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年頭市長記者会見について(平成21年1月)

最終更新日:2009年1月13日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【はじめに】

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【市長】明けましておめでとうございます。それではさっそくではございますけれども、本日は年頭にあたりましての一年の抱負などについて述べさせていただきたいと存じます。
 どうぞ今年一年、またよろしくお願いします。

【市長発表:年頭にあたって】

 市制施行120周年を迎える本市ですけれども、地方分権の進展により、地域の個性や特性を生かした自らの判断と責任によるまちづくりが地方自治体に求められておりますが、そんな中、先人たちが努力と英知により築いてこられました豊かな自然と、快適な都市機能を持つこのまちを、更に魅力と活力のあるまちにしなければならないと考えています。
 そこで、平成30年度を目標年次といたします新たな「第6次総合計画」の策定を現在進めているところですが、目指すまちの姿を「湧々(わくわく)都市くまもと」としまして、多くの人々が集まり、そして出会いがある新しい熊本づくりに、市民の皆様と協働で取り組んでいくことといたしております。
 また、政令指定都市の実現や、間近に迫りました九州新幹線鹿児島ルートの全線開業など、市の将来を左右する重要課題に対しましてもスピードを上げまして、的確に対応していかねばならないと考えています。
 こうした中で、昨年は富合町との合併が実現をいたしまして、城南町、益城町、植木町との間に法定合併協議会が立ち上がりますなど、合併・政令指定都市の実現に向けた大きな動きがございました。
 そして今年ですが、政令指定都市を実現できるか否かの最も重要な年を迎えているわけです。法定合併協議会の場で合併後の新市の姿をしっかりと描きまして、住民の皆様にご理解をいただき、ぜひとも合併・政令指定都市を実現したいと考えています。次に、平成23年春の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に向けてですけれども、いよいよ駅周辺整備の中でも、熊本駅前東A地区再開発事業が着工することとなります。
 さらには熊本駅を中心としました道路網の整備や軌道緑化を取り入れました市電のサイドリザベーション化など、熊本の玄関口にふさわしい魅力あるまちづくりを進めてまいりたいと考えています。
 また、鉄軌道とバスを連携させました公共交通網の整備に取り組みますと共に、利便性の高い持続性のあるバスサービスを実現いたしますために、市営バス路線の都市バス会社への面的移譲を進めますほか、平成21年度において交通事業の経営健全化計画を策定する必要がございますことから、「バスのあり方検討協議会」において、市営バスのあり方について、バス事業の廃止も含めた論議をお願いしたいと考えています。
 中心市街地におきましては、昨年は「熊本城築城400年祭」や「本丸御殿」の復元等によりまして、熊本城の入園者数が200万人を超え、過去最高の賑わいとなったのはご案内のとおりです。
 この賑わいを一過性に終わらせないためにも、今年は「熊本城桜の馬場観光交流施設整備事業」に着手いたしまして、併せて、熊本城のエントランスであるシンボルロードに向かい合う位置関係にあります、花畑・桜町両地区の民間再開発事業等の促進により、新たな魅力を創出し、回遊性の一層の向上と滞留時間の拡大を図りたいと考えています。
 本年も、引き続きこのような事業を推進してまいりますとともに、来年度からですけれども中学校1年生への35人学級の実現や、児童相談所の平成22年4月開設に向けました準備、10月に施行いたします家庭ごみの有料化へ向けた準備並びにさらなるごみ減量・リサイクルの推進や、地下水の保全対策など、各分野で特色のある施策を展開いたしまして、日本一住みやすく暮らしやすいまちづくりに取り組んでまいりたいと考えています。
 最後に、1点ご報告をさせていただきたいと思いますが、全国城郭管理者協議会加盟の48箇所のお城の昨年1年間の入場者数を熊本城総合事務所におきまして聞き取り調査を行っております。調査を行いました結果、暦年ではございますが、熊本城が、前年度全国第一位でございました首里城やあるいは大阪城などを抜きまして、全国トップの入場者数を記録したということです。
 ちなみに、熊本城は2,039,558名、それから首里城でございますが1,986,537名、それから大阪城が1,360,967名ということでした。なお、熊本城に関しましては、この三が日も大変な賑わいでもございましたし、またこれも報道してもらっておりますけれども、この1月1日から再スタートしました一口城主に対しましても多額の寄附をお寄せいただいているところでございまして、繰り返しになりますが、この賑わいを決して一過性に終わらせることなく、あるいはこの熊本城の賑わいをまちの賑わいへつなげていくべく、新たな気持ちで今年も取り組んでまいりたいと考えています。
 本年もすばらしい年になることを願いながら、新年の抱負とさせていただきます。
 以上、年頭にあたりましての抱負を述べさせていただきましたが、報道機関各位におかれましては、今年も昨年同様、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。それでは質問をお受けいたします。

