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平成21年3月議会前及び2月定例市長記者会見

最終更新日:2009年3月1日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【はじめに】

 それでは、3月議会前並びに2月定例記者会見をはじめさせていただきます。
 本日は、3月議会に提出いたします議案について説明をしました後に、1点報告をさせていただきます。

【市長発表:3月議会の提出議案について】

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 議案の説明に入ります前にまずもって、昨年10月に発生いたしました市電事故におきまして、先日、被害者の方がお亡くなりになられたことにつきまして改めて心からお詫びを申し上げる次第です。
 交通局の市電運転士が交通信号を見ていなかったという重大な過失を犯したことに伴う事故によりまして、被害者の女性を死に至らしめ、ご遺族の皆様には大変なご苦労とご心痛をおかけし、ここに深くお詫びを申し上げます。
 ご遺族のお悲しみは察するに余りあり、深く哀悼の意を表しますとともに、故人のご冥福を心からお祈りを申し上げる次第です。
 交通局が、今後とも加害者として誠意をもって対応いたしますとともに、二度とこのような事故を起こさないよう指導を徹底してまいりたいと考えています。
 それでは、当初予算編成にあたりましての基本的な考え方につきまして、国の予算案や地方財政計画等も踏まえて説明をさせていただきます。
 現下の経済情勢につきましては、2月の月例経済報告において、「景気は、急速な悪化が続いており、厳しい状況にある。雇用情勢は、急速に悪化しつつある。」との判断がなされておりまして、また、先日発表されました昨年10月から12月期の国内総生産(GDP)の速報値におきましても、年率換算で12.7%の減となっており、戦後二度目の二けた減少を記録いたしますなど、大変厳しい状況にございます。
 同様に、県内におきましても、日銀が示します金融経済概観では「景気は大幅に悪化している」とされており、雇用情勢についても、熊本職安管内の有効求人倍率ですが、12月現在で0.63、前年同月比でマイナス0.38と大幅に低下しており、今後、年度末にかけてさらなる雇用調整も予想されるところです。
 このような中で、政府は、当面は「景気対策」、中期的には「財政再建」、中長期的には「改革による経済成長」という3段階で、経済対策を進めるとしており、当面の景気対策を最優先で進めるため、1月5日には、「定額給付金」や「子育て応援特別手当」、「地域活性化・生活対策臨時交付金」などを含む、平成20年度第2次補正予算を、そして、1月19日には、一般会計予算規模が、88兆5千4百億円で前年度比6.6%の増となります平成21年度予算を国会に提出されたところです。
 また、地方財政計画につきましては、全体規模はマイナスの1%となっておりますが、地方一般歳出はプラスの0.7%と2年連続の増加となっています。
 こうした中、本市の平成21年度当初予算案の編成を行いましたが、国内景気の悪化が深刻化をいたします中、景気の動向を反映し法人市民税の減収が見込まれますなど、依然として厳しい財政環境にはございますが、来るべき新年度においては、今回の市議会に議案として提案しております「第6次熊本市総合計画」基本計画に基づく各種施策の推進や、本市将来の発展のため、今なさなければならない喫緊の課題への対応などに、事業の選択と集中という考え方のもとに、重点的に財源の配分を行ったところです。
 このような観点から特に重点的に取り組んだ大きなポイントを申し上げますと、まず、1点目が「新総合計画」におけるまちづくりの重点事業でございます、わくわくプロジェクトへの集中的配分です。
 中学校における少人数学級の導入などの新規・拡充分約10億円を含み、176事業、129億円を計上いたしております。
次に、2点目が政令指定都市実現に向けた取り組みと富合町地域における「新市基本計画」の推進であり、近隣3町との合併協議会経費等と合わせまして約20億円を計上いたしております。
 3点目ですが、九州新幹線全線開業および「入園者日本一」の熊本城を中心としたさらなる観光集客への取り組みと「中心市街地活性化基本計画」掲載事業の着実な推進であります。
