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第3回定例会後市長記者会見(平成22年)

最終更新日:2010年10月13日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【はじめに】

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 本日は第3回定例会終了直後でありますので、「議会を終えての所感」を述べさせていただいた後に、2点発表させていただきます。

【市長所感:第3回定例会を終えて】

 まず定例会を終えての所感でありますが、補正予算、条例など提案した議案につきましては慎重にご審議いただきました結果、一部修正を含めすべて可決いただいたところであります。
 今議会では、次年度予算の編成作業前に予算決算委員会で決算審査を行う初めての議会でもあり、会期も35日間という大変な長丁場でございました。まもなく平成23年度の予算編成作業に入ることになりますが、平成21年度の決算収支状況や事業の課題等に関してさまざまな意見をいただいておりまして、指摘を受けた点を踏まえ、「もっと暮らしやすさを実感できる都市」の実現に向け、しっかりと予算編成に取り組んでまいりたいと考えております。
 また市長2期目最後の議会ということもございまして、2期目の評価や検証、さらには3期目に向けた決意・公約等についての質問もいただいたところであります。本市は、来年以降、九州新幹線の全線開通や政令市移行といった新たなステージに移る段階であると考えておりまして、このことを踏まえ、3期目も本市のまちづくりに挑戦する決意を表明させていただいたところであります。
 このほか、政令指定都市移行を見据えた本市の都市戦略や東アジア戦略、来年3月の九州新幹線全線開業へ向けた熊本駅周辺整備に関する質問をはじめ、観光振興策、さらには子育て支援や、ごみ減量・リサイクルの推進など、市民生活に身近なさまざまな話題から、本市の将来を見据えて今なさなければならない課題まで幅広いご議論をいただいたところでもあります。今議会で指摘をいただいたご意見・ご要望等については、それぞれ真摯に受け止め、今後の市政運営・まちづくりに活かしていきたいと考えております。
 以上で第3回定例会を終えての所感を終わります。続いて2点発表させていただきます。

【市長発表:東アジア留学生インターンシップ研修受入事業について】

 1点目は、東アジア留学生インターンシップ研修受入事業についてであります。お手元に資料も配ってあるかと思います。来週、10月12日から今月末までの期間、中国上海の名門大学でもあります復旦(フクタン)大学大学院で公共政策を学ぶ社会人学生3名が、熊本市役所におきまして行政研修を開始することになりました。これは本市が今年度から東アジア戦略に基づき、「東アジア留学生インターンシップ研修受入事業」として行うものでありまして、東アジア各国の将来有望な大学院生等をインターンシップ研修生として受け入れまして、市役所での研修を通じて熊本市の特徴や魅力に対する理解を深めることによって、帰国後の情報発信及び将来にわたる人的ネットワークの構築に繋げることを目的としております。
 本事業は、本市と高等教育コンソーシアム熊本が連携して行うものでありますけれども、本年度は復旦大学と交流のある熊本大学を窓口に3名の大学院生を受け入れるものであります。3名は、非常に優秀な大学院生でありますけれども、既に社会人としても各方面で活躍しておられると聞いておりまして、本市としても研修の受け入れを楽しみにしておりますとともに、将来の本市と東アジアの交流・連携に貢献いただけるのではないかと期待しているところであります。また、昨今、両国間の緊張関係も高まっている中、こうした自治体外交や大学間交流が行われるということは、大変意義があるのではないかと考えております。