【質疑応答:市民の信頼回復の取り組みについて】

【記者】今、1年の抱負などについてお話がありましたけれども、去年の暮れ、押し迫った段階でしたけれども、交通局職員の風俗経営に関わっていたことで、処分がまた新たにありました件も含めてお尋ねします。さきほどのお話にも21年度において経営健全化計画策定、バス事業の廃止も含めた検討というお話もありましたように、とても大事な年度を迎えるにあたって、新たにこのような事態ということで、先ほどの仕事始め式の訓示でも長い時間を割いてお話をされておられましたけれども、市民の信頼回復について今年どういうふうに取り組んでいくのかについて改めてお願いします。
【市長】ただ今触れられましたような、昨年1年間さまざまな不祥事があったわけですが、そして12月29日に交通局職員を、懲戒免職にせざるを得ない事案が発生したところでございます。本当に昨年1年間は、不祥事が相次ぎ、そして、その結果として市民の皆様方の本市に対する信頼というものが著しく低下をした、そんな1年であったと改めて認識を深くしたところです。そういう中で先ほどの職員に対する年頭の訓示の中でもこの信頼回復につきまして、特に力を込めて話をさせてもらったところでもあります。そして信頼回復と同時に職員としての誇りというもの、それぞれ誇りを持って仕事をしているはずですので、しっかりとその思いを深くして日々の仕事にあたって欲しい。そんな思いを年頭にあたって、職員に対して述べたところです。具体的な取り組みにつきましては、同じようなことの繰り返しになるのかもしれませんが、条例を制定したりあるいは行動規範を策定しましたり、そしてそれに基づいて研修を行いましたり、それから近々まとめることになりますけれども、職員アンケートを現在実施しているところであり、そういうことをひとつひとつ通じまして、一人ひとりに対して、今の本市の置かれている現状、厳しい現状というものをしっかりと認識をしてもらいたいと思います。そしてその認識に基づいて信頼回復に向けた一人ひとりの具体的な行動に繋げていかなければならないと思っています。今年はいろんな意味で正念場だと思っています。ひとつは合併、政令指定都市の実現。できるかどうかという意味での正念場と同時に、失った信頼を回復することができるかどうかという意味におきましても正念場だという思いを持って、しっかりと全庁一丸、全職員一丸となって取り組んでいきたいと考えています。