 「中心市街地活性化基本計画」掲載事業分では約100億円を計上いたしております。
そして、4点目でありますが「緊急経済対策・地域活性化対策」であり、雇用創出・金融支援・地域活性化などの各分野に3月補正とあわせまして約9億円を計上いたしております。
 最後に5点目が、着実な行財政改革の推進です。
 新年度は、第4次の「行財政改革計画」のスタートの年でもあります。民間委託の推進や、財政の健全化をこれまで以上に進めますことで、総合計画に掲げるまちづくりの着実な推進を図るものです。
 それでは、ただ今申し上げましたポイントに沿いまして、主な取り組みについてご説明をいたします。
 まず、1つ目のポイントは、わくわくプロジェクトへの取り組みですが、「夢わく1:子どもも大人もみんなの笑顔が輪になるまちづくり」におきましては、中学校1年生への少人数学級の導入や、小学校5年生、6年生を対象とした英語活動の推進、学級支援員の増員、また、プラネタリウムの全面改修や熊本城での宿泊体験学習など、一人ひとりの個性を大切に、学ぶ楽しさとわかる喜びを実感できるような学校づくりや、放課後・休日等も友達と楽しく安全に過ごせる環境づくりに取り組んでまいります。
 また、子育て世代が安心して子どもを産み育てられ、子育てを社会全体で応援できる環境づくりを目指しまして、妊婦検診における公費助成回数をこれまでの5回から14回に拡充いたしますほか、こんにちは赤ちゃん事業への取り組みや認可外保育施設助成および病時・病後時保育事業の拡充、さらには、平成22年4月の児童相談所開設に向けた準備を進めてまいります。
 次に「夢わく2」でありますが、「誰もが能力を発揮でき、将来も住み続けたいと思えるまちづくり」では、暮らしを支え、働く意欲に応える『熊本元気産業』づくりに向けまして、起業化支援や企業立地促進に向けた助成などを引き続き行いますほか、将来も住み続けたいと思える地域づくりを目指した、まちづくりサポーターの養成や地域コミュニティセンターの建設、そして、新型インフルエンザへの対策などによる安全安心なまちづくりに取り組んでまいる所存です。
 次に、「夢わく3:ふるさとの自然を守り、世界に誇れる環境先進都市づくり」では、「日本一の地下水都市」「森の都」の名にふさわしい世界に誇れる環境先進都市を目指しまして、低炭素都市づくり戦略計画の策定を行いますとともに、地下水都市空間の創出や、辛島町電停から水道町電停までの軌道敷緑化に向けた市電緑のじゅうたん事業などに取り組んでまいります。
 また、新年度からの家庭ごみ有料化により生じる財源を活用し、資源物拠点回収やセメント原料化などのリサイクルの推進など、ごみ減量化に向けた様々な取り組みを行ってまいります。
 次に、「夢わく4:伝統と文化が息づき、「くまもと」の恵みを満喫できるまちづくり」では、熊本城に象徴される歴史的遺産や伝統、文化をはじめとする本市特有の豊かな恵みを、魅力的な市民共有の財産として今の時代に生かし継承するための取り組みを行ってまいります。具体的には、本年1月から新たに募集を開始しました新「一口城主」でありますとか熊本城馬具櫓復元整備、水前寺公園「古今伝授の間」保存修理、横井小楠生誕200年記念事業などを計上いたしております。
 また、農商工観光等の連携による地域農産物の普及拡大、情報発信を目指したわくわく「くまもと」自然のめぐみお届けプラン事業にも取り組んでまいります。
 5つ目の、「夢わく5:だれもがおでかけしたくなるまちづくり」でありますが、中心市街地や地域の商店街、動植物園などの拠点の魅力を高め、おでかけすることが楽しいまちづくりを目指しております。
 中心市街地におきましては、お城まつりや火の国まつりの開催、イルミネーションでまちなかを彩ります光のページェント事業、城下町大にぎわい市などに加え、熊本城入園者日本一を契機といたしまして、さらなる中心市街地活性化を目指し、昨年4月に実施いたしました「城下まつり」を本年度は商店街等が主体となって、市電沿線商店街とも連携をしながら5月に開催することとしております。
 また、動植物園におきましては、第2期再編整備事業としてチンパンジーエリアの新規整備を行いますとともに、昨年も多くの方々で賑わいました、夏休み期間の夜間開園を本年度も実施することとしております。
 そのほか、水前寺地区の観光活性化検討や、公園施設の園路・駐車場・トイレのバリアフリー化に計画的に取り組みますとともに、北岡・立田自然公園の施設整備も実施をいたします。
