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平成21年7月定例市長記者会見

最終更新日:2009年7月24日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【はじめに】

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 それでは、7月定例記者会見をはじめさせていただきます。本日は2点の発表を行った後に3点報告させていただきます。発表項目に早速入らせていただきます。

【市長発表:熊本市政令指定都市推進本部の設置について】

 まずは熊本市政令指定都市推進本部の設置について発表させていただきます。本日、「熊本市政令指定都市推進本部」を設置しまして、先ほど午前9時から第1回会議を開催したところです。御案内のとおり、合併に関しましては植木町では今月9日に、城南町では10日に、そして本市では13日に、それぞれの議会において廃置分合等合併関連議案の可決をいただきましたことから、今後は、本市と両町との合併を着実に進め、新市としての一体性の確保に努めてまいりますとともに、政令指定都市移行を目指して取り組んでいかなければなりません。政令指定都市への移行は、本市にとりましての一大事業でもあり、全職員が一丸となって取り組んでいく必要があります。こうしたことから、本日、全庁的な組織であります「熊本市政令指定都市推進本部」を設置したところです。
 本日の第1回会議におきましては、推進本部の趣旨及び要綱、組織体制と今後のスケジュール等について説明いたしまして、認識の共有化を図ったところです。まず、組織体制としましては、本部の中に「総務専門部会」「権限移譲専門部会」「行政組織専門部会」「政令指定都市ビジョン策定専門部会」「情報システム専門部会」、以上5つの専門部会を設けまして、それぞれの課題ごとに調査・検討していくこととしております。また、各局、行政委員会を単位とした作業部会を設置いたしまして、各専門部会の所掌事務のうち、局ごとに調査・検討が必要な事項の調整や県との事務移譲に係る個別協議等を行っていくこととしております。
 また、今後のスケジュールにつきましては、各専門部会の作業日程の確認のほか、県議会での廃置分合議案を議決していただいた後に、県とも相談しながらではありますけれども、「県市連絡会議」といった県市間の事務権限移譲について協議する場を設置することなどを話し合ったところです。そして、本市として平成24年4月1日の政令指定都市移行を目指すことが、本日の推進本部の中で決定したところです。今後、市民の皆様方、並びに県民の皆様方のご協力をいただきながら、さらには県とも連携を図りながら、九州で3番目となる政令指定都市移行に向けまして着実に取り組んでまいりたいと考えております。

【市長発表:熊本市東アジアビジネスミッション派遣事業について】

 続きまして2点目は、熊本市東アジアビジネスミッション派遣事業について発表させていただきます。8月11日から8月16日の6日間、台湾・香港で実施されます熊本市東アジアビジネスミッション派遣事業についてご説明いたします。この事業の目的は、本市が持つ歴史遺産などの観光資源、安全安心な農産物や加工食品などの豊かな地域資源を、香港や中国などのアジア市場に向けて情報発信するものでありまして、私も8月12日から14日までの3日間、香港におきまして本市のPRを行う予定としております。私自身は初めての参加となります。ジェトロ熊本との共催事業であり、日程としましては、11日に台湾で商談会を開催し、続いて香港での「フードエキスポ2009」に参加いたします。見本市出展と併せまして個別商談会を開催し、より多くの商談成立を目指すものでございます。今回が3回目の参加となるわけですが、過去にも6件ほどの商談成立も見られているようであります。
 「フードエキスポ」はアジアで有数の食品見本市であり、世界各国からバイヤーが来場し、出展企業にとりましては世界への販路拡大につながるトレードショーでございます。今年は香港の会場におきまして8月13日~17日の5日間にわたって開催されます。本市としては今年で3回目の出展となり、出展企業についても最多の16社と年々充実しているところでもあります。
 また、同会場の別ホールでは、一般消費者へ向けて情報を発信するため、観光・物産展の開催も行いますほか、現地旅行代理店の訪問や情報交換会も併せて開催する予定としております。さらに在香港総領事館、香港貿易発展局、ジェトロ香港などの主要関係機関を訪問しまして、熊本の豊かな魅力を発信するほか、香港へ進出している本市企業も訪問する予定としております。このような取り組みを通じまして、経済・観光分野での香港と本市との関係を一層密にいたしまして、中国をはじめとした東アジア市場に向けて、熊本市の認知度向上、あるいは熊本の産品の販路拡大を目指してまいりたいと考えています。
 以上で発表につきましては終わらせていただきます。続いて3点報告させていただきます。

