平成28年12月20日 第4回定例会後市長記者会見
【市長発表:消防局職員の逮捕について】 | 市長記者会見の様子 |
会見に入ります前に、職員の不祥事につきまして、ご報告とお詫びを申し上げます。12月17日、消防局職員が福岡県内で飲酒運転によります道路交通法違反の疑いで逮捕されました。詳細な事実確認はこれからでございますが、逮捕された職員に対しましては厳正に対処してまいりたいと考えております。飲酒運転の防止対策に懸命に取り組んでいる中で度重なり不祥事が発生したことに対しまして、市民の皆様へ深くお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。
【市長発表:市庁舎火災に伴う対応について】 次に、12月18日未明に発生しました市庁舎火災につきましては、昨日臨時の記者会見を開かせていただきまして、市民の皆様へご報告とお詫びを申し上げたところでございますが、本日はその後の対応状況についてご報告させていただきます。火災を受けまして、全庁的に配線のチェックと清掃を昨日までに終えたところでございまして、特に、本庁舎におきましては、庁舎管理職員に消防職員が同行いたしまして安全確認を行い、必要に応じ改善措置を講じたところでございます。今後も、定期的な点検を徹底するなど、再発防止に全力を挙げてまいりたいと考えております。【市長発表:第4回定例会を終えて(所感)】
それでは、本日は、第4回定例会を終えましたこと並びに今年1年を振り返っての所感について述べさせていただきます。また、発表項目とお知らせが各2点、報告事項が1点ございます。
まず、今定例会に提出いたしました予算案並びに条例案につきましては、議会において慎重にご審議いただきました結果、原案どおり全て可決いただきました。震災関連の予算措置としては今回で4回目、総額では約1,100億円となりました。内容といたしましては、引き続き熊本地震からのスピーティな復旧・復興を最優先事項とした被災者支援及び生活再建並びに道路や橋梁などのインフラや公共施設等の復旧に要する経費でありまして、その主なものを申し上げます。まず、復興関連経費といたしましては、今回初めて県が制度化しました復興基金事業における第一次配分対象の5事業、総額6億200万円について提案し、ご承認いただきました。今後は、ご承認いただいた事業をスピード感を持って進めるとともに、復興基金の第一次配分に関する事業について一日も早く各事業の詳細を明示するよう、県に強く申し入れを行ってまいりたいと考えております。また、第二次配分についても基金設置の趣旨に沿って迅速に事業化が図られるよう、スピード感を持って積極的に県との協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、2019年度の復旧を目指します熊本城天守閣の復旧経費につきまして今回ご承認いただきました。今後、復旧作業を本格化させてまいりたいと考えております。既に、今月7日にはエレベーター設置等によるバリアフリー化を促進する設計業務委託契約を大林組と締結しており、今後さらに復旧作業を加速化させ、1日も早く皆様にかつての雄姿に戻った熊本城をお見せできるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、2018年度中の移転・開院を目指しております市民病院についてですが、今回の補正予算において移転新築費用についての債務負担行為をご承認いただきました。市民病院が地域の総合周産期母子医療を担ってきた総合病院としての責任は重く、一日も早い再生を待ち望む多くの市民の声にお応えするべく、再建に向け着実かつスピーディに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、質疑でも取り上げられました一部損壊世帯への支援策につきましては、未配分として残っております義援金約9億円につきまして、本市配分委員会における議論をもとに、一部損壊も含めた本市独自の支援策をできるだけ早期にお示ししたいと考えております。
その他、震災関連以外の主なものといたしましては、(仮称)熊本城ホールの保留床の取得費を今回ご承認いただきました。桜町地区の再開発につきましては、来年1月からいよいよ工事着工と伺っております。地域の雇用を確保し、また地域経済を下支えする重要な施設となりますので、1日も早い竣工を目指し、本市としてもできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。以上、主なものにつきまして述べさせていただきましたが、これらの項目以外にも、今定例会でいただきましたご意見、ご要望につきましては真摯に受け止め、今後の市政運営に生かしてまいりたいと考えております。今定例会を終えての所感は以上でございます。
