【市長発表:第1回定例会の提出議案について】
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本日は、第1回定例会の提出議案について発表させていただきました後、昨日開催いたしました「第2回熊本城マラソン」についての所感について述べさせていただきます。
今定例会の提出議案についてでございますが、予算案件43件、条例案件26件、その他案件121件の合計190件を予定いたしております。まず予算案についてでありますが、当初予算編成にあたっての基本的な考え方につきまして、国の予算案や地方財政計画等も踏まえましてご説明いたします。昨年末に発足いたしました安倍新内閣におきましては、現下の経済や景気の現状から脱却をして、日本経済を大胆に再生させるという目的で、1月12日に日本経済再生に向けた緊急経済対策を、1月15日には平成24年度補正予算(第1号)を閣議決定したものであります。緊急経済対策の具体的施策といたしましては、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3つの重点分野が設定されておりまして、公共事業の追加をはじめといたしまして、様々な対策が講じられることとされております。
このような国の動きの中で、現下の経済情勢につきましては、1月の月例経済報告において、「景気は、弱い動きとなっているが、一部に下げ止まりの兆しも見られ、先行きについては、経済対策の効果などを背景に、再び回復へ向かうことが期待される。」との判断がなされているものであります。また、県内の経済情勢につきましても、1月の日銀熊本支店金融経済概観において、「県内の景気は、弱めに推移しているが、下げ止まりに向けた動きも見られる。」とされているところであります。このような中で、政府は、平成25年度予算の編成に当たり、平成24年度補正予算と一体的なものとして、15ヶ月予算として編成することで、景気を下支えしつつ、切れ目のない経済対策を実行することとされております。また、その一方で、財政健全化目標を見据え、3つの重点分野に予算の重点化を図っていくことで強い経済を取り戻すことに取り組むこととされております。この結果、今国会に提出された平成25年度の一般会計の予算規模は、92兆6千1百億円で、前年度比2.5%の増となっており、過去最大の規模となっております。
一方、地方財政対策につきましては、東日本大震災分を除いた通常収支分の全体規模でプラス0.1%、地方一般歳出はマイナス0.1%となっております。また、一般財源総額は、前年度水準が確保されておりますが、平成25年7月から国家公務員と同様の給与削減を実施することを前提とした地方公務員給与費の削減などによりまして、地方交付税総額がマイナス2.2%と減額されております。
このような中、本市の平成25年度当初予算の編成を行いましたが、地方を取り巻く財政環境は、国の平成25年度当初予算も成立が遅れる見込みであること、また、近時の円安を通じた輸出環境改善など一部下げ止まりの兆しも見えておりますが、まだまだ景気は不安定な状況にありますことなどから、依然として先行き不透明で厳しい状況であることに変わりはないといった認識を持っております。しかしながら、来るべき新年度は、政令指定都市に移行した本市が、その独自性や魅力に磨きをかけ、もっと暮らしやすさを実感できるまち、そして、観光や企業立地先などに選ばれる都市となってまいりますことを目指したまちづくりを一層加速させていく重要な年となります。地方交付税の削減や引き続き増加が見込まれる社会保障経費など、厳しい財政環境が見込まれるところではありますが、自らの判断と責任による自主自立のまちづくりを実現できますよう、指定都市として拡充された権限や財源をより一層厳しい事業の選択と集中によりまして、有効に、かつ最大限活用できますよう重点的な財源の配分を行ったところであります。
このような観点から、特に重点的に取り組んだ6つの主要項目について、ご説明いたします。
まず、1つ目の重点項目は「挑戦元年アクションプランの推進」でございまして、185事業総額約221億円の事業予算を措置し、うち40事業、約10億円を新規拡充事業として盛り込んでおります。
