市長室トップへ

ようこそ!市長室へ(スマホ版)ようこそ!市長室へ

  • 音声読み上げ リードスピーカーを起動します
  • 文字サイズ 拡大標準
  • 背景色 青黒白

平成22年7月定例市長記者会見

最終更新日:2010年7月27日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【はじめに】

イメージ

 おはようございます。それでは、定例記者会見をはじめさせていただきます。本日は発表項目6項目を予定しておりますが、その内容に入ります前に、先週末に公表いたしました、本市嘱託職員の不祥事について改めてお詫び申し上げたいと存じます。このたび、本市納税指導員によります市税徴収金の横領事件が判明いたしました。職員の不祥事が続いております中で、再びこのような不祥事を引き起こし、市民の皆様の信頼を失墜させたことに対して改めて深くお詫び申し上げる次第でございます。今後、被害を受けられた方への適切な対応はもとより、早急に事実解明を行いまして、厳正に対処してまいる所存でございます。また、早急に税徴収体制の点検を行いまして、再発防止策を講じていく所存でございます。
 それでは、発表に入らせていただきます。本日は先ほど申し上げましたように6点発表させていただきます。

【市長発表:熊本城桜の馬場観光施設について】

 まず1点目でありますが、熊本城桜の馬場地区の観光交流施設について、施設の総称とオープンの日を決定しましたのでここに発表させていただきます。
 施設の名称は「桜の馬場 城彩苑(じょうさいえん)」としまして、来春の3月5日にオープンすることといたしました。桜の馬場地区の観光施設は、歴史文化体験施設や飲食物販施設など、複合的な機能を有する施設でありまして、観光案内板への標記、あるいはパンフレットなどの広報媒体に使用する総称が必要でありました。そこで、市民の皆様をはじめ、多くの人々から愛着を持たれ、親しんでいただける施設となりますように、施設総称を公募したものであります。
 公募の結果、県外からの応募も含め328件という大変多くの作品が寄せられ、学識経験者・観光関連事業者・周辺地域のまちづくり団体の方々から構成されます選考委員会での審議を経まして、最終的に「桜の馬場 城彩苑」に決定させていただいたものであります。また、熊本城桜の馬場リテール㈱が整備を進めております飲食物販施設についても「熊本らしさ」・「熊本ならでは」にこだわった飲食業・物販業の展開や店舗数などの具体的な出店計画も固まったと伺っております。
 桜の馬場観光施設のオープン日が決定したことによりまして、今後、本施設を国内外で展開している観光プロモーション活動などを通じて、旅行業界等に売り込みますとともに、県内はもとより、九州各地との連携を図り、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業効果を高めたいと考えております。

【市長発表:(仮称)情報交流施設の名称について】

 続きまして2点目でありますけれども、熊本駅前の(仮称)情報交流施設の名称を決定しましたので発表させていただきます。施設名称は、「くまもと森都心(しんとしん)プラザ」であります。この名称としましたのは、施設を設置する熊本駅前東A地区には、既に市民の方々に愛着を持ち親しんでいただく地区となるよう市が一般公募いたしまして、「くまもと森都心」という街区の愛称が決定しております。このことから、これを活用し、施設が街区と一体となった名称となることで市民の方々により分かりやすく親しみやすい施設となることを期待するものであります。
 施設のオープンは、平成23年10月と九州新幹線の開業より半年ほど後になりますが、オープンまでに、この「くまもと森都心プラザ」を多くの方々に知っていただき、オープンの際には多くの方々に訪れていただけるようPRしてまいりたいと考えております。

