【市長発表:平成23年度予算編成方針について】
まず、1点目でありますが、平成23年度予算編成方針についてであります。10月19日に発表されました月例経済報告によりますと、「景気は、このところ足踏み状態となっている。また、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある」といった下方修正がなされております。県内においても、景気は緩やかに回復しつつあるが、雇用情勢は、熊本職安管内の有効求人倍率が8月現在におきまして0.56倍、前年同月比で0.11ポイント改善しておりますが、依然として厳しい状況であるとの認識を持っております。
このような状況の中、国の予算編成におきましては、「総予算の組替えで元気な日本を復活させる」との方針の下、予算の構造改革に取り組むこととされております。また、本年度の補正予算についても、今国会での成立を目指すなど経済対策についても早急に対応することとされているところであります。
一方、本市においてでありますが、本年3月に、ご案内の通り城南・植木両町との合併を実現しまして、来年3月には九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を控えております中で、新年度の当初予算は、政令指定都市移行に向けた基盤整備や保健福祉の分野などに多額な財政需要も見込まれているところであります。
そこで、平成23年度の予算編成においては、行財政改革計画の推進や、財政健全化に取り組み、引き続き徹底した選択と集中の考え方のもとで予算編成を行う。また、予算編成手法についても一部見直しを行い、限られた財源を最大限活用して効果的な施策展開を図ることとしております。
具体的には、歳出の抑制効果や要求側の選択と集中・経営的感覚の意識付けなどを活用するために、昨年度に引き続き、一部の経費について枠配分方式により前年度当初予算から5%削減することといたしております。ただし、これまでの予算査定の経緯を踏まえまして、個別に削減率を設定していた経常経費、政策的経費の間で事業費の融通を可能としたほか、維持補修費や債務負担行為により支払額がある程度確定しているもの、平成21年度の細事業評価の結果、「拡大・充実」が必要と判断された事業、さらには平成22年度の新規事業については1件査定とすることによりまして、先ほど申し上げました枠配分の対象から除くこととしております。
また、「再配分制度」を創設しまして、配分された金額の範囲内で要求を行なった局に対しては、削減額の1割を上限として再配分を行なうこととし、インセンティブを高めることも工夫したところであります。更に、「選択と集中の考え方」に基づき、都市ブランド力の向上や公共交通の利便性向上、雇用の拡大につながる産業支援など、「わくわくプロジェクト事業」における重点的・集中的な取り組みの推進に資する新規・拡充経費につきましては、別枠での要求を認めることとしております。また政令指定都市移行に向けた準備経費についても、別枠での要求を認めることとして、円滑な移行に向け万全の準備を行いたいと考えております。さらに、平成22年4月に施行された熊本市自治基本条例に謳われております「自治運営の基本原則」の3つの原則である「情報共有」「参画」「協働」を踏まえた予算編成に取り組むこととしております。
今後、国においては、子ども手当の取り扱いや一括交付金の導入などさまざまな見直しを行いながら予算編成が進められることとなるでしょうが、現段階では本市への影響は不透明なこともあることから、具体的な制度改正が確実なものを除きまして、現行の行財政制度を前提とした編成にすることとしております。
以上のように、平成23年度の予算編成においては、政令指定都市の実現を中心とした新たなくまもとづくりに向けて、財政健全化の推進とともに、わくわくプロジェクトを確実に推進するための予算編成を目指してまいりたいと考えております。
なお、記者会見終了後、予算編成方針の詳細につきましては担当課より説明させていただくことになっております。