【質疑応答:熊本城入園者数の今年の目標について】

【記者】先ほど最後の報告で、熊本城の入園者が全国1位であったということでしたけれども、全国1位という記録を超える今年の熊本城の目標というものは何かありますでしょうか。熊本城を核にしたまちづくりというものは大きいと思うのですけれども。
【市長】今年の目標ですか。昨年は400年祭がございましたり、あるいは本丸御殿が完成したということもございまして、それが200万人を超える、あるいは、全国の城郭の中でもトップの入園者ということに繋がったという認識をしています。そういう中で、これまでも繰り返し申し上げてきたところでありますが、今の賑わいというものを一過性に終わらせない、繋げて今後も続けていく、そしてそのことを新幹線開業時ですとか、あるいはその先まで繋げていく。ということが私たちのさらなる目標であると考えています。そういう意味で、お城の中では第二期の整備計画をスタートすることになりますし、それにあわせる形で新しく一口城主の制度もスタートしたところでございますし、お城自身のさらなる魅力の向上というものに引き続き取り組んでいきたいと思っています。そしてまちとのつながりという意味におきましては、桜の馬場地区の観光交流施設の整備を着実に進めていくこと、あるいは、新町・古町地区のまちづくりの方たちとの連携を深めていくなど、さまざま取り組みというものを進めていきたいと思っています。
【記者】お城はやはりここまでいくとは最初は全然予想されていなかったと思うのですが。
【市長】これもさっき年頭に向けての中でも話したかもしれませんが、まちづくり戦略計画、平成15年度に策定したその計画の中で、お城の入園者数を何人にするかということを庁内で議論した時に、結果的に100万人という目標値を設定いたしました。当時は70万人ぐらいでした。そういう中で100万を設定した時にも、役所全体の中では非常に高い目標を設定したなという意識が強かったのではないかと思います。しかしながら私としてはせっかくこれだけの、市民の皆様方の寄附もございましたし、大変厳しい財政状況の中で取り組んでいく一大事業でもございましたので、やはり大きな効果を生み出したいという思いの中で、目標100万でも私自身は少々不満であったわけですが、設定したという状況がございました。それが結果として200万を超えるということで、いわば想定外の賑わいだったわけですけれども、それだけお城自身の持つ魅力、あるいは、今回の本丸御殿をはじめとした復元整備に対する高い評価を多くの方々からいただいた結果ではなかろうかと考えています。ですから、今後が非常に大事である。今後に繋げていくことが非常に大事であると思っています。

【質疑応答:政令指定都市について】

【記者】今年は政令市に向けて正念場ということで、まずは合併が先だとは思うのですが、どういう政令市像を同時に進めなくてはいけなくて、どういう政令市を目指すのか。また道州制を見据えた中で、州都というものを意識されるのか、そのへんをお伺いしたいのですが。
【市長】常に問われることでもありますし、私にとっての今後の課題、しかしながら今後ということで、先延ばしにするのではなく、早急に、具体的な形でしなければならない課題だと思っています。本市の中では、例えば日本一住みやすく暮らしやすいまちですとか、その中でも地下水をはじめとした環境保全、あるいは子どもたちが健やかに成長するまち、それから熊本城を核とした観光振興、あるいは新幹線開業を見据えた元気なまちづくりというものを、その3本柱にして取り組んできたということが本市の中ではございます。それとあわせる形で、都市圏の研究会の中で都市圏ビジョンというものを策定いたしました。やはり、これがひとつのベースにはなるだろうと思いますが、ただ、この都市圏ビジョンは、本市を含めて15の市町村の中で策定をしたということもございますし、そしてある意味網羅的といいますか、そのような計画であります。しかし、それをひとつのベースとして、現在合併を進めて新しく仲間に加わっていただいた富合町、それから植木町、益城町、城南町と、どういう政令指定都市を目指していくのかということを、合併協議と並行するような形で、しっかりと打ち出していく必要があるだろうと思っています。そのひとつの要素として、例えば現在、益城町で特に重点的に取り組んでおられる子どもに対する施策ですが、本市も子どもに対する施策に力を入れて取り組んできておりますが、やはり本市にない、大変積極的な取り組みがあるということもひとつ要素になるだろうと思います。それから植木町では、例えば農業分野、あるいは田原坂や植木温泉等を活用した観光振興など、こうしたところを一体的にどうしていくのか、そしてそのことを政令指定都市像にいかに結びつけていくのかということを合併協議に並行する形で、打ち出していく必要があるだろうと思っています。新潟でいえば、よく日本海政令市や田園型政令市とか、そういうような打ち出し方をされています。それを本市に置きかえましたときには、やはり九州の中央に位置する交流拠点都市、そして今回「湧々(わくわく)都市」ということで、人々が九州全域から集っていただけるような都市を目指すのだということを今回の総合計画基本構想の中でも打ち出しているわけです。少し長くなりますけれど、今、本市で進めている基本構想、それから都市圏ビジョン。そして今後、具体的に新市の基本計画を策定する合併協議会での協議。そういうものを重ねあわせていきます中で、どういう政令指定都市を目指していくのかということを、具体的に多くの人達がイメージできるようなものを打ち出したい、打ち出していく必要があるだろうと思っています。特に、益城町や城南町では、法定協議会の終了後、いまのところ住民投票が予定されているわけでありまして、そういう住民投票をされる際にも、どういう政令指定都市を一緒になって目指していくのだということを感じていただけるようなものを、一緒になって打ち出していくことができればと思っています。これは、やはり熊本市だけで考えるものではないと思っています。

