的には同じでございますが、ただ状況は先ほど申し上げたように二年前の状況とは違いますので、現時点での状況、先ほど申し上げました「総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること」ということが条例の附則でございますので、それに基づいて私どもの総合的な検討を加えた現時点での考え方を示させていただいている。そしてそれを議会の中で、より詳細にご説明する必要があると思っています。
【記者】確認ですが、本山の施設で分娩を行わなくするのか、それとも残すけれども助産措置をしない診療所にするのかという、そういう形態まではお考えは決まってますか。
【市長】「一体化」ということですから基本的には一つに、という思いを持っております。現時点におきましては。
【記者】病床、医師、看護士を市民病院に持っていくということですか。
【市長】現時点におきましては基本的な考え方でおります。
【記者】施設の跡の利用についても基本的な考えはお決まりですか。
【市長】そこまでは考えておりません。
【記者】二年前のように支援センターをあそこに設置するというところまでは。
【市長】そこまで考えているものではありません。基本的には先ほど申し上げましたように、民間の医療機関であれ、あるいは保健福祉センターであれ、そことの連携の中で対応が可能ではないかと考えております。
【記者】今回、産院については地元の人たちだったり女性の市民グループだったり、存続を求める声が多いのですけれども、そういった方たちに対してはどのようなお考えですか。
【市長】昨日もそうでしたし、数日前もいらっしゃいました。現在の産院の役割に高い評価をいただいております。そのことについては大変重く受け止めさせていただいたところです。
ですから、今後この「一体化」という基本的な現時点での考え方の中において、これまで産院の果たしてきた役割や機能は大切に残し、更にそれを広げていくことにつなげていく必要があるのではないかという思いを持っております。
【記者】熊本市の産科医療の状況をみますと、非常に高度な医療を、機能を果たしているというところがある反面、全く違うところで熊本産院が果たしてきた役割というのもあると思うのですが、その熊本産院が果たしてきた役割というのが、きちんと民間の病院に、ノウハウを移していくことができるという判断、これが大きかったということになるのでしょうか。
【市長】民間の病院だけではなく、市民病院の産科もございますので、市民病院の産科でも母乳育児の推進でありますとか、妊産婦に対する支援でありますとか取り組んでおりますので、民間医療機関だけにそういうことを委ねるのではなくて、当然、市民病院の中にもしっかりと引き継いでいく必要があるのではないかと思っています。
【記者】地域のバランスというのは考慮されたのでしょうか。現在の市民病院はわりと東側にあって、市内の産科医療は東側に片寄っている傾向にある中で、産院は中央部にあったわけですけれども、公的病院が東側にのみという地域バランスのようなものは、どうお考えになられましたか。
【市長】地域バランスを考えるというときには、公的病院だけで地域バランスを考えるのは非常に無理があるのではないかと思っています。地域バランスを考えるのであれば民間医療機関等も含めた中で考える必要があると思っていまして、そこを考えたときには、決して著しくバランスを損なうものではないと思っています。
【記者】産院を市民病院に持っていくことで「ここ(市内中央部)が空白になる」とはお考えにならなかったと。
【市長】民間医療機関を含めた中で、ここ(中央部)が大きな空白地帯になるというところまでは考えておりません。
【記者】今の産院に対する市長の評価ですが、先ほどは市民の申し入れ団体から評価をいただいたということもありますが、市長自身どう考えていらっしゃるのか、どう評価していらっしゃるのかというのが1つ。もう1つが、9月に現段階での状況で評価・判断をされた場合にいわば一体化の時期についてどう考えていらっしゃるのか。その2つをお尋ねします。
【市長】まず産院の評価につきましては、特にこれまで果たしていただいておりました措置分娩、あるいは福祉的分娩でありますとか、母乳育児の推進、そして妊産婦に対する支援、こういう取り組みをある意味先導的な役割を果たしてもらっていたということは高く評価すべきことだと思っています。それに加えまして2年前にああいう条件が付されました中で、経営努力についても取り組んでおられるという、様々な面からの評価はさせていただいております。
 それから一体化の時期は、先ほど9月を目途に判断したいと申し上げましたけれども、しっかりと今後6月議会で議論する中で、時期等につきましても判断しなければならないかと思っております。
【記者】この最終的な判断は、仮に6月議会で議論して一体化の方向で理解が得られた場合は、関係条例の改正案なりを9月議会に提出するという流れに今後なっていくのですか。
【市長】今後の議論次第だろうと思っています。
【記者】取材していていつも迷うのですが、産院の存廃については市長が一昨年の再選の時期のマニフェストには確か盛り込まれていませんでしたよね。2年後を目途に総合的な検討をするというのがあったからだと思います。そういう面で、マニフェストに打ち出されていなかった項目であるということ。ただ市長が大量得票で当選された一方で、存続を求める団体は、かつての10万人の署名の重みを主張しておられる。その辺のところを、市民の産院に対する考え方とかを市長の中ではどう考えていらっしゃいますか。
【市長】(産院の存廃について)マニフェストになぜ挙げなかったかということは、今申し上げられたとおりでありまして、議会での付帯決議等もございましたし、2年後に、その時に判断すべきものだと。当時市長という立場におりました中で、公約で「廃止」とか「一体化」とか、あるいは「存続」とかいうことを掲げて戦うべきものではないと思いました。