 次に、「夢わく6:バス・電車、自転車などで気軽におでかけできるまちづくり」では、日常生活において、クルマがなくてもだれもが気軽に快適に移動できるまちを目指しまして、バス乗換拠点の整備検討や、電停改良マスタープランの策定、東バイパスにおける新バス路線の実証実験、路面電車優先信号システム整備、新水前寺駅におけるJR駅との結節に向けました電停移設設計など、誰もが利用しやすい公共交通システムの整備に向けた事業を実施してまいります。
 また、本年4月より、本山車庫管轄路線の移譲を受け運行開始となる熊本都市バス株式会社へは、安定的な公共交通の運営を目的といたしまして、バス路線維持費等の助成を行うこととしております。
 最後に、「夢わく7:温かいおもてなしの心があふれ、楽しい交流が生まれるまちづくり」では、来熊者が「くまもと」によい印象を持って何度も訪れていただけるような、温かいおもてなしの心とまちの魅力・活力があふれ、楽しい交流が生まれるまちづくりを目指して取り組んでまいります。
 具体的には、九州中央の交流拠点都市を目指し、熊本の都市ブランドを確立いたしますための熊本シティブランド戦略の推進や、観光分野におけるメディアを活用した宣伝強化などに取り組みますとともに、新幹線の全線開業を踏まえた観光ビジョンの策定、外国人観光客用のサイン計画策定にも取り組んでまいります。
 また、九州、アジアの交流拠点にふさわしいまちづくりに向けましては、熊本駅前の情報交流施設の整備や、お城周辺での回遊性の向上を目指した桜の馬場観光交流施設の整備、花畑・桜町両地区での再開発の促進、熊本駅と都心間における協働のまちづくり、また、香港・台湾への観光物産情報発信を目指した経済交流戦略にも取り組んでまいります。
 次に、2点目のポイント、富合町地域関連予算についてですが、富合町地域関連の予算につきましては、人件費・扶助費などの義務的経費、合併特例区への交付金、九州新幹線総合車両基地関連経費のほか、新市基本計画に基づく経費として約19億円を計上する等、総額で約40億円の予算規模となっております。
 昨年10月6日の合併後、初めての当初予算編成となる新年度においては、これまでの行政サービス水準を確保しつつ、新市基本計画掲載事業の着実な推進を念頭に予算編成を行ったところです。その他、政令市に関する事業につきましても先ほども申し上げたところではございますが、順次取り組んでいくところです。
 次に、3点目のポイントのうち、平成23年春に控えました九州新幹線全線開業に向けた取り組みですが、これまで申し上げた事業と一部重なりますが、今回の予算案におきまして、九州新幹線建設関連事業及び駅周辺の基盤整備事業として、17事業、約94億円を計上しております。
 具体的には、九州新幹線建設や連続立体交差事業の建設負担金をはじめ、東A地区情報交流施設整備や南A地区における地区計画道路の整備、熊本駅前電停から田崎橋電停までの軌道敷緑化、坪井川親水空間整備などの駅周辺基盤整備に取り組みますとともに、西口駅前広場の意匠工事や駅東口における市電乗り入れを含めた駅広場について検討を進めてまいります。
 次に、4点目のポイント、「緊急経済対策・地域活性化対策」の実施についてですが、今回、緊急経済対策として総額9億3千万円を、3月補正と当初予算に分けて計上しており、その財源として国・県からの交付金も活用しております。
 主な内容は、雇用創出経費として約2億2千万円を計上し、293名の新たな雇用を予定しております。
 また、緊急ハード整備として、小中学校図書室における冷暖房機設置や事業内高等訓練校作業室の施設整備等で約3億3千万円、金融支援として約1億円、地域活性化対策として、3月補正で道路・住宅の維持関連経費に1億2千万円の上積み、当初では単独道路整備経費に1億円の上積みを行うことなどによる2億8千万円となっております。
 今後とも、経済対策につきましては、国の動向にも注視しながら、適切な予算措置を行ってまいりたいと考えています。この結果、新年度の当初予算の規模は、一般会計において2,197億800万円、特別会計では1,461億9,151万円、企業会計では823億7,422万円、一般・特別・企業の各会計の総計は、4,482億7,373万円となっております。