【市長発表:「市電移動円滑化整備計画」について】

 続きまして2点目でありますけれども、「市電移動円滑化整備計画」についてであります。これもお手元に資料が配ってあるかと思いますが、来年3月の九州新幹線全線開通にあわせて、本市を訪れた観光客の皆様にわかりやすく、利用しやすい市電といたしますために、運行系統の名称変更と色分け、また、電停名称の見直しとナンバリングについて検討を進めてまいりました。このたび8月のパブリックコメントや今議会などでいただいた多くのご意見を踏まえまして、計画を決定したところであります。
 運行系統の名称及び色分けにつきましては、現在の田崎橋~健軍町の「2系統」を「A系統」としまして、赤色で、さらには上熊本駅前~健軍町の「3系統」を「B系統」として青色で表示させていただくこととしております。また、電停の名称についてでありますが、現行の「熊本城前」を「花畑町」、「市役所前」を「熊本城・市役所前」といたしますなど、全部で6箇所の電停の名称を変更することとしました。
 さらには、各電停にナンバリングを行うこととしておりまして、田崎橋の1番から健軍町の26番まで番号をつけることにしております。また、上熊本駅前から西辛島町にかけてはB系統だけでありますので、頭に「B」をつけて「B1」から「B9」とアルファベットと数字の組み合わせといたしました。詳細はお手元の資料をご覧いただきたいと存じます。今後、電停名称板などのデザイン変更に着手いたしますとともに、市民や観光関係者等の皆様への周知等を行い、来年3月1日から、新しい電停名称で運行したいと考えております。
 以上で所感と発表を終わらせていただきます。

【質疑応答:東アジア留学生インターンシップ研修受入事業について】

【記者】東アジアの留学生を受け入れるインターンシップ事業ですけれども、市役所でインターンをしていただくということですが、こちらから派遣して中国の行政を学ぶなどの事業につなげていく展開まで見込んでのことなのですか。
【市長】今のところそこまでは考えておりません。あくまでも受け入れを考えているところであります。このことにつきましては、先ほども申し上げましたように、熊本市とコンソーシアム熊本との共同事業で取り組んでおりますし、また昨年だったと思いますけれども、私が中国を訪問した時に復旦大学を訪ねさせていただいた中で、改めてそういうお話もいただいたところでもありますし、熊本市としてそういう役割を果たすことができればということで、前向きな回答をさせていただいたところであります。
 復旦大学は中国の中でもトップレベルの教育と研究水準を誇るということでありますし、中国国内においてトップクラスの立場に立たれる方も非常に多い大学だと聞いておりますので、そういう意味では今回の取り組みが将来の熊本に必ずやプラスになるという思いで取り組ませていただきたいと思っております。
【記者】今の話ですが、復旦大学側からアプローチがあって実現したということでしょうか。
【市長】復旦大学と熊本大学とが、もともと大学同士の姉妹提携をされていました。そういう中で両者から持ち上がってきた話だと伺っております。その受け皿として私どもが是非やらせていただきたいということで進んできた話です。ですから、復旦大学から持ちかけられたのか、熊大から提案されたのかは把握しておりませんが、大学間から出てきた話です。
【記者】今の東アジアの件なのですけれども、インターンシップでは熊本市役所でどういったことを研修されるのかということと、こういう受け入れはほかの自治体でも盛んに行われていることなのかをお尋ねしたいのですが。
【市長】今回の研修生3名は、復旦大学大学院において公共政策を専攻する社会人学生で、実際に働きながら学ばれている方です。それぞれの仕事といたしましては、出入国検査検疫管理局、新聞社、企業に勤務されておられ、いずれも将来を嘱望されている30歳前後の女性ということであります。
 研修内容については、研修生が希望する部局を中心といたしまして、日本の市役所業務全般、あるいは施策について学習していただくとともに、各部局において意見交換を行うことにしております。
 例えば市政の概要や総合計画、あるいは地方自治制度全般に関する研修、市民窓口や工場などの視察のほか、本市の東アジア戦略に関する意見交換、ホームページ・印刷物等の広報内容に関する意見交換等々の企画をしているところです。
 他の自治体においてどうかということですけれども、何か把握していますか。(事務局に確認)
【事務局】私どもで把握している限りでは、こうした長期の受入れのことはお聞きしておりません。