【市長発表:今年1年を振り返って】
続きまして、今年1年を振り返ってということで本日が本年最後の記者会見となりますで、簡単ではございますが、1年の振り返りをさせていただきたいと思います。本市は指定都市移行からちょうど5年目を迎えまして、目指すまちの基本方針となります第7次総合計画を策定いたしまして、セカンドステージへ向けその一歩を踏み出した矢先の4月14日、4月16日の熊本地震に見舞われたところです。発災から現在に至るまでの8ヵ月間は、市民の皆様にとって本当に辛い日々であり、大変な困難を伴うものとなりました。明治熊本地震以来の未曾有の震災に、市民生活や地域経済が甚大な被害を被る中、行政の地震への備えに対する当初の想定が甘かったことで十分な初動対応ができず、市民の皆様にはご不便、ご迷惑をお掛けしましたこと心よりお詫び申し上げたいと思います。大変申し訳ございませんでした。その後はある程度の体制の立て直し徐々にできてくる中で、被災された方々の利益を最優先に被災者に寄り添いながら生活再建支援やインフラの復旧などに総力を尽くしてまいりました。その結果、9月15日には全ての避難者の皆さんが避難所での生活を終えられ、10月に入りますと、計画しておりました仮設住宅541戸が全て完成をいたしまして、被災者の方々が無事入居を終えられたということで、復旧復興は次のステージへと移ることとなりました。ここにいたるまでに、国内外から官民を問わない数多くの強力なご支援をいただきました。国、県、全国の指定都市、全国の市町村からの人的・物的なご支援、具体的にはり災証明書発行に伴う家屋調査業務や避難所運営業務等に11月30日時点で、延べ69,738人のご支援をいただきましたほか、飲料水や非常食をはじめ数多くの支援物資についてもご支援をいただいたところでございます。また、企業をはじめ各種団体、その他多くの皆様方から多大なるご寄附によるご支援をいただきました。その主なものを申し上げますと、義援金につきましては12月16日時点で18,287件、約14億7千万円。これに県からの配分額も含めますと約227億6千万円、熊本城災害復旧支援金につきましては12月15日時点で10,107件、約14億5千万円もの貴重な浄財をいただきました。また、11月1日から実施しております、復興城主につきましても、12月15日時点で27,527件、約4億4千万円ものご寄附をいただいておりまして、これまで「一口城主」として例年受け付けをさせていただいておりました件数・金額の10倍をはるかに超えるものとなっております。さらには、熊本市災害ボランティアセンターが閉鎖となりました11月26日まで、延べ37,900人にものぼるボランティアの皆様にご支援いただきました。その他にも数多くの皆様方から物心両面で心温まるご支援を賜りました。言うまでもなく、これら全てのご支援なくして、我々はこの8ヶ月間を乗り切って復旧復興に至ることはできなかったと本当に思っております。8ヶ月間を振り返りますと本当に厳しいこともたくさんありましたが、逆に多くの皆さんの優しさ、親切なご支援、心温まるご支援に今も涙が出そうになるような本当にありがたい気持ちでいっぱいでございます。改めまして、74万市民を代表いたしまして、ご支援を頂きました全ての皆様に厚く御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。皆様からの心のこもったご支援を決して忘れることなく、1日も早い復興を目指して熊本市民一体となって全力で取り組んでまいりたいと思いますので、今後とも息の長いご支援・ご協力を賜りますよう心からお願いを申し上げます。また、10月14日には多くの市民の皆様からご意見をたくさんいただきまして検討を重ねてまいりました、本市の将来を見据えた「新しい熊本市」の創造に向け取り組むための「熊本市震災復興計画」を策定いたしました。更に、あらゆる計画の改訂作業を行い、復旧復興へ向けた再スタートの準備を進め、その体制がほぼ整ったのではないかと考えております。来年はこれら計画に掲げます取り組みを迅速かつ着実に実施していくことで、さらに復興への歩みを加速させてまいりたいと考えております。折りしも、日銀熊本支店が発表いたしました12月の県内企業短期経済観測調査によりますと、景況感を示す業況判断指数は全産業でプラス20となりまして、9月調査時より12ポイント上昇し、また、同時発表された金融経済概観では、県内景気について「景気回復宣言」を行い、今後も回復傾向が続くとの見解が示されたところでございます。