【市長報告:「くまもと「水」検定」について】

 まず1点目でございますけれども、昨年度、ご好評いただきました「第2回くまもと「水」検定」が8月からスタートいたしますのでお知らせいたします。
 先般、「地下水量回復の兆し」という大変嬉しい記事が掲載されていました。「地下水の保全」は私自身、就任直後から合併・政令指定都市の実現とともに大きなテーマとして継続的に取り組んできたところでもあります。貴重な地下水を次代に引き継ぐために、白川中流域の水田たんすい事業の開始や節水運動の展開、地下水保全条例の改正を行いますなど、市民に身近な水資源に目を向けていただくために、水遺産や水守制度、「水」検定などの取り組みも併せて取り組んできたところであります。その「水」検定でありますけれども、3級検定が8月1日からスタートすることとなりますが、当日は動植物園の夜間開園におきまして1日受験会場を設置することとしており、「水」検定の受験で来られる方は、入園料が無料になるという特典がございます。さらに今年度は新たに、最も難しい1級検定を行うこととしておりまして、今年も「水」検定を通して、多くの市民の皆様に熊本の水の魅力や課題などを知っていただき、一緒になって、市民共通の財産でありますこの恵まれた地下水を、将来にわたって引き継いでいきたいと考えています。
 また今月は「節水啓発月間」として、市民の皆様に節水へのご協力をお願いしているところでありますが、7月15日までの中間報告では削減率5%ということでございまして、昨年の削減率1%を上回っているものの、目標の10%節水までには至っていない状況にございます。これからさらに暑い日が続くでしょうし、水を使用する機会が増えてくると思われますので、蛇口のこまめな開け閉めや、コップを使った歯みがき、洗い桶によるため洗いなど、10%節水の目標達成に向けまして市民の皆様方の節水行動を今一度お願いしたいと思っています。

【市長報告:熊本城「本丸御膳」の夜間提供について】

 2点目は、熊本城「本丸御膳」の夜間提供についてです。昨年8月から、熊本城本丸御殿で昼の時間帯に提供しております「本丸御膳」ですが、大変好評をいただいておりまして、8月13日から15日までの3日間、期間限定で夜の時間帯にも提供することといたしました。熊本城の夜間開園期間中でもございまして、「本丸御膳」をご賞味いただいた後は、夜の熊本城の魅力もご堪能いただきたいと考えており、お城の新たな魅力アップにもつなげていきたいと考えています。

【市長報告:第32回「火の国まつり」・夏のくまもとお城まつりについて】

 最後になりますけれども、熊本の夏の風物詩として多くの市民の皆様に親しまれ、今年で32回目を迎える「火の国まつり」についてお知らせいたします。今年は、8月7日に納涼花火大会、8日におてもやん総踊りを開催いたします。今年の総踊りには、来年3月23日に合併を予定しております城南町の踊り隊にも参加いただくことになっています。植木町については残念ながら、当日は町のお祭りが重なっておりまして、参加できないということでございました。合わせて58団体、4,700人が参加し、熊本の暑い夜を熱く盛り上げていただくことになると考えています。ちなみに昨年、合併記念ということで参加していただきました富合町は、今回も昨年どおり参加していただくということになっています。
 また7月18日から8月8日まで「夏のくまもとお城まつり」を開催することとしており、昨年好評でございました走馬灯の装飾をより多くの人に見ていただくため、今年は熊本城長塀前からサンロード新市街や新町界隈の城下へと場所を移すこととしておりまして、大きいものが5基、小さいもので200基の走馬灯が熊本の夜の街を幻想的に彩り、街なかを訪れる多くの人たちの目を楽しませてくれるものと大いに期待しているものでございます。
 以上で発表2項目、並びに報告3項目につきまして終わらせていただきます。