【質疑応答:「市電移動円滑化整備計画」について】

【記者】市電の電停の名称についてなのですけれども、前にパブリックコメントの募集をされていたと思いますが、その上で元の案から変更したところはあるのでしょうか。
【事務局】最初、「神水橋(くわみずばし)」の電停を「神水」ということで素案を示させていただき、パブリックコメントで意見募集をし、「神水・市民病院前」とさせていただきました。
【市長】それはパブコメの意見を踏まえた上で、素案から変更したということであります。
【記者】その1件だけですか。原案通りになっていないのは。
【事務局】もう1点ございまして、運行系統ですが、素案では当初「Aライン・Bライン」と示させていただきましたけれども、やはり「A系統・B系統」がいいというご意見をいただきまして、変更させていただいております。その2点でございます。
【記者】「ライン」よりも「系統」がいいということですか。
【市長】分かりやすいということだと思いますけれども。
【事務局】日本語で言う時には「A系統・B系統」がいいということで、英語表示の時には「A Line(ライン)・B Line」とさせていただくということです。
【記者】パブリックコメントでそういう意見が多かったということですね。
【市長】多かったということではないわけでしょう?(事務局に確認)
【事務局】多かったというほどではなかったのですが、(「系統」のほうが)いいのではないかと。
【市長】なるほどなということで変更したということです。
【記者】わかりました。

【質疑応答:桜の馬場城彩苑周辺の整備について】

【記者】今日可決された予算案の中で、城彩苑周辺のお城の環境整備の経費が可決されました。改めてこの城彩苑周辺の周遊バス等を拡充するメリット、それから当初は渡り通路という案を出されていましたけれども、議会側の反対を受けての新たな案として可決されたことへの所感をお願いします。
【市長】桜の馬場城彩苑は、熊本城の魅力をさらに引き立てるものでもあると思っていますし、さらには熊本城と街とをつなぐという意味におきましても大変重要な施設だという位置づけを持っております。そういう意味では頬当御門や城彩苑から街へとつないでいくこのルートをいかに構築するかが、私どもにとってさらなる課題でありました。
 お城と城彩苑をつなぐという意味においては、今もお話がありましたように、渡り通路を提案していたわけですが、残念ながら認められなかったということもありまして、それを補うということで先ほどのシャトルバスでありますとかその他のバリアフリー化に取り組ませていただいたところです。
 さらには「しろめぐりん」のルート見直し等も行うことによって、熊本城・桜の馬場と街との移動が今以上、格段にしやすくなるのではないかと期待しています。桜の馬場城彩苑の完成がそこにとどまることなくいろんな意味で波及効果が広がっていくことを期待したいと思っています。
【記者】観光客のメリットとしては特にどういった点が変わるのでしょうか。これまでと比べて、お城に入って来られる観光客の方の利便性としては。
【市長】今の移動の話だけではなくてもよろしいでしょうか。これまで観光客や旅行会社の方から指摘を受けていたことは、団体で来た場合に食事をするスペースが欲しいとか、あるいは土産物をもっと充実して欲しいですとか、そういう声は以前からいただいていました。それを踏まえて今回完成したということ、これは多くの観光客にとって、熊本城に来て食事をしたりお土産を買ったりすることにつながるということ。これは観光客の皆様方にとっても喜んでいただけるのではないか。私どもにとっても大きなメリットにつながるのではないかと期待しているところでもあります。
【記者】観光客の方の移動手段としてのメリットは。
【市長】移動手段としては、先ほど申し上げましたようなシャトルバスや「しろめぐりん」の見直しを行ったりとか、先般発表された「みずめぐりん」や「もりめぐりん」も城彩苑を通ることになるかどうか協議中ということでございます。いずれにしてもそこを拠点としていろんな所へ行きやすい環境をつくることによって、観光で熊本を訪れた方がいろんな所を楽しめるツールを数多く設けていきたいと思っています。
【記者】関連で駐車場の問題なのですけれども、合同庁舎の移転が現状として不透明な状態ですが、それについての目途はあるのでしょうか。
【市長】合同庁舎移転の目途が立っておりませんので、当面は桜の馬場の中の駐車場と、基本的には二の丸公園の駐車場を併せて利用するのが基本になるのではないかと思っております。