本市としましては、被災者の皆さんの生活再建はもとより、熊本地震からの復興を力強く推進させることで、景気回復の傾向をより確かなものとしていきたいと考えております。いずれにしましても、市民の皆様にとっては、本当にご苦労の多い1年となりました。来年はその苦労が報われ、良い年となりますことをお祈り申し上げますとともに、我々行政としましても、全ての市民の皆様が1日も早く「安全・安心」で豊かな生活を取り戻されますよう、「元気・活力」に満ちた熊本市の再生、そして復興に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【市長発表:『【現代語訳】熊本明治震災日記』の刊行について】 | | 「熊本明治震災日記」(現代語訳版) | 「熊本明治震災日記」(原本)表紙のパネル |
続きまして、明治熊本地震の詳細を記録いたしました「熊本明治震災日記」の現代語訳版を本日刊行することとなりましたので発表させていただきます。(パネルを見せながら)これが原本の表紙になるものでございます。この「熊本明治震災日記」は、明治7年8月に創刊されました白川新聞、後の熊本新聞になりますが、その創始者である水島貫之氏によって書かれた明治22年7月28日発生の明治熊本地震の状況を詳細に記録したものでございます。明治熊本地震につきましては、127年前に発生いたしましたマグニチュード6.3と推計される直下型地震でありまして、この震災日記には、当時の被害状況をはじめ、震災時の行政の対応や市民の動きのほか、デマや流言によって翻弄される市街の状況と、その混乱が市民への情報提供によって次第に収まっていく様子など多くの事項が記載されております。また、あわせて当時の新聞記事の抜粋や著者水島貫之氏の見解も書かれておりまして、全体を通して、現在に通じる震災時の教訓が読みとれるものとなっております。先日、私もこの日記を拝見したのですが、127年前の明治の地震ですが、皆さんお手元に配ってあるのが今回、熊本市の都市政策研究所で現代語訳をしたものでございまして、巻頭言を載せておりますけれども、127年前に熊本でこのような大きな地震が起きたことを私は知りませんでした。実は、私の妻の実家の方から震災の状況を案じる手紙と同時に、滋賀県の毎日新聞さんの記事の切り抜きがありまして、127年前の明治熊本地震が日本で初めて詳細な被害調査。直下型で余震が多くて今回の地震と共通点もあるということを5月16日の記事を見て、「そういう地震が本当にあったのか。」と驚きまして、すぐに国立国会図書館のデータベースを探しまして、(資料を見せながら)その時に私が複写したものですが、こういうものが出てきました。これを見てみますと、旧字ですので非常に読みにくいものでありますけれども、震災対応の傍ら夜中に眠れない時に見ながら当時はどういう様子だったのかということを拝見しましたけれども、今回の熊本地震も4月14日と16日に2回大きな地震が立て続けに起きて、余震4000回を超える非常に大きな地震になっておりますけれども、明治熊本地震の際も、この記録によりますと7月28日の地震があって間もない8月3日にかなり大きな地震が発生して当時の市民が右往左往するという様子が記載されておりまして、もし事前にこのことを知って備えておれば、被害をより少なく抑えることができたのではないかというような思いもいたしたところです。そういう意味でも、現代に生きる私達は過去の地震・災害から多くの教訓を学んで、それを将来世代へ継承していかなければならないということで、関係機関はもとより、市民の皆様にも是非これを読んでいただきたいと思いました。そこで本市のシンクタンクとしてもあります熊本市都市政策研究所の蓑茂所長に私が翻訳を研究所でできないかと5月の末に依頼をいたしました。それを見てこれは直ちに出版しましょうということで現代語訳をしていただいたということでございます。この記者会見終了後に詳細について都市政策研究所の担当の方からレクチャーをさせていただきますのでよろしくお願いします。
【市長発表:熊本市動植物園の部分開園について】