【質疑応答:熊本市政令指定都市推進本部の設置について】

【記者】政令市の推進本部についてお尋ねします。区に関することで2つに分けてお尋ねします。1つは区割り等を決めます「行政区画等審議会」、この設置時期についてはどのように考えていらっしゃいますか。
【市長】「行政区画等審議会」については現在検討中ではありますけれども、これはできるだけ早い時期に設置しなければいけないとは考えています。全体のスケジュールとしましては、先ほど申し上げましたように2012年(平成24年)4月1日の政令市移行を目指しているわけでありまして、それから逆算して様々なスケジューリングをしていかなければならないと思っておりますが、この「行政区画等審議会」につきましてもそうした最終的な目標、期限を見据えながらできるだけ早い段階に設置したいと考えております。ただ、まだ時期については未定です。
【記者】本年度中、本年中、その辺りはいかがですか。目標時期はだいたい定まっているので、それを考えた時期にとのお考えはありますか。
【市長】本年度中、本年中と、そういう言い方をしますと、例えば本年中であれば12月、本年度中なら来年3月という固定観念が持たれる可能性がございますので、そういう言い方はあまり適当ではないのではないか。ただ先ほど申し上げましたように、できるだけ早い時期に設置したいという思いはございます。それともう1点は県議会での議決が控えておりますので、それが終えてからでなければ、こうしたことも動けないのではないかと考えております。準備だけは専門部会の中で進めていく必要はあると思っています。
【記者】もう1点は「行政区画等審議会」と関連があるのですが、まず市長は区の制度、区役所設置については都市内分権を進めたいと、かねてから言われていますが、区役所によるまちづくりに対しての基本的な考え、どのようなまちづくりをやっていくべきだと思われますか。というのは今まで熊本市という形だったのが、区ごとにアイデンティティというか一体感をどのように醸成できるか、非常に難しいのではないかと思います。もう1つは「行政区画等審議会」に区割り案等について熊本市として諮問する段階で、熊本市の案を今の区のまちづくりの考え方との兼ね合いもありますが、熊本市案というものも示されるおつもりなのか、それとも「行政区画等審議会」に丸投げされるおつもりなのか、現時点での考えをお伺いします。
【市長】2点目の方から先にお話しさせていただきたいと思いますが、「行政区画等審議会」につきましては先ほども申し上げましたように、できるだけ早い時期に立ち上げなければならないと思っております。そして立ち上げる段階で、区割りや区役所の位置について市役所の方から提案して進めてもらうというようなやり方は、恐らくとらないであろうと思っております。まず「行政組織専門部会」を立ち上げます。今日の推進本部の立ち上げに基づいて、この専門部会の設置をすることになりますので、この中で検討してもらう事項としましては、政令指定都市への移行に伴う組織や事務分掌、権限及び人事に関すること、あるいは行政区画に関すること、区役所の施設整備に関すること等です。まずはこの辺を具体的に早急に詰めていく必要があるだろうと思っております。先ほどの1問目の質問と重なるかもしれませんけれども、まず本庁をどうするのか、それから区役所にどのような機能を持たせるのか。それに付随する形で、既存の出先機関をどのような位置づけにするのか等々をまず整理していかなければならないだろうと思っています。その作業を専門部会の中で急ぎ取り組んでいかなければならないと思っています。ただその際の基本的な考え方として、先日も申し上げたところですけれども、区役所にできるだけの権限等を移すことにより、区役所を核としたまちづくり、地域おこしが活発になるような区役所でなければならないだろうという思いは持っております。いわば都市内分権というものが進むような形での区役所の在り方を検討する必要があるだろうと思っています。
【記者】確認させてください。そうしますと区割り等については「行政区画等審議会」がスタートする時、もちろん法定協議会で決められた部分の事項については伝える部分はあるかと思いますが、それ以外の市として審議会に諮問する時の区割り案とか区役所の位置については、現段階では示される予定ではないということですか。
【市長】それは審議会の委員の皆様方の意見も聞きながらという事になると思っております。当然私どもとしても先ほど申し上げた専門部会で機能的な事は詰めていきながら、さらには委員会が立ち上がった時にはその委員の皆様方の意見も聞きながら、どこかの時期で案として提案しなければならない所も出てくるだろうと思います。私の捉え方としては、立ち上げの段階で「これでお願いします」という形で進めていくことは考えていないということです。

