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年末市長記者会見(平成23年12月)

最終更新日:2012年1月10日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【はじめに】

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 本日は、本来であれば、年末の記者会見でありますので、今年1年を振り返っての所感を述べさせていただくところですが、その前に先日発表いたしました複数の処分事案に関しましてお詫びを申し上げたいと存じます。
 一昨日でありますけれども、部下職員へのパワーハラスメントを行った職員をはじめ4件10人の職員の処分を行ったところでありますが、いずれにいたしましても、本市職員の公務員としての意識の欠落した、また社会人たる常識をわきまえない行動に強い憤りを覚えるものでございます。
 指定都市移行に向けて、全職員がその準備に専念しなければならないこの時期に、このような事態を引き起こしてしまい、市政運営の基本である「信頼」が再び大きく揺らいだことを大変厳しく受け止めており、市民の皆様に改めてここに深くお詫び申し上げる次第でございます。誠に申し訳ございませんでした。
 特に、先日処分を発表しましたパワーハラスメント事件につきましては、忸怩たる思いであります。私に限らず、全職員がこの思いを抱いているものと信じておりますし、また、そうあらねばならないと考えております。多くの市民の皆様方からもお叱りの言葉をいただき、更に気を引き締めて市政運営に当たらなければならないと考えております。職員に対しては、公務員としての自覚を持って職務に精励することはもちろんですが、公務外についても公務員としての信用を失墜するようなことがないよう、本日の庁議を通じて伝えたところでございます。
 今後も、10月に登用いたしましたコンプライアンス担当監による助言や指導はもとより、職員研修などを通じた公務員倫理の更なる徹底、内部通報制度の運用など、あらゆる対策を講じ職員不祥事の根絶に努めてまいります。