続きまして、熊本市動植物園の部分開園についてでございます。お手元に資料があると思いますが、熊本市動植物園は熊本地震の影響により現在臨時休園しておりますが、来年2月25日(土)から土日・祝日のみに限定し、被害の少なかった一部のエリアを部分開園したいと考えております。開園時間は、従来どおり午前9時開園、午後5時閉園となります。また、部分開園中の入園料は西門復旧まで(時期未定)は大人、小中学生等に関わらず無料とさせていただきたいと考えております。復旧作業による観覧規制エリアが数多くあることや、2つの入園門が被災し通行できないなど、来園者にご不便をお掛けしますが、多くの皆様からの動植物園再開を待ち望む声がございました。これにできる限り応えるために部分開園させていただくものでありまして、入れない部分も含めて限定的な開園であるということはご理解・ご協力をいただきたいと思います。詳細はお手元の資料でご確認を頂ければと思います。
【市長発表:熊本地震に伴う市税の減免について】
続きまして、熊本地震に伴う市税の減免についてお知らせいたします。熊本地震により被害を受けられた方につきましては、一定の要件はありますが、平成28年度分の個人の市民税のほか、土地や家屋にかかる固定資産税、そして軽自動車税など、減免を受けられる制度がございます。この減免の申請の期限は、平成29年3月31日までとなっておりますので、まだお済みでない方が多数いらっしゃると思われますので、是非お早めに申請をお願いしたいと思います。また、被害認定調査が終わっていない等でり災証明書がお手元にない場合でも、減免申請の手続きはできますので、期限までの申請を忘れずにお願いしたいと思います。期限を過ぎてしまいますと減免を受けることができませんので、被災をされた市民の皆さんはご留意いただきたいと思います。詳しくは各区役所税務課にお問い合わせいただきますようよろしくお願い申し上げます。
【市長発表:第67回NHK紅白歌合戦の熊本城からの中継について】
続きまして、既にNHKのホームページでも公表されておりますが、大晦日に放送されます「第67回NHK紅白歌合戦」におきまして、熊本地震で甚大な被害を受けました熊本城からの中継が行われるという発表なされましたので、これについてコメントをさせていただきたいと思います。当日は、被災した熊本城をバックに歌手の氷川きよしさんが全国に向けて歌を届けられる予定と伺っておりまして、震災復興のシンボルである熊本城の傷つきながらも優雅で威厳のあるそのたたずまいを日本各地の皆様に年末の時に一家だんらんでご覧いただくことは大変ありがたく喜ばしいことだと思っております。詳細について当日の放送を見るしかわかりませんけれども、こういう形で全国に取り上げていただくというのは本当にありがたいことだと思っております。
【市長発表:「きらきらパレード」での賑わいの状況について】
最後に、現在開催中のイベントであります「BRIDGE
of the RAINBOW(くまもと光のフェスティバル)」の一環で、先週土曜日に市中心部で行われました民間主催による「きらきらパレード」の賑わいの状況についてご報告をさせていただきます。この「きらきらパレード」には、熊本工業高校吹奏楽部やキッズダンサー、また、スペシャルゲストとしてディズニーランドからミッキーマウスやミニーマウスなど10のキャラクターが参加いたしました。パレード沿道には県内外から約11万人もの多くの方々が詰め掛け、大いにお楽しみいただいたのではないかと思っております。ちなみに、ディズニーランドのご担当者の方のお話によりますと、ディズニーランド以外の地域で専用車両3台によるパレードはあまり例がないということでありまして、また、人出も過去最高であったということでありました。私自身も実際にパレードを歩かせていただきましたけれども、市民、県内外から本当に多くの皆さんがまちの中に集まった姿は私も初めて目の当りしましたし、ディズニーランドのキャラクターが多くの子ども達からお年寄りまで笑顔にしてくれたなと思っております。本当にありがたく関係者の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。また私にも黄色い声援を送ってくれた一部の方々もいらっしゃいましたので、復興にあたる中で非常に励みになりました。「市長、頑張って。」という声をいただいたのはありがたく嬉しいものだと思ったところでございます。これからの熊本の復興、賑わいの創出にも一層取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。
【質疑応答:今年一年を振り返って表す漢字一文字について】 | 市長記者会見の様子 |
【記者】今月の市政だよりで来年の漢字を「新」と発表されていましたけれども、今年を振り返って漢字一文字で表すと何になりますか。
