【市長発表:平成24年度予算編成方針について】
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【市長】それでは早速でありますが、本日は2点の発表をさせていただきます。
まず1点目は、平成24年度予算編成方針についてであります。10月17日に発表された月例経済報告によると、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、引き続き持ち直しているものの、そのテンポは緩やかになっている」と、半年ぶりに下方修正されたところであります。県内におきましても、雇用情勢は、熊本職業安定所管内の有効求人倍率が8月現在で0.66倍、前年同月比で0.10ポイント改善しておりますが、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況の中、国においては、「中期財政フレーム」を遵守しつつ、東日本大震災からの復旧・復興及び世界的な金融経済危機に直面している我が国経済社会の再生に全力で取り組んでいくこととされております。また、東日本大震災の復興策を柱とした平成23年度第3次補正予算案が総額12兆円規模で、復興財源を賄う臨時増税を定めた財源確保法案と併せて、今月中にも国会に提出される見込みとなっているのはご案内のとおりであります。
一方、本市におきましては、来年度が政令指定都市元年となることから、政令指定都市ビジョンに掲げる「日本一暮らしやすい政令指定都市くまもと」及び、挑戦元年アクションプランに掲げた「市役所」「交通体系」「中心市街地」の再デザインと、「もっと暮らしやすさを実感できるまち」「選ばれる都市くまもと」の実現に向けた取り組みについても本格化させなければなりません。
そこで、平成24年度予算編成においては、自治体を取り巻く行財政制度の変化に注視しつつ、厳しい財政環境下においても、自らの判断と責任による自主自立のまちづくりを実現できますよう、政令指定都市として、地方自治制度上最も充実する権限と財源を最大限活用してまいりますとともに、より一層の厳しい事業の選択と集中を進めていく方針であります。
予算編成手法についても一部見直しを行い、昨年まで一部の経費において導入しておりました局単位での枠配分方式の要求基準は設定せず、全件1件査定を基本とした予算編成を行う中で、限られた財源を最大限活用して効果的な施策展開を図ることにいたしました。具体的には、政令指定都市移行に伴い、区制の施行を始めとする新体制での予算執行となることから、昨年度の熊本県との県市基本協定に基づく移譲303事務に要する経費のほか、新たに行政区が設置されることによる所要経費などについて、その準備に万全を期すこととしております。
併せて、地域経済の活性化や雇用創出効果に特に配意いたしますとともに、九州の中央に位置する交流拠点都市として、観光や産業の振興等にもつながる、魅力ある都市づくりを見据えた諸施策の充実にも努めたいと考えております。その上で、「選択と集中の考え方」に基づき、都市ブランド力の向上や公共交通の利便性向上、雇用の拡大につながる産業支援など、「わくわくプロジェクト」及び「挑戦元年アクションプラン」における重点的・集中的な取り組みの推進に資する新規・拡充のソフト事業について、優先的に予算配分を実施いたします。
また、8月に開催した「事務事業外部評価会議」の対象となった事業については、評価会議の議論を十分に踏まえ、見直した内容などを明らかにしたうえで、予算要求することとしております。
さらに、平成22年4月に施行された自治基本条例に基づき「市民参画・協働」の取り組みを拡充推進してまいりますため、事務事業の策定にあたっては、市民参画の機会を拡充し、NPO団体の積極的な活用など効果的な手法を用いた予算編成に努めたいと考えております。
今後、国におきましては、震災復興対策に伴う税財政制度の改正など、さまざまな見直しを行いながら予算編成が進められることとなりますが、本市への具体的な影響など、現段階では先行きが不透明なものもあることから、具体的な制度改正が確実なものを除き、現行の行財政制度を前提として進めていかざるを得ません。
以上のように、平成24年度予算編成においては、政令指定都市への移行がスムーズに実現できるよう所要経費の予算化に万全を期すとともに、行財政改革計画の着実な推進を始めとする不断の見直しはもとより、限られた財源で実効性の高い事業が展開できるような予算編成を目指してまいりたいと考えています。
なお、記者会見終了後に、予算編成方針の詳細について、担当課より説明させていただく予定にしております。