【市長所感:今年1年を振り返って】

 続きまして、「今年1年を振り返って」を述べさせていただきます。お手元に「熊本市の1年を振り返って」ということで、今年1年の本市の主な取り組みをまとめた資料を配布しておりますので併せてご参照いただければと存じます。
 早いもので今年も残り4日となりました。今年1年を振り返ってみますと、何と言いましても、3月11日に発生した東日本大震災のことが最初に思い起こされます。東日本大震災は、申すまでもなく、日本列島を震撼させた大災害であり、マグニチュード9.0の大地震並びに大津波という、私たちがこれまでに経験したことのない未曾有の大災害として、死者1万5千人を超える、甚大な被害をもたらしたこと、深く刻み込まれています。
 加えて、福島第一原子力発電所の事故による周辺への放射能汚染も重なり、今なお、多くの皆様方が仮設住宅などでの不自由な生活を強いられているところでもあります。
 私自身も8月に東松島市をはじめ、仙台市、南三陸町、石巻市の宮城県4市町を訪問したところですけれども、震災発生から9か月以上経過した現在においても、33万人余りが転居や避難所生活を強いられておられます。本市におきましては、ご案内の通り、震災発生直後から、宮城県村田町に給水車2台を派遣したことを皮切りといたしまして、緊急消防援助隊や医師、保健師、児童福祉士、放射線技師などの専門職員の派遣を通じて、救助活動や保健福祉活動等の支援を行うとともに、一般行政事務支援につきましては、現在も派遣継続中でありまして、本日現在で、派遣総数350人、延べ活動実績は3,085人・日の人的支援を行っているところであります。
 今回の震災は、防災対策や、我が国のエネルギー政策の見直しなど、この国のあり方そのものを根本から考えさせられる事象でもあろうかと考えております。東日本大震災がもたらした多くの課題について、どのように向き合い、解決していくのか、また、この国のあり方や将来についても問われているものでありまして、国や地方自治体のみならず、国民自らが、自分自身の問題として真剣に取り組んでいかなければならないと考えております。
 このような中、国においては、震災への対応のほか、円高対策、TPP交渉、社会保障と税の一体改革、地域主権改革など課題が山積しており、我が国の今後を左右すると言っても過言ではない重要な局面を迎えているところであります。
 世界的な動きといたしましては、トルコ東部での地震や、タイにおける洪水で日系企業を含む甚大な浸水被害が発生するなど、自然災害が猛威を振るったほか、アラブ諸国における民主化運動の高まりに伴う政情不安や、欧州債務危機、更には、先般北朝鮮の金正日(キム ジョンイル)総書記の急死が報じられ、今後の東アジア情勢が懸念されるなど、総じて不安と危機感に覆われた1年ではなかったかと感じております。
 本市におきましては、3月12日、九州新幹線全線開業という歴史的な日を迎えることができました。原発事故による海外観光客の激減という逆風もございましたけれども、新たに開業した城彩苑との相乗効果もあって、熊本城の来園者数は前年を大きく上回る見通しであることなど、九州新幹線の全線開業は、交流人口の拡大をもたらしてくれました。当初、懸念されておりましたストロー現象も、本市ではほとんど見られないとの調査結果も出されており、今後とも、この開業効果を継続的に、更に十分に生かしていきたいと考えています。
 また本年は、本市にとって政令指定都市移行という、永年の悲願が成就した年でもございました。この指定都市に向けた動きの始まりは、平成14年4月、庁内に広域行政班を設置してからでありますけれども、あれから9年、周辺町との合併協議や合併特例法期限延長の要望、区割りや区役所の位置・名称の決定等々、ここに辿り着くまでには紆余曲折がありましたが、閣議決定された10月18日は忘れられない一日となりました。
 この指定都市への移行につきましては、これまでも繰り返し述べてきたところでありますが、そこが最終目的ではなく、あくまでも手段であり、この手段を使って、本市の潜在的な部分も含めた魅力を十分に引き出し、磨きをかけ、さらには「市役所・交通体系・中心市街地の再デザイン」を進め、「もっと暮らしやすさを実感できるまち」へと成長させてまいりますことで、観光地として、企業立地先として、学生が学ぶ場として、そして人々が暮らす場所として、「選ばれる都市」となりますよう、市民の皆様とともに取り組んでいく所存であります。
 そのほか、市民参画の取り組みとしては、「熊本市市民参画と協働の推進条例」を制定するとともに、「2000人市民委員会」や、「事務事業外部評価会議」、「オンブズマン」を設置したところでもございます。これらは、市政への参加を通じて、市政についてより理解していただくための取り組みでございますが、このような取り組みを積み重ねていくことによって、市政への関心を高めていただき、市民一人ひとりが市政を自らのこととして捉えていただければと考えております。
 以上、簡単ではありますが、この1年を振り返っての所感を述べさせていただきました。報道機関におかれましては、今年賜りましたご協力に心から感謝申し上げますとともに、来年も同様のご理解、ご協力をいただきますようお願い申し上げる次第でございます。

【市長報告:新熊本合同庁舎B棟建設費に関する国の予算計上について】

 続きまして、合同庁舎B棟の建設について改めてご報告させていただきます。
 このほど、国の平成24年度当初予算案におきまして、B棟建設に関する経費の計上が決定されたところであります。これまで、新熊本合同庁舎に関しては、熊本駅周辺の賑わいづくりの核となる重要な施設として、県市連携して誘致に取り組んでまいりました。B棟については、国の出先機関見直しの議論の中で一時事業が凍結されておりましたが、再検討の結果、国にとって必要な施設であるとの判断から、本年度の整備が再開されたところであります。
 しかしながら、野田総理大臣は、東日本大震災復興の財源確保の観点から、凍結を解除した合同庁舎の建設について、作るか作らないかも含めて精査する考えを表明されていたところであります。そのB棟について、この度、建設に関する経費が計上され、大変安堵しているところでありますが、国におきましてもB棟の建設が必要であるとの再確認をされたものと認識しており、今後、国におきましては、事業の着実な推進をお願いしたいと考えているものであります。報告も含めまして、私からは以上であります。