【質疑応答:市電・市バスの方向性について】

【記者】2点お伺いしたいのですが、1点が交通局、大きな動きが今年はでてくると思うのですが、改めて市電や市バスの方向性について、特に市電は一部報道で、電停のバリアフリー化という話も出ていますので、そのあたりをどうしていくのかということと、もう1点は熊本駅前開発を含めて新幹線を目指した今年の位置づけというか、基本構想も含めてお話をいただければと思っています。
【市長】まず、1点目の交通局の市電・市バスの方向性についてですけれども、交通網全体としては、やはり鉄軌道系を基軸としてバス網の再編等を進めていく中で、全体の公共交通の利便性の向上につなげていかなければならないということは考えております。そういう中で交通局がどういう位置づけを、役割を担っていくのかということですけれども、やはり鉄軌道の中でも中心部を走るという意味で基軸になると思いますので、市電というものをもっともっと活かしていく、多くの皆様方に利用していただけるような環境づくりというものを、さらに進めていく必要があるだろうと思っています。その一環としてバリアフリー化等も、これまでも長年指摘されてきたことですが、制約等もございまして、なかなか進むことができなかったわけです。やはり、しっかりとした計画を作り順次進めていく必要があるだろうと思っています。そして利便性の向上につなげていきたいと思っています。一方、バスの方ですけれども、これは今、民間3社と交通局も含めて4社で担っている状況ですが、やはり民間との共同の中で、いかにこのバス網を支えていくのかということを考えていかなければならない。一方ではバスの経営改善という至上命題もある中で、どういうふうな役割を果たしていくのか。これまでも線としての路線移譲を進めてまいりました。これも、4月には面としての路線移譲を進めていくことにしています。これを進めてまいります中で、これからの検討協議会でも市営路線バスの撤退ということも含めた中で、協議をしていただきたいと思います。私どもといたしましても、そこも視野に入れた中で検討を進めていく必要があるだろうと思います。
 しかしながら、ここは改めて誤解のないように申し上げておきたいのですけれども、このことは決してバスの利便性の低下ではなく、向上につなげるべく、そうした再編を進めてまいりたいと考えています。