【質疑応答:政令指定都市として目指すビジョンについて】

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【記者】政令市の関係です。今日(推進本部を)立ち上げということで、これから本格的に熊本市として準備を進めていくということだと思うのですけれども、政令市に向けて取り組んでいく市長の意気込みと、まだこれから政令市ビジョン作りを進めていくことになると思うのですが、どんな政令市を目指していきたいか、総括的な部分をお聞かせください。
【市長】まずは今日、推進本部を立ち上げることになりまして、全庁一丸となって取り組んでいくのだということを、それぞれの本部員に対してお話ししたところです。会議の挨拶の時にも、これまでのことを振り返りながら話をさせてもらったわけですけれども、これまでのことは一区切りとしてこれから新たな気持ちで政令市の実現に向けて一丸となって取り組んでいかなければならないと思っております。そうした中で、2つ目の質問と重なってくるのかもしれませんけれども、やはりこの政令指定都市という、いわば手段を使いまして、ここに暮らしていらっしゃる皆様方が今以上に豊かさを実感できるような政令市・熊本にしていかなければならないと思っておりますし、さらには九州の真ん中に位置する、あるいは九州第3番目の政令指定都市ということになるでしょうから、九州の一体的な浮揚につながっていくという役割も積極的に果たしていかなければならない。さらには香港へのミッションの話もいたしましたけれども、政令市・熊本として全国に発信していくと同時にアジア、東アジア等に向けてもこれまで以上に積極的に発信していくような政令市・熊本というものを目指していきたいと思っております。そして政令市・熊本としてのビジョン作りも専門部会で取り組んでいくわけですけれども、基本的にはこれまでの総合計画や都市圏ビジョン、両町と策定した新市基本計画がベースになってくるとは思いますけれども、それらを重ね合わせながら、ただ今申し上げたようなことを盛り込んで政令市・熊本としてのビジョン作りを、多くの市民の皆様方にもご参加いただきながら練り上げていかなければならないと考えております。
【記者】「市民のご参加」というお話が最後にありましたけれども、区のあり方も含め市民の関心もこれから高まっていくと思います。色々なご意見をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、市民の意見の集約、吸い上げはどういう形でやっていくのかという考えはありますか。
【市長】具体的な形は、これから専門部会の中で検討してもらうことになると思いますけれども、一人でも多くの皆様方に参加していただいて、共に政令指定都市を作り上げていくのだという実感を持っていただきたいと、この過程を通してつながっていけばと思っております。繰り返しになりますけれども、政令市というものはあくまでも地域を元気にしていく、活力を持たせていくための手段だと思っております。その手段を使う主体は私ども行政ではなく市民の皆様方お一人お一人だと思っていますので、そういう意味でもより多くの方に参加していただくような仕組みを考えていかなければならないと思っています。
【記者】今後準備が進んでいくと思いますが、県との協議や庁内の協議の中でどういった点が課題に挙げられますか。
【市長】課題という意味においては色々とあるのだろうと思いますけれども、当たり前のことですが政令市移行は本市にとって初めてのことでございまして、県市間での事務移譲協議ですとか総務省との協議、あるいは組織体制の構築や行政区の設置など、どれも大きな課題であると考えています。しかしながら先ほど申し上げた市としての体制を整え、そして多くの市民の皆様方に参加していただくことも重ね合わせながら、着実に進めていかなければならないと考えています。
【記者】政令指定都市への移行というのは当初からの選挙公約にも入れておられました。そうした念願が実現可能なところまで今近づいてきたことを踏まえての、現在の心境をお聞かせいただけますか。
【市長】政令市の実現は、確かにおっしゃるように、私自身の公約の中、最初の市長選においても、二度目の市長選においても掲げてきた項目でもございます。そういう意味において、実現に向けて大きく動き始めたということは、市民の皆様方との約束を果たすという意味で、大変嬉しく思っているところです。
 ただ、まだまだこれからやらなければならない課題がたくさんあるわけですので、これまで同様、目標に向かって着実に一歩一歩向かっていかなければならないと思っているところです。
【記者】目途を2012年の4月1日と発表されていますが、その間には市長選も挟まりますが、政令市実現の時にはどういう形でというビジョンは何かお考えですか。
【市長】私自身に残された任期がまだあと1年数ヵ月ございますので、まずは任期中に実現に向けた準備を着実に進めていくという事が大前提にあると思っています。実現に向けて全力で取り組んでいくだけだと思っています。
【記者】その残された任期の中で、熊本市の特色やカラーを打ち出す必要があると思いますが、現時点でどういったところが柱になるのか、政令市として打ち出すに当たって今思い描いているイメージがありますか。
【市長】イメージというか、これは総合計画や都市圏ビジョン、両町との新市基本計画など、そういうものがベースとしてあると思っておりますが、いずれも共通しているものとして先ほど節水、地下水のことも取り上げましたけれども、地下水に代表されるような豊かな自然環境。それから生み出される住みやすく暮らしやすい環境というものは大きな特色であると思っています。
 それからもう1点は、熊本城が築城400年を迎え本丸御殿の完成等もございまして大変賑わっているところでありますが、その歴史的な遺産や伝統文化の豊かさ、多層性というものは今後熊本をアピールしていく上において、大変重要な要素になってくるのではないかと思っています。そうしたものをベースとしながら今後練り上げていく必要があると思っております。