【質疑応答:パワーハラスメント事件等の職員不祥事について】

【記者】市長から冒頭にありましたが、パワハラの件で幹事社を含め各社から質疑をさせていただきたいと思います。
 「忸怩たる思い」とありましたが、この事案を最初に聞かれた時、率直にどのように思われましたか。
【市長】まず、被害者の保護者からの相談があるという報告を、私が受けたのですけれども、とにかくしっかりと調査し、全容を明らかにしてほしいと指示しました。
 その話の一部、高額な負担を強いられたことや肉体的な苦痛も含まれるような行為を受けたことについて、最初聞きました時には信じがたい行為も含まれていただけに、とにかく全容を明らかにし、すぐ報告するようにと指示したものであります。
【記者】いろいろと中身が判明してきましたが、2年半にわたる異常な中身だったと思います。それについてはどう思いましたか。
【市長】まず1つは、2年半にわたり、このようなことが継続的に行われていたということ。そして2か月間の病気休暇という追い詰められる状況に至るまで明らかにならなかったということ。このことについては、いろいろと多くの問題をはらんでいると思いました。
 もちろん、その行為により処分を行った職員にいろんな問題があるのはもとより、それが2年半にわたり続けられ、正座させられるなどの行為を認識していたにも関わらず止めることができなかった。これは組織としての問題も非常に大きいと感じた次第であります。
【記者】「組織としての問題」とありましたが、これから具体的にどういった対処をされますか。
【市長】まず加害者に対しては、今回6か月間の停職処分にしたところであります。その期間内に、日々どんな行動をしているのか定期的に書かせ、それを報告させることによって、停職期間中の行動をしっかり監視していかなければならないと思っております。
 もう1点は、今年当初、いくつかの不祥事の教訓として作らせていただいた復帰プログラムがあります。この2人の職員も復帰プログラムの中に乗せることによって、復職後もしっかり監視していく必要があると思っております。
 現時点におきましては、これまでやった行為については反省しているということですので、そのことも含めて今回は停職6か月という、免職に次ぐ厳しい処分にしたわけですけれども、復帰プログラムの中で実際に反省しているのか、あるいは行動で示されているのか、継続的に厳しく監視していく必要があると思っております。
【記者】「免職に次ぐ厳しい処分」とおっしゃいましたけれども、停職6か月はかなり甘い処分ではないのかという意見が多く寄せられていると伺いました。こういう意見についてはどのように捉えていますか。
【市長】一般的に申し上げて、処分の量定に関しては本市の懲戒処分の指針を基本としまして、本市の過去の事例や他都市における事例を参考に判断しているところであります。今回の事案については、長期間にわたって40代後半の係長及び参事が、20代前半の新規採用職員に対して正座などの嫌がらせ行為を繰り返し、昼食代をおごらせていたということで、重大なパワーハラスメント行為であるとして今回の処分を決定させていただきました。
 今回の事案の内容を考えますと、厳罰に処すべきという意見もいただいておりますし、そういう考え方もあろうと思いますけれども、地方公務員法における懲戒処分の意義や、先ほども申し上げたような加害職員の反省の態度なども考慮して、今回の量定とさせていただいたところであります。
 なお、先ほど申し上げましたように、加害職員に対しては、2度とこのようなことが無いように、停職期間中に今回の行為に対する振り返りの日記を付けさせ、人事課に提出させたい。さらに復職後についても継続的指導を必要とする職員として、定期的に所属長から指導・教育を行ってまいりますが、改善が見られないと判断した場合には、分限処分を行うことも念頭に置いておきたいと思っております。
【記者】先ほど市長のコメントに「組織としての問題が大きい」とありましたが、組織としてどこに問題があったと思いますか。
【市長】まず1つは、やはり2年半にわたり継続的に行われていたこと。それがこのような状況にならなければ明らかにならなかったということです。それから、先ほど紹介したような行為は決して密室の中だけではなく、他の現場職員が確認していたものもありました。そうしたことに対してお互いに注意し合う、あるいは話し合う、さらに上司へ報告するということがなされていなかったことについて、大きな問題があるのではないかと考えております。そうしたことが現場における、ある意味日常的な風景になっていたとするならば、これもやはり大きな問題だと思っております。
