【市長発表:第1回定例会の提出議案について】
|
本日は、第1回定例会の提出議案について発表した後、3点報告させていただきます。
第1回定例会の提出議案についてですが、今議会の提出議案は、予算案件40件、条例案件58件、その他案件49件の合計147件を予定しております。
まず予算案についてですが、当初予算編成にあたっての基本的な考え方について、国の予算案や地方財政計画等も踏まえて説明いたします。現下の経済情勢については、1月の月例経済報告において、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、緩やかに持ち直している。」との判断がなされているところであります。また、県内の経済情勢については、2月の日銀熊本支店金融経済概観において、「県内の景気は、東日本大震災前からの緩やかな回復基調を維持している。」とされ、雇用情勢についても、熊本職安管内の12月の有効求人倍率が0.81倍と、前年同月比で0.12ポイントのプラスとなりますなど、改善の兆しが一部に見られるわけですが、改善のテンポが幾分鈍化しているとされ、本格的な景気回復局面を実感するにはまだまだ至らない状況が続いております。
こうした中で、政府は、昨年8月に閣議決定された「中期財政フレーム」を遵守しつつ、我が国の最優先課題でもあります東日本大震災からの復旧・復興、原子力災害の速やかな収束並びに震災と世界的な金融経済危機に直面する我が国の経済社会の再生に全力を尽くすとされております。
そのために、今年度は、第4次にわたる補正予算を編成し、直面している課題の克服に速やかに取り組むとともに、平成24年度当初予算と一体的に切れ目なく執行することで、日本再生への足取りを強く、確かなものとすることとされています。この結果、今国会に提出された平成24年度の一般会計の予算規模は90兆3,300億円で、前年度比2.2%の減と6年ぶりに前年度を下回るものとなっておりますが、平成24年度に新たに創設する東日本大震災の復興特別会計に計上する歳出約3兆8,000億円を合わせますと、前年度予算を上回り、実質的には過去最大の規模となっているところであります。また、地方財政計画については、東日本大震災分を除いた通常収支分の全体規模でマイナス0.8%、地方一般歳出もマイナス0.6%となっておりまして、一般財源総額は前年度水準を確保されたものとなっております。
このような中、本市の平成24年度当初予算の編成を行ったところでありますが、地方を取り巻く財政環境は、現在国において議論されております社会保障と税の一体改革の地方への影響が明らかでないことに加えまして、東日本大震災やタイでの大規模な洪水被害などの自然災害や、円高基調の継続などによる企業収益の低下など、先行きが不透明で明るい兆しを見いだせない状況にございます。
しかしながら、来るべき新年度は、いよいよ本市が政令指定都市という新たなステージに移行する、飛躍に向けたスタートの年となるわけでありますが、総じて厳しい財政環境が想定される中、移譲される権限や財源を最大限活用するほか、これまで以上に事業の選択と集中を図ることなどにより、「日本一暮らしやすいまち」の着実な実現を目指した、政令指定都市元年予算の編成を行ったところであります。
この結果、平成24年度の一般会計予算の総額は、2,759億円となりました。見かけ上、対前年度比2.0%の伸びに留まっているわけでございますが、平成23年度予算においては、区役所や電算システムの整備など政令指定都市移行に関わる先行投資を行ったこと、あるいは国の補正予算に対応した前倒し予算を平成23年度補正予算に計上しているなどの要素を加味すると、実質的な予算規模としては、対前年度比4.9%増となります。これは、国の地方財政計画の伸びがマイナス0.8%であることと比べても大幅な伸びだと考えておりまして、不断の事務事業の見直しを行いつつも、現下の厳しい経済情勢を踏まえた、熊本市の政令指定都市元年予算としてふさわしい予算編成が行えたのではないかと考えております。
政令指定都市移行による収支としては、まず歳入では、政令指定都市移行に伴う譲与税や宝くじ収入など新たな財源が195億円増加したところであります。一方、歳出では、国県道事業や精神保健福祉関連など県からの権限移譲などに対応するため、163億円の増となったところであります。この差の32億円が政令指定都市に移行することによって生まれる新たな留保財源であり、今回の予算編成においてはこの財源を、暮らしやすさを実感できるまちの実現や選ばれる都市くまもとの実現に資する事業などに最大限活用させていただいたというものであります。以下、特に重点的に取り組んだ6つの主要項目について説明いたします。
まず、1つ目は、「指定都市事務・事業の推進」であります。県からの権限移譲に伴う経費や区役所の管理運営など指定都市の運営に関する経費など約177億円を計上しております。
2つ目、「挑戦元年アクションプランの推進」でありまして、161事業、総額約164億円の事業予算を措置し、うち45事業、約25億円を、新規拡充事業として盛り込んでおります。
3つ目、「地域経済活性化の推進」に向けた取り組みであります。ここでは、「雇用確保」、「民間企業の雇用創出」、「金融支援」、「商店街活性化」及び「地場産業の振興」の5分類で、71事業、約37億円を計上しております。
4つ目、「着実な行財政改革の推進」であります。本市の第4次の行財政改革においては、「市民に信頼される市政の実現」と「効率的で質の高い市政運営の推進」に努めることとしております。
5つ目、「合併3町における新市基本計画の着実な推進」であります。合併3町関係では、それぞれの町との合併協議会での決定事項に基づく予算計上を行っておりますが、特に、新市基本計画に掲げた投資的経費については、水道、下水道の企業分も含め、富合町分が約17億円、城南町分が約22億円、植木町分が約27億円、総額約66億円を計上し、新熊本市としての整備を着実に進めてまいります。なお、これらの財源として、城南・植木両町の地域整備基金から、約6億円の活用を図ることとしております。
6つ目の重点項目は、第6次総合計画におけるまちづくりの重点事業である「わくわくプロジェクト事業」への集中的配分で、195事業、約138億円を計上しております。「湧々都市くまもと」の実現に向けた、「くらし」「めぐみ」「おでかけ」「出会い」の4つのプロジェクト各分野において、所要の経費を計上しております。これにより、「指定都市くまもと」においての、総合計画に基づく長期的な視点に立った、計画的かつ総合的なまちづくりを進めていくこととしております。
以上、6つの項目の説明ですが、これらを賄う財源として、市税や地方交付税、また、それぞれの歳出に見合う特定財源や市債を計上しております。
今回の各会計の予算額は、一般会計において2,758億7,000万円、特別会計では、1,982億4,371万円、企業会計では、820億2,914万円、一般・特別・企業の各会計の総計は、5,561億4,285万円となっています。これを前年度当初予算と比較すると、一般会計は2.0%の増、特別会計は15.2%の増、企業会計は0.5%の減、総計で5.9%の増となっております。
続いて、条例議案でありますけれども、「熊本市消費生活条例」や「熊本市動物の愛護及び管理に関する条例」など、58件の条例制定及び改正等の議案を上程しております。詳細については、既に配付している「平成24年度当初予算のポイント」「平成24年度当初予算(案)の概要」「平成23年度2月補正予算(案)の概要」「平成24年第一回定例会提出議案一覧」をご参照ください。以上が議案についてでございます。