【質疑応答:東アジアビジネスミッションについて】

【記者】東アジアビジネスミッションのことですが、現段階ではどうしても福岡経由で物流等々が動いている状況だと思うのですが、熊本から直接発信をするという意味で熊本港や八代港などからの直接ルートを開拓していくという思いはございますか。
【市長】熊本港からそういうルートを、という話につきましては、確かに現状の貿易港という意味におきましては、熊本港も活用していただいておりますけれども、まだまだ大部分は八代、あるいは県外の博多や北九州に持っていかれているのが現状ではないかと思っています。しかしながら現在、この熊本港は県管理になっているわけですが、県の方でも100万都市圏を背後地に抱えている港、あるいはその100万人の人だけではなくて大きな工場も含め産業的な集積もあることを考えれば、まだまだ活用できる、生かすことができる港ではないか。これは私どももポートセールス協議会等を通じまして県と協議してきたところでありますが、管理している県としても同じような認識を持っていただいておりまして、今県の方でも港の機能の充実に向けて具体的に調査していただいている状況ですので、そういう動きと連携しながら、コンテナの定期航路としましては(韓国の)「釜山(ぷさん)」から中国の「寧波(にんぽう)」という1ルートだけですけれども、その便数を増やしていくなり、新たな路線の開拓なり、更なる港の活性化というものにもこれまで以上に力を入れていく必要があると思っています。色んな物をこちらから運び出したり、こちらに持ってきていただいたり、輸送のコストや環境の面を考えましても、港を使った物流というのは企業にとりましても非常に注目度の高い分野だと思いますので、その活性化に向けても取り組んでいく必要があると思っています。

【質疑応答:熊本城「本丸御膳」の夜間提供について―1】

【記者】本丸御膳について2点お聞きしたいのですが、(夜間提供日が)3日間というのは試験的に取り組まれるものでしょうか。昨日「元気だ!くまもと実行委員会」の方で9月~11月の毎週末の夜に本丸御殿を使ってイベントをするというお話があったと思いますけれども、そちらへの拡大ということは考えているかということについてお願いします。
【市長】まず今回の本丸御膳の夜間提供ですけれども、3日間限定と考えています。しかしながら今回3日間の利用状況や、ご利用いただいたお客様の反応などを基に、今お話にありましたけれども、名月鑑賞会などの夜間開園時における本丸御膳の提供を関係先と協議しながら考えていく必要があると思っています。昨日発表された「元気だ!くまもと実行委員会」の取り組みも、今の観光をもっと滞在型に拡げていかなければならないということで、夜の楽しみという部分に焦点を当てていただいた取り組みだと思っていますので、そこと本丸御膳も連携していく必要があると考えています。しかしながら、まずはこの3日間の状況を踏まえた上で今後の展開を考えていく必要があるだろうと感じています。