【記者】10万人の署名が集まったので、市民は存続を求めているという主張をされる方々もいらっしゃいます。そういう点についてはどうですか。
【市長】これも先ほどの産院の評価につながるものだと思いますけれども、これまで果たしてきた役割について高い評価をいただいているのではないかと。それが署名の多さにもつながっているのではないかと受け止めております。ですから、そうした市民の皆様方が高い評価をされておられる機能等につきましては、先ほど申し上げましたように一体化の中で全市的に広げていく必要があるのではないかと強く思っています。
【記者】2年前の付帯決議の中で5つの条件があったと思いますけれども、母乳育児の推進とか妊産婦支援はクリアされていて、4番目に挙げられていた経営状況というのもクリアされていると思います。そうするとクリアできていないのは病院施設の環境だけだと思うのですが、産院を残したいという人たちからすると、1~4まではクリアしているのだから、市長が総合的に判断して産院を残せないということは病院施設の環境が一番のネックになっているのではないかと思うと思いますが、2年前からそれは分かっていたことなのでそれについてはどうお考えでしょうか。
【市長】クリアしている、していないという考え方につきまして私どもとちょっと考え方の違いがあるのかなと思いました。この条件というのは本市における母乳育児の推進の状況、措置、福祉的分娩および民間産科医療機関と行政機関の連携による妊産婦に対する支援体制の充実ということなんですよ。今おっしゃたのは、産院がこういう役割を果たしている、果たしていない、そこをクリアとおっしゃったのでしょうか。
【記者】そうです。
【市長】そうじゃないんですよ、この付帯決議の内容は。本市全体としてどういう状況なのかということを2年後判断します、2年後検証しなさい、ということなんですよ。だから産院だけがどうだということではなく市民病院や民間医療機関、保健福祉センター等の対応も含めて、母乳育児の推進がどこまで進んでいるのか等々を検証しなさいということですから、基本的な考え方として私どもの考え方とは異なると思います。ですから5点目の建物だけの問題で今回の方針を現時点で出させていただいているものではないということです。
【記者】母乳育児の推進などが市民病院等も含めた市全体で進んできていると捉えているということですか。
【市長】進みつつあり、仮に統合、一体化したとしても対応が可能であり、より充実につながるのではないかという思いです。
【記者】一体化した際には、現在産院が持っている28床は市民病院の産婦人科にそのまま組み込まれるのですか。
【市長】組み込むかどうかにつきましては、これからしっかりと詰めていく必要があると思っています。ただ現時点におきまして市民病院の産科のベッド稼働率を見ました時には、今、市民病院には57床あり、その稼働率が66%なんですね。それで考えた時に現在の産院の28床は、計算上は対応が可能ではないかということであります。
【記者】市民病院の稼働率から計算すると、その空き分で産院の稼働率を埋められるだろうと。今の市民病院57床のままでやっていけそうだと。計算上では。
【市長】現時点ではやっていけるのではないかと思います。
【記者】(産院の)28床というのは市民病院の他の診療科に振り分けようということになるのですね。
【市長】振り分けるというところまでは考えておりませんが、先ほど長々と申し上げました最後のところで、周産期母子医療体制の充実、NICU増床等々につきましては喫緊の課題ではないかと思います。
【記者】そこはNICU増床によって28床使うという方針はお決まりですか。
【市長】 事務局側、よろしいですか。
【事務局】病床数については、ここは産科規模の話で、そこでどうかという議論はありましたが、いずれにしてもこの結果をご議論いただきながら細部についてはつめていくということで、ご質問にあったように、今28床をどうするかという議論の時点では、まだございません。
今、市長が申し上げたのは産科部分の物理部分について対応可能という話でございますので、現実的に28床を産科部門に持っていくのかNICUに充当するのかといいますのは、今後議論の中で詰めてまいります。
【記者】そうすると、他の診療科に振り分けるという判断が出た場合は、市内或いは県内全体の産科医療の衰退と捉えられかねないのではないかと思うのですが。その点はどういったふうなご判断なのでしょうか。
【市長】それは当然、市内全体の産科病床数あたりを換案したうえで対応する必要があると思っています。現時点におきましての熊本市内の産婦人科の医師数ですが、熊本市は人口10万人あたりに対し13.1人です。全国平均でいいますと、7.9人ということであり、現時点におきましては医師数・ベッド数についてもあるかと思いますが、数という意味では仮に(産院が)なくなったとしても不足するということにつながらないのではないかと思っています。
【記者】今の想定ですとNICUは何床増床になる予定ですか。
【市長】現時点では3床増床が必要ではないかと考えています。
 それは以前も問題になりましたが、県外への母体搬送ですね。県外への母体の搬送数の推移を見てみましても、NICUの整備自体は民間医療機関ですとか数は増えてきていますけれども、県外への搬送数自体は、なかなか減らない状況にあります。この3年間だけ申し上げますと、23件(17年)、23件(18年)、28件、19年はですね。という状況でございまして、このNICUの増床ということも非常に喫緊の課題ではないかと思っています。