【市長発表:「熊本城本丸御殿における三市連携伝統的工芸品の集い」について】

 続きまして3点目は、「熊本城本丸御殿における三市連携伝統的工芸品の集い」についてであります。ご承知のとおり平成20年8月に締結しました「福岡市、熊本市、鹿児島市交流連携協定」に基づきまして、三市の国指定の伝統的工芸品を製造しておりますそれぞれの産地組合が、新たな販路拡大や可能性を探るために開発に取り組んでこられたところでありますが、福岡市の博多人形と博多織、熊本市の肥後象がん、鹿児島市の薩摩焼と本場大島紬を融合(コラボレーション)させた新製品がこのほど完成いたしました。
 お手元の配付資料にありますように、博多織の伝統的図柄「献上(けんじょう)」をデザインした肥後象がんの「香炉(こうろ)」や熊本城を図柄にした薩摩焼の大花瓶(おおかびん)など、約150作品に及んでおります。そこで、これらの作品を、協定書を締結しました本市の本丸御殿を皮切りといたしまして三市において広く市民の皆様に公開するものであります。
 本市では、8月16日・17日の両日に展示を行うこととしておりまして、初日となる8月16日には、午前11時から、鹿児島市・福岡市両市長にもおいでいただき、三市長及び各産地組合の代表者にも出席していただきまして、本丸御殿内でオープニング式典を開催することとしております。併せて、熊本城数寄屋丸2階御(おん)広間におきまして、伝統工芸に触れ、理解を深めていただく場として、肥後象がんの製作、本場大島紬織りや博多人形の絵付け体験などを予定しているところであります。
 また、今回発表されました伝統的工芸品の新商品でございますが、8月18日(水)から23日(月)の6日間、鶴屋百貨店6階催事場において、展示販売会が開催されます。なお、この展示販売会でありますが、その後、福岡市の大丸百貨店において9月1日~6日、そして鹿児島市の山形屋百貨店において9月8日~13日の期間、開催がそれぞれ予定されています。

【市長発表:新幹線試験列車歓迎式について】

 続きまして4点目は、「新幹線試験列車歓迎式」についてであります。8月31日に九州新幹線の走行試験が熊本駅からスタートするのに合わせまして、熊本駅新幹線駅舎において歓迎式を実施することといたしました。
 いよいよ、来年3月の開業に向けまして実際の新幹線車両が、線路上を走ることになりますが、鉄道運輸機構、JR九州のご厚意によりまして、熊本駅の新幹線ホーム上から試験列車を見学できる機会をいただいたものであります。今回は、あくまで車両走行検査のため、見学が可能な人数はかなり限定されることになりますが、小学生を対象に保護者とペアで25組50名、それから一般公募を50名、あわせて100名、市政だよりにおいて一般公募したいと考えております。詳しくは、別途資料をご覧いただければと存じます。

【市長発表:「清正水物語」の作製について】

 5点目はあちらのほうにも出しておりますが「清正水物語」の作製についてであります。
 本市では、平成18年5月から、本市の財産である地下水を活用したPRとして、熊本オフィシャルウォーター事業を展開しているところであります。本市が誇る恵まれた水環境は、自然の恵みもさることながら、加藤清正の治水・利水事業の賜物であるという点については、あまり知らない方も多い状況であります。そういう中、折しも、来年は加藤清正没後400年にあたりますことから、市民間でもあらためて加藤清正の偉業を讃える機運が盛り上がりを見せているところであります。また、ご承知の方も多いかもしれませんが、東京の明治神宮内にございます清正井(きよまさのいど)がパワースポットとして全国的な人気を博していることもございまして、「加藤清正」に対する注目度はより一層高まっているのではないかと感じております。そこで、この機会に、加藤清正のお膝元である本市におきまして、加藤清正の名を冠した「熊本水物語」限定バージョンを作製しまして、来月8日から発売を開始し、地下水都市くまもとを内外にPRしていく所存であります。
 また今回、「清正水物語」に加えまして、地下水都市を表す青のハートマークをモチーフといたしました「くまもとブルー」のオリジナルハンカチを、「わくわく都市くまもと」の対外的なPR用のノベルティとして作製したものであります。その他、市内各所の水スポットも紹介する携帯電話用サイトも開設したところであります。この検索サイトからアクセスしていただくことで、「清正水物語」を入り口に本市の観光へとつなげていきたいと考えております。