【質疑応答:第32回「火の国まつり」・夏のくまもとお城まつりについて】

【記者】「お城まつり」ですけれども、今年は市制120周年、「火の国まつり」も32周年ということで、何か特別にサプライズされることを考えてはいませんか。
【市長】今回の「火の国まつり」や「お城まつり」が前回と特に異なるということではございませんが、いずれにしましても夏の風物詩であり、元気な熊本の象徴でもあると思いますので、多くの市民の皆様方の参加、あるいは先ほど申し上げましたように合併する予定の町からの参加もいただきます。富合町との合併のときには(まつりの表題に)「富合町合併記念」と冠をつけておりましたが、今回は冠をつけるかつけないかは別として、大いに盛り上げていく必要があるだろうと思います。

【質疑応答:熊本城「本丸御膳」の夜間提供について―2】

【記者】本丸御殿の今後の在り方で、先ほど夜の話が少し出ましたけれども、イコール熊本城の今後の活性化という部分でも、この本丸御膳とか夜の魅力付けとかいうことを考えての趣向・展開ということで捉えてよろしいでしょうか。
【市長】その通りに捉えていただいて全く構いません。昨年は200万人を超える入場者が全国各地あるいは海外からおいでいただきました。今年度に入りましてからは昨年度の状況ではないようです。これまでも繰り返し言っている「一過性に終わらせない」「街全体に(賑わいを広げていく)」という視点は大事にして、様々な仕掛けをしていく必要がある。その一環であると捉えております。
【記者】「元気だ!くまもと実行委員会」の中では、夜も非常に大切だけれども実は宿泊客の方が朝、本丸御殿を回ったりして非常に人気なのだという声があったのですけれども、朝の本丸御膳の提供などはいかがでしょう。
【市長】朝の提供は、まだ検討していません。今でもよく市民の皆様方が散歩されたりジョギングされたりする姿がありますが、たまに観光客の方が宿泊された翌朝にしている姿も見受けられますので、確かにそういう視点も大事だろうと思っております。朝御膳についてはまだ具体的な構想は持っておりません。
【記者】そういうコースを観光客の方にお示しするとか、コースの整備というのでしょうか、周遊コースというお考えのところまではいかがでしょうか。こういう散歩コースがありますよとか、こういうことが出来ますよ、などですが。
【市長】これまでも城域内の回遊コースということで、60分コース、90分コースなどルートを構築して、おいでいただいた方に提供するということはやっています。熊本城周辺に色んな施設が点在しておりますので、そうしたものとつなぎ合わせるルート構築にはもう既に取り組んでいるところですけれども、そうした中で、今お話になったようなことを考えていく必要もあろうかと思っています。

【質疑応答:区役所の機能と区役所への交通アクセスについて】

【記者】「政令市になって区役所が出来ると、今まで市役所に行かないと出来なかったサービスが区役所で出来るようになったので大変便利になります」とアピールされていますが、本当にそうなのかという思いがあります。というのが、1つは区役所の位置や区の数によっては、「以前は市役所の方が近かった」というケースが発生しないのかということ。区役所でも市役所本庁でも出来るようになるのかという点への考え方を示していただきたいのが1つ。もう1つは区役所が出来ても現在は街の方にバス路線が集中していますので、住民からするとそのバス路線もしくは中心繁華街の用事のついでに市役所を活用するという事が多いと思いますが、では新しく出来る区役所に対してバス路線網をどのように充実させていくのか。現時点でも各地域と市民センターへのバス路線が非常に不便だと言う声も聞きます。もし2~3年後の政令市移行を目指される時に、バス路線網の見直しをどう考えてらっしゃるのか。その2つをお願いします。
【市長】まず1点目のことについては、先ほど専門部会の話の時に申し上げましたように、本庁機能をどうするのか、区役所の機能をどうするのか、既存の市民センターや総合支所等の出先機関をどうするのか。その辺の整理をしていかなくてはならない。ただ出来る限り都市内分権につながるような形でと申し上げたところです。たまたま昨日、九州中央連携推進協議会における講演の中で、福岡の例を挙げて話をされた方がおられるのですが、区役所が出来ると区役所で完結する事がほとんどで、本庁に行く事はほとんどないという話をされたところです。それは今後熊本市として、どういった役割分担をさせるかということで具体的に示していかなければならないと思いますけれども、出来る限り最寄りの区役所で完結するようなことを考えて進めていく必要があると思っています。ここまでおいでいただかなくても最寄りの区役所で、という意味におきましても今以上に市民にとっての利便性が高まったと感じていただけるものにしなければならないと思っております。
 それから2点目のアクセスの問題。非常に重要だと思っています。公共交通による区役所へのアクセスをどうしていくのかですとか、さらには公共交通だけではなく当然車で来庁される方、区役所においでになられる方も多いでしょうから駐車場の確保も重要になってくると思われますが、そうしたこともそれぞれの専門部会で検討していただくことになりますが、そうした観点も加えた中で進めていく必要があるだろうと。それは先ほど開きました第1回目の政令指定都市推進本部会議の中で私の方から発言したことでもあります。