【記者】では、どういった状況だったら今回の問題は防いでいたとお考えですか。
【市長】この辺は更なる検証も必要であると思いますけれども、その現場における常識が一般的な感覚から見れば、市役所全体から見た時にどうなのか、あるいは市役所の外から見た時にどうなのかという、より第3者的な視点の中で、常日頃の行動についてチェックしていくことが必要だろうと。そうしていれば防げたことなのかもしれないと思っております。
【記者】組織としての問題があったと認識されていて、今後の改善策として具体的にどんな体制を組むのか。本人に対してはプログラムにより日記を提出させるのでしょうけれども、組織としての体質改善にはどういう取り組みを今後されていくのかという点と、分限処分を検討されているとおっしゃいましたけれども、つまり今後の対応次第では分限免職の可能性もあるということでしょうか。その2点を確認させてください。
【市長】まず1点目については、先ほど紹介したような臨時庁議を開催しましたけれども、やはり何でも相談できるような風通しの良い職場作りが基本であるという話を改めてしたところです。また今回の事案を末端の職員一人ひとりまで周知徹底し、全職員が自らのこととして考えるよう、併せて指示させていただきました。
 それから、なかなか目が届きにくい部分もあろうかと思いますが、いわゆる出先機関については本庁の幹部職員が定期的に巡視していく中で、職場環境を視察することも指示させていただいたところであります。
 これはパワハラに関してですが、今回のような行為が最初はパワハラ的なものではなかったかもしれませんが、継続的に行われていく中でだんだんエスカレートしていき、当事者や周りも感覚的にマヒしてしまったのではないか。これも反省・教訓として今後に活かさなければならないと思っていますので、パワハラ防止のための指針を本年度中に策定すべきであろうと。その中に、今回のことも含めた具体的な事例をまとめる必要があると思っております。
 もう1点、分限処分につきましては、先ほど申し上げた復帰プログラムの中での対応を見てということですので、分限処分ありきではありませんけれども、その間に反省が見られないようであれば、その時にはそうした対応も考えるというものであります。停職期間中も復帰後も、この職員に対しては厳しく当たっていく必要があると思っています。
【記者】今回、職員が休んだことから発覚したのかもしれませんが、これまでも同様の職員が休んだり、様子がおかしいということで調査したり、過去にも事例があったのでしょうか。
【市長】過去に同じような事例があったようなことはございません。私は承知しておりません。休みと言いましても、こうしたパワハラ的なことではなく、いろんな要因によってメンタル、あるいは病欠ということもありますが、実際この大きな組織の中でいくつか事例があることは間違いありませんけれども、しかしながら今回のようなケースは承知しておりません。
【記者】精神的にダメージを受けて休んでいるということであれば、同じように休まれている職員に対して調査するとか、職場の中でアンケートを取るとか、匿名性を活かした調査をするとか、何か考えているのでしょうか。
 報告制度はあるとしても、なかなか上司のいる手前で言えないことも多いと思いますが、そういった方々の意見をどう吸い上げていくのでしょうか。
【市長】調査につきましては、今回の事例を踏まえて類似の例がないかという点について市全体で再チェックするように、先ほど指示しました。
 後半のお尋ねについては、仕組みとしては内部通報制度等がありますが、実際に使われていないという現状。あるいはメール等で伝えようと思えば伝える手段はあるわけです。しかしながら、今回のことで言いますと使われていない。そこは、今後のあり方の検討が必要だと思っています。ただ現時点においては、そのような制度もあるので、何かあれば使ってほしいと呼び掛ける必要があると思います。
【記者】今回のパワハラも含め、飲酒運転、事故報告をしなかったことなど大量処分がありました。本年度10件、20人の懲戒処分者が出ており、すでに昨年度の2倍以上の数に上っています。6月には市長自ら「非常事態宣言」ということで、半年間ご自身の給与を30%カットされています。
 来年の政令市まで残すところ3か月という熊本市にとって非常に重要な時期に、処分が減らない。我々もマヒしているところがあるのですけれども、「こんなものか」と言っているところもあるぐらい、処分が減らないこの事態を、改めてどのように受け止め、職員に徹底させていきたいと思っていますか。