【市長】今年を振り返ると「興」です。先日、ある報道機関のインタビューがあった時にその文字を掲げさせてもらいました。これだけ多くの皆さんから支援を賜って、多くの皆さんの恩を多く感じた一年であり、大変な一年でありましたけれども、熊本の復興、熊本を再び素晴らしいまちに興していこうという一年だったと思います。辛いことが非常に多かった中でも、いろいろなことで皆さん方の協力で共に力を合わせて興していった、そういう一年だったのではないかと思います。私自身も復興に向けて全力で取り組んできたつもりでありますけれども、来年に向けてこういった大きな災害を受けても皆さんが前向きに頑張っていこうとする姿を、私も市長としてしっかり市民の皆さんが復興に向けていけるように全力を挙げることが、私に課された使命だと思いました。そういう意味で「興」という字を今年の一文字にさせていただきたいと思っております。
【質疑応答:市庁舎火災のその後の調査結果について】
【記者】昨日の緊急会見で火災の件で、その後消防局や警察とかが調べた中で何か原因が断定できたとか、そういう情報があったら教えてください。
【市長】原因というのは、私の方に報告が上がっている限りでは、電気的な要因だということでケーブルのショートあるいはコンセントによる出火が原因でほぼ間違いないということでございますので、全部点検をさせていただいたということです。清掃でありますとか、タコ足配線などの負荷がかかるような状況を昨日本庁舎の上から下まで確認いたしました。消防も立ち会って確認をしております。
詳しい状況について管財課から何か説明はありますか。
【事務局】点検については、全部の集計はできていないんですけれども、概ね配線周りの埃とか、タコ足配線を点検しました。この庁舎が昭和56年に建っている関係で今のような防炎化とか、昔は電話も電気が要らない黒電話の時代ですので、配線が無理しているようなところについてはできるだけ分散させるとか、そういうことについて消防局職員の指導をいただいたところでございます。集計については、どのくらいの率で埃が付いていたかとか、そういうことについてはまだ全部は集計できていませんけれども、全施設について市長から庁議で指示がありまして点検をしたところであります。
【市長】秘書課とか私の関係するところは全部見てまいりましたけれども、エアスプレーみたいなもので吹き飛ばしたり、かなり細かく点検させていただいたということでございます。我々も最大限注意いたしますけれども、一般のご家庭・企業の皆さんでも同様のことが起こり得ますので、是非ご注意いただきたいと思っております。
【記者】昨日の記者会見以降に健康福祉局でこういう業務に支障が出そうだとか、新たに分かった被害とか、そういうものがあったら教えてください。
【市長】現時点では集計をしているところでございますので、今の時点で発表できるような状態ではありませんけれども、担当部署の10階フロアの課を4階のモニター室に移して実務を行っております。こういう実務を行う中でさまざまな課題、保管していた書類の件数や消失した件数、それがどういうものだったのか、そのデータがどういう復旧ができたのかできなかったのか、市民生活に影響があるのかないのか、これを集計するように指示を出しているところでありますので、こちらの方は分かり次第皆さん方にお知らせしたいと思っております。現時点ではとりまとめを行っている最中だということで、特に新しい情報はないということでございます。
【質疑応答:来年の主なイベントについて】
【記者】今思い浮かぶ範囲で結構ですが、来年の主なイベントはどのようなことがありますか。
【市長】2月19日の熊本城マラソンは非常に大きなイベントになると思います。特に今回は復興チャレンジファンランということで、多くの皆さんが復興を祈って走っていただけるような部門を設けておりますし、過去最高のお申込件数であったということでもありますので、復興に大きな勇気を与えていただけるのではないかと思います。ランナーの皆さんの走りもそうですし、沿道で応援する皆さんの力もそうですが、また大きく熊本を復興させるイベントになると思います。
【記者】政策も含めてあと1,2個お願いします。
【市長】これから復興計画を着実に進めていくということでありますので、今日の議案でもご承認いただきましたけれども、桜町の再開発事業がいよいよ着工する運びになると思いますので、これは新たな復興に向けての一歩になると思っております。これらと共にシンボルプロムナードの整備でありますとか、(仮称)花畑広場・辛島公園を含めたエリア全体をこれからどのような形だと皆さんが使いやすいものになるか、あるいは多くの皆さんの交流拠点になるにはどうしたらいいかということをワークショップ等々を行いご意見を聞きながら良いものを作っていきたいと考えておりますので、そうしたことが大きな点としてあると思います。あとは、来年になりますと中学校の方からエアコンが設置されますので、段階的ということで数年にわたりますけれども、小中学校にエアコンが設置されて夏場等々非常に厳しい暑さでもありますので、学校の環境改善もより進んでいくのではないかと考えております。