【質疑応答:「こうのとりのゆりかご」の検証のあり方について】

【記者】先日赤ちゃんポストの検証会議がありまして、3か月に1回行っている短期検証の頻度を見直してはどうかという提案が市の方からあったと聞きました。市長としては頻度や公表のあり方など、こう変えたほうがいいという考えがあればお聞かせください。
【市長】現時点においては、昨日行われた中で子ども未来局が発言している内容から私の考えも越えているものはありません。しかしながら今後、児童相談所も来年度から政令市移行に先がけて設置することになりますので、役割分担として市が中心となる短期検証、県が中心となっている中期検証がありますが、これを総合的に市として検証していく事が必要となってくるだろうと思っています。そういう意味では期間や頻度を、今後の検証をどういう形で進めていくのかという中で検討していく項目のひとつだと思っております。
【記者】3か月のところを半年にするとか1か月にするとか、具体的なことはまだですか。
【市長】私自身まだそこまで考えているものではありませんけれども、今後の検証のあり方をどうするかという中で、そこもテーマの1つとなってくると思っています。

【質疑応答:道州制について】

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【記者】道州制のことでお伺いします。道州制論議も状況次第で盛り上がったり落ち着いたりしていますが、衆議院選挙が近づくにつれ、道州制論議が知事会の動きも含めて、また浮上してきたという状況かと思います。道州制論議で、経済関係者では、政令市になった時に州都を見据えた活動も必要だという声もありますが、現時点で市長はどう考えていらっしゃいますか。
【市長】道州制も含めた地方分権というものが今回行われる衆院選においては焦点の一つになってくる事は、今の状況から見ても間違いないと思っています。そういう意味では、これまで以上に地方分権が加速されるということも想定しておかなければならないと思っています。今回の政令市移行もより自立する、地方分権に自ら進んでいくという意味で大変重要なテーマ、課題であると思っています。そうした中で道州制が今後どう進んでいくのか、現時点ではなかなか想定が難しいところですが、道州制移行ということも見据えて、また視野に入れながら、今の熊本市の在り方を考えていく必要があると思っています。
 道州制の州都というお話も、これは熊本の中から、あるいは外からも言及していただくことがあるのですが、私どもとしても道州制を見据えながら、さらには道州制に移行した際の州都も視野に入れながら本市としての在り方を考えていく必要があると思っております。
【記者】市長はこれまでの道州制論議で、現在の国・都道府県・基礎自治体の三層構造から四層構造になるという点を非常に懸念しているということで、一時期の道州制論議に対して懸念していた部分もあったかと思いますが、その部分のお考えは今いかがでしょうか。
【市長】その懸念は未だに私自身には残っています。というのは市町村の基礎自治体がどういう役割を果たしていくのか、そしてその広域自治体として、恐らく皆さんが思っていらっしゃるのは都道府県ではなく道州によって広域的な調整機能などを果たしていくということなのでしょうから、現在の市町村の形、枠組みの中で、仮に都道府県がなくなって道州制に移行するとしたならば、かなり混乱する事が想定されます。道州制は地方分権の一環として視野に入れて進めていく必要はあると考えておりますけれども、ただそのことを、それありきで乱暴に進めていけば住民にとって混乱をきたす事にもなりかねませんので、そこは国においても地方からも「住民にとってどうなのか」という視点を大事にして道州制論議をもっと深めていく必要があると思っています。

(終了)

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