【市長発表:熊本城時代衣装おもてなし案内業務について】

 最後6点目でありますが、熊本城時代衣装おもてなし案内業務についてであります。熊本城では、従来から武者姿の門衛を2名配置しまして、写真撮影に応じるなど、観光客へのサービスに努めてきたところであります。また、昨年11月からは「おもてなし」向上の一環として、裃(かみしも)などの時代衣装を着用した奉行姿で、来園者のお出迎えやお見送りの言葉掛けを行うなどの取り組みを行っておりまして、観光客の皆様に大変好評を得ているところでもあります。これを踏まえまして、7月24日から来年3月31日まで、新たに4名を配置しまして、時代衣装による「おもてなし」事業の拡充を図り、団体でお見えになるお客様を中心として、当時の武士の口上にて熊本城の歴史や熊本の見処について演出をまじえながらご案内していく予定であります。また、同期間中には、季節ごとのサービスとして、夏は冷たい布おしぼりを、冬は温かいカイロなどを提供するなど、真心のこもったおもてなしを行い、熊本城の更なる魅力アップ、リピーターの確保に努めてまいりたいと考えているところであります。
 以上6点について発表を終わらせていただきます。

【質疑応答:「桜の馬場 城彩苑」および「くまもと森都心プラザ」について】

【記者】名称についてなのですけれども、桜の馬場、それから駅前ともに公募という形を取っていらっしゃいますが、例えばどなたかが応募された案を採用ということではなくて公募されたものからさらに選考委員会で審議されたということなのですか。
【市長】基本的にはどちらもそうです。それぞれ検討委員会の中で検討していただいたところなのですが、駅前の情報交流施設につきましては施設というよりも街区として、公募に基づいて決定している名称「くまもと森都心」を活用させていただき「くまもと森都心プラザ」とさせていただいたところであります。
 それから桜の馬場につきましては、先ほども申し上げましたように公募いたしまして、300名を超える応募があり、それを基本として検討委員会の中で検討し決定していただいたというプロセスを踏んでおります。
【記者】それから桜の馬場の交流施設についてはバリアフリー対策ということで渡り通路のことも検討されていたと思うのですけれども、その後どうなっているかということと、それに代わってのバリアフリー対策を考えていらっしゃるのであれば、その辺りを教えてください。
【市長】御幸坂と観光交流施設とを移動しやすい環境ということで、3月議会の議決を踏まえて新たな対応を今検討中でございます。まだ検討途中ということでよろしいですね?(事務局に確認)
 検討中ということでありますが、しかしながら何らかの対応はしなければならないということで今検討を進めているところであります。
【記者】桜の馬場について。名称は公募で決められたということですけれども、市長はこの「城彩苑」という名前についての印象はどういう思いを持たれたかをまずお尋ねします。
【市長】桜の馬場につきましてはすでに皆様方に非常に愛着のある名称ですので、これを活かしていただいたということ。さらに城を彩る、新たな魅力を加えるという意味におきまして非常に魅力的な名称になったと感じております。この名称により多くの人たちから愛着を持っていただいて、是非この観光交流施設にとどまらず、熊本城にも足を運んでいただきたいと思いますし、そのうえ城彩苑に足を運んでいただき、さらにその後で城下町に繰り出していただくことにつながればと期待しているものでもあります。
【記者】熊本の観光におけるこの観光交流施設の役割、位置づけを改めてお願いします。
【市長】大変期待しております。と言いますのも、先般広島でプロモーション活動を行いましたし、あるいは大阪でプロモーションを行ったりする中で、やはり交流施設のあるなしではインパクトにもつながることを実感しておりまして、桜の馬場の観光交流施設を紹介しますと、いつできるのか、内容はどのようなものかといった問い合わせも非常に多いことを感じておりまして、今後熊本市の観光の牽引になるのではないか。そのことを大変期待しているものでもあります。
【記者】これまでお城の中で、本丸御殿では本丸御膳が若干提供されていますが、飲食ができるところがないといった部分を補う施設でもあると思いますし、一方、街なかの回遊性へつなげるポイントでもあると思うのですけれども、その辺をお聞かせください。
【市長】おっしゃったように、お城の入城者につなげると同時に街なかの回遊性を高めることによって相乗効果を是非生み出したいと思っています。そういう意味では今、桜の馬場の建設に併せてアクセス手段の見直しも行っているところであります。今は「しろめぐりん」を回遊させておりますけれども、新たにこの施設ができるということで「しろめぐりん」の見直しも併せて進めさせていただいている状況です。そうした中で相乗効果を生み出したいと思っております。
【記者】先般の渡り通路の議論の時にも若干話が出ていましたけれども、シャトルバスなどの導入を検討されているということでしたが、その辺の検討状況は。
【市長】ただ今申し上げた「しろめぐりん」の見直しとシャトルバスを、併せて検討を進めている状況でございます。まだ正式に発表できる段階ではありませんけれども、できるだけ早いうちに見直しの方向性を公表させていただきたいと思っています。特に「しろめぐりん」につきましては、回遊性の向上とともに新たな観光ルートの開拓にもつなげなければならないと思いますので、できる限り早く公表させていただいて、そのルートにはどういう魅力があるということをしっかりPRしていく必要があると思っています。
【記者】開業日ですが、オープン予定日は3月5日となっていますけれども、これはなぜ3月5日なのでしょうか。
【市長】基本的には新幹線の開業が今のところ3月と言われております。ですからどんなに遅くとも新幹線開業には間に合わせなければという思いがございました。3月5日といいますと第1土曜日ですので、新幹線の開業が何日になるのかまだ分かりませんが、少なくともこれより前になることはないだろうと。新幹線開業までには間に合うだろうということで設定させていただいたというものであります。
【記者】(新幹線の)開業前ということですね。
【市長】開業した時にまだオープンしていないという状況だけは、何としても避けなければならないと思いましたので、この日を設定させていただきました。