 これを前年度当初予算と比較をいたしますと、一般会計は5.7%の増、特別会計は2.2%の減、企業会計は0.4%の増、総計では2.0%の増となっております。平成20年度の本市予算に富合町予算を加算して比較をいたしますと、一般会計が3.2%の増、特別会計が3.4%の減、企業会計が0.3%の減、総計で0.3%の増となっております。
 以上が予算関係の主な説明です。続いて、条例等の議案ですが、まず、「熊本市基本計画の策定について」説明をいたします。
 これは、昨年6月議会で議決をいただきました基本構想に基づきまして、平成30年度を目標年次として、基本構想のめざすべきまちの姿である『「湧々都市くまもと」~九州の真ん中!人ほほえみ、暮しうるおう 集いのまち~』を実現しますための具体的な取り組みを体系化したものです。
 次に、おもな条例議案として、「熊本市水道条例」の一部改正、および「熊本市下水道条例」の一部改正について説明をいたします。
 これらいずれの条例も、使用水量等が10平方メートル未満の場合の料金を、定額制から一部従量料金制を導入し、市民の皆様の節水努力が反映される料金体系とするなどの改正を行うものです。
 次に「熊本市自動車運送条例及び熊本市軌道条例」の一部改正について説明をいたします。これは、熊本都市圏のバス路線網再編により、本年4月から本山車庫管轄路線が民間移譲されることになりますが、利用者の便宜を図りますため定期券の相互利用を可能といたしますなど、所要の改正を行うものです。
 次に「熊本市産業文化会館条例を廃止する条例」の制定について説明をいたします。
 産業文化会館は、設備等の老朽化や花畑地区の再開発事業計画に伴い、平成20年4月よりホール等の利用を休止をいたしまして、入居者の方々に対しましては本年3月末での移転をお願いし、協議を進めてきたところです。この度、すべての入居者の方々から移転の同意をいただいたので、3月いっぱいで産業文化会館を閉館するのに伴いまして、「熊本市産業文化会館条例」を廃止するものです。
 なお、閉館後の対応につきましては、地域の賑わいや安全・防犯等にも配慮し、必要な措置を講じたいと考えています。
 以上で3月議会の提出議案の説明を終わらせていただきます。

【市長報告:「モンキーアイランド」の一般公開について】

 次に1点報告させていいただきます。動植物園で進めてまいりました再編整備第一期工事がこのたび終了いたしまして、2月28日、新たに「モンキーアイランド」を一般公開する運びとなりましたので、報告をさせていただきます。
 エントランスエリアのリニューアルに伴い完成いたしました「モンキーアイランド」は、水と緑に囲まれました小さな二つの島から2種類のサルたちがお客様をお出迎えするようなイメージで作られており、金網などで視界を遮ることのない開放展示となっています。東側の島にはヤシの木などで活動的に過ごすクロクモザル、西側の島には地上でのんびりと暮らすワオキツネザルを展示し、生活スタイルの違う自然な様子を楽しんでいただけるものと思っています。オープニングセレモニーにつきましては、地域の子どもたちの歌や演奏も予定しておりますので、ぜひ、多くの皆さんのご参加をお願いしたいと思います。
 また、動植物園のおめでたいニュースもお知らせいたします。2月19日、希少動物でもあります「シフゾウ」に赤ちゃんが誕生いたしました。日頃から動物たちの種の保存に取り組んでいるところですが、今年も多くの繁殖に成功し、明るい話題を提供したいと考えています。以上で議案の説明並びに報告について終わらせていただきます。
 それでは質問をお受けいたします。

【質疑応答:不適切な経理について】

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【記者】では、幹事社から一つ質問をさせていただきます。議案等とはちょっと関係はないのですけれども、先日県でおよそ一億円の裏金の存在が明らかになりました。このことについて市長はどのように見ていらっしゃるのかということと、熊本市でも現在内部調査が進められているかと思いますが、一次調査が終わる頃かと思います。現状の調査、状況を教えて頂きたいと思います。
