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平成28年7月11日 定例市長記者会見

最終更新日:2016年7月21日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【市長発表:震災から3ヶ月を迎えるにあたっての所感】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

会見に先立ちまして、先月下旬の記録的な豪雨により、新たにお二人の尊い生命が奪われました。ここに改めて、お亡くなりになられました方々へ深く哀悼の意を表します。本日は、熊本地震から3ヶ月を迎えるにあたっての所感を述べさせていただきたいと思います。まもなく熊本地震の発生から3か月が経とうとしております。これまでを振り返りますと、発災直後、本市職員も被災したこと等により安否確認ができず、そのため初動対応が遅れるなど現場が混乱する中、市民の皆様は自助・共助による市民力・地域力を発揮し、何とか初期の危機的な状況を乗り越えていただきました。その後、政府をはじめ自衛隊や全国各都市、更には全国各地からのボランティアの皆様によるご支援など、数多くのお力添えをいただきながら、復旧・復興に向け3ヶ月間、市民の皆様と共に一歩ずつではありますが、着実に復旧・復興の歩を進めてきたところでございます。現在に至るまで本市を励まし、応援してくださいましたすべての方々へ、74万市民を代表いたしまして改めて心より厚く御礼申し上げます。

しかしながら、いまだ避難所での生活を余儀なくされている方々もおられ、市民の皆様には大変ご不便をお掛けしている状況でもございます。本市としましては、一日も早く、こうした状況を解消すべく、一部既に入居を開始いたしました応急仮設住宅の整備について更にスピードを上げて取り組んでまいるなど、住まいの確保に全力で取り組んでまいりますとともに、被災者の皆様が一刻も早く生活再建が出来ますよう、家屋被害調査のペースを上げて、り災証明の発行をさらに迅速化いたしまして、各種メニューによる被災者の利益を最優先にした生活再建支援の取り組みを推進することに、全力を傾注してまいりたいと考えております。現在、発生回数こそ減少したものの、余震がいまだ収まらず、更には大雨や台風などの影響による土砂災害や河川の増水等、二次被害のリスクも高まっております。先ほど大雨警報も発令されました。このようにリスクも高まっておりますので、市民の皆様には今後の気象状況に十分ご注意いただきますと共に、ご家庭における防災グッズの準備など非常事態への備えに万全を期していただきまして、自分の身は自分で守るという防災意識を強く持っていただきますよう改めてお願い申し上げます。また、本格的な夏を迎えるにあたりまして、熱中症など暑さにより体調を崩しがちにもなりますので、水分や栄養分を十分に補給をしていただきまして、普段以上に健康にご留意いただきたいと思います。

一方で、中心市街地の賑わいに目を移しますと、次第に人出が増えてきているなど、徐々にではありますが、復興へ向けた動きが見え始めておりまして、今後、こうした活気あるまちの動きをさらに力強いものとしていかなければなりません。そのためには、復興を進めるにあたって、地元中小企業の元気を取り戻し、一歩ずつ、そして確実に震災からの再生をアピールしていくことによる更なる企業立地の推進や、新たな観光戦略などを展開する必要があると考えております。

そこで、本市では、これまでの取り組みや現在の状況を意識しながら、本格的な復旧・復興を加速させるために、6月初めから復興座談会でいただいたご意見や、各界の専門家による震災復興検討委員会、あるいは市議会特別委員会での審議内容等を踏まえた震災復興計画の策定を進めているところでございます。また、このことに併せまして、市民の皆様を対象としたアンケート調査を7月末まで実施しておりまして、今後予定しておりますパブリックコメントも含め、市民の皆様からいただいたご意見は、本計画の策定や今後の対策に活かしてまいりたいと考えております。なお、この震災復興計画は、9月末を目処に取りまとめたいと考えておりまして、一日も早く市民の皆様にお示しできればと考えております。また、公共施設等の災害復旧や被災者生活再建支援に必要な制度の創設及び財源の確保に向けて、熊本県や周辺市町村とも歩調を合わせた国への要望活動にも、引き続き力を入れているところでございまして、来週7月21日から22日にかけては、連携中枢都市圏構成市町村で国への要望活動を予定しておりまして、各市町村において対応が必要な案件について、力を合わせて一緒になって要望してまいりたいと考えております。