【質疑応答:参議院議員選挙開票事務について】

【記者】参議院選挙の開票事務のことです。予定時刻よりも1時間半、2時間と大幅に遅れましたけれども、理由は事前にある程度分かっていた「本田さん」という同姓の方が2人いることに関して、対策が十分ではなかったという指摘もありますが、市長はどうお考えでしょうか。
【市長】開票事務につきましては、昨年度の衆議院選の時にいろんな問題が浮上し、また厳しい指摘も受けたところでございますので、その時のことを教訓として今回の参院選に臨んだところでございます。そういう中で目標時間よりも2時間、大幅に超過し、大きな目標が達成できなかったということにおきましてはさらに反省しなければならないと思っております。
 ただ前回の指摘の中でのいろんな問題点につきまして、そのことは今回の参院選では大部分が改善されたのではないかと認識しております。しかしながら今お話がありましたような疑問票の取り扱いにつきまして、もっといろんな事前の想定や準備が必要だったかという反省が残りましたので、ここを教訓として次につなげたいと思っております。

【質疑応答:合同庁舎B棟の建設凍結について】

イメージ

【記者】参議院選のさなか、合同庁舎の要望で国交省へ行かれました。国のほうは「ねじれ国会」になったことで今後どうなるか分かりませんが、出先機関の縮減ということでアクションプランの策定がこれから進んでいかなければならないところもあるのかもしれませんが、その後のB棟の状況を改めてお願いします。
【市長】その後の状況ということですが、A棟につきましてはご承知のとおり内装工事が再開されまして、10月完成を目指しているところであります。入居官署につきましては九州財務局をはじめ6官署が今年12月以降、今年度末までに入居し、来年4月から業務を開始されると伺っております。
 一方、問題のB棟についてでありますが、国の出先機関の見直しが検討されております中、建設工事はストップされております。A棟と同じく熊本駅周辺の街づくりの核となる施設でもありまして、本市としては中止ではなく、あくまでも中断と認識しております。今後も新熊本合同庁舎が計画通りに整備されますように、国に対して働きかけを行いたいと考えております。そういう中で先般も知事と要望活動を行わせていただいたということであります。
 重なりますが、その時にも「何も国の出先機関の見直し自体を否定するものではない」と申し上げました。しかしながら出先機関の見直しにおいても、そんなに短期間でできるものではない。1、2年でできるものではないと認識しております。相当期間がかかると認識しております。そういう中でいつまでも現在の状況が続けば、熊本駅周辺のまちづくりの核となる事業でもありますので、熊本駅周辺整備にも大きな影響を及ぼすということと、同時に現在の合同庁舎がそのまま残ることになると、先ほどご紹介しました桜の馬場城彩苑、ここは今の合同庁舎のエリアと一体的な整備活用を考えておりましただけに、こちらにも大きな影響を及ぼすという熊本市の事情も併せて説明させていただきました。国におきましても新成長戦略を掲げておられ、地域における活性化や国有財産の活用という観点からも私どもが今進めようとしている取り組みは合致するのではないかといったことも申し上げてきたところであります。
 いずれにしても今の凍結状況をできるだけ早く解除していただいて、前進していただきたいと思っています。
【記者】リアクションはいかがなものだったのでしょうか。
【市長】リアクションにつきましては、それぞれから明確な答えは残念ながらいただけませんでしたけれども、ただ熊本市の事情なり成長戦略としての位置づけという部分につきましては深い理解を示していただいたいと感じております。そういう中で期待をしている。できるだけ早くB棟が再開することを期待しているものであります。