【市長】はい。まず、先週県で経理、いわゆる預けですとか、書き換えの現状、報告がなされたところであり、その金額、あるいは件数の多さに対し多くの県民の皆様方へ驚きをもたらしたのではないか、あるいは、この事が県政に対する信頼の低下につながったのではないかと捉えたところです。しかしながら、その事は決して人ごとと捉える訳にはまいりません。今お話がありましたように、本市の中でも現在内部調査を進めているところであり、現在その過程ではございますけれども、できるだけ早く取りまとめをし、そして熊本市契約事務調査会議におきまして、結果を正式に発表する運びになっています。3月末ごろまでにはという思いを持っておりますので、今の調査をできるだけ迅速に行うことにより、私どもの状況というものも報告をしなければならないのではないか、そんな思いも持ったところです。
【記者】一次調査で、有る、無しの調査は終わっている頃なのかと思うのですが。
【市長】一次調査においては終了している状況です。そういう状況の中で本市におきましても、県と同様の事例というものもあるのではないかということも明らかになってきています。しかしながら、まだ業者等のヒアリングですとか、調査しなければならない点が多々ございますので、そのことも含めまして3月末を目途といたしまして公表できるように、調査を急がせたいと考えています。
【記者】では、裏金は有る、無しで言うと、有るということは分かったということですか。
【市長】裏金といいますか、預けですとか、書き換えですとか、色んな言われ方がされているようですけれども、いずれに致しましても県と同様の事例というものは本市におきましても在るようですので、現在徹底した調査を進めているところです。
【記者】有ると、存在するという事が分かった状況として、市長は今どのように受け止められますか。
【市長】存在している、まだ確定ではございませんけれども、おそらく有るであろうという報告を今の段階で受けているところであり、とにかく現時点におきましては今の調査を徹底して行うことにより、原因究明ですとか、改善策、そうしたものもまとめて発表をしなければならないのではないかと思っています。いずれにいたしましても、県におきましても指摘をされたところですけれども、公金に対する職員一人一人の認識の甘さ、あるいは組織としての問題点等々も含まれていると思いますので、原因の究明、それから改善策の構築等を急がなければならない。繰り返しではありますがそのように思っています。
【記者】金額等についてはまだ分からないのですか。
【市長】まだその辺は、はっきりしたものは捉えておりません。
【記者】今の件でお尋ねします。金額等についてはっきりしたものについては把握されてない、それとも今言えない、どちらなのでしょうか。
【市長】先ほども少し申し上げましたように、一次調査の中で自主申告ですとか、職員に対するヒアリング、さらにはそれに加えて納入業者の調査等も並行して今、進めている状況ですので、それがある程度終了した段階でないと、それが実際に不適正であるのかどうか、不適正であるとするならば、先ほどの差し替えですとか、預けですとか、どれに該当するのであるのか等がまだ確定できる段階ではないということです。
【記者】続けてお願いします。先ほどのお話では、まだ確定的ではないがおそらく県と同様の事例があるであろうというご報告であるということですが、そのあるであろうというのは数ケースなのか、それとも一定数以上のケースなのかそこら辺を教えてください。1例、2例とかという話なのか、それとも一定数以上なのか。
【市長】1例、2例ではないようです。やはりある程度の件数があるという報告を受けています。
【記者】数件というような形ではないと。
【市長】少なくとも1、2件ではないということは確かです。
【記者】もう1つお願い致します。今回熊本県の報告を見ますと、一番の問題点は昨年熊本県が調査したときは、自主申告制の調査だったときには上がってきていなかったわけですよね。今回、国の機関の方で、ある課の不正経理が問題になって、知事自らがもうこれが最後だからとにかく出して欲しいということで出てきたという形で、結局自主申告というものがいかに実態と乖離しているかということを示した例だと思います。報道を見ますと知事は今回職員に正直に申告して欲しいというメッセージをかなり訴えてきたと聞きます。今回の調査におきまして、市長はその点については、どのような認識を持たれていますか。
【市長】その点につきましては、今回全庁的な調査を進めております中で、当然この調査を最初で最後のものにしたいという思いを持って現在取り組んでいるところです。そういう意味では私も調査している組織を通じましてその徹底を求めているところですので、今、全職員もそのようなことを受け止めた中でその調査に臨んでいると思っています。