【質疑応答:動植物園の復旧費用の内容や全面開園の目途について】
【記者】動植物園の被害状況の復旧にかかる費用などはどのようになっていくのか。全面的な開園見通しなどについてお願いします。
【市長】私も被災した直後に行きまして園内を回らせてもらいましたけれども、地盤、園路を含めて相当傷んでいます。いたるところで隆起をしたり陥没をしたりというところがございますので、こうしたものの復旧も相当時間がかかると思います。復旧工事の発注をこれから行っていこうというところでございまして、施工業者がこれから決定をしていく予定ということでありますけれども、天候、その他工事の進捗状況には多少工期のずれもあると思います。予算も含めて国の災害復旧の予算をいただきながらその査定に基づきまして進めているところでございますので、まだ規模は確定いたしませんけれども、おそらく2月の補正予算、あるいは第1回定例会で新年度の予算の中で具体的な数値の額はお示しできるのではないかと思っております。全面開園の目標といたしまして、平成29年度のできるだけ早い段階を目指して再開したいと考えております。多くの皆さんが非常に待ち望んでおられるわけでありますし、特に子どもたちから非常に多くの期待する声があり、これも復興のシンボルになる大きな事業でございますので、できる限り迅速に進めてまいりたいと考えております。
【記者】基本的には元のように戻すというのが復旧の基本になるのですか。再建の計画もあったかと思いますが。
【市長】もともと今年のお正月あたりでも発表させていただいたところですけれども、これから全面的にリニューアルをしていこうという調査の企画をしていく矢先の被災だったものですから、まずは原型復旧をしていかなければならないと思っております。災害復旧に係る国のルールもあり、予算の関係でも原型に戻すということが原則的にはあるんですけれども、改良復旧ができる部分、創造的復興という言葉がありますとおり、例えば相当老朽化した猛獣舎あたりは原型と言いましても元の状態には戻すことができないので、より新しい形にリニューアルする形ができるのではないか、そういう復旧をしてくということです。それから、動植物園の中でも植物園の比較的被害が少なかったエリアについては、部分開園していかなければなりませんけれども、カフェであるとか、江津湖と一体感が持てるようなものができればという希望は持っておりますので、そういったことも復旧プロセスの中でいろいろなご意見をいただき検討しながら、できるだけ再開する時には前よりも良くなったなと感じていただけるような動植物園にしたいと考えています。熊本城には復興城主制度というものがありますが、動植物園も動物サポーターということでエサ代を寄付していただいたりしている制度もございますので、是非そちらの方も活用していただきたいと思います。将来的にはもう少し復興城主に似たようなことで浄財をいただいて新たなものに繋げていくとか、そういうことも考えていきたいです。今のは私の勝手な構想段階ですけれども。できるだけ期待していただけるような動植物園の再開にしていきたいと思っております。
【質疑応答:熊本城復興城主制度について及び北口和皇議員による不当要求行為等に関する調査特別委員会設置について】 | 市長記者会見の様子 |
【記者】前回の市長の発言の中でインターネットを活用した寄付というお話でしたけれども、それがどのようになったのかということと、北口議員が今日も辞職の対応をなさらずに調査特別委員会が設置されましたけれども、本議会で職員と議員との間の関係が変わってきたというような声は聞こえているのか。その2点お伺いします。
【市長】まず復興城主については、インターネットでの振り込み、特にクレジットカードでの手続きができるように担当部局には指示しておりました。どうしても認証であるとか、いろいろな事務的な手続きがあって、おそらく年明けにはクレジット決済等々もできるようになるのではないかということで手続きをしているところです。なお、現在の問い合わせをいただいて振込用紙を送ってもらうというような手続きが煩雑だということもありますし、そこで滞ってしまうということもありますので、年内に熊本城のホームページで振り込み手続きの用紙がダウンロードできるようにと指示しておりますので、今はその作業の最中だと思いますが、そのような便利な手続きができるようにと思っております。これはお問い合わせも結構多くて、私にも直接「何でインターネットで登録ができないのか。」というお問い合わせもいただいておりますし、先日の政令指定都市市長会でもそういう要望もいただき皆さんに関心を持っていただいておりますので、簡便な方法でと思っております。