【質疑応答:政令市移行に伴う権限移譲について―1】

【記者】政令市移行に伴っての事務移譲が303事務ということで、ほぼ決定というか大筋で合意がありました。303事務が決まったことについての市長の感想と、県議会の中でも連続立体交差事業については市に移るわけではなく県7市3の負担のままということになったことについて、負担の割合を見直した方がいいのではないかという話も出たとの報道もありました。そういったことについて市長はどう感じていらっしゃるのか。お願いします。
【市長】県から市への権限移譲につきましては1年近く協議を重ねてきたところでありますけれども、ようやく全体がまとまりつつあるところで、長い作業ではあったのですが、ここまで至ったことに対してはいろんな方々に感謝を申し上げたいと思います。あとは協定締結までいくつか残された調整を行った上で、今月中には協定締結に至りたいと思っています。
 連続立体交差事業のことにつきましては、確かに県議会の中でいろいろとご意見もあったと伺っておりますが、再度県のほうからご説明されると伺っておりますので、その状況を見守りたいと考えております。
【記者】連続立体交差事業については、市長は以前の会見で「前向きに引き受ける方向で協議を進めたい」という趣旨のことをおっしゃっていたと思うのですけれども、結果的には引き継がないという結論に至ったことについて市長がどう捉えていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
【市長】確かに、基本的には連続立体交差事業も受けることができればという思いの中で協議を進めてもらったところです。ただ最終的に財源をきちんと確保することがなかなか難しいということや、あるいは連続立体交差事業がここまで進んでおり、完了まで新幹線開業からあと8年程度かかるという中で、少しでも早く終わらせなければならない事業だと考えておりますので、ここはいろんなことを考えた上で、県で継続をしていただくということで合意を得たところであります。ただ今後も県市連携をしっかりと取っていく中で、駅周辺全体の整備は協力して進めていかなければならないと思っています。
【記者】引き継がない一番大きな理由というのは、財源面と捉えてもいいのでしょうか。
【市長】やはり財政的なことが一番の要因です。それからもう1点は、先ほども申し上げたように一刻の遅れも許されない事業であるという中で慎重を期したということもございます。
【記者】協議の過程では県市の負担割合は変えないという前提のもとで市のほうは協議を進めていたのですか。
【市長】駅周辺整備に関しては県市協定5:5を基本として協議を進めてきました。それ自体を見直すというものではないということですよね。(事務局に確認)
【事務局】全体が5:5というか1:1ということで考えてきたということです。その中で連続立体交差事業は7:3というのがありました。
【市長】駅周辺整備全体の事業費が5:5、1:1。そこについては基本的に残し、見直すことはないという前提で進めてまいりました。
【記者】1:1という枠組みは崩れたことになりますよね。
【市長】確かに今お話がありましたように、街路については市のほうで、これは法定(法令必須)になりますが引き継ぐことになりますので、当初策定した5:5から結果的にバランスが崩れていくのは間違いありませんが、ただ根底となる協定は基本的に変えないという姿勢で協議を進めてきたところです。
【記者】県市協定の覚書では、1:1という枠組みは今後見直しなど存在するということではないということでよろしいのですか。
【市長】協定の見直しまで考えているものではない、ということでいいですか。(事務局に確認)
【事務局】法令必須で当然動くものがありますので1:1自体は変わりますけれども、それは当然のこととして、それ以外のところで見直しは特に考えていません。
【市長】変化は確かにあるけれども、それを協定の見直しという形にするのかというところは、これから検討することになるだろうということです。

【質疑応答:合同庁舎B棟の建設凍結について】

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【記者】合同庁舎の件に話は戻ってしまうのですけれども、予算編成がどんどん本格化していく中で市長としては「粘り強く求めていく」ということでしたが、近く要請を行うなど具体的な動きがあれば教えていただきたいのですが。
【市長】確かにこの前もお答えしましたように、粘り強く働きかけていきたいと考えておりますが、今回、国のほうも大臣を含め政務三役も代わられたということですので、できるだけ早く上京し、現在の熊本市の状況や合同庁舎の早期移転の必要性は働きかけをしたいと思っておりますが、まだ日程等が決まっているものではありません。ただ県と連携して要望したいという話は、今進めているところです。