【記者】関連で、その調査には第三者と言いますか、そうした機関も入ってというような形は想定されているのでしょうか。
【市長】今の調査自体は内部での調査ということではありますけれども、最終的には第三者を含めた形です。
【事務局】入札等監視委員会でご審議を頂くことになっています。
【市長】入札等監視委員会でご審議を頂いた上で、発表ということになります。
【記者】調査の規模の確認なのですが、全庁ということなのですが、何年前からとか、例えば全庁の中には交通局は入っているのかを含めて、どれくらいの規模で今進んでいるのか教えて頂いていいですか。
【市長】年次は何年からでしょうか。
【事務局】年次は15年度から20年末までを対象としています。規模といたしましては企業、行政委員会関係なく全ての組織で今調査をやっています。
【記者】調査手法をもう一回教えて頂いていいでしょうか。
【市長】第一次調査におきましては、まず自主申告が基本ですけれども、そしてその申告に基づいてヒアリング等を行う。更にはそれに加えて納入業者等の調査も行うという事が一次調査です。
【記者】今後はどういった事が控えているのですか。一次調査を今やっているところで、二次調査というのはあるのですか。
【市長】今後ですけれども、まだ不適切な経理を行ったという額の確定作業、先ほど申し上げたようなことを経た上での確定作業ですとか、あるいは先ほど納入業者の調査ということも申し上げましたが、更に徹底して、二次調査におきましても更に詳しい調査を納入業者に対して行うということが次の段階としてあろうかと思っています。そして、そうした中で額等も確定されていくことになっています。
【記者】一次調査で業者のほうにも、もう調査をされているということでしょうか。
【市長】事務局からお願いします。
【事務局】はい。納入業者に、いわゆる調査票をお配りして、それで回答をいただいています。
【記者】回答はもうもらっているということですか。
【事務局】はい。
【記者】ヒアリングは、各局ごとにということでよろしいですか。
【市長】各局ごとにと言いますと。
【記者】どういうような手法で、ヒアリングをされているのかについてです。
【事務局】各局にも調査会議という会議を設けています。その各局でいわゆるヒアリング、自主申告等の取りまとめを行い、全体の取りまとめは総務に置いております調査会議でやっておりますが、各局が主体的に動いていただいているということです。
【記者】額は不明ということなのですが、現時点で少なくともいくらということが分かっている範囲で分かれば教えて頂きたいのですが。
【市長】先ほども申し上げましたように、まだ確定できる段階ではございませんので、今の状況ではその金額等が公表できるところまでには至っていないということで、ご理解をいただければと思います。
【記者】納入業者に関してはその自主申告があったところと、取引があった業者を調べるということなのですか。
【市長】そうなります。
【事務局】先ほど言いました第一次調査では、市といわゆる取引がある全業者に調査票をお送りさせていただきました。で、二次調査になれば、今回そういう不適切と思われる関係業者さんに、二次調査を行うということです。
【記者】県では業務との関連が薄いものが不正経理で何件かありました。それ絡みで調べるというようなこともやっていましたけれども、同じように私的流用というか、業務と関連のない関わり方をしている可能性があるものもあるのですか。
【市長】それは、現時点においてはどうでしょうか。
【事務局】はい。精査の中でそのことも今考えている途中です。
【記者】そういうものもあって調べているということでいいですか。
【事務局】いいえ、そういうことではなくて、そういうものも含めて精査をやっていると。
【記者】今、調べているということですか。
【市長】今、私的流用が明らかに、明確になっているというものではないということです。
【記者】すいません、今後のスケジュールなのですけれども、これは3月に結果を発表される。3月に中間発表かなにかをされるということなのでしょうか。
