【市長発表:「事務事業外部評価会議」の開催について】
それでは、早速ではありますが7月の市長記者会見を始めさせていただきます。本日は、2点について発表を行います。
まず1点目は、「事務事業外部評価会議」の開催についてであります。
今年度からの取り組みとして、本市の事務事業が、効果的・効率的に運営されているかなど公開の場で市民参加による議論を行い、その意見を聴くことにより透明性・信頼性の高い市政運営を図ることを目的として「事務事業外部評価会議」を開催いたします。具体的には、本市が実施しております事業の中から、必要性・有効性・効率性や社会・経済環境や市民ニーズに照らして検証が必要と思われる事業を選定し、外部の視点からのご意見をいただき、次年度以降の予算編成の参考にしたいというものであります。
また、市民の皆様方に、本市が提供している行政サービスの受益と負担の関係についても議論いただきますとともに、問題点や課題を明らかにし、共有できる機会としたいと考えております。事業の選定に当たりましては、予算規模が5百万円以上の事業の中から法定受託事業などを除いて、受益と負担の関係性をご理解いただきたいものや実施が長年継続し慣例化しているものなどの基準や観点から、お手元の報道資料のとおり12の事業を対象としたところであります。
この中で、例えば事例として少しご紹介しますと、国民健康保険会計繰出事業と地方バス路線維持費助成、この2つの事業を例にとりまして、考え方を簡単に述べさせていただきます。
まず、国民健康保険制度は、国民皆保険制度の基盤とも言える重要な制度であり、それゆえに安定的に継続していかなければならないものであることは申すまでもございません。運営は市町村が行っており、いずれも財政的に厳しい状況にございます。本市も同様でありまして、保険料収入の減少、医療給付費の伸び等の要因により、単年度収支の均衡が難しい状況にあります。
本市としましては、「国民健康保険会計健全化計画」の中で、医療給付費の適正化はもとより、収納率向上など国保財政の健全化に取り組んでいるところでありますが、さらに厳しい現状を踏まえ、本年度において一般会計繰入金の増額を含む「健全化計画」の抜本的な見直しを行っているところであります。こうした国民健康保険制度が抱えている現状や問題点を明らかにしたうえで、一般会計からの負担のあり方も含めて、いかに持続可能な制度としていくのか外部の視点でぜひ議論いただきたいと考えております。
次に地方バス路線維持経費助成事業でありますが、本市においては、これまでも将来にわたって利便性の高い持続可能な交通体系の確立を目指して、バス路線の再編に取り組んできたところであります。そして今後は、更に誰もが気軽に利用できる公共交通網の整備を図るため、現在設置を検討しております区バスをはじめとするコミュニティ路線の検討や(仮称)交通基本条例の制定など、様々な交通施策に積極的に取り組むこととしておりまして、本年度中には本市における「公共交通のグランドデザイン」の策定を予定したいと考えております。
本事業は、バス利用者数の減少により不採算路線が多数発生している中で、バス事業者の経営努力のみでは路線の維持が困難な路線を維持するために公費助成を行っているという性質のものであります。つきましては、公共交通における路線バスの役割や高齢社会におけるバスサービスのあり方などを踏まえ、この制度が果たしている役割についてご理解いただきますとともに、バス事業者の経営努力、公費負担のバランスなど様々な観点からご議論いただき、利用者の受益に応じた負担のあり方などについてもご意見をいただければと考えております。
8月27日、28日の両日、本庁舎14階大ホールにおいて開催いたしますので、多くの市民の方にお越しいただき、外部評価会議での議論を聞いていただければと考える次第でございます。
先ほど12の事業と申し上げましたが、その中から2つ申し上げました。それ以外のことも含めまして、担当課からレクチャーを行う予定であります。