【質疑応答:不況について】

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【記者】昨年経済は急速に悪化していまして、雇用環境などにも不安を抱えている方が多いと思うのですけれど、市として今年民間の活力を利用するという話が出ている中で、働きかけたいと思っていることや、市としてどういうふうに、この一、二年続いていく不況に対して当たっていこうと思っていらっしゃるかと、国政や国に対しても望まれることがあれば市長のお考えを聞かせてください。
【市長】まず、今の厳しい経済状況に対して、市としてどういうふうに取り組んでいくのかということですけれども、そのことにつきましては昨年の暮れに緊急の経済対策の対策本部を立ち上げたところであり、昨年中に打てる対策ということで相談窓口の開設、あるいは市営住宅の提供、それから雇用の維持に向けた申し入れなど、様々、昨年中にできることについて取り組んできたところです。その結果として実際の相談件数等も上がってきているところでございまして、このことについては詳しくはこの場では述べませんけれども、一定の効果は出ているのではないかと考えています。ただ、やはり年が明けまして今後も厳しい状況が、引き続き続くと予想いたしておりますので、今後の本市における経済状況というものに注視をして、具体的に的確な対策を講じる必要があると思っています。そのベースとなりますのが、今進めておりますアンケート調査を、これを早急に取りまとめることによりまして、本市の経済状況、実態というものをできるだけ把握するなかで具体的な対策というものを検討する必要があると思っています。昨年中の対策としては本市としての雇用というものは打ち出しておりませんでしたけれども、場合によっては、そうしたことも考える必要があるのではないかと、具体的に講じる必要があるのではないかと考えています。それから、そうした経済対策的なことだけではなく、いかにして民間活力というものを本市の経済活性化に活かして行くのかということも考える必要があると思っています。例えば今、本市の中心部、桜町や花畑地区で進めております再開発事業、このことも民間主体の再開発事業であるわけですけれども、できるかぎり市としてサポートしていきます中で、実現にむけて全力で取り組んでいく必要があると思いますし、それからバス網再編の話にいたしましても、民間活力を生かしてバスを維持していくことを進めていく中で、民間の、本市のこの地域経済における民間企業の力をいかに引き出していくのかということ、これをいろんな分野で考えていく必要があるだろうと思います。市の財政的なことだけで申し上げますと右肩上がりの時代ではございません。行政で何もかもできるという時代ではない中にあって、今後も持続的な発展を続けていくという意味においては、やはり民間企業の活力をいかに引き出していくのかということをこれまで以上に考える必要があると思います。繰り返しになりますが様々な分野において、そうした視点をもって取り組んでいきたいと思っています。
 それから国に対する考えと言いますか、要望と言いますか、やはり経済対策におきましても、補正予算等がなかなか上がらなかった状況のなかで、今日から国会がいよいよ始まります中で、補正予算、さらには新年度に向けた対応等が具体的に議論され、講じられることになるだろうと思います。緊急的な対策の分野についてはできるだけ早急に対応していただけるように、是非対策を急いでいただきたいと思います。それからこの今の不況という部分には、確かに円高、あるいは原油高もございました。金融不安もありました。そういう一時的なといいますか、そういう影響による景気の悪化というものも大きいと思いますが、その一方で将来がなかなか見通せないため、生活をしていくうえにおいても社会保障の分野においても、自分の将来がどうなるのかということに対する不安が今の経済の悪化に拍車を駆けていると思いますので、そう意味では今後の社会保障のあり方というものにつきましても、もう一度しっかりと議論をし、このことについても早急な確立というものを急いで欲しいと思っています。短期的、あるいは長期的、両面からの取り組みというものを国に対しては求めるものです。

【質疑応答:交通局職員の処分について】

【記者】交通局の処分に関してですが、記者会見の中で職員は第三者の男性から頼まれてお店を開いたということで、その第三者が暴力団関係者ではないのかという疑問も出て、それに関して穿った見方をすれば暴力団の資金源になっているのではないかとか、公務員が暴力団とつるんでいたのではないかとかいう見方をされたのですが、市としてはその男性が誰なのかという調査まではしていないと。ただもし暴力団だったら、ちょっと問題ではないかという指摘もあり、市としてはそういう調査をするのかしないのか、会見の中ではっきりとした答えを出していなかったので、それに対してはどのように市長は考えていらっしゃいますか。
【市長】まず今回の処分についてですけれども、病気休職中に営利目的企業の営業に関与したこと。つまり届け出を本人自らが行ったということの意味におきましては大変大きいと思いますけれども、これまでの休職中の治療専念態度が適切であったか、あるいは一年少し前に停職6か月の懲戒処分を受けていたにもかかわらず、再度こうしたことを起こしてしまったということで今回懲戒免職という処分にしたところです。従いまして、既に廃業しているということではありますが、営業にどのように関わっていたのか、あるいは話を持ちかけてきた知人なる者がいかなる人物であったかは市の方でどの程度調べることができるのか、ここでもはっきりまだ申し上げることはできません。ただ、今回のような不祥事が発生した原因を明らかにして参りますうえで必要という判断をすれば、本人やあるいは警察当局などの意見というものも聞いていくことがあるかもしれないとは考えております。現在のところ、組織として、今おっしゃったようなことまでは捉えておりませんので、現時点におきましてはそこまで考えてはおりません。繰り返しになりますが、今後必要と判断をしますれば本人、あるいは警察当局等の意見を伺うこともあろうかと考えております。
【記者】それは今後の調査、原因背景というのは引き続き調査するということですか。もしかしたらその第三者に脅されてやっていたとしたら、その方が被害者になるという可能性もありますし、その調査なりは、引き続き続行してやるということですか。
【市長】事務局からお願いします。
【事務局】今、市長が申し上げられた通りでございますが、今後もこの不祥事が発生した要因と言いますか、そうしたものの背景がどういったものであるかということを今後の為に活かしていくうえで必要であれば、そうした意見、あるいは聞き取り等もしなければいけないかと思いますが、本質的なところは市長が申しました通りのところで、処分はもう終わっておりますが、処分が終わったので交通局、あるいは熊本市としての対応は一切ないということではないと考えております。では具体的に今後それをどうしていくのかということについて、ここで申し上げる内容は今の段階では持ち合わせておりません。
【市長】今回の懲戒免職をするにあたりましての本人に対する調査というものは、いたしております。その結果として今回の処分に至ったというところでありますけれども、しかしながら、ただ今担当が申し上げましたように、昨年一年様々続いた不祥事の背景というものがどこにあるのかということは、今後もしっかりと原因究明を進めていく必要があるだろうと思っておりますし、そういう中で不確定な部分につきましては、もう少し究明にむけて努力をしていく必要があるのではないかと考えております。その中で再度本人に対して意見聴取をする、あるいは警察当局の意見を伺うことも考えられるのではないかと思っています。