【市長】今後、一次調査を経て二次調査等に更に入りまして、それから調査報告書をまとめることになります。これは本市の熊本市契約事務調査会議というものを立ち上げておりますので、その中で調査報告書を作成することになります。そして、先ほど申し上げた外部という意味におきましては、入札等監視委員会でご審議を頂きましたうえで、対外的公表ということになろうかと考えています。そういうスケジュールでおります。それが3月末、最終的な公表というのが3月末までということを考えています。
 できるだけ急がなければならないという想いは持っています。しかしながらこの調査というものが中途半端なものに終わってしまってはいけないという中で、3月末までという目途を持って進めてまいりたいと思っています。
【記者】この調査の開始なのですが、何月から始められているのでしょうか。
【市長】調査は1月から開始をいたしております。(昨年の)12月議会でしたが、調査に入るという方向性と言いますか、考え方を表明させて頂き、そして内部でどういう形で進めるかということを話し合いながら、1月からスタートしたものです。
【記者】金額とか件数はまだ確定したものではないということなのですけれども、現時点でどのように受け止めていらっしゃるかということをお願いできますか。
【市長】現時点での受け止めということですが、あまり現時点におきまして断定的な事は申し上げにくいわけですけれども、いずれにいたしましても県と同じような事例が本市にもあるのではないかということになっておりますので、この事については大変重要な問題であると受け止めています。とにかく、先ほども申し上げたことではございますが、全部を明らかにするということ、原因究明を急ぐということ、そして改善策を講じるということを併せて、トップとして責任を持って進めていかなければならない。そして、熊本市でも不正経理があるのではないかということを記者会見の場でお話をさせていただきましたので、市民の皆様方からの不信、不安というものもあるという事も踏まえました中で、その不信や不安を払拭すべく努力をして参りたいと考えています。
【記者】不正経理があるということについては、最初その報告を受けたときにはどのように思われましたか。やはりということなのか、それとも驚きをもって受け止められたのですか。
【市長】最初に、あるのではないかという話を聞きましたときには、当然驚きでもありましたし、また残念であるという想いも持ったところです。しかしながら、先ほども繰り返し申し上げておりますように、とにかく全部を明らかにするということを急がなければならないと思ったところです。

【質疑応答:産業文化会館廃止条例について】

【記者】条例関係でよろしいでしょうか。産業文化会館の閉館に伴うという部分で、先ほど地域の賑わいや防犯に向けて必要な措置を講じるということをおっしゃったのですが、今後のその活用という意味での、もしくは無くすという意味でもなのですけれども、今後の産業文化会館をどうしていくのかという部分へのご意見と、再開発事業の今現在の進捗というのはどうなのでしょうか。
【市長】まず、先ほど産業文化会館の閉館後のことということで、地域の賑わいや安全、防犯等の措置ということを申し上げたところですが、このことは、安全、防犯等の対策という意味では、基本的な話ですが、外の柵設置ですとか保安灯の設置、防犯カメラの設置、また、屋外の空きスペースにつきましては地域の賑わい、商店街などへのアクセス向上や不法駐輪の排除のために駐輪場としての利活用というものを考えているところです。その後の取り扱いについては、再開発計画の進捗状況等に合わせて適切に対応してまいりたいと考えています。花畑地区の再開発についてですけれども、大変厳しい経済環境になってきてはおりますけれども、しかしながら、決して停滞しているわけではないと捉えています。先日、NHKさんのほうでは、オブザーバーという形でこの協議会に参加していただきましたり、あるいは事業協力者等々の声も上がってきている中において、そうした様々な協力を呼びかける中で、なんとか再開発の実現に向けて私どもとしても努力をしたいと考えています。
【記者】見通しというのはだいたいどれくらいまでにまとまるとか、概要が明らかになるというのは何かありますか。
【市長】現時点におきましての見通しについては事務局からよろしいでしょうか。
【事務局】今市長が申し上げましたように、事業の協力者を今、募集をしておりまして、3月の半ばぐらいには、事業協力者と協定を結べるのではないかというスケジュールでおります。事業協力者が決まりましたら、実際その再開発の事業資金とか規模とかそういうものについて具体的に今後検討できるような段階には入れるのではないかと思っております。21年度はそういう形である程度の事業を詰めたうえで、おおよそ5年後の完成、それに向けて今後進めていかなければならないと思っています。