2つ目の重点項目は、「防災・減災対策の推進」に向けた取り組みであります。「防災・減災意識の啓発」、「防災・減災対策事業」、「消防力の強化」、「被災者の支援」の4つの視点で34事業、総額約29億円の事業予算を措置いたしております。
3つ目の重点項目は、「地域経済活性化の推進」に向けた取り組みであります。ここでは、「雇用確保」、「地場企業の雇用創出」、「金融支援」、「農水産業の持続的発展の支援」及び「公共投資拡充」など、8分類で72事業、約262億円を計上しております。
4つ目の重点項目は、「着実な行財政改革の推進」であります。本市が現在取り組んでいる第4次行財政改革におきましては、「市民に信頼される市政の実現」と、「効率的で質の高い市政運営の推進」に努めることとしております。
5つ目の重点項目は、「合併3町における新市基本計画の着実な推進」であります。合併3町関係では、各合併協議会での決定事項に基づく予算計上を行っておりまして、特に、新市基本計画に掲げました投資的経費につきましては、水道、下水道の企業分も含めまして富合町分が約15億円、城南町分が約35億円、植木町分が約34億円、総額約83億円を計上し、新熊本市としての整備を着実に進めていくこととしております。なお、これらの財源としまして、城南・植木両町の地域整備基金からの繰入金、約5億円の活用も図ることとしております。
6つ目の重点項目は、第6次総合計画におけるまちづくりの重点事業でございます「わくわくプロジェクト事業」について、「くらし」「めぐみ」「おでかけ」「出会い」の4つのわくわくプロジェクト各分野への集中的配分で、194事業、約168億円を計上しております。これによりまして、本市が目指すまちの姿であります「湧々都市くまもと」の実現に向け、総合計画に基づく長期的な視点に立ちました計画的かつ総合的なまちづくりを進めていくこととしております。
以上が、6つの重点項目の説明でございますが、これらを賄う財源として、市税や地方交付税、また、それぞれの歳出に見合う特定財源や市債を計上いたしますとともに、財政調整基金から積立分以外に35億5,000万円を取り崩して活用することといたしております。
なお、各会計における予算額についてでございますが、一般会計におきまして2,854億2,000万円、特別会計では1,965億4,662万円、企業会計では818億373万円、一般・特別・企業の各会計の総計は、5,637億7,035万円となっております。これを前年度当初予算と比較いたしますと、一般会計は3.5%の増、特別会計は0.9%の減、企業会計は0.3%の減、総計で1.4%の増となっております。なお、国の緊急経済対策への本市の対応についてでありますが、補助内示の状況などを踏まえ、今議会中に平成24年度補正予算案を追加で提案させていただきたいと考えております。
続きまして、条例議案でありますが、主なものとして、まず「熊本市食肉センター条例を廃止する条例の制定」と「熊本市食肉センターの廃止に伴う支援等に関する条例」についてご説明いたします。これは、本市のと蓄場でございます熊本市食肉センターを廃止するとともに、同センターを廃止するにあたりまして代替施設における牛・馬のと畜機能の確保及び職場が失われる解体作業員等への対応などのため、必要な支援を行うためのものでございます。
次に「熊本市下水道条例の一部改正」についてでありますが、これは、先般、下水道使用料の不正免脱事件が明らかになりましたが、今後の対応として、同様な事案が起こらないよう、井戸水等の届出制度の創設や調査権の付与等の措置を行うものでございます。
最後に「熊本市公共交通基本条例」の制定についてでありますが、これは、市、市民、事業者及び公共交通事業者の責務、公共交通の維持及び充実に関する施策の基本となる事項、その他の事項を定めることによりまして公共交通の維持及び充実を図るための施策を総合的かつ計画的に進めまして、もって公共交通により円滑に移動することが可能な地域社会の実現に寄与しますため、この条例を制定するものでございます。詳細につきましては、既に配布しております「平成25年度当初予算(案)のポイント」「平成25年当初予算(案)の概要」「平成24年度2月補正予算(案)の概要」「平成25年度第一回定例会提出議案一覧」をご参照いただきますようによろしくお願い申し上げます。