最後に、今回の未曾有の災害により、本市では数多くの尊い生命を失うだけでなく、本市のシンボルであります熊本城をはじめとした、熊本が全国に誇る歴史・文化遺産などを含め、本市の宝と言えるものの多くが傷つくなど甚大な被害を受けました。そして、3ヶ月を迎える今もなお多くの方々が困難な状況に置かれております。しかし、私達はここで歩みを止めることなく、震災からの復興を熊本のチャンスと捉え、前を向いて明日へその一歩を踏み出さなければならないと考えております。「74万市民が総力を上げ明日を見据えた復興へ」熊本の誇りを取り戻す強い決意とさらに進化する熊本の未来への希望を掲げ、市民の皆様と共に新たなまちづくりに全力で取り組んでまいりますので、より一層のご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


【市長発表:第24回参議院議員通常選挙の投開票の結果について】

 それでは、報告事項といたしまして、平成28年6月22日公示、7月10日に執行されました、第24回参議院議員通常選挙の投開票の結果についてご報告させていただきます。今回の選挙につきましては、選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めて行われる国政選挙であるとともに、本市にとりましては、熊本地震の復旧・復興の中で行われた選挙でありました。まず、本市の投票率でございますが、市全体で選挙区が47.63%、比例区が47.63%でございまして、前回の参議院議員通常選挙(平成25年7月21日執行)の選挙区投票率48.92%、比例区投票率48.91%と比較いたしますと、約1.3ポイント低下しております。今回の選挙啓発では、選挙チラシの全戸配布や避難所においても周知に努めましたほか、市外転出の方で、住所が把握できた方々に対しては支援情報とともに選挙チラシを郵送いたしました。また、市政だより7月号では、18歳選挙特集を組んで広報を行うなど投票率の向上に努めてまいりましたが、投票率が僅かに低下いたしまいたことは、心配しておりました震災の影響や、公示日後の豪雨の影響があったのではなかったかと考えております。なお、投票所の変更についてご協力いただきました地域の方々、また、開票所としての使用にご協力いただきました尚絅学園様、熊本保健科学大学様には、深く感謝申し上げます。今回の参議院議員選挙は、経済政策の「アベノミクス」や、安全保障関連法の是非などが最大の争点となり、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の勢力が形成されるかどうかも焦点となっていたところでございますが、政権与党のこれまでの政権運営について一定の評価がなされた結果、自民・公明の連立政権が衆参両院で安定多数を占めるに至ったものと考えております。今回の震災にあたっては、これまでも与野党問わず本市に対して支援物資などの迅速な対応と多大なる支援をいただいておりまして、大変感謝しているところでございますが、今後は衆参両院において、より安定した政権運営が期待できますことから、特別措置法の制定をはじめ、熊本地震からの一日も早い復旧に向けた支援が更に加速度的に進むことを期待しているところでございます。私からは以上でございます。

【質疑応答:震災復興計画の策定について-1】

【記者】復興計画の話が出ましたけれども、これは具体的にどんなことが盛り込まれるんでしょうか

 

【市長】復興計画については、すでに復興座談会も度々開催をいたしまして、検討委員会も先日第一回目が開催されまして、いろいろとご議論をいただいているところでございます。震災からの早期の復興を実現するために具体的な取り組みを体系化して取り組みを進めていくための計画という位置付けであります。5月9日に第一回目の熊本震災復興本部会議があり、私が本部長でありますけれども、ここで熊本市震災復興基本方針をいうものを示しまして、「市民力、地域力、行政力を結集し、安全安心な熊本の再生と創造」をスローガンに「避難から復旧、そして74万市民が総力を挙げて明日を見据えた復興へ」ということが1点。2点目は、「安全安心と元気・活力、地域経済の回復に向けた効果的かつ迅速な市政展開」というのが2点目。「市民・地域と行政が協働で支える安心安全で上質な生活都市の創造」に向けた、この3つの考え方と6つの施策方針を示したところでございます。現在、そういう方針に基づいて復興座談会でいただいたご意見、それから各界の専門家による震災復興検討委員会、あるいは市議会の特別委員会の方でもご審議をいただいておりますので、そういうものも踏まえて震災復興計画の取りまとめということで進めているところでございます。

 

【記者】具体的には、インフラの整備、今のお話にもありました中小企業の振興をどうするか、そういうものが大きなウエイトを占めるのでしょうか。

 

