【市長発表:年頭にあたって】
|
明けましておめでとうございます。それでは、年頭の記者会見をはじめさせていただきます。本日は、年頭にあたりまして今年1年の抱負などにつきましてお話しさせていただきたいと思います。
さて、昨年でございますが、今後5年間を目標として策定いたしました市政改革プランの実行の初年度として、全庁的な取り組みを、年度当初から開始したところであります。すなわち「まちづくり戦略計画」におきましては、新しい熊本づくりの方向性を示しますとともに、施策の選択と集中として掲げました3つのターゲットに沿いまして、地下水の保全や子育ての支援、さらには賑わいの創出など、積極的に取り組んでまいった1年でございました。
また、「行財政改革」におきましては、管理職の削減を含みます定員の適正化をはじめといたしまして、アウトソーシングの推進、さらには新たな手法としてPFIや指定管理者制度の導入を行いますとともに、財政の健全化におきましては、赤信号といわれておりました公債費比率を、平成15年度末現在におきまして、黄色信号の20パーセントまで下げますなど、目標に向かって着実に成果を上げているのではないかと考えております。
今年も引き続き、気を引き締め、改革のスピードを遅らせることなく、市政改革プランの着実な実行に努めまして、様々な事業や手法に対しても、常に政策評価や検証などを加えながら、市民の皆様と一緒になって、新しい熊本づくりを進めていきたいと考えております。
私は就任以来、まちづくりの進め方として「市民協働」を基本に掲げまして、市政情報の積極的な公開はもとよりですが、「おでかけトーク」や「ゆめトーク」など、市民の皆様との直接対話を継続的に行い、市民の意見・提言をできる限り反映させた市政運営に努めてまいりました。
特に、地方は自らの知恵と工夫おいて、独自のまちづくりを行うことが求められております今こそ、市民の皆様方と議会、さらには行政とが、それぞれの役割と責任を担いながら一体となって、まちづくりを進めていくことが不可欠であります。そこでこのような思いから、一昨年からその共通のルールとなります条例の制定作業を進めてまいりましたが、いよいよ今年3月、第1回定例市議会におきまして「(仮称)熊本市自治基本条例」として上程を行うことといたしまして、現在その準備を進めているところであります。
自治体の憲法とも言われます非常に重要な条例でもありますので、素案策定の段階から市民の皆様にご協力をいただきましたが、さらに多くの市民の皆様にご意見をいただきたいと考えまして、パブリックコメントを通常より長い期間(2月10日まで)設定させていただいたところであります。また、この期間中には、出前講座や各種団体への説明会など様々な機会を捉えまして、市民の皆様に広く周知を行い、寄せられた意見をはじめ、市議会での議論を踏まえ、自治の最高規範としてふさわしい条例として、新年度から施行したいと考えております。
また、自治基本条例とともに、市民協働の新たな仕組みづくりといたしまして、地域の実情に応じた地域組織の連携・調整を図りますための「校区自治協議会」の設置も進めているところであります。
このように、「協働で築く自主自立のまちづくり」をはじめといたしまして、様々な分野での具体的な取り組みなど、すでに成果が上がっている事業がある一方で、これから、いよいよ、本格的に取り組みをはじめるものもあります。
特に、熊本駅周辺整備につきましては、新幹線全線開業の正式決定を受けまして、市民の皆様の関心が急速に高まります中で、九州の中心という地理的優位性を生かしながら、67万都市にふさわしい陸の玄関口となるよう早急に整備を進めていくことが強く求められております。
また、昨年発表いたしました東A地区における図書館を核といたしました施設、「(仮称)熊本市図書・情報センター」の具体像や、熊本駅東口広場一帯並びに新熊本合同庁舎建設等に伴うまちなみのあるべき姿などにつきましても、国・県などの関係機関や地元住民の皆様方と協議を重ね、できるだけ早い時期に全体像を示していきたいと考えております。
そのほか、新幹線全線開業効果を最大限に生かすための、市全体のまちづくりも喫緊の課題となっていると認識をしております。昨年6月の国の「地域再生計画」の認定に基づきます「熊本駅周辺」「熊本城と中心市街地」さらには、「水前寺・江津湖」、この3つのゾーンについての重点的整備や、観光振興の起爆剤となる熊本城築城四百年への対応などであります。
現在、今回の復元計画の最後となります本丸御殿の復元整備でありますが、順調に進みまして、平成19年度に復元整備が全て完了いたしますと、名実共に日本一の「お城」と言っても過言ではないと自負しております。熊本城は本市のシンボルでありますとともに、代表的な観光資源でもありますところから、創建当時の偉容をよみがえらせた熊本城の魅力とともに、歴史風土に育まれた文化など、本市の魅力を全国に発信していくために、その実行体制の立ち上げなど、今年はソフト面からも具体的な取り組みに着手してまいりたいと考えております。
このほか、都市圏交通網の再編、また、政令指定都市への移行、平成18年度開催の世界女性スポーツ会議、山積する様々な重要課題に対しましても、自ら先頭に立って取り組んでまいりたいと決意を新たにしているところであります。
また昨年は、例年になく自然災害が続発をいたしまして、改めて災害に対する日ごろの取り組みの必要性を痛感したところであります。市民の生命財産を守ることが行政の原点であるという認識に立ち返り、日々の防災体制及び危機管理の徹底をさらに図ってまいりたいと考えているところでもあります。
そこで新年早々、今月15日からの「防災とボランティア週間」に併せまして、「大規模災害に伴う災害対処訓練」といたしまして、大地震を想定した職員の参集訓練や災害対策本部設置運用訓練などを実施する予定であります。詳細につきましては、後日皆様にお伝えをしたいと考えております。
また、昨年は、本市の貴重な財産でもあります地下水を守る取り組みといたしまして、本市と大津町、菊陽町との間におきまして、全国で初めてともなります「水田湛水推進協定書」の調印を行ったところでありますが、今年も、早々に、森林による水源かん養の取り組みといたしまして、大津町、高森町と「水源かん養林」森林整備協定を締結する予定といたしております。現在、県をはじめ関係自治体と協議を進めているところでありますので、この件につきましても、詳細につきましては、後日お伝えをしたいと考えております。
以上、新年にあたりまして、今年の抱負なりを述べさせていただきましたが、今月から来月に向け平成17年度当初予算の編成に向け本格的作業に入ることになります。編成方針につきましては、すでに10月の定例記者会見において発表させていただいておりますが、「まちづくり戦略計画」並びに「行財政改革推進計画」の目標達成に向けた重点的な配分を行うこととしております。
「志ある者は事竟(ことつい)に成る」という言葉があります。「何事もやり遂げようという志さえしっかりしていれば、必ず成功するものだ」という光武帝の諺がありますが、私も初登庁時の志を忘れることなく、本市の魅力と特性を最大限に活かして、夢と誇りを持てるような新しい熊本づくりに、今年も引き続き、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
報道機関の皆様方も、今年も、市政発展のためにいろいろとご協力いただきますようよろしくお願い申し上げます。
それでは、質問をお受けいたします。