【質疑応答:政令市移行に伴う権限移譲の協議について】

【記者】政令市移行に伴う県との権限移譲の進捗状況と、国との事前協議について現在の状況について教えてください。
【市長】県との権限移譲についての状況でありますけれども、昨年10月27日に県市連絡会議を設置しておりまして、それ以降、連絡会議の中の部門ごとの分科会において県市の担当部署同士の協議を進めているところであります。
 そして12月までには分科会での大半の協議を終えまして、現在、本市政令市推進室と県の市町村総室を中心に、県市の管理部門ワーキンググループにおいて継続協議事務の課題整理や移譲の可否判断などを行っているところであります。また、これまで2回の県市連絡会議幹事会を開催しまして、協議状況の確認や、それまでの課題について協議・調整を実施しているところです。
 現在本市が実施する方向で協議を行っている事務等について整理をし、第4回熊本市政令指定都市推進本部において報告したところであります。本市が実施する方向で協議を行っている事務は343事務のうち270事務、全体の約8割。引き続き県市間で協議を行う主な事務としては、一級河川及び二級河川の管理等に関する事務、連続立体交差事業に関する事務、都市公園の管理・改築・修繕等に関する事務などについて継続的な協議を行っている状況であります。
 今後のスケジュールでありますけれども、今年の秋口、10月頃には事務移譲に係る県市基本協定を締結したいと考えているところです。
 それから国との協議状況についてですけれども、まず第1回目は挨拶も兼ねて4月27日に訪問させていただいております。第2回目は6月28日に訪問し、挨拶も含め協議を実質的にスタートしたという状況でございます。今後のスケジュールについては、先例を見てみますと、市議会での政令都市実現に関する意見書の議決が行われ、県議会でも同様の意見書の議決が行われました後に総務大臣への要望がなされている状況です。要望書の提出でありますが、政令市に移行するための条件として県と市の意見が一致していることが必要であり、市議会及び県議会全体が政令指定都市に向かって取り組んでいる姿勢を見せる機会でもあると捉えています。そういう意味では、総務省への説明・要望につきましても県とともに行動させていただいているところであります。
【記者】県との権限移譲の中では、県の借金を熊本市がどれだけ受け継ぐかということも出てくると思います。今の協議状況がどうなのかということと、以前、政令市移行に伴って30~40億円の財政特例措置による財源の余裕が発生するという発表があっていると思いますが、今後政令市移行に伴う財政の見通しがいつ頃出るのかということと、以前30~40億円と言われた財源の発生が今の状況の中で出ると見ていらっしゃるのかをお聞きしたいのですが。
【市長】現段階におきましてまだ全ての移譲事務が確定しておりませんので県の債務引継ぎ額についても決定していない状況であります。先ほどの事務移譲の可否と並行して、今後県市の両財政課を中心として集中的に協議を行う予定であります。
 先ほど政令市に移行した場合の財政見通しのことについても触れていただいたところでありますけれども、そうしたことがどの程度実現できるのかということにつきましては、先ほど申し上げました事務移譲については今年の秋口に県市基本協定を締結したいと考えておりますので、そのころまでには当然債務引継ぎのことに関しても確定させ、そのことによる本市財政に与える影響も公表することになろうかと思います。
【記者】中間発表のようなものはないのですか。
【市長】中間発表ができる状況にありますか。(事務局に確認)
【事務局】(財源につきましては)中間発表は難しいです。
【市長】権限につきましては中間発表をさせていただく予定ですが、財源につきましては先ほど申し上げましたようにこれから財政課と集中協議ということになりますので、中間発表はなかなか難しいかと思います。
【記者】今の感触で借金がさらに増えそうなのか、それよりも財源の余裕が出そうなのか、その辺の見通しは。
【市長】基本的にはその事業を引き継ぐことになりますので、当然それには債務もかかることは認識しております。ただどの程度の額が妥当なのかは個別に協議しなければならないと思っています。債務については県にしても市にしても少ないほうがいいと考えるのは常ではないかと思いますが、ただ、それぞれの財政事情というのではなく、県民市民の皆様に理解していただくような協議の決着を見なければならないと思いますので、そこはしっかりと協議を集中的に行っていきたいと思います。
【記者】確認なのですけれども、債務の引き継ぎで一番大きな項目として上がっているのは連続立交(連続立体交差事業)と捉えてよろしいのでしょうか。
【市長】債務と言うよりも事業規模として大きいものは…(事務局に確認)
【事務局】債務の引継ぎに関しては連続立体交差事業は関係ありません。道路関係です。国県道路整備についての債務だけです。
【市長】あと河川は。
【事務局】河川の管理と連続立体交差は任意の部分ですので、それは関係ございません。
【市長】国県道が中心となるということであります。
【記者】連続立交は負担金の割合の見直しと捉えればいいのですか。
【市長】担当のほうからお願いします。
【事務局】連立についての財源は、県市の負担割合をどうするかというところが焦点になってくるかと思います。
【記者】30~40億の財源の余裕が出るという試算が前に出たことは、今の段階ではどう捉えるといいのでしょうか。
【事務局】昨年、想定で試算してお出ししましたが、その時はお互いにこういう仮定で出しましょうということで出したわけで、今回改めて協議する際にはその時の想定は一切ない状態でやっていますので、どういう債務の引継ぎ、県の単独事業の取扱い、あるいは宝くじの配分をどうするか、いろいろ財源上の大きな問題がいくつかあります。それがどう決着するかで大きく変わってきますので、現時点でどうというのはなかなか申し上げにくいところです。
【記者】これも先行政令市、例えば新潟市では余裕が出るという見方をするところがあったり、一方静岡市ではトントンだという見方、事務を引き継ぐ分、財源も負担なのでそんな余裕は生まれないという見方だったりしますが、市長自身はどんな感じだと思っていらっしゃいますか。
【市長】市として試算とはいえ公表させていただいておりますので、やはり私どもとしては念頭において協議・交渉しなければならないとは思っております。試算につきましても、市で勝手に出したものではありませんので、県とある程度の協議をした上で試算について公表しておりますので、先ほどその前提は抜きにして協議をするという説明もありましたが、1つのベースとして試算があるということはお互いに認識した上で協議を進める必要があるのではないかと私は思っております。
【記者】政令市になることで、市民の方々は財政状況がどうなるのかなということは一番関心のあるところだと思うのですが。
【市長】先ほども申し上げたように、県と市で互いに押し付けあいのような形にならないようにしなければならないと思います。ですから県民市民の理解が得られるような協議にしなければならないと考えております。