【質疑応答:職員の不祥事について】

【記者】不祥事に関連して、職員アンケートを実施しているという話がありましたけれども、これはどういった内容のもので、このアンケートをどういうふうに活かそうとお考えですか。
【市長】内容につきましては事務局のほうからお願いします。
【事務局】全職員への意識調査をただ今実施しております。期間といたしましては12月18日から1月9日を締め切り予定にしております。内容といたしましては、本市において不祥事が相次いでいることをどう思っているか。あるいはこのように不祥事が多発している現状を危機的状況だと思うかどうか。それから自分の課で不祥事が起こる可能性があるかどうか。また、それを防ぐためにはどうしたらいいか、自分はどうしているか、などを意見として求めています。今後1月9日を締め切りとしておりまして、これは担当課のほうで取りまとめた後集計いたしますが、その間に、出された意見を基に各職場、具体的には課なり係り単位での話し合いをしていただいて、そこでコミュニケーション、あるいは意識の調整というものを図っていただくことにしております。アンケートの集計に少し時間がかかるかとは思いますが、できるだけ早くまとめて庁議に報告をしたいと考えています。
【市長】今申し上げたように、全庁的にもどういう意識であるのかということを把握する、そしてそれに基づいて全庁的な対応を図りますと共に、やはりそれぞれの職場で活用していかなければ意味がないと思いますので、そのアンケート結果を基にミーティングであれ、あるいはその職場内での会議等に使えるようなものにしたいと考えています。
【記者】今のアンケート内容についてですが、危機的な状況かと思うかという問いがありましたけれども、ないという職員がどこにいるのかという問いなのですけれども、それよりは今、膿をきちんと出し切ることが何よりも大切だと思うのですが、であれば周りにそういった不祥事の根がないのかどうかを具体的にきちんと調べるということ自体を問うアンケートでなければ、何の意味もないような気がするのですけれども。いかがでしょうか。
【市長】いや、その根があるかということもアンケートの中で問うております。それは先ほど事務局が申し上げた通りです。それから、やはりこうした不祥事を何度も繰り返すということは、やはり危機的だという認識がないのではないかと、まだまだそこが希薄なのではないかという思いを私自身思っています。ですから、こういう状況になってもまだ危機的だと感じていないのかと思われるかもしれませんが、そこをもう一度問う必要があると思います。そこを問う中で、今の置かれている状況をしっかりと認識してもらうということにも、やはり繋げていかなければならないと。ある意味当たり前のことが当たり前にできていない本市におきましては、そういう当たり前のことも問う必要があるだろうと思っています。それに併せてそういう根がないかどうかということも、当然アンケート調査の中では拾い出し、先ほど申し上げましたように、職場の中でどう改善していくのかと、そして自分自身はどう行動するのかということまで問うているアンケートです。
【記者】新年の年頭会見で不祥事の話について質疑応答しなければいけないことを非常に残念に思いますが、関連して交通局のことでお尋ねします。今回の交通局の処分については先ほど懲戒免職の処分については言わば総合判定で懲戒免職というようなお答えだったと思いますが、今回の件が市長のお耳に入ったとき、市長は率直にどういう感じに受け取られたか。内容は、交通局の40代の職員が病気休暇中にデリバリーヘルス、風俗店の届け出を出した、形式的ではあるかもしれませんけれども経営に関与していたという事案だったと思います。それを伺われたときに市長はどのように感じられたかと。まず、そこから伺わせてください。
【市長】まず、その一報を聞いたとき、あるいはその内容を聞いたときにどのように感じたかということですけれども、正直申し上げまして、「またか」というのが率直な思いでございました。それから、再びこういうことを繰り返したということに対して、市民の皆様方に対して大変申し訳ない気持ちでいっぱいでありました。そしてその内容を聞きましたときには、あるいはその当事者がつい最近、定職処分を6ヶ月受けていた、その人間が再び不祥事を繰り返してしまったということに対して、大変憤りを感じたことでございますし、そういう意味においては前回の6ヶ月の停職という処分が本当に妥当であったのかということまで、しっかりと検証する必要があると感じたところです。誠に市民の皆様方に対しては申し訳ないという気持ちでいっぱいであります。