【市長】どのように捉えているかということについては、指定都市移行を3か月後に控えている熊本市にとって非常に重要な時期にも関わらず、そしてこの年末記者会見の中で皆様方にご報告しなければならなくなったということについて、大変厳しく受け止めていますし、私自身の責任も痛感しているところであります。
 新幹線が開業し、政令指定都市に移行するということで、熊本市の責任が重くなる。あるいは期待が高まっていることも事実だと思いますので、そうした期待に応えられるよう、その根底となる市民の皆様方からの信頼回復・確保に取り組み、来るべき新年は政令指定都市元年となりますので、そこに向けて全力で取り組むしかないと思っています。
【記者】今回の処分については、先ほどもありましたが、市民の感覚からすると甘いのではないか。どこか救済されているところがあるような印象も受けてしまいます。パワハラ防止の指針を策定したいとのお話がありましたけれども、今年は処分の指針・規程も厳しく改正されましたが、来年はまたその辺りからもう一度見直していくお考えはありますか。
【市長】処分の指針ということですか。
【記者】はい。
【市長】処分の指針につきましては、これまでいろんな不祥事が続く中で見直しを何回かさせていただきました。今回の4件の中で、飲酒に絡む事案が2件ございました。1件については、代行を呼び、代行が来ているにもかかわらず運転して起こした事故がございました。もう1件は飲酒して仮眠し、数時間経過してもう大丈夫だろうとのことで運転したら、まだアルコールが残っていて検挙されたということです。
 飲酒し、その直後に運転して我が家や次の目的地に行くものとは異なっていることは間違いありませんが、仮眠すれば大丈夫だろうという事案はこれまでもありましたし、他都市でもそういうことが明らかになり、厳罰に処されていることもありますので、特に飲酒に関しては繰り返されている現実を厳しく受け止めて、より厳罰に処すことを考えなければならないと思っています。
 実際、指針の中でも見直しをしておりまして、懲戒免職も対象に加えているところです。結果的に、今回の2つの事案については免職までに至らないと判断しましたが、今後もこうした事案が繰り返されるようになれば、指針の中でさらに厳しい対応も考えざるを得ないのではないか。そのことについては、先ほどの庁議の場でも、特にこの飲酒については、より厳しい対応で臨むということを伝えたところです。
【記者】同じ日に処分のあった県のほうでは、免職でしたけれども、他都市の例を見てということですか。
【市長】細かく申し上げますと、県職員の起こした事案と私ども市の職員が起こした2つの事案は全く同じではないわけであります。ただ、先ほども申し上げたように、結果的にアルコールが残っている中で運転したことに変わりありません。やはりこうしたことが繰り返されることについては、もっと厳しい対応が必要だとの認識は持っていますし、また今後はそういう姿勢で臨みたいと思っています。
【記者】6月ぐらいから市長は、不祥事をなくしたいということで、より厳しくいろいろな対策を講じられ、10月にはコンプライアンス担当監を置かれましたけれども、その中でも減らない現実があります。いくつかやってきた対策で、例えばコンプライアンス担当監が活躍できるためにどのようにしていくのか、また、今回不祥事が起きたのは何が足りないからだと感じていらっしゃるのか、教えてください。
【市長】まず後者のほうから申し上げますと、やはり公務員としての自覚、あるいは今の厳しい現状への自覚の欠如があるのではないかと思っております。もっと第3者的な視点・観点を入れて、厳しく中を見直すことに当たらなければならないと思っております。そういう意味では、今お話のあったコンプライアンス担当監はそういう目的を持って設置したものであります。
 まだスタートして数か月ではありますけれども、こうした不祥事案についても報告させていただき、指導や助言等もいただいているところであります。定期的に意見交換等を行ってまいります中で、本市におけるコンプライアンス向上につなげていきたいと思っています。さらにコンプライアンス担当監との連携を深め、先ほど申し上げたことにつなげていきたいと思っています。
【記者】例えばコンプライアンス対策室をつくるとか、コンプライアンス担当監を増やすとか、今お一人でなさって助言されていますけれども、その辺の強化は考えていらっしゃいますか。
【市長】事務局体制等について、今具体的にそこまで考えているものではありませんが、定期的に副市長がコンプライアンス担当監と率直な意見交換をし、場合によってはそこに私も入らせていただくことも始めているところです。