【質疑応答:政令市移行に伴う権限移譲について―2】

【記者】権限移譲のことで確認ですが、343の対象の中で303を引き継ぐということでした。市民から見て、これを引き継ぐことでのメリットの部分、効果がどう感じられるのか。それと先ほど連続立体交差事業のことがありましたが、40事務については引き続き県がやるということで、基本的にはこれは県がやったほうがいいという考えに至った理由を改めて教えてください。
【市長】市民にとってのメリットが何かということですが、総論的な話になりますけれども総合的な行政サービスが市で提供できることになるということが最大のメリットではないかと思っております。例えば分かりやすいことで言いますと、道路については、やれ市道だ、県道だ、国道だと分かれておりましたのがほぼ市でということになりますので、市民の皆様にとってもより身近な役所で対応できるということは大きなメリットにつながると思っています。
 ただそれがきちんとやれる市役所の体制作りを、平成24年4月の政令市移行を目指して、これからやっていかなければならないと思っています。
【記者】引き継いでいない残り40事務を、県が引き続きやるということとした理由は。
【市長】今回の権限移譲に対する考え方でありますけれども、基本的には市民の利便性の向上が図られる事務、あるいは事務の一元化や迅速化が図られる事務については前向きに移譲を受けようということで検討を進めてきたところであります。
 ただそういう中で、事務に見合う財源が措置されるのかどうかや、県からの人事交流等の支援をいただけるのか、そうしたところもポイントにおいて受けるかどうかの判断を一つひとつ行っていたところであります。
 結果的に受けないという判断をしたものに対しては、先ほど申し上げた前提としての財政・財源の問題ですとか、あるいは人的な問題ですとか、どうしても整理できなかったものについては今回移譲を受けないという判断をしたところであります。

【質疑応答:区名について】

【記者】区名についてのパブリックコメントの結果について、中間発表的な形でしたけれども、例えば北区がいいとか東区がいいとか、中には清正区もあったり、いろんな意見が示されて、市民にとっても非常に興味深い話だと思うのですが、そういう意見が出てきたことについて市長としてはどう感じられましたか。どういう名前が望ましいと思いますか。
【市長】どういう名前が望ましいかは審議会に委ねておりますので、今私が申し上げるのはよろしくないかと思います。ただ、一つ感じておりますのは、8,599件という大変多い応募をいただいたことであり、例えば先行政令市と比較しても大変多いというのは、熊本市民の皆様の関心がいかに高いかということの表れではないかと思っております。そのことについては大変ありがたい、喜ばしいことだと思っています。

【質疑応答:政令市移行後の財政試算について】

【記者】今議会中に、政令市移行後の財政見通しが熊本市と県で出ました。結果を見ると県も市もどちらも留保財源が出るということでWin・Winというか、数字上はそうなったと思うのですけれども、それほど政令市がバラ色なのか、本当にその通りになるのかと疑問を持っている人も中にはいるかと思います。あの数字を見て、本当にそうなるのかという財政上の不安点などは全くないのですか。
【市長】私も含めて市役所の中で「政令市になればバラ色の未来が待っている」と言った者は誰もいないのではないかと思っています。やはり合併協議の中で、政令市に移行した際の財政はどうなるのかと相手町から求められ、試算として出したものが1つのベースとしてありました。
 そして今回、事務権限移譲がある程度まとまってまいりました中で、改めて試算したところ、合併協議途中のものを上回る留保財源が見込めることは、前回出した試算にそれほど大きな狂いはなかったと言えるのではないか。その留保財源をいかに活用し、新たな政令市・熊本を飛躍させるか、まさにこれからが問われているのではないかと思っています。
 確かに変動要因はあります。それは地方交付税、民事財政対策債務も含まれております。この交付税あたりがどのような推移を示していくのか、国の今後の状況によっては変動要因となりますが、一定の条件は付した中での法の計画ですので、今回出したもの(留保財源の試算額)は見込めるのではないかと思っております。変動要因は確かにあるということです。
【記者】では今の時点で想定される変動要因は地方交付税の増減などということですか。
【市長】そうですね。今、国の一括交付金の話や全体的な地域主権の話の中で、国と地方との財源がどう変わっていくのか、なかなか見通せないところがあるのは事実です。ただいずれにしても、分権が進んでいったとしても地方の財源は確保されるように熊本市単独で、また来年度からは政令市の市長会に入っていくことになると思いますので、その中で声を上げていかなければならないと思っています。