【記者】続けてお尋ねします、今回の兼職と言いますか、私企業の経営に関与ということで、これは当然県警に届け出制という形になっておりますので、その業務自体が違法ということではありませんし、今回が逮捕事案ではないと、犯罪行為ではないということは我々も認識しています。一方で市民への信頼回復ということを日頃市長がおっしゃられる中で、今回関与した業種というものが、やはり単なる一企業の経営に関与するというものとは、別の、より信頼を失墜させる業態だったと思います。そのお店で何かあったと言うつもりはありませんし、何か具体的犯罪行為をしたというつもりはありませんが、一般的なお話で、やはりこの業態では犯罪の温床になりやすい、または先ほど他記者からもありましたが暴力団の資金源になる可能性も言われております。先ほど市長は、やはり不祥事の背景というものをしっかりと知る必要があると思う、そのためにも原因究明の努力の必要があると思うとおっしゃいましたが、それはまさしくその通りだと思います。一方で、我々記者がこの年末の会見で感じましたのは、年内で処分をはっきりさせないといけないという形で交通局がスピードをもって処分に対応されたという点は分かりますし、評価もしたいと思いますが、その原因究明の土台である事実確認という作業を非常に怠っているような気がします。ちょっと穿った見方をしますと、もう早く決着してしまえというような気持ちでなかったかと心配しております。なぜならば、もし今後原因究明をする場合に、もし処分してしまった場合の職員に対しての熊本市の強制力と言いますか、がないので本当に調査しようというときに調査できないのではないかと思います。ちょっと質問というよりは長く意見表明という形になりましたが、私自身その原因究明とか事実確認の姿勢について今回は非常に残念な事案だったように思います。市長はどう考えていらっしゃいますか。
【市長】まず今回の処分についてですけれども、ある匿名の電話により、そういう情報が入ったという中で、交通局の中で調査をした結果、先ほどから申し上げているような事実が発覚したために免職という処分に至ったというところです。病気休職中に営利目的の企業の営業に関与したということをもって懲戒免職に至ったわけですし、そしてその営利目的企業というものが、風俗店ということを考えましたときに、やはり社会的、道理的な責任という意味におきましても大きいという判断が、交通局の中でも働いたのだと思っています。そういう中で、やはりこの処分というものはきちんとした調査、それから裏付け等がなければ簡単にできるものではありませんので、しっかりとその事実関係は抑えた上での処分であったと考えてはおります。しかしながら、まだまだその背景等を含めますと、今後もやはり背景等の究明が必要な場合も出てくるであろうと感じておりますので、この処分を持ってこの件を終わりとするものではなく、さらに究明をしていく中で再発防止に努めていくと。その努力はやはり、どういう状況になったとしても行わなければならないと思っています。
【記者】関連するのですが、先ほどの事務局のお話でも必要と判断すればだったり、今後一切しないわけではないという回答なのですが、本人の処分は分かるのですけれども、暴力団の資金源になっていたのではないかという疑惑を払拭する必要というのはないのですか。それは直ちに調査する必要があるかと思うのですが。それはどう考えていらっしゃいますか。
【事務局】お尋ねの主旨は分かりますけれども、資金源になっていたかどうかという、確かに相手方がどういう方なのかということまでは把握ができておりませんので、ただ事実関係、本人が事実確認書に、事実を認めておりますので、その事実をもって処分にいたったということでございます。その第三者がなんであるのか、どういう方であるのか、あるいはその方に関与したことによってどういう責めを負うべきであるのかについては、先ほど申し上げましたけれども、今ここで私のほうから、これから先どうしますということを申し上げる段階ではないのですけれども、そうですね、関わったことが間接的にどういうところの人が恩恵を被って、どういう資金の流れをしたのかということについては、むしろ組織として交通局、あるいは熊本市が調べるべき問題であるのか、あるいは警察のご当局にご相談すべき問題であるのかということは、第三者を含めてご相談しながら対応したいと思います。
【市長】市としての限界はあるわけではありますけれども、しかしながらギリギリのところまでは調査をしたいとは思っております。