【質疑応答:区バスについて】

【記者】2点ありますが、まず政令市がらみで1点。区割り方針が決定して2カ月が経ちますが、区バスのルートは今どのあたりまで進んでいるのでしょうか。
【市長】区バスのルートについてですが、今内部におきまして検討を進めている状況であります。基本的には既存のバス路線や鉄軌道、公共の交通路線を生かしつつ、新たなポイントとしての区役所を考え、その中での移動しやすい環境はどうあるべきかということを内部で検討を進めている状況であります。
【記者】具体的なルート設定はまだ先でしょうか。
【市長】まだそのような段階までには至っておりません。

【質疑応答:国民健康保険料について】

【記者】もう1点ですが、熊本市の国保料が高いということで引き下げを求める署名運動が市役所前でなされていると思うのですが、目標とする10万人の署名が集まった場合、市長としてはどう対応するお考えでしょうか。
【市長】国保につきましては、ご承知の通り健全化計画を策定し、その見直しを行い、その中で一般会計からの充当、繰り入れを増やし、増額したという状況にあります。それと同時に徴収率向上に向けても取り組んでいる状況です。国保の仕組み上、国保料を引き下げることはなかなか難しいのではないかと考えておりますが、やはり現実的な負担感等も考えて減免対象の拡大や様々な取り組みを進めておりますので、その取り組みをしっかりと周知することで、そうした負担感の急激な増大に対する緩和を進めなければならないと思っております。
【記者】今ある制度の周知徹底をして利用してもらう考えはあるけれども、新たに引き下げることは現実的にないということですか。
【市長】新たな引き下げは、なかなか現実的には困難であろうと考えております。