【記者】今回のパワハラの件だけではなく、飲酒も含めて4件あり、なかなか全体的に数が減らないという現状があります。市民からは「体質ではないか」「そういう文化があるのではないか」「お互いに対して甘いのではないか」という声も聞かれます。その辺も含めてなぜこれだけ不祥事が減らないのか。市長も3期目に入り、市役所を長く経験されてきた中で、どう受け止めていらっしゃるのかお聞かせください。
【市長】このような不祥事が続いている現実に向き合った時は、市民の皆様方からの厳しいご指摘に対し真摯に受け止めなければならないと思っています。まだまだ個人の資質・自覚という意味でも問題が残されていますし、また今回のパワハラあるいは交通局における飲酒への対応等についても、組織としての甘さがあるのも否めないと思っています。一つひとつの事案をさらに検証していく中で、不祥事の防止に取り組んでいかなければならないと思っております。
 ただ一方におきましては、政令指定都市移行準備もあり、さまざまな大きな課題やイベントも控えており、とても多忙な中で業務に励んでもらっている職員たちがいるのも事実です。そういう職員たちの頑張りに報いるという意味においても、やはり厳しくすべきは厳しくするという中で、こうしたことを繰り返さない、あるいは不祥事の根絶に向けて今後も最大限努力をしていく。
 根幹的な政令指定都市や新幹線開業や、今後いろんなことを進めていくうえで、市民の皆様からの信頼は何よりも勝るという意識を持って、不祥事の根絶に取り組んでいきたいと思っています。
【記者】「パワハラ」という言葉で処理されていますけれども、今回の事案は恐喝・強要、精神的病原を引き起こした傷害、いわゆる刑事事件ではないかと思うのですけれども、その辺はいかがですか。
【市長】その件につきましては「告発すべきではないか」という意見もございます。恐喝と言う意味での告発については、当初、被害職員から申し立てがあった段階では、本市として、また私自身も、刑法に触れる行為ではないかとの疑いを持ちました。しかしながら、そういう疑いを持ち、被害職員及びその家族に対しても警察に被害届を出す意思はないかとの確認はさせていただきましたけれども、その意思はないとのことでございましたので、現時点におきましては刑事処分まで至っていないという状況です。
 恐喝につきましては、被害者及び加害者双方から複数回にわたって事情聴取を行ってきたところですが、昼食代などの支払いが脅迫によって行われたことについては、被害者側と加害者側の主張が相違する点もあります。また被害職員は被害届を出す意思もない状況ですので、この状況証拠だけをもって判断するのは困難であると判断した次第です。
【記者】金額が100万円を超えるというのは尋常ではないですよ。何千円ぐらいのレベルではないですよね。やはりこれは犯罪だと思いますけれども。犯罪が目の前であっているのに、公務員が告発しないこと自体が問題だと思います。
【市長】金額の多さや頻度などを含めて、当事者に対してもそのことを繰り返し問いかけてきたところではありますけれども、その意思はないとのことでしたので、現時点においてはその意思をある意味尊重せざるを得ないと思っております。
【記者】市長はどこかでその(加害者の)職員を救おうとしていらっしゃる所があると思います。本来ならば「こいつは免職にする」という意思があれば、免職にできると思いますが、それを敢えてなさらないのは救おうとしているのでは。どこかに甘さがあるのではないか。もっと本気でやらないといけないと思うのですが、どうでしょうか。
【市長】そのような見方もあろうかと。そしてそのような意見も市民の皆様方からたくさんいただいているのは事実であります。ある意味ではクビにするのではなく、市役所の中にとどめることで、先ほど申し上げたようなより厳しい指導をしていく中で、今回の事案についてきちんと反省すべきは反省してほしい。そういう指導を徹底して取り組んでいくことを、私どもも真剣に取り組んでいくことを選択したというものです。決して守ろうというものではないということです。
【記者】今回の部署は出先機関で、かつ窓口のように市民の方がいつも見ているような所ではないと思います。するとどうしても甘くなる。自分たちだけでだれも監視しておらず、所属長は課長クラス。その辺が問題だと思うのです。幹部の方が巡視するとおっしゃいましたが、常時、もっと目を光らせていないと、末端の出先と本庁との意識があまりにも違いすぎる。
【市長】今回の処分につきましては、管理者を含めて組織としての責任も大きいということで、併せて処分させていただいています。ですから、この加害者、被害者の3人の問題ではない。出先機関という一つの組織だけを捉えるのではなく、農水商工局であれ、あるいは他でも起こっているかもしれないと考えた時には市全体の問題として捉える必要があると思っております。