それから、2点目の北口議員の不当要求行為等に関する辞職勧告が今回の議会で2回目の勧告をされたということ、政治倫理審査会でも勧告をされたということ、それを受けても意思表示がなされない、ご本人からの弁明、あるいは市民への説明がなされないということから、今日、調査特別委員会が設置されたということでございます。私どもとしては、これらの不当要求行為等対策会議の中で今後再発を防ぐように執行部としても気を付けてやっていこうということで取り組んでまいりました。今後は、北口議員の問題についてはその委員会でのご審議、あるいはご本人がどのように対応されるかということにご判断は委ねるべきだと思いますけれども、私どもとしては、議会との透明な関係性を作っていくということ。そこでいろいろな文章の記録をしたり、要望があったり、いろいろな意見交換がある場合はそういったトラブルを未然に防ぐためにも担当者もメモを取る、あるいは録音するということが原則になっておりますので、そういう意味では雰囲気はずいぶん変わってきたのかなと思います。と言いますのは、何か高圧的な物言いがあるとか、そういったことは1年以上一切聞いておりませんし、不当要求とか利得に繋がりかねないような要求があったとか、そういうことも一切聞いておりません。議会と執行部の関係というのは、執行部の態度にも委ねられている部分も非常に大きいと思いますので、我々はそういう態度をきちんと議員の皆さんと共有しながら、今回のようなことは二度と繰り返さないという強い決意のもとで新しい年を迎えなければならないと今日の閉会にあたって感じたところです。
【質疑応答:職員の不祥事(飲酒運転)について】
【記者】職員の飲酒運転に関して、開会日には先日処分された職員のことで謝罪されまして、今日はまた別の職員で、議会の開会と閉会でそれぞれ謝罪をするというのは、今までいろいろな議会を取材してきましたがなかなかないです。たまたま集中したのかもしれませんが。今日も「厳選に処分をする。」とおっしゃっておられますけれども、いろいろと対策は取られていると思いますけれども、それが結果に繋がっていないと思えるんですが、それに対する市長の見解と、もし新たに追加で対応なりをご検討されていることがあれば教えてください。
【市長】この年末は飲酒の多い時期でもありますから、注意喚起は再三再四にわたってやっております。ただ、飲酒運転の撲滅というのは、以前から各自治体でずっとやっていることで、特に福岡市の職員の飲酒運転による事故が起こって以来、非常に厳しい処分を各自治体でも行っているところですが、なかなか減っていかないということは管理監督上の責任はあると思っています。飲酒に関してこういう事件が起こった時に厳正に対処していかねば再発防止はできませんし、例えば代行運転を待っている間に車の中で鍵をかけて寝るとかも、鍵を持ってドアを開けること自体が駄目なんだということです。その時点で運転する意思があると見なされるということ、そういうことは厳罰化の対象になってくるんだということは職員に所属長等々を通じて再度指示しているところです。火災の件もありましたので、臨時庁議を昨日の臨時市長記者会見の前に行いまして、再度徹底するようにということで私からも指示を出したところでございます。今後、研修でありますとか、注意喚起を繰り返していきますけれども、具体的に飲酒運転をして事故を起こしてしまっては、相手方に傷を負わせてしまう、あるいは大切な命を落としてしまうという危険性がある、要は、人を殺してしまう、だからいけないんだということです。人の命に係わるということを徹底して理解させるように、皆で取り組んでいかなければならないと考えております。また、今回は休職中の職員であったということでありますけれども、いずれにしましても休職中であろうが在職していようが、職員として所属している以上は所属する長がきちんと監督していかなければならないと思っておりますので、そうした点も含めてもう一度規律を高めるように全力を尽くしていきたいと考えています。
(終 了)
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