【質疑応答:富合特例区について】

【記者】富合町との合併から2年が経ち、この2年間、合併特例区を設けて、今日は区長と協議会構成員が全員再任されました。住民の一部には「報酬が高額だ」という声もあるようですが、市長がこの2年間の特例区の事業・活動をどう評価されて、今後3年間の設置期間、どういう点に期待するのかを教えてください。
【市長】富合町の合併特例区の活動につきましては、それぞれ部会を設けられ大変活発に活動していただいておりますので、大変ありがたく思っているところであります。そういう中で、今日辞令交付をさせていただいたのですが、そこで「これまでも確かに頑張ってもらったけれども、今後はさらにこれまで以上の活躍を期待しています」と申し上げました。
 新たな変化としては新幹線の車両基地が出来てまいります。そこを核とした観光面や新たなまちづくりに取り組んでいかねばならないということや、さらには政令市移行の中で現在の富合総合支所を区役所として位置づけるということで準備を進めておりますので、富合地域だけではなく南の区としていろんな意味で新たな取り組みが必要になってきます。そういったことについて、これまで以上の働きを期待しますと申し上げました。
 報酬につきましては見直しをされていますし、その報酬に十分値する働きをしていただいているものと考えておりますし、くどいようですが、さらなる仕事を期待しているものでもあります。

【質疑応答:乳児遺棄事件について】

【記者】先日、子どもを産んだ母親が、産んだばかりの乳児をごみとして出し、東部環境工場に捨てられて遺体となって発見されるという非常にショッキングな事件がありました。その母親は死体遺棄で逮捕されております。その後の情報は報道を含め何も伝わってきていないのですが、やはり「こうのとりのゆりかご」がある熊本市で非常にショッキングな事件があった。この母親が「ゆりかご」の存在を知っていたのかどうか分かりませんけれども、「ゆりかご」があるこの熊本市でそういう事件が起きてしまったことを市長はどのように受け止めていらっしゃいますか。
【市長】遺棄事件について、その一報を聞いた時には大変驚きましたし、また大変悲しい気持ちにもなったところであります。どうしてそういう状況に追い詰められたのか。私どもとしましては、「こうのとりのゆりかご」の設置を契機とした相談体制の充実等にも取り組んできました。これは市だけではなくて県や慈恵病院とも連携する中で取り組んできましたので、そうした手段があるというところまでなぜ行きつかなかったのかという複雑な思いを持ったところです。
 ただ詳細につきましては現在捜査中ということですので、それ以上のことがコメントできる段階ではありませんけれども、私どもとしては相談体制の周知等につきましてはこれまで以上に強化していかなければならないのではないか。そんなことを教訓としたところであります。

【質疑応答:現代美術館による屏風絵破損問題について】

【記者】現代美術館の屏風絵変色問題のその後なのですが、修復の見通しや具体的なスケジュール、借りていた高知側との話は何か進んでいるのか、現在の状況を教えていただきたいのですけれども。
【寺﨑副市長】修復に向けて、現在、専門家の意見を伺いながら調査を進めているところでございます。先般、先方(高知県香南市)へ市長代理ということで私がお詫びに伺って、状況等の説明と謝罪に行ってきたという状況です。今後のことにつきましては誠意を持って所有者の方のご意向を聞きながら対応してまいります。
【記者】現段階で修復が可能であるのかなど、スケジュールは決まっていないのですか。
【副市長】決まっておりません。