【質疑応答:1年を振り返って】

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【記者】今年は様々動いた年だったと思います。短い言葉でおっしゃっていただければと思いますが、単語でも良いですし、今年1年を振り返ってどんな年でしたか。
【市長】やはり激動の1年だったと思います。いろんな意味で激しく動いた1年ではなかったかと思います。それはプラスの面もあればマイナスの面もあるということです。熊本で起きた災害ではありませんけれども、冒頭に申し上げた東日本大震災という全国を震撼させるような災害が発生したということもありましたし、一方においては、この熊本市では新幹線が開業するとか、政令指定都市移行が正式に決定して準備に本格的に取り組んでいるとか、とにかくいろんな大きい出来事が激しく動いた1年ではなかったかと思っています。
 年頭での漢字一文字では「新」の字を書かせていただきました。これは新幹線開業の「新」、新たなステージに移るという意味を込めて「新」と書かせていただきました。もちろんそれもありますが、1年を振り返った時には、本当に激しく動いた1年だったというのが今の率直な感想であります。

【質疑応答:市政運営の自己評価と課題について】

【記者】全体的な話なのですけれども、2月に行程表を作り、それに基づく予算措置などをし、3期目の1年が終わりました。ご自身の全般的な市政運営の評価と、今の時点で一番課題に思っていることは何ですか。
【市長】挑戦元年アクションプランのことで言えば、概ね順調に進めさせていただいています。ただやはり、今年1年ということを捉えるよりも、来年4月の政令指定都市移行までに、どこまでその準備を整えていくことができるかについては、あと残り3か月の中で、政令指定都市移行前のしっかりとした評価・検証を改めてしなければならないと思っております。そういう意味では、来年4月に向けた指定都市準備というものは順調に進んでいると言ってよろしいのではないかと思っています。
【記者】課題については。
【市長】課題につきましては、いろいろありますけれども、やはり先ほどから話が出ているような、市民の皆様方からの信頼という部分、これがまだまだ課題としてあるだろうと。特に今年は2000人市民委員会や事務事業外部評価会議、オンブズマン制度など、いろんな仕組みをスタートさせた年でありました。これは市民の声を市政に反映させるとか、信頼の確保という部分も含まれておりますし、そうしたものを構築していく中で市民協働、市民の皆様方と一緒になって政令指定都市という新たな手段を使っていく。そして熊本にさらに磨きをかけてよりよい熊本市を作り上げていくことを目指して準備を進めているところであります。
 そういう意味では、この不祥事の連鎖を断ち切れない、あるいは信頼が揺らいでいる部分があることについては大きな課題があると受け止めざるを得ないと思っています。

【質疑応答:新熊本合同庁舎B棟建設費に関する国の予算計上について】

【記者】B棟について、来年度予算に計上されたということで、先ほど市長も安堵しているとの話がありましたが、この数年間、かなり国の方針に振り回されてきたという感じだったと思います。その点についてはいかがでしょうか。
【市長】確かにB棟のことについても、方針が決まったかと思えばまた揺らいだりと、正直、振り回されたという感覚を覚えます。
 それから、政権交代がなされ、民主党中心の政権がスタートして、こうした形での政権交代がある意味初めてだったということもあるのでしょうが、やはり政権を担っていく、運営していくという意味において、非常に基盤が弱いと感じざるを得ません。
 先ほど申し上げたような社会保障と税の一体改革、消費税をどうするかという問題もあります。さらにはTPPにどのように向かっていくのかとか、世界的な経済危機とかがある中で、国として存在感を示し、一つひとつ方向性を示していかなければならない重要な時期に、今のような状況は、正直申し上げまして大変心もとないところもあるとの思いを持っております。しっかりそこを立て直してほしいという思いがあります。