【市長】ご議論がこれからいろいろと出てくるところだと思いますので、全体的にこれをというようなことでは今の段階ではありませんけれども、少なくとも、震災前には我々は第7次の総合計画を作っておりました。それをスタートした矢先に震災ということになりましたので、あらゆる面でまちづくりの大きな方向性を見直さざるを得なくなったということでございます。そういう中で、新たなまちづくりということで進めていこうとした第7次総合計画、目指すものとしては市民の皆様と一緒になって、いろいろな方々のご意見を頂戴しながら作ったわけですけれども、震災という新たな状況が大きく前提を変えてしまったということでありますので、当然この総合計画に対する見直しも視点として入ってくるでしょうし、どうやって復興をして、総合計画に掲げた内容も含めてそういったものを整合させながら新たな都市の作り方について、例えば、災害に強いまちを作っていくということ。熊本はこれだけ大きな災害を2回も被災したわけですから、この災害に強いまちというのを基本に考えて、いろいろまちづくりの方向性を見直していくべきだと、そういうご議論も結構いただいております。例えばインフラの整備であったり、まちづくりであったりということだけではなく、先ほど申し上げた自助・共助、特に市民力・地域力といった地域の絆やお互いを助け合う共助の部分、その後の行政力という、ある意味では行政によって、被災した皆さん、そういう環境下におかれた皆さん方をいろいろな形でサポートしていく体制がそれぞれ備わっていくような観点が必要だということでありますので、こういったこともテーマとして入ってくるということでございます。

【質疑応答:第24回参議院議員通常選挙の投開票の結果について】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

【記者】期間中を振り返って市民の間での盛り上がりだとか、争点に関して市長なりに分析とかを振り返ると、どういうことがありますか。あと、松村さん個人に望むこともお願いします。

 

【市長】選挙の公示後の期間というのは、熊本は震災を受けての環境の中での選挙戦であったということでありますので、復興について国政レベルでどのような考え方をしていくのかというのは、多くの県民・市民の皆さんが関心を持たれた点ではないかなと思います。そういう点において、いろいろと市民の皆さんからの要望であるとか、そういったものをそれぞれの候補者はお聞きになって、それに対する考え方というものを訴えられたのではないかと思います。全体として、先ほど申し上げましたような国政全般に関わるような争点というもの、全く震災だけでなかなか意識されなかったかと言うと、盛り上がりが欠けた面は確かにあったと思います。争点をいろいろな面で多角的に被災している自治体において判断をしていくという面では、議論が憲法の問題にしても、国政全般のTPPであるとか、様々な大きな課題があったと思います。消費税の問題も身近なテーマとしてあったと思いますけれども、こういったテーマについて市民の皆さんの間から関心が強く出て議論が交わされたかと言うと、そこまでなかったのではないかと私自身は評価しております。一方で、被災地としてこれからどう復興していくのかということと同時に、18歳の若い方々が有権者として参加をされて、初めての選挙なのでどうしたらいいだろうという戸惑いの声も聞こえながらも、少しでも自分の一票を未来に託していこうという声が聞かれました。私が知っている18歳の方々からは、例えば将来の子育て支援に関することであるとか、国内の産業・経済に対してどのように考えているのか、あるいは将来にわたって社会保障の問題も含めてどう考えているのかという観点から自分の考えに見合う候補者に入れたいと思っているというようなご意見も聞かれましたので、若い18歳の方々が新たに選挙権を得られて選挙に参加をされたということは、非常に意義深いことだったのではないかと思います。一方で、投票率が下がってしまったということ。1.3%下がりましたけれども、お隣の福岡県では、わずかですけれども投票率が上がっているということもありまして、震災の影響はあったのではないかと。選挙期間中も大雨の影響もありましたし、先ほど述べたような状況であったのではないかと考えております。

 それから、今回、熊本選挙区で当選された松村祥史さんに対してですけれども、これまで現職として県選出の国会議員として、特に経済関係については中小企業の問題であるとか、商工関係の課題については、大変熱心に取り組んでこられました。今後、特に私としては、熊本市のこれからの復興に向けた中では、先ほども述べましたとおり復興にかかる財源の問題、これからさらに大きくあらゆる産業が活性化をしていって、雇用を生み出すことについても国政の面から熊本市政に対して引き続きいろいろと応援をしていただきたい、力になっていただきたいと思っております。