【質疑応答:JRと新幹線沿線自治体との連携について】

【記者】新幹線関連で2、3お伺いしたいのですが、3月12日に開業が決まりカウントダウンボードで“西郷どん騒動”がございました。その図柄は最終的にくまモンに決まりましたが、この騒動をどのように見られたかという部分と、これで1つ透けて見えるのは、JRと市や県、地元自治体との連携や情報交換がきちんとされているのだろうかと思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
【市長】まず、“西郷どん”の一件については、このことによって今後さらに新幹線開業を見据えた時には連携を深めていかなければならない鹿児島と福岡の関係が悪くならないように、十分気を付けなければならないことだと思いました。何も西郷さんがいけないというものではなく、九州の一体感を表せるようなものがいいのではないかという意見を市のほうからは出させていただき、結果として、ああいったカウントダウンボードが出来上がったということです。
 先ほど申し上げましたように、これまで熊本市は鹿児島市さん、福岡市さんと3都市連携を結んで様々な事業に取り組んできました。これはやはり新幹線開業という時を見据えた中で連携事業を行い、交流を深めてきたということもありますので、今回の件によってお互いの感情悪化につながらないように、繰り返しになりますが、そこは十分配慮しなければならないと思います。
 2点目のJRとの連携ということですけれども、例えばトップ会議をJRの社長さんを含めてさせていただきましたり、新幹線の開業効果を上げていくためには、あるいは駅周辺整備をしっかりやり遂げていくためには、JRさんとの関係は不可欠ですので、これまで意を用いながらJRさんとの協力の中で様々な事業を進めてきました。ですから今後もますます、新幹線開業に向けて、あるいはその後も見据えながら連携は深めていかなければならないと思っています。
 今回の場合は少し連絡がうまく取れていなかったことは反省材料だと思っております。
【記者】県議会のほうで、沿線自治体とJRの関係について、JRに対して弱腰ではないかというやりとりがあったようですけれども、この新幹線整備には熊本市も含め沿線で負担して整備が進んでいる状況だと思います。そうした中で「みずほ」の問題が出てくるなど、もちろんこれはJRが事業主体ですので主体となって進むべきものなのでしょうけれども、沿線自治体としては遠慮があるような感覚もありますが、その辺はいかがでしょうか。
【市長】私自身としては決してJRさんに遠慮しながらいろんなことを進めているとは思っていません。先ほど申し上げたように、新幹線の効果をいかに熊本に引き込むことができるかという考えの中でJRさんには様々な場面で協力を求めたり、具体的に要望してきたりということは続けてまいりました。ですから今後もそういう姿勢で臨みたいとは思っています。
【記者】先ほど少し言いましたが、「みずほ」の件では熊本市も含めて「さくら」ということで準備が進んでいる中で、突然出てきたような感覚があって違和感を持たれたり、富合のほうでは「さくらちゃんがやってきた」という歌ができたり、地元では「さくら」で進んできました。
 そんな中3月12日に開業するという会見をJR西日本とJR九州とでされた時に、JR西日本の社長さんが「『みずほ』という名称について九州の自治体から困惑の声が出ている」と鹿児島県知事のお話をされましたけれども、それについて「原則『みずほ』で進めていきたいけれども、地元での反発が強いようであればJR九州と協議したい」と記者会見で答えられています。その点についてはどうでしょうか。今後要望する形があるのかどうか。
【市長】その違和感は伝えているところであります。先般、この14階ホールでシンポジウムがあった時に、(JR九州の)石原会長さんがいらっしゃいまして、例えばということで「スーパーさくら」ができないかという話が出ました。それをやるとシステム変更の費用がかなりかかるという話をしておられましたが、JRさんも鹿児島の声や熊本の声を受け止められて、何とかできないかと模索されているのだとは感じました。
 最終的には事業者のほうで決定することにはなるのでしょうが、そこには遠慮することなく言うべきことはしっかり言っていきたいと思っています。

【質疑応答:新幹線開業と定住人口増加対策について】

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【記者】熊本市の取り組みとしてあるのかどうかというお尋ねですが、沿線の玉名や部分開業している鹿児島県内の自治体などで定住化促進の取り組みを実施したり検討されたりしているところがあります。熊本市としてもこれから人口が減少傾向という流れの中で、西口では土地区画を進めていますが、人口定住化の取り組みを今後検討していくなど何かお考えでしょうか。
【市長】これまでも公約の話で言いますと、「日本一暮らしやすいまち」ということを掲げてまいりましたが、次の4年を見据えた中で「もっと暮らしやすさが実感できるまち」、これは議会の中でも答弁したところです。そうしたことを進めることによって定住人口の増加につながればと期待しているところではありますが、具体的な定住人口の策につきましても検討したいと思っています。
 明日(3期目に向けての公約発表会見時)は、もう少しそういう話もできるかもしれません。
【記者】新幹線に頼るということではなくて、全般ということですか。例えば新幹線通勤の方に定期代の補助を出すとか。そういったものも含めて?
【市長】そうですね、そういうことも考えておりますし…。
【記者】それも、明日ということですか。
【市長】はい。また明日。
(終了)

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