【記者】関連で、産業文化会館については、まだ使えるのではないかとか、ホールや会議室だけでも使えないかという声も上がっているのですが、そのあたりについてはどのようにお考えですか。
【市長】産業文化会館につきましては、この再開発事業ですけれども、九州新幹線の全線開業を控えまして、熊本城のエントランスである花畑地区の魅力・集客力を高め、中心市街地全体の回遊性を向上させ活性化を図ろうとするものであり、大変重要な事業と考えています。
 その中で、ホール機能については、コンベンションや市民文化の振興、中心市街地の活性化などの面からも必要なのものとして考えており、再開発計画全体の中で、現在の産業文化会館と同規模程度の施設を確保したいと考えています。
 しばらくは、皆様方にご迷惑をお掛けすることにもなりますが、この事業自身は将来の花畑地区のみならず、中心市街地、そして、熊本市全体の活性化のために必要なものと捉えておりますので、どうかご理解いただきたいと考えています。
 しばらく引き続き利用しては、という考え方につきましては、やはり空調の問題であれ、今後継続していくためにはそれなりの事業費も必要になってくるということであり、そのことと、現在の再開発の進捗という両方を捉えましたときには、その維持改修に進むというものではなく、閉館をし、できるだけ早い時期に新たな形でスタートしたいという思いを持っています。そのことについて是非ご理解いただければと考えています。
【記者】ちなみに関連で、やはり、閉館で建物の維持管理には費用がかかると思いますが、年間どれくらいかかるのでしょうか。
【市長】閉館後の維持管理費用でしょうか。
【記者】そのまま野ざらしになるわけではないと思うのですが、建物のメンテナンス費用とかお金は掛かるのですか。
【市長】閉館後の維持管理費用ということであれば、事務局からお願いします。
【事務局】通常、維持管理費用は1.5億円ですが、来年度閉館することによりまして、大体950万円程度になります。
【市長】950万円ですね。これは主にどういった費用になりますか。
【事務局】950万円の内訳でございますが、主に周囲の囲いの柵が約650万円ぐらいあります。基本的に閉館しますので、いわゆる光熱関係の維持管理は必要最小限に抑えておりますので、それを差し引いた額くらいの約200から300万円くらいが維持管理費用にあたります。

【質疑応答:不適切な経理について-2】

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【記者】不正経理についての件の確認なのですが、15年度から20年末までが対象ということですが、どの年度の不正経理が報告されているのでしょうか。どの年度で県と同様の例があるということか、全年度で確認されたのでしょうか。
【市長】どの年度でということは。
【記者】15年度と16年度はあったけれども17年度以降はありませんでしたというのと、20年度までありました、というのではだいぶん違うと思うのですが。
【市長】その内訳等はわかりますか。
【事務局】15年度以降を精査しておりますが、まだ確定をいたしておりませんので、市長へも、どの年度毎にどうだ、ということはご報告しておりません。
【記者】6年度分の中で、あるということだけしか市長へは報告していないと。
【市長】私への報告というよりも確定したものを捉えていないということにおきましては、何年度にあった、何年度には無かったというところまでは、まだ言える状況ではないということです。
【記者】金額の規模としては、数十万円と数千万円とではだいぶん受け止め方が違うと思うのですが。
【市長】その金額の規模等についても、まだ報告を受けているわけではありませんが、ただ件数という意味では、先ほどお答えいたしましたように1,2件というものではなく、もっと多い件数であるだろうという報告を受けているところです。それが積み上げとして、どの程度の金額になるのかというところまでは、報告も受けておりませんし、また、担当のほうでも把握していないということです。


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