【質疑応答:液状化被害について】

【記者】南区の日吉小学校区の方で液状化の大きな被害が出ている問題があって、市の方で8月末ぐらいまで調査をされるということですけれども、災害に強いまちづくりという観点から見たら、今既に家が建っているところの地盤とかも強化していくということの市民の目線から見たらあるのかなと思いますけれども、今の段階で過去の震災とかでも液状化でどういう対策を行政が取ったのかということも踏まえて、どこまでの支援だとか検討されていることは何かありますか。

 

【市長】液状化に対する直接的な国からの災害復旧の支援メニューがないものですから、まずは、この現状を我々の方でよく調査をするということを急ぐように指示をして調査をしている状況でございます。ご承知のとおり、かなり広範囲に渡って液状化が進んでいるということですから、土地のこれまでの状況、現在の状況というものを専門家の皆さんからのご意見も踏まえながら、よく見ていかなければいけないということと、今後そうした土地をどうやって復旧といいますか、例えば、人が住めないような状態になっているところを住めるような状態にするためには、どういう手立てが必要なのか。こういったものが具体的になって、その上で国に対しても必要な財政的な支援、あるいは制度的な支援を求めていきたいと考えております。今回の熊本地震は、こういう液状化もそうですけれども、のり面が崩れてしまったり、家の擁壁が崩れたり、多くの被害が出ています。こういったものに対しては、今の災害救助法のメニューの中では、すぐ何か適用できる状況にありませんけれども、調査を進めている状況ですし、国に対しても度々要望をさせていただいておりますので、専門家のご意見、あるいは国のご意見も頂きながらできるだけ早く生活再建に繋げられるように、できる限りの対策を取っていきたいと考えております。災害に強いまちづくりということで言えば、地盤の強い・弱い、液状化をしやすいとか、今回の地震の経験を踏まえて地盤改良の必要があるとか、そういったことも今後の長いスパンの中でお示しをして、対策を取れるような形ができればいいなというのが個人的に考えているところでございます。

【質疑応答:震災後の大雨による被害について】

【記者】地震の後の雨で激甚災害でもないし、難しいじゃないですか。けど、実際に土砂崩れで全壊された人もいて、被災者の中でも「地震はすごいメニューがあるのに、大雨の被害は補助率が低い。何とかならないのか。」という声があるんですけれども。

 

【市長】大雨の度合い、土砂崩れの度合いによっても変わってきますので、雨の災害であっても激甚災害に指定をされることも過去の例でもございますし、今回は地震が起きた後に局地的に大雨が降って弱い状況の上にきているということがありますので、こういった時の災害が起きた場合に、どういった対策を考えなければいけないのかというのは、今までとは違うテーマではないかと思っております。土砂崩れも含めて被災された皆さん方にいろいろなメニューがないかどうかも含めて、検討していかなければならないということでいろいろ考えているところでございます。

 

【記者】その辺も含めて国に。

 

【市長】そうですね。国の方でも地震災害と土砂災害を含めた、いろいろなことについて、心配をしていただいている状況でもありますので、今の状況と今後いろいろな課題が出てきますので、例えば復旧をしようと思ってやっていた矢先に大雨で被害が出てきたということになりますと、それまで災害支援として被災者を支援するというようなスキームがもう一回ゼロに戻った場合に、どうするのかというような新たな課題も出てきますので、そういったことについてもよく整理をして、被災者の立場に立って、被災者の利益を守る体制整備というものが必要だと考えております。

 

【記者】熊本地震をきっかけに国の制度もいろいろ変わった面がたくさんありますよね。今回のも何か。

 

【市長】ある意味では、こういう災害の状況は、それぞれに違いますので。これまで阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災、大きいものでも地震災害はこの3つありますけれども、どれとも違うようなものがあって、新たな課題が今回の熊本地震で浮き彫りになっている点がありますので、例えば家屋の解体費用の補助をするという新たなスキームであるとか、いろいろと国の方でも被災者の立場に立った支援策を検討していただいております。グループ補助金というのもできてきました。今後、復旧復興の過程の中において新たな課題が出てきたことについて、逐一国の方にもご相談をし、ご協力をいただきながら被災者の支援に向けて全力を挙げていきたいと考えております。

【質疑応答:震災復興計画の策定について-2】

【記者】震災復興計画を作るにあたって、まだ正確には分からないと思いますが、市として現状の復旧をさせようとするのには、どのくらいの予算が必要だというような印象ですか。

 

