平成15年度当初予算について
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おはようございます。少し長くなりますけれども、しばらくの間お付き合いいただきますように、よろしくお願い申し上げます。
それでは、まず最初に、平成15年度当初予算について申し上げます。
今回の当初予算の編成にあたりましては、これまでも申し上げてまいりましたように、義務的経費や経常的経費を中心とした骨格予算として編成させていただきました。ただ、骨格と言いましても、市役所の業務は非常に幅広く、全てにおいて市民生活に密着をしておりますので、市民生活に支障を来たさないことへの最大限の配慮ですとか事業の継続性などの観点から、結果的には、前年当初予算額の9割近くを当初予算として計上いたしました。
既に皆さんもご承知のとおり、長引く景気低迷を背景とし、国、地方におきましても大変厳しい予算の編成を強いられることになっており、本市におきましても、新年度においては、歳入の大部分を占めます市税、地方交付税ともに大幅なマイナスが見込まれるという大変厳しい中での予算編成となりました。そこで、編成にあたっては、これまでの事業におきまして、その費用対効果はどうなのか、或いは、市民のニーズを踏まえてさらに改善する余地はないのかなどを念頭に査定を行ったところでございます。
その主なものを申し上げますと、これまでも行ってまいりました経常的経費のマイナスシーリングに加えまして、今回は、旅費制度の見直しや臨時職員単価の引き下げ、また、施設保守点検業務などの入札対象の拡大などによる歳出の削減、さらには、一部のイベントや交流事業、補助金などについても見直しを行ったところでございます。 また、今回の当初予算では、骨格とは言いましても、その緊急性、重要性などからすぐに取り組まなければならない事業などについても計上させていただきましたけれども、今から申し上げます三点につきましては特に留意したところであります。
その第一点目は、低迷が続く地域経済への支援策や雇用対策であります。この具体的な対応として、国の緊急地域雇用創出特別交付金の活用ですとかワークシェアリングによります雇用対策事業、また、中小企業への金融支援など、継続的に取り組むこととしております。
第二点目は、子供たちのゆとりある教育環境の充実のための施策といたしまして、私の公約の一つでもあります「30人学級の実現」のためのモデル校の設置経費を計上するとともに、県が新年度から導入を予定されております小学1年生の35人学級編制に要する経費などを計上いたしました。
さらに、第三点目は、九州新幹線建設に伴う熊本駅周辺整備事業の一環といたしまして、また、本市のシンボルであります熊本城復元整備に不可欠な事業といたしまして、県が月星化成から買収されます土地を本市が購入し、さらにこれを熊本城内のプール跡地と交換するための経費を計上いたしました。
以上のような結果、今回の当初予算は、一般会計において対前年比10.2%マイナスの1,944億円となり、一般、特別、企業の各会計を合わせた合計では、対前年比11.8%マイナスの4,308億3千万円となりました。
今回、当初予算を編成するに当たりましては、先程も申し上げましたように、限られた時間ではありましたが、市民の視線に立ち見直しを行ったところであります。しかしながら、今回の見直しが全てとは考えておりませんので、今後も必要に応じ、さらなる検証や見直しを加えていきたいと考えております。また、今後は、6月議会へ向けまして、予算の肉付け作業を進めることになりますが、市政運営の柱であります
「情報公開と市民参加による信頼される市政の実現」
「特色ある日本一住みやすい、暮らしやすい街の実現」
「都市機能の充実した活気あふれる政令指定都市の実現」、
この3つに向けました具体的施策を、優先順位など十分精査をしながら、また、市議会をはじめ、市民の方々のご意見なども十分参考にしながら限られた財源を有効に配分してまいりたいと考えております。