【質疑応答:熊本電鉄の経営再建問題について】

イメージ

【記者】熊本電鉄さんの経営再建問題が浮上、表面化したのですけれども、市長の受け止めと都心結節等への影響、今後市が取り得る対応、その辺をお聞かせいただけますか。
【市長】今回、熊本電鉄さんが再建計画を発表されたわけでありますけれども、大変経営状況が厳しいというお話は聞いておりましたが、改めましてその厳しさを認識したところであります。そういう中におきまして電鉄さんとは都心結節問題、あるいはバス網再編の中でも新会社の一員でもありますので、今後の公共交通の再編の中でも大変重要な役割を占めておられるだろうと思っております。詳しく再編計画の中身を見ているわけではありませんけれども、交通部門等に特化をしていきたいという方針でございますので、そこは引き続き担っていただけるものではないかということで期待しております。今後も都心結節あるいはバス網再編等につきましては、今後も連携しながら、その実現に向けて進めていきたいと思っています。
【記者】今回表面化したことで、市の対応が何か変わるとか、新たな対応を考えようとかいうのはありますか。
【市長】現時点におきまして対応が変わるというものではございません。
【記者】熊本ではこの4事業者体制でやってきて非常に長年の課題ということで指摘されてきて、産交問題が数年前にあって、今回は電鉄問題ということなのですけれども、今までずっと質問があっていました産院問題が少子高齢化問題の中の「少子」関連だとすれば、今後「高齢化」が進んでいくと思うのですけれど、公共交通のあり方を非常に福祉的な観点で捉える必要があると思うのですが、改めて公共交通に対する市長の考えをお願いします。
【市長】公共交通の充実というものは、高齢社会を見据えました中でも、あるいは環境問題を考えました時にも、それからこれは繰り返し申し上げていることではございますが、「住みやすく暮らしやすいまち」が熊本市だろうと思っていますが、その中でのウィーク・ポイントとして挙げざるを得ないため、そこを是非とも改善していきたいと思っています。
また、公共交通の改善は、新幹線開業を見据えました時にも非常に重要であり、急いで取り組まないといけない課題だという認識を持っております。
【記者】公共交通全体に対する再編とか取り組みは、高齢化とか新幹線への対応というのがあるでしょうけれど。
【市長】やはり改めて連携しながら、実現に向けて全力で取り組んでいきたいと思っています。先ほど、電鉄への対応が変わるか変わらないかというお話で「特に変わらない」と申し上げたのですが、ただ、経営者も変わられるわけでありますから、新社長さんも含めて新体制の中で公共交通についてどう捉えておられるのかということは、しっかりと、できるだけ早く把握し、連携につなげていかなければならないと思っています。
【記者】産交問題の時にようやくバス路線の再編が動き出して、そういうこと(事業者の経営再建問題など)がないとなかなか長年の課題は動き出さないというのはあるのでしょうけれど、今回もそういう契機にならないかという声もありますが。
【市長】確かに産交さんの問題を契機といたしまして、市営バスから民間バス会社への路線移譲がスタートしたということがございました。確かに今回のことも契機として、公共交通に対する行政としての考え方ももっと踏み込む必要があるだろうと思います。やはり市民の皆様方も、もっと公共交通に目を向けていただいて、是非利用していただきたいなと思っています。バスにつきましても、ここ10年で利用者が3割ほど減少しておりますし、そういう中で、これまでの経営的な観点から言うと便数を減らしたり路線を途中でカットしたりして使い勝手が悪くなり、利用者が更に減るという悪循環が続いてきたわけでありますが、何とかその悪循環に歯止めを掛けたいという思いを持っています。それが今具体的に取り組もうとしていることでありますので、繰り返しになりますが、是非とも、実現に向けて更なる努力が求められているのではないかと思っています。


(終了)

このページに関する
お問い合わせは
政策局 秘書部 広報課
電話:096-328-2043096-328-2043
ファックス:096-324-1713
メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 
(ID:1097)
※資料としてPDFファイルが添付されている場合は、Adobe Acrobat(R)が必要です。
PDF書類をご覧になる場合は、Adobe Readerが必要です。正しく表示されない場合、最新バージョンをご利用ください。
〒860-8601 熊本市中央区手取本町1番1号 代表電話:096-328-2111(代表)096-328-2111(代表)
[開庁時間]月曜~金曜日の午前8時30分~午後5時15分(ただし、祝・休日、12月29日~翌年1月3日を除く)
copyrights(c) 2013 Kumamoto City Allrights Reserved