【市長】まだ被害の全貌が明らかになっておりませんので、国の方でも熊本地震の災害復旧については、2兆円から4兆円までの幅を示して被害額を出されていますけれども、そのぐらいの幅があるということですので、どのくらいかかるのかということは分からないというのが正直なところです。本市の公的な施設に対してどのくらいの被害があるのかということについては、体育館でありますとか、学校施設については、災害の査定というものがありますので、そういった調査が入っておりますので、被害額というのはどんどん明らかになってくると思いますが、こうした点については、今後、震災からの復旧復興に関する特別委員会が市議会の方でも開かれておりますので、こういったところでも適宜ご報告はしていくことになるかと思います。民間の皆さん方の被害がまだり災証明も出されているような状況の中で確定ができないところがかなりあって、お家の被害についても皆さん方にお話に聞くと「3桁いくだろうな。」「家を建て直すならローンを組んで数千万になるな。」とかいろいろなお話が出ていますので、かなり打撃を受けているということは間違いないと思いますが、その総額をどうかと問われても答えられない状況にあるということです。ただ、公共施設の被災状況については、これからどんどん状況は分かってきますし、予算措置も当然してまいりますので、そういったところで明らかになってくるのかなと思っております。

 

【記者】ここから9月議会に向けて予算の組直しもあるかと思いますが、市長の中の優先順位の基準というのは、今のところどのように設けられていますか。

 

【市長】被災状況等々、急いで復旧をしなければいけないところに対して、いかに迅速に予算的な手当てをするかということが非常に重要なことだと思っております。それから、本市としてもハード面だけではなくて、生活再建支援の面でも他の福祉的な面でどういった手当をしなければいけないのかとか、いろいろ考えなければならないことがありますので、そういうことについてもレビューをしながらこれから検討していくということになってくると思います。9月に向けてハード面だけでなくソフトの面でもしっかりとした震災対応を急ぐということが優先順位として極めて高いと思っております。

 

【記者】参院選にも絡むんですけれども、改憲勢力が3分の2を超えるような感じになってきたんですが、その一つの中に、危機の時に総理に権限を集中させるような危機管理条項というものが挙げられているんですけれども、実際に被災された首長として、その権限を強化することについてどう考えておられますか。

 

【市長】被災した首長として権限がどうかということもありますけれども、まず一番重要だと思うのは、どのようなバックアップ機能が取れるのかというところ、どのようなバックアップ機能が必要なのかというところ、ここから入っていただかなければいけない。権限だけを強くしても、どういうバックアップが必要かということが分からなければいけないわけで、当然、非常事態になれば、市役所も潰れて機能がなくなった、県庁も被災してなくなったという場合に、今の制度の中でどのようなバックアップができるのかということは当然考えなければいけないと思いますが、権限を強くするということで非常事態を乗り切るというのは、非常に理にかなった考え方だと思いますけれども、権限が集中しすぎると何のための権限なのかということになってしまいます。ですから、我々は常に権限のことについては意識をしながら避難勧告、あるいは避難指示を出すにしても、これも一つの大きな権限でありますから、慎重に取り計らっているということではあります。被災地の自治体の首長としてもう一つ言えるのは、現場で動けるように自由度を高めていただくということ。現場の裁量を緊急事態には高めていただくということと、その後のバックアップという面で強化をしていただくことが非常に重要かなと思っております。ただ、今回は2回大きな地震を経験して、この次来たらどうしようということについて、正直に言って、この次来て、それが大きな災害になった場合には、本市あるいは県だけでは身動きが取れないとか、市民生活を守れないということになった時には、強力な国のバックアップをお願いしたいということは、既に閣僚の皆さんにもお願いをしているところでありますので、十分なバックアップを取っていただけるかどうか、どういうバックアップが必要かということが重要であって、そういう意味では権限をどうするかということについては、慎重に考えていただくべきものだと考えております。

【質疑応答:熊本城の復旧作業について】

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

【記者】熊本城のことについてお尋ねします。市長は以前から見える形で復興をされていきたいということをおっしゃっておられますけれども、現時点で考えていらっしゃる見せ方であるとか、現時点でのお考えを改めてお伺いします。