【質疑応答:政令市移行後の教育体制について】

【記者】政令市がらみなのですけれども、熊本市教委の権限が政令市になると大きくなると。独自に採用の教員の人事権と採用ができるようになるとのことですが、先行政令市の場合いろんなケースがあるようですが、市長としては権限が移譲され熊本市独自の教育体制を築きたいと思っていらっしゃるのか。あまり独自性を発揮すると県教委採用の教員との差が出てくるので現状維持で行きたいと思っていらっしゃるのか。今の時点でのお考えをお聞かせください。
【市長】このことは教育委員会で協議をしている状況だと思いますけれども、私の考えは、教育問題につきましては市独自でも35人学級を県に上乗せする形で小学校3年生4年生、あるいは中学校1年生に導入してきたということもございます。あるいは教頭先生(中学校)が授業を持たなくていいような、教員の雇用等も市独自で行ってきたということもございました。
 政令市の権限移譲によってそうした市独自の取り組みがさらにやりやすくなるのではないかということ。そのことについては大変期待しておりますし、独自性をさらに発揮してもらいたいという期待も持っております。しかしながら県全体のバランスというものも一定の考慮はしなければならないと思いますので、今それぞれの教育委員会同士でそうしたことも念頭に置きながら協議を進めておられるのではないかと考えております。
【記者】今の時点では採用を市が独自で行うという考えは。
【市長】まだ正式にそのような報告を受けているものではございません。協議中の項目の1つだという認識でおります。

【質疑応答:次期熊本市長選挙について―1】

【記者】市長が今年11月の次期市長選への出馬を表明されておよそ1か月経ちますけれども、参議院選挙があった要因もあるかと思いますが、その後名乗りを上げる候補者は今のところいらっしゃいません。一部会派は候補者擁立に動いているのですが、他の会派も含め表立った動きはありません。この状況を市長はどう受け止めていらっしゃるかということが1点。それと選挙戦に向け市長がされている政治活動は。また各政党に対して等距離ということを再三おっしゃっていましたけれども、各政党会派が市長支持を表明された場合、どのような対応を取られるのか。仮定も一部入りますけれども、その3点をお尋ねさせてください。
【市長】まず1点目、今の状況をどう捉えているのかということですが、私は次の11月の市長選に出馬すると正式に表明させていただきましたので、そこに向けた準備も着実に進めていきたいと考えております。その準備というのが2点目のお尋ねにも関わってくるのではないかと思いますが、後援会の方や主だった方への次期市長選出馬に向けた挨拶を行いましたり、公約の柱や公約の完成形に向けてもその準備を進めなければならないと思いますので、これまでの検証と併せて、公約づくりも進めているといった状況でございます。
 ですから自分自身はもう次に向けてということに集中しておりますので、他の候補者がどうのこうのということはあまり考えずに、自らがやることをきちんとやるということに全力で取り組んでいる状況であります。
 それから2点目の各政党・会派との距離感ということですけれども、これまでも繰り返し申し上げておりますように各政党とは等距離であることが首長としては望ましいという考えは、今も全く変わることはございません。これは昨今の国政状況を見ても痛感しているところです。そのスタンスは保ちながら、しかしながら次に向けた思いの説明はいろいろな方にしなければならないと考えております。
【記者】次に向けた思いというのはどういう形でされるのですか。会派ごと、それとも個人的に。
【市長】そこまで詳細に考えているものではありませんが、例えば会派でありますとかあるいは政党でありますとか、そういうところにはきちんと説明しなければならないだろうと考えています。