【質疑応答:東日本大震災で熊本へ避難した被災者への支援について】

【記者】震災関連ですけれども、熊本市から職員の方を350人派遣したという話でしたが、東北・関東から避難してきている方はずっと微増が続いていて、県全体ですともうすぐで300人に達するということで、減る気配はないということです。例えば市営住宅の無償提供などの期間は1年となっていて、避難してきた方への来年以降の支援について、どう継続していこうと考えていらっしゃいますか。
【市長】基本的に被災された方の受け入れについては、期限はありますが、現状を見た時にはやはり継続していかざるを得ないと思っています。国のほうでももちろん方針を示されるものと思っていますが、私どもとしても継続的な対応をしていきたいと思っております。
 ただ、難しいところは被災の認定を受けていない方への対応をどうするか。こうした方々につきましても、いろんな情報提供を含めてできる限りの対応はやっていく必要があると思っています。

【質疑応答:熊本城マラソンについて】

【記者】熊本城マラソンの件で、何度もお伺いしているのですが、ゲストランナーの選定状況はいかがでしょうか。
【市長】ゲストランナーはまだ決まっていません。あと1か月ちょっとですので、決まってないとばかり言うわけにもいきませんから、「こうなりました」という報告をできるだけ早くしたいと思います。
【記者】ゲストは走るのですよね。
【市長】何を持って「ゲスト」というのかというところもありますよね。
【記者】目玉と言うか。
【市長】目玉もいろいろあるでしょうけれども。また皆さんがどのような期待をされているかというのもありますが。
【記者】注目されるのは例えば芸能人、間寛平さんは人吉を走られますが。あとはメジャーなランナー、市を盛り上げる人。市と関係ある方はたくさんいらっしゃるので、そういった方にという話もありましたが。今のところ全然進捗が無いようなので。
【市長】オールジャパンな芸能人もいれば、熊本で活躍されている芸能人もいるでしょうし。そうですね、いずれにしても検討は進めておりますので、目玉がどれぐらいになるのか分かりませんけれども、何らかの形で改めて報告したいと思っています。

【質疑応答:立野ダム建設要望活動について】

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【記者】昨日、立野ダムの件で市民団体からの(建設推進に反対する)要望があったと思います。国交省でも検討はしているようですが、今後、市としてはどういった形で要望を続けていくのでしょうか。
【市長】市としてはこれまで、ダム建設予定地の南阿蘇村も含めた流域の市町で構成している期成会で要望活動を行ってきました。今、立野ダムについての検証会議が国交省で作られておりますけれども、その中にも市は委員として参画させていただいています。近々、また開かれると聞いております。
 私どもとしては、この白川の治水度、治水安全度がまだまだ低いとの認識を持っております。堤防の改修や護岸整備等が行われておりますけれども、それが完成したとしても、やはりまだ低いのではないか。これまでは、そうした護岸改修と立野ダムはセットということで、国のほうから方針が示され、私どもも現在の天井川である状況や、一旦白川が溢れるということになれば市役所も水に浸かってしまいかねない状況から見た時には、立野ダムを含めた要望活動を行ってきたところです。私どもとしては検証会議の中で「立野ダムは必要かどうか」ということよりも、治水安全度を高めてほしい。しかも集中豪雨、水害が頻発している中で、できるだけ早く実現できる対策を講じてほしいということを主眼として意見を申し上げてきておりますので、できるだけ早く結論を出していただきたいと思っています。
【記者】「立野ダムが必要かどうかよりも治水安全度を高めてほしい」というのは、裏を返せば「ダムにこだわるものではない」ということですか。
【市長】ただ、ダムあるいはそれ以外の方法を含めた検証がこれまで行われているわけですから、その結論が近々出されるでしょう。その結論に沿って、できるだけ早く実行に移してほしい。そのように思っています。もちろん私どもは期成会の立場で、「立野ダムは必要ではないか」とずっと訴え続けてきましたので、その根幹・基本を変えるものではありません。ただ、そこを国交省のほうから「もう1回検証が必要だ」として検証会議を作られたわけですから、徒に先延ばししてくれるなと言うのが率直な気持ちであります。
【記者】先ほどから言われている「早く実現を」「早く実行を」というのは、早くダムをつくってほしいということですか。
【市長】早く治水対策を講じてほしいということです。


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