【市長】現在行っております道路を塞いでいる石垣の撤去でありますとか、建造物の撤去、飯田丸の五階櫓の緊急対策工事であるとか、こういったことを6月中に工事着手をして、それが今月中ぐらいには完了したいということで進められているところでございまして、まずこの応急復旧を急ぐということ。それから、今月中には「だいたい数年ぐらいの間にこのぐらいまでしたい。」「10年ぐらいのスパンでどのくらいまでしたい。」とか、いろいろな青写真的なものをある程度はお示ししたいと思いますが、今現在できることというのは、応急復旧を急ぐこと。それによって次の段階に早く入っていくということが必要だと思っております。特に観光資源として極めて重要なものでもありますし、文化財としての価値も重要なものでありますので、その両面をきちんと両立できるように国の方にお願いをして、協力の下で復旧復興に向けて取り組んでいるという状況です。現在、どこまで立ち入れるようになったとか、何日ぐらいまでに入場できるようになったということは言える状況にないですけれども、観光客の方には二の丸の方から熊本城の被災状況をご覧になったり、今まで入場料を頂いていた外側から見ていただいているような状況ですので、できるだけ早く近づいて見ていただけるような工夫をしてまいりたいと考えています。


【市長発表:熊日新聞のMICE整備関連記事について】

【市長】私の方から1点付け加えで、先日、熊日さんの方で掲載をされましたMICEの整備に関する記事でございますけれども、インタビューで私がお話ししたり、意図した内容と若干相違がございますので、私の方から改めて今の段階での考えを申し上げさせていただきます。記者会見でも何度かお話をしているかと思いますけれども、想定外の地震を受けまして、震災前と震災後では明らかに状況が異なっておりまして、中心市街地や広域交通拠点など、都市機能が集積する場所においては、防災減災機能の強化を図る必要があると考えております。そのため、桜町の再開発を含めた施設の整備、あるいはJR熊本駅前の再開発については、改めて防災面からの計画の見直しについて、現在、学識者を交えて計画見直しの検討を着手しているところでございまして、そういった結果を待っている状況にあるということでございますので、その点を申し上げさせていただきたいと思います。以上です。

【質疑応答:熊日新聞のMICE整備関連記事について】

【記者】7月10日の記事ですか。

 

【市長】はい。

 

【記者】例えば、どこがどう違うんですか。

 

【市長】例えば施設にただ単にGOサインを出したというふうに捉えられても。例えば、「進める」という見出しもかなり鮮烈に出ておりましたけれども、防災機能であるとか、そういったものをきちんと見極めたうえで進めていかなければならないという考え方ですので。これだけを見られると。よく読めば確かに私の発言はかぎ括弧で書いてある部分でございますので、それについては分かると思いますが。

 

【記者】見出しの「MICE 進める」という、「進めるんだ。」というふうに捉えられると困るということですか。

 

【市長】ただ単に進める、進めないということよりも、防災機能であるとか、そういったことを検討している段階なので、単に直ちに何か始まるというようなことではないということです。

 

【記者】これまでの前提どおり計画的に無条件でGOという意味ではないということですか。

 

【市長】そういうことです。それはインタビューの中でも申し上げていますので、その辺については、記事がそのうちまた出るのかなと思っていますけれども。

 

【記者】今日も18時から要望があるんですよね。

 

【市長】私のところにコンベンション協会とか民間のイベント関係の主催者の方が来られるということは聞いておりますけれども。

 

【記者】地元の経済界の方たちというのは、計画通りにやってくれと。

 

【市長】何もなければ進めていたものなんですけれども、震災があったことによって前提が変わりましたよね。だからその点については、防災面での機能強化をしっかりやっていかなければいけないということで、再開発会社、JR九州の方にも申し入れをさせていただいて、その結果を待っている状態だということです。当然、庁内においてもどういった機能が必要なのかということも含めて学識者の皆さん方からお話を聞いて、そのうえで最終的な判断をしていくということでありますので、直ちにそういったものを見ずに進めるとか、判断をしてGOサインを出したとか、そういったことではないということだけはお断りをしておこうと思って、付け加えて発表させていただいたということでございます。ただ、記事の中にもありますとおり、経済界からも要望をいただきました。そして、いろいろな方が注目をしている中で、2019年の国際的なラグビーワールドカップであるとか、女子ハンドボール世界選手権大会であるとか、そういったものの受け皿として、いろいろな面でこういう施設が必要になってくるということは間違いないと思っておりますので、できれば開催に向けて間に合うようにという要望については、できる限り計画があまりずれ込まないような形で進む方が望ましいとは思っております。ただ、先ほど述べたように、拠点施設ということになれば、防災機能というのは極めて重要だということに変わりはありませんので、この点については慎重に判断しながら検討をしていく必要があるということでございます。

 

(終 了)

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