【質疑応答:重点港湾について】

【記者】熊本港についてお尋ねなのですが。重点港湾について1県1港ということが出て、八代と熊本が綱引きのような状況になりつつあるのですが、この前県知事のほうにも要望に行かれていますけれども、熊本の場合は熊本と八代の2港が役割分担しながら2港での指定をというスタンスのようです。
 まずは重点港湾に対する考えと、熊本市における熊本港という社会基盤をどう活用していくか。これは熊本港ポートセールス協議会会長というお立場でもあるでしょうから。コンテナ、旅客、どのように考えていらっしゃるか。
【市長】1点目なのですけれども、「綱引き」という話がありましたが、私は何も綱引きをしているつもりは全くありません。その前段としての1県1港という発想自体がほとんど意味のない、理屈のないことではないかと考えています。あの発言が出る前に、重点港湾が今100いくつあるのでしょうか、それを40港程度に絞って集中的に投資していくという発言の中で、いくつかの基準をおっしゃいました。1つは取扱量、2点目は現状の取扱量だけではなくポテンシャル、潜在力がどれだけあるのか。それから3点目が拠点性ということを挙げておられました。
 取扱量は現在55~56番目だったと思いますが、熊本港よりも上位のところで既に新たな投資の必要がない所が10港程度ありますので、それを除いたとすると45~46番程度、40番に限りなく近付いていくということ。
 それからポテンシャルという意味では熊本都市圏に港を使って荷の出し入れをする多くの企業がありますので、まだまだかなりのポテンシャルがあります。
 拠点性という意味では今回の政令指定都市への移行や、新幹線開業も拠点性を高めることになるのではないかという話もして、重点港湾40港の中に熊本市も十分入るのではないかということを国に説明している状況であります。
 そのことは性格の異なる八代港との相乗効果を生み出すこともできるのではないかという説明もしているところでありますので、1県1港というのがどれだけオーソライズされたものか分かりませんが、私どもとしては熊本港も重点港湾の資格ありという説明をしっかりとやっていきたい。そして認められるようにあらゆる活動を行いたいと思っています。
 それから熊本港の位置づけに関しましては、今後東アジアに向けて展開する上において貿易関係という意味におきましても、あるいは旅客という意味におきましても、現在クルーズ船の話もありますけれども、そうしたものへの対応という意味においてもう少し整備を進めていただければチャンスも大きく広がると思っておりますので、これから熊本市の展開、とくに東アジア等での展開を考えた時に熊本港もしっかり位置付けたいと思っております。
【記者】政令市の事務移譲では熊本港関連もあるのでしょうか。任意なのかどうなのか分かりませんが、熊本港関連の項目も事務協議の項目の中に入っているのでしょうか。
【事務局】任意です。
【市長】熊本港の位置づけについては県のほうでもしっかりと位置付けているという認識でおります。ですから今回、ガントリークレーンの設置にも踏み出されていますし、もっと熊本港を活用しようということだと思いますので、県ともしっかり連携しながらさらなる整備につなげていきたいと考えています。

【質疑応答:次期熊本市長選挙について―2】

イメージ

【記者】先ほど市長選の話が出たのですが、その中で「次に向けた思いを各会派に説明してまわる」という話がありました。まわる理由というのはどういうことですか。説明する理由は。
【市長】やはり、より多くの人たちに自分の思いを伝えることは重要だと思っています。それは各会派や各政党の人たちにも同じようなことがいえるのではないかと思います。説明するタイミングでありますけれども、現時点では基本的な考え方を示し表明させていただいたというところであります。今後は公約の柱立てをするなり、あるいはもっと詳細な公約を作るなり、という段階に進んでいくと思いますが、どの段階で説明するかを決めているものではありませんが、いずれにしてもそうした説明は必要だろうと思っています。
【記者】その説明は市議会のすべての会派・政党ということですか。
【市長】できる限り広くとは思っております。

(終了)

このページに関する
お問い合わせは
政策局 秘書部 広報課
電話:096-328-2043096-328-2043
ファックス:096-324-1713
メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 
(ID:1657)
※資料としてPDFファイルが添付されている場合は、Adobe Acrobat(R)が必要です。
PDF書類をご覧になる場合は、Adobe Readerが必要です。正しく表示されない場合、最新バージョンをご利用ください。
〒860-8601 熊本市中央区手取本町1番1号 代表電話:096-328-2111(代表)096-328-2111(代表)
[開庁時間]月曜~金曜日の午前8時30分~午後5時15分(ただし、祝・休日、12月29日~翌年1月3日を除く)
copyrights(c) 2013 Kumamoto City Allrights Reserved