【質疑応答:熊本城入園者数の今年の目標について-2】

【記者】熊本城の話がでましたが、(熊本城入園者の)100万人が200万人になったというのは、非常に、市民あげての喜ばしいお話だったと思います。今年は何万人程度を市長としてはお考えになっていますか。
【市長】(正月)三が日の入園者数を見ますと、昨年、まだその時には本丸御殿は完成しておりませんでしたけれども、ほぼ倍増という状況となっております。そういう意味では、まだ引き続き熊本城の賑わいというものは続くであろうと思いますので、なるべく200万人、今、総合計画を策定中ですが、その中で数値目標を策定することにしています。今総合計画はパブリックコメントに出していますか。
【事務局】はい、出しています。指標としては170万人ぐらいということです。
【市長】200万人ではなく170万人と。では、170万人という根拠をお願いします。根拠というか考え方を議論しておかないといけませんので。
【事務局】指標自体は担当課のほうで作っていただきました。私どもと打ち合わせさせていただいて、当初、「まちづくり戦略計画」では先ほど市長も申し上げましたように、100万人が目標でございました。ところが倍の200万人になったということで、当初200万人を目標にとも考えたのですが、今回の200万人は異例のことであり、150万人が妥当ではないかいう意見が途中で出ました。それで過去の実績をいろいろ調査したところ170万人という記録がありましたので、そこにあわせようということで、目標を170万人にさせていただきました。
【市長】昭和30年代後半でしたが、年間170万人程度という数字がありました。少なくともそれを目標にしようではないかということで、170万人を新たな目標値に設定したところです。
【記者】200万人から下がってしまうということですね。
【市長】下がったといわれるとそうなのですが、出来る限り引き続き、この賑わいを継続していきたいと思っています。


【質疑応答:今年をイメージする一言について】

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【記者】昨年でしたけれども、今年をイメージする一言についての質問がありましたが、特段、何か考えていらっしゃるのであれば教えてください。
【市長】特段ありません。
【記者】昨年同じ質問が出たときには、考えておけばよかったと、おっしゃっていましたので。
【市長】私の言葉で言っていいのかわかりませんが、庁議の中で「昨年は『変』という言葉で総括された。それを今年は『変化』として、『変化』というものをいろんな意味での実現、変化をしていく中で熊本の発展に繋げていくことにしたい」とおっしゃった方がいまして、なるほどと思いましたのでご紹介させていただきます。

(終了)

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